IS~織斑三兄弟の物語~   作:ピーナ

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第三話 総勢何人…?

俺と千冬と自衛隊の隊員の皆さんで日本に飛来した、2341発のミサイルはすべて落とされ、日本は危機から脱した。

どうやら、あれはテレビで放送されていたらしく、戻ってきたら真耶が来ていて、泣きながら抱き着いて来た。

顔はばれない様に束が簡単に細工をしてくれたけど、物自体を知ってる真耶からしたら一発だったんだろう。

…とりあえず、目で千冬に助けを求めるが流される。束にもしたが、大きく紙に「仕方ないよー。私も自分の作った物に自信が有ったけど、それでも心配だったもん。何も知らなかったまやまやが泣く気持ちも分かるし」と書かれていた。

んで、最後に実に助けを求めたら、実は束に紙を借りて、「そのまま、壊れる位強く抱きしめてやれ」と書いた。

アホか! いくら先輩として慕われているとしても、そんな事できるか! そんな事した瞬間、嫌われて明日からは「変態先輩」って呼ばれるわ! 俺は女子にけなされるのを好んだりしないから、絶対に御免だ。

なので、結局俺は真耶が泣き止むまでそのままでいた。

 

その後、紆余曲折を経て、俺は今、実の家…というより、実の実家が使えている更識という古くからの名家のお屋敷に住まわせてもらっている。もちろん、千冬と一夏も一緒だ。それに、束、箒を始めとした篠ノ之家の人々も。

理由は「白騎士・黒武者事件」の後、世界中から注目を集めるようになった束と、正体をばらした、『世界最初のIS操縦者』である俺と千冬の護衛の為だった。

俺達は一夏の事を考えると、そうするべきだと思い、すぐに話を受け入れた。

予想外だったのは、柳韻先生が意外とあっさりそれを受け入れた事だった。なんでも、更識と篠ノ之は昔からのつながりが有ったとかなんとか。まあ、両方とも地元で長く続く家柄だから、有りうるか。それでもって、柳韻先生と更識家の当主、楯無さんは学生時代は腕を競い合うライバルだったのだとか。実際、立ち会ってみたら、凄い強かった。10本に1本取るのが精一杯だ。

弟子である実曰く「いや、楯無さんから一本取ったのを見たのは父さん以来だから、十分凄いよ」らしいが、悔しい事に変わりない。まだまだ、俺は井の中の蛙だったらしい。

そうそう、ここ最近で一番驚いたことは、総理大臣直々に感謝の言葉を言いに来た事。

俺としては、俺のエゴで亡くなった人もいるだろうから、そんなこと受け取れないと断ろうとしたのだが、総理は「もし、君達が動いていなかったら私も、その他大勢の人も亡くなっていた。その被害を食い止めたのはほかならぬ君達だ。だからこそ、私は国民の代表としてお礼を言いたい」と言ってくれた。

その言葉で少しだけ、気持ちが楽になった。

謝礼も用意されてたけど、俺達はそれを断った。これは俺達の総意だ。遺族の保障に使って欲しいとお願いすると「君達みたいな子供がいるのなら、日本は安泰ですね」と言われた。いや、流石に言い過ぎだと思いますよ?

 

さて、そんな感じに結構変化した俺の日常を紹介しよう。

 

 

AM五時、俺は大体この時間に起きる。

そこから、素振りなどの朝のトレーニングが日課になってる。

今は柳韻先生や楯無さん、真一さんなどの目標がたくさんできたから、そこに向かって努力している。

1時間ほどしてから、俺は台所に向かう。そこで、月子さんと実の母親である布仏真美さん、楯無さんの奥さんの更識櫛乃さんと一緒に朝食を作る。

流石に何年も主婦をしてきた三人の料理の腕前は当然、俺よりも圧倒的に上だ。

あ、でも三人に初めて料理を手伝った時に「その年齢でそれだけできていれば十分よ」と言われたのは結構嬉しかった。なんていうか…お袋と一緒に台所に立っていた時を思い出す。

それと同時に俺達子ども組の弁当も作る。結構な量を朝から作るから、割と重労働だ。

ちなみに俺が手伝っているのは朝食だけだ。最初は昼は学校行ってるから仕方ないにしても、夕飯も手伝うつもりだった。でも、三つの家の母親に「「「子供は遊んできなさい!」」」と言われてしまった。

それはそれとして、朝飯を作って、食べて、俺達子供は学校に行く。俺と千冬、束と実は中学に、実の妹の虚が小学校に、一夏と箒、実のもう一人の妹の本音、それにお世話になってる更識家の二人の娘さんの刀奈と簪は母親たちに連れられ幼稚園に向かう。

 

さて、学校では新学期始まってすぐは騒がしかったが、先生方が抑えてくれたので今は大分、落ち着いてきている。…俺は本当、環境に恵まれてるな。

だから、今までと同じ様な学校生活を送っている。

後、最近はよく真耶とお昼を食べるようになった。料理の腕が上がってきた成果を見て欲しいらしい。

真耶は、自分では「そうでもない」と謙遜するが、真耶の料理の腕は大したものだ。それだけじゃない。勉強も運動も出来る、正に才色兼備の美少女なのだ。まあ、たまにドジもあるけど。

本当、良い後輩を持って、俺は嬉しい。

あ、後何故か、真耶と昼を食べる時は千冬と束と実が席を外す。何でだ? 飯は大人数で食べた方が楽しいのに。

 

