マキシマムを的に魔法を放つが上手くいかなかった。そりゃ、いきなり新しい魔法を産み出すとか無茶すぎる。
単純な話、新しい魔法を産み出すとしたら、一つの魔法を極める、これは父上のメラゾーマであるカイザーフェニックスが良い例だ。または変則的な使い方をする、これはヒムのヒートナックルやシグマのライトニングバスターが筆頭となる。さらに言うならば、複数放つならフィンガーフレアボムズだ。
あと思い付くのは、融合呪文のメドローアだ。あれはメラとヒャドを極限まで高め、さらにそれを同じ分量に配分させてスパークさせた後に魔法の矢として放つ呪文。実は出来るかもと試しにやってみたが、無理だった。何故ならば、片手ずつで別の魔法を同時に使う事が難しかったからだ。
右手でメラを使いながら左手でヒャドを展開したら、右手のメラは普通に出たのだが、左手のヒャドは氷が一粒だけ出て終わった。
この様に両手を使いそれぞれ別の魔法を同時に使おうとするとバランスが極端に悪くなる。
今回のを例えるなら、100の分量でそれぞれ魔法を使おうとするとメラが95でヒャドが5となったのだ。
これが攻撃魔法と回復魔法だと、さらにややこしい話になってくる。此方もギラとホイミで試したが、そもそもホイミが発動しなかった。なんと言うか……感覚的な話になるが右手と左手で同時に別々の絵を描こうとした感じだ。それを考えると、マトリフさん超スゴい。
「うーむ……どうすっかな」
ハドラーがアバンを倒しに行く前に一つくらい呪文を編み出したいが……因みにそのアバンだが、未だに見つかっていない。ハドラーは、だいぶイライラしていた。
「ガハハッ!今日も頑張りましょうぞイーリス様!」
テンションが高いマキシマムにもちょっとイラッと来た。コイツ的には、父上から俺を任されたって事で誇らしい気分になっているのだろうが、俺からしてみれば放った魔法が棒立ちで効かない様を見せられるのは屈辱だったりする。こっちは悩んでるってのに。
「メラゾーマ!」
「フハハハハーッ!効かぬ、効かぬーっ!」
俺のメラゾーマはマキシマムのボディに意味をなさず、ただ通り過ぎるだけだった。だったら、連続で放ってやる。
「メラ、ギラ、ヒャド、バギ、イオッ!」
「おっと、質より量ですかな?ですが、無駄無駄無駄ぁーっ!」
俺の魔法連打に笑うマキシマム。イギリス産の吸血鬼かテメーは。俺はりゅうおうの杖を使わないまま両片手で呪文のランクを下げて次々に放ち続ける。右手でメラを放ち終えてから左手でギラを放つ。それらを呪文を変えながら次々に放つ。同時に呪文を展開するのではなく、順番にテンポ良く放つやり方だ。しかし、この戦法は呪文のランクを下げなければならないので威力は二の次だ。
「そろそろ我輩も攻撃しますぞーっ!」
「メラ……このバギッ!」
ハッキリ言えば偶然だった。右手でメラを放った直後にマキシマムが俺に攻撃してこようとして焦った俺は左手でバギを放とうとして、りゅうおうの杖に少しだけ手が触れた。すると、バギマ並みの威力になったバギが前方のメラを取り込み、炎の渦となったのだ。
「………えっ!?」
「な、これは……ぬおおおっ!?」
ぶっちゃけ驚いた。時間差で放った魔法が合体し、一つの魔法になったのだから。油断していたマキシマムは、その魔法の直撃を食らって炎の渦に飲み込まれた。しかし、元のメラの威力が低かったから炎の渦も直ぐに消えた。
「な、なんとも驚かされましたな……まさかメラとバギを時間差で融合させるとは……」
オリハルコンボディでダメージは無かったものの、焦ったマキシマムは汗を拭う仕草をしていた。いや、オメーは汗がそもそも出ないだろ。いやまあ……それはさておき……
「少し……兆しは見えたかもな」
時間差で魔法を放って融合させる、このやり方なら様々な魔法を試せるかも知れない。
先程のメラとバギの合体も右手でメラゾーマを放って左手で、りゅうおうの杖を持ちながらバギマを放てば先程の呪文よりも威力も範囲も広がる筈。
「さて……いろいろと試させて貰おうか」
「イ、イーリス様?悪い笑みを浮かべておるようですが……ぬおおおっ!?」
俺は、早速合体呪文を試す事にした。俺の笑みにマキシマムが一歩退いたが、オリハルコンボディならダメージは無いだろう。
この後、めちゃくちゃ合体呪文を試した。