IS~織斑三兄弟の物語~   作:ピーナ

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新しく書き出した作品は何でこんなに内容が考え付くんでしょう?


第一話 中学三年 はじめてのいんふぃにっと・すとらとす

新しい学年が始まってしばらくしたとある休日、俺と千冬は束に呼び出され、篠ノ之神社の裏山に向かっていいた。

篠ノ之神社っていうのは束と箒の実家が管理している神社。戦国時代位には有ったらしいからちゃんと由緒正しい神社だ。

神社の中に武道場とかあるけど。

それには理由がある。

元々は何処にでもある神社だったらしい。この辺を治めていた領主が戦勝祈願に訪れ、その後の戦で大勝し、祈願しなかった戦で敗れた事から、この神社を手厚く保護するようになった。

そこまでは結構真面目な話だが、その領主に使えていた一人の武士が神社の一人娘に一目惚れし、自らの知行を捨ててまでその娘と結ばれるという、なんともまあロマンチックな話が付いてくる。

その武士が神社の敷地の一角を借りて武術を近隣の民に教えだしたのだが、ある時、教え子たちが許可を取りお礼として自分たちで道場を作った。道場自体は時代を重ねて何回か建て直されているけど、昔の場所に今も残っている。

その武士が教えていた武術が、彼の名前を取って『篠ノ之流』となり、何時しか神社も『篠ノ之神社』と呼ばれるようになった。

何で俺が詳しいかというと、小学校の時の自由課題で『地域の歴史を調べる』という物があって、そこで俺が選んだのが篠ノ之神社だった、ってだけだ。

 

「しかし、束は何の用なんだろうな?」

「着くまでの内緒らしいぞ」

 

神社に居る束の母親の月子さんに一夏を預けてから、俺達は裏山に向かった。

 

「私も知らないです」

「…ていうか、何で僕まで」

「それは、私もなんですけど…」

 

一緒に居るのは、千冬、真耶、実。

千冬と真耶はともかく、実は何で呼ばれたのか分かっていないらしい。俺にも分からん。

束は能力的には凄いのだが、同時に欠点も多い。一番きついのは、極度の人見知り。他人にあまり興味を持たないと言い換えていいと思う。

ぎりぎり、一緒のクラスになった人とあいさつを交わせるようになった。人見知りさえなくなればアイツほどフレンドリーな奴も居ないんだけど。

今、学校の中でアイツとがっつり話すのは幼馴染の俺と千冬、真耶の三人。普通に話せるのは再びクラス委員になった実と、もう一人のクラス委員の篝火ヒカルノさんくらいなもんだ。

実と話すきっかけは俺と話していたから。篝火さんは束の書いた俺には理解不能な論文について興味が有ったらしく聞きに行った事からだったと思う。

俺から見た束の話しかけやすさを不等号で表してみると、

千冬>真耶≧俺>篝火さん>実>>>クラスメイト>>>超えられない壁>>>その他

って感じ。ちなみに箒と月子さん、それに一夏は千冬とイコール、柳韻先生は真耶あたりだな。柳韻先生厳しいから。

それは置いておいて今日はその全員が束に呼び出される。

俺や千冬にとってはそんな事ガキの頃から日常茶飯事だったし、真耶もこの一年で束に振り回されて大分耐性が付いた。まあ、成長なのかは分からないが…。

ただ、実や篝火さんはそうではないので若干混乱している。

 

「ふっふっふ、待っていたよ皆の衆」

 

裏山の少し開けたスペースで束は腕組みして待っていた。セリフは何処の悪役だよと思わずツッコみたくなるけど、俺は無視する。

 

「束、お前は何処の悪役だ」

 

流石は我が片割れ、同じことを思っていたらしい。

 

「いやー、それっぽい事を言おうと思ってねー」

「束さん、その白衣はどうしたんですか?」

 

真耶が、私服について聞く。

束はその大人っぽい見た目に反し、ファッションは基本、子供っぽい物を好む。今日のだって、白と青のワンピースだし。いつも付けてるうさみみのカチューシャと相まってさながら「一人不思議の国のアリス」状態だ。

以前、「アリスか!」ってツッコんだら「熊田ちゃんだよー」と訳の分からない返答が返って来た。曰く、「キュートでセクシーな小悪魔ベイビー」だそうだ。よく分からん。

 

「これ? それっぽい演出。おかーさんがカーテンを買い替えるって言うから、丁度白かったし、作って貰った」

 

リサイクルかよ!

