ソードアート・オンライン《黒の剣士と白い悪魔》   作:海苔塩イモ

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……やっちまったぜ。
暖かい目で見てあげてください。
そうドラ◯もんのように。


プロローグ

“とあるゲーム”に1万人もの人間が囚われの身となり、超高難易度かつゲーム内での死が、現実に反映された正しく真のデスゲームとかしたゲームの名前は、

 

 

 

 

Sword(ソード) Art (アート) Online(オンライン)

 

 

 

 

そして、そのゲームに囚われた者の内である1人の少年———■■■■は、そんな死と隣り合わせのデスゲームの中で、人の皮を被った殺戮者たちによって、

 

 

ある時、愛する人と戦友を同時に失った。

 

大切な者を失った彼は、復讐の鬼と化し、

 

自らの怨敵である“笑う棺桶”達と同じように自らの剣を血に染めてしまう。

 

やがて、彼は自らが激情に駆られて人を殺めたという重い十字架によって心に深い傷を負ったが、彼に寄り添う仲間達の助力により彼は回復し、戦場へと舞い戻る。

 

だが、回復した彼の目の前で、デスゲームを創り出した者との最終決戦によって、彼の仲間であり親友————キリトとアスナの命は消えた。

 

又しても、大切な者を失った絶望と悲しみによって深すぎる傷を胸に、彼は自分の意思など、お構いなく彼の家族が待つ現実へと返される。

 

 

 

 

 

 

 

大切な者を失ってしまったことへの絶望、

 

激情によって奪ってしまったことへの絶望、

 

相反する2つの絶望を胸に、

 

彼は、殺伐とした世界でまるで死を求めるかのように、

 

戦場を今日も駆け抜けていく。

 

■■■■という名を捨て、

 

自らの存在を否定する者————Nobady(ノーバディ)として。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

2025年8月11日

 

倒壊したビルの瓦礫を避け、自身の獲物であるベレッタM92FSに装填された9mm×19パラベラム弾を、向かってくる最後の敵に撃ち放つ。しかし、その弾は、全て敵の予想であったのか、1発も掠ることはなかった。そして、無数の銃弾を放ってきたバイザーによく似た特徴的なゴーグルをした黒髪の少年————Nobady(ノーバディ)に向けて、短く切りそろえた飾り気のない色素の薄い金髪に碧眼に加えて、飾り気のないロービジで機能性重視な現代風戦闘服に身を包んだ男は、S&W M39に装填された9x19mmパラベラム弾を回避行動を取ろうとしているノーバディへと8発総て撃ち込む。すると、金髪の男から放たれた弾丸は、ノーバディの肩、足にそれぞれ2発ずつ命中する。弾丸が命中したことで、ノーバディの動きに隙ができたため金髪の男は空になったS&W M39をノーバディへ投げつける。銃弾を受けた身だが、ノーバディは向かってくるS&W M39は避けることには成功する。

しかし、ノーバディが避けることを予想していた金髪の男は、ノーバディへ投げつけた拳銃に一瞬とは言え、自らへの視線が逸れた隙を見逃さず彼の懐へ間合いを詰める。

 

「舐めるな!!」

「………wow」

 

間合いを完全に詰め寄られる前にノーバディは、腰に下げていた手榴弾を金髪の男の進行方向へと投げる。爆発する前に金髪の男は、まるで慣れているかのような動きで近くに落ちていた車のドアの残骸を手に取り、爆発から身を守る。対する手榴弾を投げたノーバディも爆風の勢いを利用して、その場から回避する。

 

回避に成功したノーバディは、近くのビルの中へ入り、物陰に身を潜め、体勢を整え直すべく敵の動きの備えようとしたのだが、

 

Your soul will be so stimulating(キミの魂は、きっと刺激的だろう)

 

背後から聴こえて来た声に背筋が凍る様な悪寒を感じ取る。

咄嗟に、腰のコンバットナイフを本能で振り抜く。すると、ガキィン!という金属音が静かすぎるビルの中に響き渡る。音の正体は、ノーバディが振り抜いたコンバットナイフと金髪の男が持っているナイフの接触音であった。

そして、激しい金属音と火花を散らしながら2人は互いのナイフを交え合う。数回の接触によってノーバディは目の前にいる男がどれほどなまでにレベルが違いすぎる相手であることを痛感したのか、時間が流れるに連れて焦燥が露わになっていく。そんなノーバディの表情を見てなのか、それとも彼との斬り合いが楽しいのか、金髪の男の顔には薄い笑みが浮かび上がっていく。

明らかに劣勢な状況を打破すべく、ノーバディは弾丸を装填し直したベレッタM92FSから弾丸を発射させる。発射された弾丸は見事に金髪の男の肩に右肩に命中するが、男は受けたダメージなどどうでもいいかの様にナイフを持っていない方の拳でノーバディの腹を殴りつける。

