ソードアート・オンライン《黒の剣士と白い悪魔》   作:海苔塩イモ

8 / 13
結構早足感覚の話ではありますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、今回の話は第二回BOB戦です!
日程は適当です。10月に行われた以外に分からなかったので!


第 Ⅶ 話 第二回バレット・オブ・バレッツ

2025年10月10日

第二回BoB決勝戦の舞台≪ISLラグナロク≫。

ガンシューティングの決勝に相応しく、直径十キロの孤島には、森林や砂漠、廃棄都市といった様々なステージが内包されている。自分にとって有利なステージを選び、相手をいかに倒すかはプレイヤーの腕次第となる。

そして、何よりGGOは銃のゲーム。その頂点となるナンバー1を決めるバトルロイヤル戦ともなれば、求められるのはスニーキングスキルと、とっさの対応力など、遭遇戦に適した才能だ。

 

「「「「「アサシン覚悟ぉぉぉぉ!!」」」」」」

「やれやれ」

 

難敵を倒すのに置いても、徒党を組むことには何の問題もない。

つまり、何が言いたいかというと、

 

「ウォーミングアップには丁度良かったな」

 

弱肉強食な世界なので、弱ければ死に、強ければ生きる。

それだけなのである。

 

開始すぐの【衛星捕捉(サテライト・スキャン)】で、AGI型最強の呼び声高いプレイヤーの1人であるノーバディに対し、徒党を組んで優勝候補を潰そうとしたのだが、彼が新たにメイン武器としてフォトンブレード《アラストル》によって瞬殺されてしまった。あまりの物足りなさを感じているノーバディはその場を後にし、近くにいるプレイヤーを次々に斬り倒していく。

あまりの物足りなさに鬱憤が溜まっているのか、徐々に攻撃に荒々しさが滲み出てきた所で、

 

「さてと、そろそろ闇風さんを探すか」

「ココにいるぜ、ノーバディ?」

 

背後から声と共に、銃撃を受ける。

 

「闇風ェェェェェッ!勝負じゃぁぁぁぁッ!!」

「ははっ!望む所だぁぁ!!」

 

咄嗟に回避することに成功したノーバディはあっさりと闘争スイッチが入ったため、大声上げながら奇襲してきた相手へデリットの銃口を向ける。目の前にいるビル影に身を隠していた闇風は、ノーバディの闘争心が露わになっていることを確認すると、すぐに行動を開始した。ビル影から飛び出し、その手に持った≪キャリコ・M900A≫を此方に向けてくる。M900Aは、サブマシンガンの分類に位置し、軍や警察向けのフルオート射撃可能な比較的にAGI型にとっては軽量で有利な銃なのである。そのため闇風は、かつてノーバディとあるクエストをクリアした際に、この銃をドロップして以降はこの銃をメインとして、AGI型の闘い方を固めていったのである。

視界の大半がキャリコM900Aから放たれる弾道予測線(バレット・ライン)によって埋め尽くされかけるが、ノーバディは慌てる所か、口元に笑みを浮かべながら、闇風へ向かっていく。そして、放たれる銃弾の雨を何とノーバディは、左手に持っている拳銃型の銃剣デリットと右手に持っているアラストルで急所となる銃弾を斬り落とし、それ以外の銃弾は避けている。

 

「チートかよ、アサシン!」

「アサシン言うな!AGI型なら、『当たらなければどうと言うことはない』だろ、闇風さんよぉ!!」

 

「ハハハ!流石だな!優勝者!!」

「うるせぇよ!」

 

長年コンビを組んでいたこともあったためノーバディが気にしている的確に言い放ちながら、闇風は自分が彼よりも唯一優っている敏捷性をフルに活かし、デリットから放たれる銃弾を躱す。しかし、闇風が銃弾を避けることを分かっていたノーバディは、アラストルの光刃を振るう。すると、闇風は左肩の一部に強い斬撃を受けてしまい、体力ゲージを大幅に消費してしまう。大会前にフォトンソード対策として、防護フィールドの性能を底上げしていたのだが、それ以上にフォトンソードを遥かに超える性能を持つフォトンブレードであるアラストルには意味を為さなかった。明らかに、自分が知っているノーバディの斬撃の重みが違うことを実際に体感し、長引けば長引くほどに此方が、ノーバディが持つ銃剣型のベレッタm92fの銃撃によって動きを制限され、先読みされた状態でフォトンブレードによって高出力の光刃で斬り裂かれ続けていくことを改めて理解した闇風は勝負に出る。

咄嗟に空になったM900Aの弾倉をノーバディへ投げつた闇風は、その後すぐに腰のプラズマグレネードを左手に持ち、続けて投げつる。此方への視線を全く途切れさせないノーバディは当然この二つの投げ物の攻撃を躱すと、流れる様な手つきで素早くデリットの弾倉を装填し直すと、お返しと言わんばかりにプラズマグレネードを起動させ、闇風へと投げつける。流石の闇風も、相変わらずの素早すぎるノーバディの弾倉の装填に関心しながらも、持ち前の敏捷性でアッサリと爆撃を躱す。躱されることなど、最初から解っていたノーバディは爆撃の影からデリットの銃弾を3発闇風の脚へ目掛けて、弾道予測線なしでの早撃ち(クイックドロウ)をする。銃弾は見事に右脚に2発、左脚に1発という闇風にとって痛すぎる結果となる。いくら距離が20mも離れているとは言え、弾道予測線は引き金に指を掛けた時点で出る筈なのだが、ソレが出なかったことに闇風は驚愕せざるを得ない。