 

「まあ、色々気になる事は置いておいて、なんで俺らを呼んだ?」

「せっかちだねー、そういう男の子は嫌われるよー、かずくん」

「…帰るわ」

「嘘嘘! 話すからー」

 

束の扱いは大分と慣れた物だ。経験っていうのは凄いものだ。

 

「んー、でもどこから話したものか…。まずはこれを見てもらおうかな。ぽちっとな」

 

いつの間にか持っていたスイッチを押すと、地面が動き、一つの穴が出来た。

 

「…っていうか、お前は何を作ってるんだ!」

「いやいや、元あった物を使っただけだよ。一人の時間が多かったころに、偶然見つけてね。多分、ひいおじーちゃん辺りの時代に防空壕として掘った物じゃないかな? それを私が改造して再利用してるの」

「問題は…無いのか。お前の家の敷地だから」

「そうだよー。時間がある時はここで、いろんなものを発明してるんだー。今日ここに集まってもらったのは私が作った世紀の大発明を皆に見せようと思ってね」

 

俺達は普通に束と話しているけど、事態が急すぎて、口を開けたままの真耶、実、篝火さん。

完全に経験の差だな。まあ、あんまり嬉しい事でもないけどな。

 

「…束」

「何、ちーちゃん?」

「また、私達を実験台にするつもりか?」

 

俺と千冬は束の発明品の実験台にされてきた。確かに便利なものもあったんだけど、束の特性なのか、作った物の性能が極端すぎるのだ。とてつもなく扱いにくい。

一例にウチの掃除機が壊れてそれを束が改造し「よくすいこーむ」と名付けたものになった時だ。確かに名前通りめっちゃ凄い吸引力だった。「吸う」というより「飲む」って感じ。ダ○ソンもビックリなレベル。

しかし、吸い込む力が強すぎてウチのカーペットが飲み込まれた。

ちなみに「よくすいこーむ」はその後デチューンされ「よくすいこーむ・セカンド」となって未だに抜群の性能を活かして活躍中である。吸引力の落ちない掃除機は一つじゃなかった。

俺達二人の中では『束印=超ピーキーなもの』という公式が成り立っている。

 

「何時かはいうかもだけど、今日はそんな事言わないよ。見せてちーちゃんとかずくんに合わせるだけだから」

「…なら良い」

 

束の発明の被害にあっている俺達だけど、それをもう辞めたいと思った事は無い。

多分、辞めると言ってもこの関係は壊れないとは思うし、別にそれを気にしてではない。

俺も千冬も好奇心で目を輝かせて楽しそうにしている束が大好きで、その為だけにやっている。

千冬曰く「束のあの表情は反則だ。私はもうやらないと思っていてもあの表情を見たら、その決意を忘れてしまうんだ」らしい。

黙っていても美少女(黙っていて美少女か?)な束が一番魅力的な表情がそこだと俺自身は思う。まあ、束はかなり表情がころころ変わるからどの表情にもそれぞれの魅力があるんだけど。

 

「さて、じゃあお披露目しようかな」

 

束はかっこを付けて指をはじくが、カスッって音だけでちゃんとならなかった。

その姿を見て思わず吹き出す俺達五人。

 

「もー、皆酷いよ! …それじゃ、気を取り直して」

 

次は手を叩く。すると、開けた入口から何かがせり上がってくる。

そこにあったのは白い鎧と黒い鎧。まあ鎧というにはパーツが足りないか。両手足の部分しかないし。

そして、ドヤ顔の束。さて、いつも通りに行きますか。

 

「んで、これは何?」

「よくぞ聞いてくれました! これは私の夢への翼! 人類の宇宙進出の為のマルチフォームスーツ、その名は…」

「「「「「その名は?」」」」」

「インフィニット・ストラトス! 略してIS! さて、どんどん質問を聞くよー」

 

この束、ノリノリである。

 

「はい、篠ノ之さん!」

「ほいきた、ヒカルン! どんと来い!」

「両手足にしかパーツが無いですけど、どうやって操縦者を宇宙空間で保護するんですか?」

「そこを突くとはさすがだねー。確かに宇宙空間をこんなので出たら死んじゃうよ。でも、ISには操縦者保護っていうのがあって、ISのエネルギーが持つ間、人体に影響が無いように出来るんだ」

