ソードアート・オンライン《黒の剣士と白い悪魔》   作:海苔塩イモ

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そして、苦瓜も瓜なりさんも評価してくださりありがとうございます!!
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今回は短めで、現実世界の2人のお話です。
ご期待に応えれる様にしていきますので、皆さん感想なども宜しくお願いします。

修正させていただきました。


第 Ⅲ 話 現実のNobady(ノーバディ)

2025年8月23日20時50分

 

シノンと呼ばれた中々に面白いプレイヤーとの共闘は意外にも楽しかったのか、彼は久しぶりにログアウト後のリアルつまりは現実世界で、不思議な達成感を感じていた。

GGO内では、プレイスタイルから暗殺者(アサシン)なんて不名誉極まりない異名を持つノーバディは、ゲーム内にかなり酷似した容姿をした現実の彼…仙石(せんごく) 一利(かずとし)へと戻り、特徴的な所が普通の黒髪の頭に取り付けていたゴーグル状のゲーム機アミュスフィアを取り外す。

 

「ふぅ、久しぶりに楽しいと思えたな。シノンって奴のおかげかな?ピトの奴にサバイバーってバレるまではM(エム)の奴や闇風さんなんかとスコードロンなんか組んでいた時も楽しかったけど、今日のアレは……何というか、キリト達といるみたいで楽しかったな」

 

寂しげな瞳で見慣れた天井を見ながら何処かにいる仲間達のことを思い馳せていると、携帯にメールが入ってきた。

 

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From:アンドリュー・ギルバート・ミルズ

To:仙石一利

Re:元気か?

内容:アイツらがいつもおまえに会いたがってるぞ?

 

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エギル(本名はアンドリュー・ギルバート・ミルズ)の相変わらずの世話焼きの内容に呆れつつも一緒に送付されていた写真を確認すると、シリカ、エギル、リズベット、クライン、ユイ、アスナ、キリトと見知らぬ金髪の巨乳っ娘が巨大モンスターを討伐した時の光景が映し出された。

 

相変わらず楽しそうにゲームしてるなぁ〜

というか、さりげなく写メ撮る時でもイチャつきを見せつけんなよ。夫婦揃って肩組んでのピースとか、見せつけてやがって。絶賛大学に復帰中で忙しくて彼女なんて一度もできたことのない俺への当て付けか?

ったく………

 

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From:仙石一利

To:アンドリュー・ギルバート・ミルズ

Re:元気か?

内容:お前達といれば、俺はきっとこの苦しみを忘れてしまう。

だから、会わないよ。俺は俺で元気だと伝えてくれ。

 

追記

何で新しく金髪の巨乳っ娘までいるんだ。

またやったのかアイツは。

 

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と返信を打つと、数分後にエギルからのメールが届く。

 

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From:アンドリュー・ギルバート・ミルズ

To:仙石一利

Re:元気か?

内容:アイツらだってお前がそんな風に苦しむのを望んでいない。

いい加減に自分を許したらどうだ?

SAOクリアパーティーの時もキリトの奴が怒っていたの忘れたのか?

お前が、ウチの店に祝いの手紙だけ置いて出席しなかったこと。

 

追記

その子はキリトのリアル妹だ。

だが、それ以外はまぁ……察しの通りだ。

 

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憶えているよ。

キリトとアスナが生きていてくれたことをお前から聴いた時、改めて俺は2人にどのツラを下げて、逢いに行けばいいのかも分からなかった。そして、色々考えた結果の末に、1人で苦しむことを決めたんだ。

それにしてもマジかよ、アイツ。

リアル妹をオトすとかどんだけフラグ建築士だよ!

ラノベの主人公かよ!!※ガチの主人公です。

 

 

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From:仙石一利

To:アンドリュー・ギルバート・ミルズ

Re:元気か?

内容:俺なりに考えた結果だ。

もう放っておいてくれ、死んだりなんかはしないから。

俺は、アイツらと一緒の……人の皮を被った悪魔だ。

 

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あの掃討作戦終了直後に、アオイとクロトを殺したギルドの生き残りに言われたことを思い出している一利は、自分では気付いていないが涙を流しそうな程に歪んだ顔で送信ボタンを押す。そして、返信が来るまでの間に冷蔵庫の中身を確認するが、モヤシとバターしか無いことに絶望していると、静か部屋で携帯に着信音が虚しく鳴り響く。

 

 

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From:アンドリュー・ギルバート・ミルズ

To:仙石一利

Re:元気か?