 

It was unlucky(残念だったね)

「ガハッ!?」

 

まるでボクサー選手かの様な拳から伝わる重みに驚きつつも、吹き飛ばされたノーバディはビルの中に建ち並ぶ柱の内の一本にぶつかる形で漸く止まる。仮想現実とは言え、肺から空気が一気に抜けたかの様な錯覚を覚えたが、ノーバディは何とか立ち上がろうとするのだが、

 

The game is over in this(コレでゲームは終わりさ)

「…ぐっ……shut up(うるせぇ)idiot(バーカ)!」

 

首を締め上げられる形で押さえ込まれる。

そして、背一杯の虚勢のようにも聴こえるノーバディの言葉に、終始無表情であった金髪の男は、まるで目の前にいる少年の姿が滑稽で仕方がないのか、口元を緩んだ。その致命的な気の緩みを見逃さなかったノーバディは、最後の悪足掻きとして、最後に残ったグレネードを起動させる。

 

「!フッ、See you, hot boy」

 

勝利確信した事への慢心ゆえに、ノーバディの最後の悪足掻きによって金髪の男は彼と共にグレネードの爆発の炎で2人は焼かれた。

 

 

これにより、記念すべき第1回バレット・オブ・バレッツ通称BOBの優勝者は、2人という中々はじめて開催された大会の結末としては、異色な結果となった。しかし、この大会を見ていた多くのゲーマー達は大いに盛り上がったのは言うまではなく、更に彼らがプレイする荒廃した世界を舞台に銃器で戦うVRMMORPG———ガンゲイル・オンライン通称GGOのログイン者数が増えたという。

 

 

 

後に、この2人が別の戦場で再び相見えることになるのは、さらに先のお話となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

2025年8月23日

 

 

あの日……キリトとアスナが死んだ………いや、エギルが2人は死んでいなかったと教えてくれたからソレは間違いだ。

だが、俺はあの日……団長いや茅場(かやば) 晶彦(あきひこ)とキリトの最終決戦の時、あの人が掛けたシステムによる麻痺をギリギリで解けたのにも関わらず、アスナとキリトを助けることが出来なかった。あの時……笑う棺桶(ラフィン・コフィン)によってアオイ(好きな人)クロト(親友)を見殺しにした時と同じ。しかし、結果的に言えば、俺が間に合っていようがいまいが、最後まで皆んなのために抗い続けたアスナとキリトは助かった。死んだと思っていた2人が生きていてくれていたことを聴いた時は、鼻水や涙を垂らしながら本当に良かったと、何度も呟きながら何時間もの間泣いていたものだ。まだ生きていることを知らなかったこととは言え、親友を2人も同時に失う苦しみと悲しみを二度も味わったのだから、当然と言えば当然だ。

 

また、小耳に挟んだことだがALOの非人道的実験を解決したのもキリトたちだということを電話で聴いた時は、思わず腹を抱えて笑ってしまったのは未だに新しい。

 

……あぁ、やっぱりオマエは英雄(ヒーロー)だよ…キリト。

 

SAOで世話になり切ったキリトたちに会って礼を言うのが、普通なのだが、大切な人を見殺し、復讐心に駆られて8人もの人間を手にかけた俺は、そんな英雄達に会う資格がないことをSAOから現実世界へ戻って来て改めて痛感した。本人達がそのことを聞けば、俺を殴り、許し、そして最後に一緒に寄り添ってくれるはずだ。そんなことをもう一度されてしまえば、俺はこの苦しみを忘れてしまう。

だから、俺はもうアイツらには会わない。

 

 

1人でこの罪で苦しんで、苦しんで、苦しんで…………

 

 

 

……………■■■■■!

 

 

そんな下らないことを考えていると、熱感知センサーが取り付けられたバイザーによく似たゴーグルに反応があった。如何やら、今回のターゲットである5人組のスコードロンが現れたようだ。

果たして、俺は何人killするのか。それともkillされるのかな。

 

「ふぅ……逃げ切れるのなら逃げ切ってみせろよ。これからお前達が相手にするのは、イカれた悪魔だから」

 

 

かつて、SAOで黒の剣士と同じ技量を持ちながらある事件によって心に深すぎる傷を負った血盟騎士団きっての剣士にして、もう1人の副団長を勤めていた少年は、キリトを含む彼に親しい者達以外のプレイヤーからこう呼ばれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『血盟の白い悪魔』




如何だったでしょうか?
かなり亀更新になるとは思いますが、コレからも宜しくお願い致します。
それでは、また次回にて。
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