んで、昼から今日は進路相談の日だった。

俺は今、俺達の担任である大塚英一先生と空き部屋で一対一の話をしている。

 

「といっても、お前の進路はもう決まってるしなあ…」

「そうっすねー」

 

俺の進路はもう決まっている。日本が金を出し、この街から二駅行ったところの海の上に作った人工島に建てられる新しい学校、IS学園。世界最初のIS操縦者であり、現在、唯一の男性操縦者である俺はそこに進むことが決まっている。千冬と束も同様だ。

束はそこで使う教科書の監修を最近しているらしく、よく授業中に寝ている。

 

世界はISによって変化した。女性の立場が優遇されるようになったのだ。俺というレアケースを除けば原則ISは女性にしか動かせない。束の試算ではISを動かせる男性は10億に1人以下、厳密な数字は分からないらしい。

国によっては強烈な女尊男卑の法律をすでに作った所もあるらしい。

しかし、日本はほとんど、いや全く変わっていない。それは総理大臣が「たしかにISは女性しか動かせません。しかし、ISを学び、作り、整備する事は男性にも出来ます。人の歴史は女性と男性、両方の車輪が無ければ進まなかったでしょう。そして、それはこれからも変わる事はありません。私は、日本国の総理としてこの国をどちらが優れているかというくだらない思想で溢れさせない! よって、女性優先の法律を作る気はございません!」と所信表明の演説で言ったからだった。

そして、それを束がすぐさま、同調した事で日本は変わる事を避けられた。

文句を言っているのは一部の女性権利団体位だ。どうせ、そいつらは自分たちの権益の拡大だけを考えてるバカなのだろう。

 

「…日本は女尊男卑が全く無いが、IS学園に留学してくるであろう生徒の中にはそう言う考えを持った奴も居るから気を付けろよ」

「分かってます。…しかし、くだらないですよねー」

「そうだな。篠ノ之が『女性の進める道が増えただけですよー』と言っていたしな」

「はは、束らしいっすね」

「所で織斑」

 

割と真剣な目で俺に話しかけてくる先生。

 

「なんすっか、先生?」

「お前、高校出てどうするか考えてあるか?」

「一応、夢はあったんですけど、少し変わりました」

「面白そうだな。『世界唯一の男性IS操縦士』の夢か、聞かせて貰おう」

「別に面白くないですよ? …ホントは俺、教師を目指すつもりだったんです」

「何故?」

「俺は運の良い事に、大塚先生を始め、本当にたくさんの良い先生方に恵まれました。だから、俺もそんな大人になりたいと思ってたんです。でも、IS乗りとしての事が多分付いてくると思うんで、少し変えたんです。今の夢はIS学園の教師を目指します」

「…そうか。何か面と向かって『良い先生』とか言われると恥ずかしいな!」

「それは俺も同じですよ!」

「まっ、頑張れよ若人」

「はい!」

 

俺は進路相談という名の雑談を終えた。

 

「あっ、良い女性がいたら、紹介してくれ」

「…分かりました」

 

大塚英一、26歳 大学卒業のちょっと前から彼女が居ない。出会いが無さすぎてついに教え子にまで出会いを求めてしまった。

 

 

さて、放課後は勉強したり、稽古したり、子供達の相手をしたり日によって違う。

勉強や稽古はまあ、今までやって来た事だから特に変わらない。意外と結構、子供たちの世話は楽しい。

つーか、一夏の奴、ハーレム作ってやがるし。まあ、まだ異性とかを意識し出すような年頃でもないけどな。見た感じ、箒以外は皆友達って感じでっ見てるし、その箒も、他の女の子に一夏が囲まれていても、普通にその輪の中に入っていくし。

 

「子供たちは元気だなー」

「…何、おっさん臭い事を言っているんだ」

 

俺に話しかける声が聞こえたので振り向く。そこには千冬が居た。

 

「おっさんとか酷いな。それに同い年だから、俺がおっさんなら―」

「そこまでだ」

 

殺気を込めて拳を構える千冬。…マジ怖ええ。

 

「冗談だよ。落ち着けって」

「…ふう。それで、なんで黄昏ていたんだ?」

「今日進路相談だったろ? それで、将来の夢の話になったんだよ。それを思い出したら、俺が一夏たち位の頃って何考えてたのかな? って思ってな。多分、元気に何も考えず走り回ってたなって言う結論になったけど」

「まあ、その頃から私達の関係は変わっていないがな」

「はは、確かに」

 

人数は増えたけど、いつも中心に束が居て、俺達が引っ張られている。昔から変わらない形だ。

 

「そういえば、一冬の夢ってなんだ?」

「…笑うなよ」

「出来る限りの事はする」

「…学校の先生」

「……………」

「なんか言えよ!」

「いや、考えてみたが結構似合いそうだぞ。面倒見が良いし、教えるのも上手いし」

「お、おう、そうか…」

 

正面から言われたので割と恥ずかしい。

 

「まあ、普通の学校は難しいだろうからIS学園の教師を目指す事になるけどな」

「そうなるな」

「…さて、そろそろ良い時間だな。皆、帰るぞ」

 

子供達が「はーい」と返事をして、集まってくる。

…進路に保育士も考えようかな?

こんな感じの俺の新しい日常。




次の話は主人公が出ますん!

まあ、予定なんでどっちか分からないという事です。
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