ソードアート・オンライン《黒の剣士と白い悪魔》   作:海苔塩イモ

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今回もお気に入りに登録していただいた上に評価までしていただき本当にありがとうございます!!
最初に比べて格段に、皆さまに読んでいただけて嬉しいかぎりです!!

それでは、今回は長期戦闘編ですので2話もしくは3話体制で終わります。その後、日常編を交えた後にファントムバレット編に突入しようと考えています。


第 Ⅴ 話 寄生の悪魔(パラサイト・デーモン)戦《前編》

『悪』とは……一旦なんだ。

 

『正義』ってのは………なんなだろう。

 

それでも、これだけはわかることはある。

 

奴ら[笑う棺桶(ラフィン・コフィン)]の罪は……決して許されるものでない!

 

しかし、そんな奴らを殺した俺は奴ら以下の畜生なのか。

 

それでも俺は、アオイ(好きな人)クロト(親友)を見殺しにしたことは変わらない。

 

一人一人の命を尊ぶクロト(親友)が殺されそうにも関わらず、俺は自分の命を守るのに必死で駆けつけることは出来なかった。

 

その結果、クロトは目の前で奴らの手にかかって殺された。

 

大切な親友の死という現実を受け止め切れなかった俺は、クロトを殺した男たちに囲まれ殺されそうになってしまう。

 

迫りくる刃に反応することが出来なかった俺をアオイは庇い命を落とした。

 

2人を失ったという現実に絶望と憎悪で塗りつぶされた

“俺の世界”は一瞬にして、血のような真紅に塗り潰された。

 

そして、復讐心に駆られた俺は、

 

一瞬にしてアオイとクロトを殺した3人の頸を撥ねた。

 

『オマ……ェラァ……全員…コロシテヤルゥゥ!!』

 

その時、復讐に支配された刃は鋭く敵処か、

 

■■と呼ばれていた嘗ての俺をも殺した。

 

だが、同時に悪魔の俺が産まれてしまった。

 

そんな悪魔に寄り添い、助けてくれたアスナとキリトが生きていてくれたとは言え、実質俺はあの2人を見殺したという事実は変わらない。

 

どちらも手が届くほど近くにいたのに、俺はアオイとクロト、キリトとアスナというかけがえない親友達を二度も見殺した。

 

俺は本当にどうしようないクズだ。

 

俺はすくいようのない悪魔だ。

 

いつになったら、俺は解放されるんだ(罰を受けるんだ)

 

 

なぁ………教えてくれ…クロト…アオイ。

 

俺は…………一体……どうすれば…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年9月1日

 

ボロボロとなった宇宙船が不時着している荒野を双眼鏡とスナイパーライフルに装着しているスコープでそれぞれ覗いている者がいた。

 

その正体は、高難易度クエストクリアのためコンビを組んだシノンとノーバディである。

 

「それにしても、C3◯◯モドキのNPCの話だと、どちらかのプレイヤーが一定の距離まで近づくとボスモンスターが出てくるみたいだな」

「えぇ、そのNPCの話だと今回のボスモンスターは、護送されていた宇宙船の中で休眠状態にされていた超危険生物型兵器パラサイト・デーモンの一体だげど、このボスモンスターがかなりの強敵だとするなら、やっぱり長期戦になる恐れはあるわね」

 

「だな、お互いの武器の予備弾倉は十分持って来たとは言え、無駄撃ちせず的確且つ迅速に倒そう」

「了解。それじゃあ私はさっきの打ち合わせ通り後衛で、ノバの援護に徹するわ。もしも、アンタが逃げようとするなら後ろから私とヘカートでお尻に火をつけてでも戻らせるからね」

 

こえーよ……というか、ヘカートだと1発で尻がなくなるわ!

そう言ってシノンは狙撃ポイントへ向かうため、俺と別れ離れていく。そして、シノンが狙撃ポイントを探し終えた連絡が入ったのを確認した俺はボスモンスターがいる縄張りへと侵入する。

 

すると、ノーバディがいる地面からとんでもない地響きとともに地中から現れたのは、とんでもないモンスターであった。

 

「PiGyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

 

全体的な特徴は、紫色の巨大な蠍のような姿をしているが、前足はカマキリのような鎌、まるで象の様な長い鼻に加えて、タコもしくはイカを想起させる口、頭にはクワガタともカブトムシとも似つかない鋭すぎる凶悪な角が生えている異形の姿をした昆虫型モンスターがとうとうその姿をノーバディの目の前に現したのだ。

 

『「キショッ!!」』

 

そんなあまりにも醜悪すぎる見た目に流石の2人も息を揃えて、思ったことを口にしてしまう。2人の言葉を理解しているのか、ボスモンスターは先程まで違い目を鋭くし、耳を塞ぎたくなる様な奇声を上げてノーバディへ鎌を振り下ろす。

 

「ヤバッ!!」

 

咄嗟にノーバディは転がる様に回避するのだが、象の様な鼻が一気に膨らみ始めていることに気がついたシノンは、援護に入るべくパラサイト・デーモンの眼に狙いを定めて、アルティマラティオ・ヘカートⅡの引き金を引く。すると、放たれた弾丸は見事に目玉に命中し、パラサイト・デーモンは突然の痛みに暴れ回りながら、ある方向へ鼻先を向ける。

 