内容:お前は悪魔なんかじゃねぇよ。

アイツらは自分のことをそういう風に責める様な精神回路はしていなかった。

なのに、お前はそんなにも自分を責めるほど思い詰めている。

ソレが決定的なアイツらとお前の違いの一つだ。

それに、あの掃討作戦の時、お前のおかげで助かった命だってあるんだぞ?

 

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ねぇよ………そんな命なんて。

クラディールの奴からアスナを護り切ったキリトでもあるまいし。

仲間であった他の血盟騎士団が俺を見る目は、ラフコフの奴らと一緒だった。その日から俺は、『■■』じゃなく『白い悪魔』になったんだよ、エギル。

 

メールを拝見し、返信を返すことなく一利は携帯をポケットにしまい、コンビニへ今夜の晩ご飯を買いに行くため、いつものように地味な色合いのジャケットを着て、靴を履いていると背後から、

 

――相変わらずの構ってちゃんだな?

 

誰かの嘲笑いの声が聴こえる。いや違う、これは他ならない自分自身の声だ。振り返るとそこには、

血盟騎士団のコートを纏った自分自身(もう1人の一利)が血塗れの刀を持って嗤っていた。

 

――苦しむため?何を言っているんだよ?

 

――2人を見殺しにし、復讐を名目に殺しまくった癖に。お前は、アイツらと変わらない…いや、アイツより酷い。お前は2人を殺したアイツらを殺しまくった後、罪の重さに耐えかねて死のうとした。だが、キリトとアスナが止めてくれた。

 

――本当は、2人が自分を助けてくれることをわかっていたんじゃないか?

 

違う。

 

――死ぬのが怖い臆病者のお前には、キリトの様に誰かを助けるなんてことは永遠に出来ない。お前にできることは誰かを殺すことだけ。

 

「うるせぇ!!」

 

――奪って、壊して、世間ではそういうのを『鬼』っていうんだよ、臆病者。

 

一頻り言い終えた血盟騎士団のコートを纏った自分自身(もう1人の一利)は、灰の様に消えていった。

 

 

「クソっ」

 

心の中で渦巻いている黒い感情に無理矢理蓋をし、部屋を出て、アパートの駐車場に止めているオカマの叔母?から退院祝いとして何故か貰ったサイドカー付きハーレーダビッドソン・XL883Rのエンジンをかけようとしたところで、今住んでいるアパートの隣の部屋から1人の少女がふらついた足取りで降りて来た。

彼女の名前は朝田詩乃。

現在、地方から出て、このアパートで一利と同じく1人暮らしをしている女子高校生。

元々は、大学生の一利はSAO事件前までは違うアパートで1人暮らしをしていたのだが、大家に今までの金を払うか、違う所に行くかの二択を迫れてしまい、渋々こちらのアパートに引っ越して来た際に隣に住む同じく1人暮らしの朝田詩乃と出会い、その後色々な縁が重なり、よくスーパーの特売などの情報交換を行う程の仲へ発展している。

 

「おい、大丈夫か?ふらついてるけど」

「え?あ、仙石さんこんばんは。一応……大丈夫です。夕飯の支度しようと思ったんですけど…材料がなくて」

 

一応って何だよ。全く大丈夫ないだろ。顔真っ青だし。ったく、仕方がない。流石に知り合いとは言え、もう9時過ぎだしな。

 

「コンビニでいいのか?」

「えっ、あ…はい、コンビニ…です」

 

一旦ここで待つ様に言いつけ、玄関にあるもう一つのヘルメットを取りに戻り、朝田に手渡す。

 

「乗れ。行き先は同じだから」

「で、でも……」

 

「女子高校生がこんな時間に出歩く方がダメだろ。いいから乗れ」

 

サイドカーに乗るよう割と強めに一利は促し、詩乃は戸惑いながらもヘルメットを被り、失礼しますと断ってからようやく乗り込む。変に気を遣う詩乃にバツが悪そうな顔をメットの下でしながら、バイクを走らせる。その後、最近詩乃の部屋を溜まり場にしていた者達からの嫌がらせはないか、または彼女の男友達である新川と仲良くしているのかなどと言った雑談を交わしながら、お互いに欲しい弁当を買い、そして、次のスーパーの特売商品の情報交換を行ってから、2人はそれぞれ自分の部屋へと帰っていった。

 

これが、現実でのシノンこと朝田詩乃とノーバディこと仙石一利のリアルの日常であった。

 




余談ですが、リアルでの一利の姿は黒髪黒眼です。筋肉はそれなりにリハビリとジムで取り戻しており、毎朝ジョギングしていますのでキリトより筋肉はあります。ちなみに、一利のイメージキャラクターは黒子のバスケに登場する黛千尋さんです。
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