今更ながらキルバーンが灰にしたドラゴンキラー勿体なかったなぁ……普通に高価で実例のある武器なだけに残念だ。もしも、ドラゴンキラーを装備したキラーマシンとか作ったらどうなるんだろう……なんて思っちゃったし。帰ったらキルバーンに少し文句を言ってやろう。
「どうした、イーリス」
「いや、ドラゴンキラーが勿体なかったなぁ……ってね。資源は無駄にしちゃ駄目だよね」
「へっ……ドラゴンキラー以上の武器を持ってる奴が言う事かね」
原作通りならダイは占い師の婆さんとメルルに導かれてテラン王国に辿り着いた辺りだ。俺とバランさんとバズズはその後を追ってテラン王国に到着していた。因みに今回、ゲレゲレは鬼岩城にお留守番である。
「随分と落ち着いた雰囲気になったなフレイザード……いや、今はバズズだったな」
「おうよ、あの頃の俺は功を焦っていたからな。今はお嬢を守るのが俺の使命よ」
フレイザード時代を知ってるバランさんはバズズに生まれ変わってからのフレイザードに驚いていた。まあ、あの頃の焦った様子が無くなればそりゃそうか。良くも悪くもフレイザードは生まれたての赤ん坊みたいなもんだったんだし。
バランさんの言葉に怒る事もなく、俺の頭に手を乗せてポンポンと叩くバズズ。
「そうか……む、此処だな」
「テラン王国か……なんか寂しいな」
「寂れた王国なんざ、攻める価値すらねーんだろ。魔王軍の侵略する国のリストにすら載ってなかったぜ」
テラン王国の湖に到着。自然豊かと言えば聞こえが良いが廃れた結果とも言える。バズズの言う通り、攻める価値が無かったからこそ国が無事だとは皮肉なもんだ。
「もうダイ達は来てるみたいだな。ほら、彼処に魔法使い君とかお姫様も居るみたいだぞ」
「ああ、俺が氷漬けにした姫さんと……俺と戦ったクソ魔法使いのガキが……」
反対岸に見える村と人影達。あれはポップとレオナ姫かな……遠くて良く見えないが間違いないだろう。
「だが勇者の姿が見えないな。恐らく湖の底にある竜の神殿に既に行ったのだろう。ならばやはり勇者ダイは竜の騎士である可能性が高いな。私も竜の神殿に行ってくる……イーリス。キミも一緒にだ」
「え、俺も?」
バランさんとダイの親子再会の後から俺とバズズの出番だと思ってたのに俺も竜の神殿に同伴するの!?
「キミが私の血で生み出された存在なら竜の騎士として認識される可能性がある。竜の紋章も発現した様だしな」
「……じゃあ、俺も一緒に行くよ。バズズ、俺とバランさんはちょっと行ってくるから待っててくれよ?間違ってもアイツ等を強襲するなよ」
「わかってるっての。バラン、お嬢を傷付けさせんなよ」
バランさんから手を差し出される。そう言われれば俺も竜の紋章が出たんだから竜の神殿に入れるんだろう。親子再会に水を差したくも無いけどバランさんの眼差しに俺は折れた。念の為にバズズに指摘しておくと逆にバズズはバランさんに俺の保護を頼んでいる。
「任せておけ、バズズ。私が言うのもなんだが、キミの周囲には過保護な者が多いな」
「我ながらそう思うよ」
バズズに返答した後に苦笑いを浮かべながら俺の手を引いて湖に入水するバランさん。俺はバランさんに手を引かれながら湖に入り、そのまま湖の底の竜の神殿に向かった。
俺は本当に竜の神殿に入れるかな?と少し不安だったけど竜の神殿に無事に入る事が出来た。
「………」
「話には聞いていたが……本当に額以外の場所に竜の紋章が発現するとはな……今はその事を言い合うべきでは無いな。先を急ごう」
神殿に入ってからバランさんの額に紋章が浮かび上がった。それと同時に俺の胸に竜の紋章が浮かび上がっていた。服の下からでも光っているのが分かるくらいに光っている。バランさんも俺の額と胸の辺りを見比べて驚いていた。キルバーンと違ってガン見する事はなく、少し見比べてから咳払いをしてから先に進む事を促される。
紳士なのだとは思うが、他に対処のしようもないから先送りにしたとも言えるが。
そして神殿の奥の間に辿り着いた。扉を開けようとしたが重く中々開きそうに無かったのだが、我が子に早く会いたかったのかバランさんが力づくで開けようとしていた。ピシッと扉にヒビが入り、遂に重たく結界に封じられた扉が、こじ開けられた。
『バ、バカな……この神殿には結界が……それに中には二重の結界も……』
「お、お前達は……」
中には動揺している声とダイが居た。動揺してる声は多分、竜水晶の声なんだろうな。お騒がせしてスミマセン。
さて、これから俺は色々と暗躍しなきゃだから忙しくなるぞ。