「シノン逃げろ!!ロックされてるぞ!」

『りょ、了解!』

 

対物ライフルの弾丸を甲羅が覆われていない目玉に受けたにも関わらず、パラサイト・デーモンは鼻に溜めた高温高圧のガスをシノンに向けて放つ。パラサイト・デーモンの攻撃先に気づいたノーバディの言葉によってシノンは何とかギリギリで倒壊している建物から飛び降りる様に脱出すると、高温高圧のガスによって先程までいた建物は大爆発を上げて瓦礫の山と化した。

シノンが逃げ切っていることを祈り、ノーバディはSCAR-L MK16————カスティーゴの銃口を残っているもう一つの目玉に向けるのだが、

 

「KISYAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

「キショーーーーイ!!」

 

パラサイト・デーモンの喉の奥から伸びるように出て来た芋虫型モンスターの来襲と奇襲に悲鳴を上げながら回避する。そして、回避した後も追撃として鋭い尻尾でノーバディを貫こうとするとのだが、華麗な身のこなしで回避される。

 

「シノン!生きてるか?」

『何とかね、アンタの悲鳴がよく聴こえてるわ』

 

「それだけ元気ならいい。シノンは出来るだけ甲殻で覆われていない部位である目玉または鼻、後さっき口から伸びて来た芋虫ヤローを中心に狙ってくれ。出来るか?」

『誰に言ってるの?ふざけてる場合なら、アンタから撃ち抜くわよ』

 

一々物騒だな……まるで………アオイみたいだな…。

って、何を考えているんだ!俺は!!

違う違う!!アオイは死んだんだ!クロトと一緒に!

 

「PiGyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

「うるせぇ!!」

 

あ゛ぁぁ、一々イライラさせる鳴き声だ!!

 

怒号を上げ合う1人と1匹は、攻撃を再開させる。

しかし、まるでGGO最硬と言われる宇宙船の外壁に撃ち込んでいる時と同じ感触を銃越しに感じ取っているノーバディは、銃弾が弾かれ続けている甲殻に覆われた身体の中で最も弱点となる部位を散策する。凄まじい速さで振り抜かれる両鎌の攻撃を全て紙一重で回避していく中で、ノーバディは咄嗟にパラサイト・デーモンの側面へと回り込むと左腰のホルスターにしまっていたフォトン・ソード[ムラマサM7]を左手による逆手持ちで走り抜ける様に、無数に並ぶ二本の足へその刃を振るう。すると、斬り付けられた足は緑色の体液を撒き散らしながら切断された。無数にあるとは言え、足には無数の神経が集中しているため、それをいきなり切断なんてすれば叫び声を上げずにはいられないため、パラサイト・デーモンは先程のシノンの狙撃よりも激しく暴れ回る。そこに出来た隙をシノンは見逃す筈もなく、脳があると思われる頭部を狙いヘカートⅡの引き金を引く。放たれた弾丸は、見事に命中するのだが、あまりにも硬い甲殻に覆われていることもあって、甲殻を陥没させるしか効果はなかったのだが、ノーバディは以前のシノンとのコンビを組んだ時とは違い、ワイヤー銃ではなく、本来のEGLMタイプグレネードランチャーの砲口を同じ場所へ向ける。咄嗟にノーバディの狙いに気付いたのか、パラサイト・デーモンは猛毒が仕込まれている尻尾で彼を貫こうとするのだが、遠方から放たれたシノンのヘカートⅡの狙撃によって、攻撃を逸らされてしまう。

 

ナイスだぜ!シノン!!

 

内心、シノンのアシストに対し礼を述べつつグレネードランチャーの照準を合わせる時間ができたことで、ノーバディは甲殻が陥没している一点を狙いを定め、トリガーを引く。すると、発射された弾丸は見事に命中し、発生した爆煙によってパラサイト・デーモンは隠れていく。

 

『ヤったの?』

「コラ、そう言うの辞めて。フラグたっちまうから」

「Gurraaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

さっきまでの心の荒れようが嘘の様な間の抜けたノーバディの返事と同時に、爆煙を切り裂くように、彼目掛けて無数の触手が襲いかかって来た。そして、さっきとは異なるトーンの咆哮に、割とドン引きながらもノーバディは全速力で触手の嵐を掻い潜りながら後退していく。

 

「ほら〜〜」

『わ、悪かったわよ!!』

 

爆煙が晴れるとそこには、先程の一撃によって甲殻が砕けた一部を除き、いつのまにか背中から無数の触手を生やし、上体を起こしながら、2人に威嚇の構えを取るお怒りモードのティガ様ヨロシクと言わんばかりのド咆哮を上げるパラサイト・デーモンの姿があった。

すると、お怒りモードのパラサイト・デーモンはさっきまで折りたたんでいた甲殻の一部を左右にそれぞれ開かせると、

 

「うわっ、メンドクさ」

『これはメンドクサイわね」

 

いかにも『私飛びます!』と言わんばかりの羽が収納されておりました。そして、これから起こる展開を予想した2人の心中に応えるかように、パラサイト・デーモンは高速に羽を羽搏き、空中へと自らの縄張りを広げてしまう。

 

 




余談として、パラサイト・デーモンの見た目はパラサイトエンペラーというモンスターを検索していただければ出てきます。大体は其奴と同じ見た目です。

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