「それは…見えない宇宙服で包まれていると考えれば良いのか?」

「そうだね、それでいいと思うよ、みのるん。ちなみにこの保護、実体攻撃にも有効で、ミサイルの攻撃とかにも耐えれるよ。その分、エネルギーを使っちゃうけどね」

 

…なんかすごい事聞いたけど、スルーしよう。

 

「束さん、どうしてスーツの形なんですか?」

「今の所、大気圏を突破出来ないんだ。だから、最初は宇宙に送る手段は今と同じロケットを使わないといけないから、スーツ型にしたんだよ」

「…それで、私と一冬は何をするんだ?」

「うーん、その前に起動実験をしたいから、ちょっとこれを持ってくれない?」

 

束は懐から、小さな機械を取り出した。

 

「何だそれ?」

「IS関係の発明第一号、その名も『あいえすのれるかわかーるくん』だよ。ISの適性を調べる機械だよ。多分誰でも乗れるとは思うけど、色々テストしたいから少しでも適性の高い人を選びたいと思ってね。ほい、じゃあ、ちーちゃんから」

 

千冬は言われたとおりそれを持つ。ピピっとまるで体温計が計り終わた時の様な電子音が聞こえて調べ終わる。

 

「おおー、流石はちーちゃん。まさかSを叩きだすとは流石だね。束さんビックリだ」

「それは凄いのか?」

「凄いよー、Sは最高値だよ。私でもAだったのに。んじゃ、どんどん行くよー」

 

テキパキ進めて行く束。真耶、篝火さんと進めて行く。ちなみに真耶がA、篝火さんがCだった。

実が持った時、異変が起こった。

 

「…ん? 動かないよ、篠ノ之さん」

「えっ? ちょ、ちょっと見せて! ……ホントだ。どうして」

 

そして、その場で考え込む。少し考えた後、

 

「ちょっと待ってて!」

 

そう言って家の有る方に走っていった。

しばらくした後、束は帰って来たのだが、その足取りは重い。

 

「…どうしたんだ、束?」

 

そう聞くのは千冬。

 

「おとーさんにも持ってもらったけど、うんともすんとも言わなかった。あくまで仮説だけど、ISは男の人には動かせないかもしれない。…一応、かずくんも持って。確かめたいから」

「…分かった」

 

束から手渡されたのを持つ。それは…何事も無かったかのように今までと同じように動き出す。

 

「…どういう事だ? 男性に動かせないかもしれないのではないのか?」

「そうだね…データが少ないから何とも言えないけど、多分、かずくんが特別なんだよ。突然変異とでもいうべきなのかな」

「酷い言いようだな、オイ」

 

流石にそこまで言われるとへこむぞ。

 

「はは、ゴメン。これも、調査しないとね。みのるん」

「なんだい? 篠ノ之さん」

「みのるんのおうちって結構な名家なんだよね」

「ウチというよりウチが代々仕えてる家がだけどね。それが?」

「予備機を渡すから出来るだけ、多くの人に持たせて欲しいんだ。お願いできるかな?」

「良いよ、それくらいなら。僕もこれに興味が出てきたから、協力できることはしたいんだ」

「ありがとう、みのるん。それじゃ、これ」

 

束は実に予備機を手渡した。

その日はこの後、束が俺と千冬のデータを集めて終わった。

束曰く「宇宙へ行くのはもっともっと先の事だけど、その内空は飛べるようになるよ。楽しみにしててね」との事だ。

空を飛ぶ…ね。どういう感覚なのだろうか? もし俺が鳥と話せるのならぜひ聞いてみたいものだ。…いや、鳥にとっては当たり前だから何とも無さそうだな。

まあ、何はともあれ、今からその日が来ることが楽しみだ。

 




この作品の束には「発明家」という物が付いています。
これで「天災発明家」の出来上がりです。どんな無茶を書いても「まあ、天災発明家の発明だから仕方ない」と言い訳が出来るわけですね、分かります。
まあ、日常のネタには使えるかな? 程度にしか今は考えていませんけど。

話は変わりますが最近ISといろんなロボットアニメのクロスオーバーを考えています。考えるだけですけどね。
現在IS×ギアスを書いていますが、いくつか案を思いついたら活動報告にでも書こうかな?
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