そして、銃弾を受けた脚に力を入れ、近くの建物の中へ入り態勢を立て直すためにスモークグレードを転がす。いくら銃弾を受けた脚とはいえ、そこまで速力が低下するほどスキルビルドを行なっていないため、残り弾数が少ない弾倉を捨て、新しい弾倉に取り替えながらノーバディが行った予測線なしの早撃ちの仕組みを冷静に考える。

 

「……おいおい、まさかアイツ。着弾予測円(バレット・サークル)なしで、肉眼で当てたのかよ!?」

「御明察、やっぱり鋭いなアンタは」

 

「おっと!ヤバい!!」

 

闇風の考えを補足する様に声をワザとかけたノーバディは一瞬だけ、注意が散乱した闇風の近くへ転がしていたもう一つのプラズマグレネードを起爆させる。一瞬遅れて、グレネードの存在に気付いた闇風は咄嗟に違う窓ガラスを破り、建物の外へと逃げる。後ろの爆発によって、違う建物の壁に激突するが、なんとか立て直し、ノーバディがいる方向へ駆け出す。すると、丁度お互いに出て来たタイミングが同じであったため、ノーバディは左手に新たに持ったカスティーゴを、闇風はM900Aをそれぞれ構える。ジグザグに縦横無尽に闇風は立ち回りながら、ノーバディへの距離を詰めようとするが、ノーバディは咄嗟に何を思ったのかカスティーゴを投げつけた。突然の行動に目を見開くほどに衝撃を受けた闇風は、致命的にワンテンポ遅れを出す。

 

「しまっ!?」

「流石だな、闇風さん!」

 

この致命的な隙をノーバディは見逃さず、同じAGI型として上げた速力をフルに使い、闇風へと鞘で充電させていたアラストルを抜き放つ。そして、ノーバディは何とか反応し、銃口を向ける闇風を素直に称賛しつつも、正に神速とも言える速さで向けられている銃口諸共闇風へ光刃を突き立てる。

 

「クソ!負けたぜ、ノーバディ」

Ciao(チャオ〜)♪」

 

これにより、第二回バレット・オブ・バレッツの優勝者は決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年10月12日

GGO首都グロッケン街でのある店にて、ある少女の怒りの声が店の中に響き渡る。

 

「あ゛ぁぁぁぁもぉぉぉ!!なんなのよ!ゼクシード のやつ!!あんな勝ち方して恥ずかしくないのかしら!!」

「そう言うなよ、シノン。終わっちまったもんはしょうがないだろ」

 

「でもさぁ!!ノバと闇風さんのサシの勝負に横入りして来た上に、背後からノバ諸共闇風さんを撃って優勝するなんて恥ずかしくないのかしら!!」

 

ウガー!と言わんばかりに、荒々しくグラスを置く怒り心頭の少女シノンの向かいに座るのは、第二回BoB第3位となったノーバディであった。

彼女が怒るのも無理はない話なのだ。

中継されていた第二回BoBの中で、全GGOプレイヤーが白熱するほどに闇風とノーバディの闘いは凄まじいものであったのだ。そして、最後の最後にノーバディがフォトンブレードで闇風を突き刺した瞬間をまるで見計らっていたかの様に、ゼクシードと呼ばれるあるプレイヤーが物陰から現れるや否や、背後がガラ空きとなっているノーバディ諸共闇風を撃ち、優勝となったのだ。これには、GGO内のプレイヤーは反感を持ち、ゼクシードを大批判している。

 

その結果、先に死亡判定されたノーバディが3位。

ノーバディとほぼ同時に死亡判定を受けた闇風が2位。

最後に残っていたゼクシードが1位という結果となった。

 

また、このゼクシードはあろうことか、敏捷力最強という偽情報を広め、自分は異なるタイプのビルドで強力なアイテムによって、ほぼ体力ゲージが8割以上に残っていたノーバディや闇風を騙し討ちするかの様な形で、大会に優勝したことからより一層多くのプレイヤー達から反感を買っている。また、ゼクシードはそんな敗者達の言葉なぞ意味などない言わんばかりに、大会を大いに盛り上げてるほどに闘っていたノーバディと闇風をこけ下ろす様な言葉を大会後に発してもいた。

 

この事をつい先程知ったシノンは、打ち上げ会として、ノーバディ行きつけのバー《アダムの林檎》で怒鳴り散らしている。そのため、普段から町を歩けば人目を引くほどに風貌しているはずのシノンへは、近づいたらタダではならないことを分かっているのか、相席しているノーバディ以外は誰も近づきたがらない。

 

「あんまり怒っちゃダメよ、シノンちゃん。戦場では勝利を確信した時こそ狙われやすいものなのよ。だから、闇風ちゃんとの決着が尽きかけた時に油断したノバが悪いわ」

「でも、ママさん!あんな勝方は納得はいかないわ!」

「終わったんだから気にするなよ」

 

まるで山猫の様に怒るシノンのボトルをサッと回収しながら気を落ち着ける様に諭すのは、ムキムキな筋肉を見せつけるように下腹部までファスナーを下ろしたツナギのスーツにボレロを羽織った強烈なファッションスタイルに、眠たげではあるが優しげな瞳に加えて、艶やかなパープル色の髪をした男性であった。もう一度言う男性である!!しかし、ココロは乙女である!!従業員は、オーナーである彼女?を含めて!!

 

「うるさいわね!何でアンタはヘラヘラしてんのよ!!ママさん!もう一杯、テキーラで!もう、ママさん達も一緒に飲んで!!勘定は全部ノバ持ちで良いから!」

「おい!ふざけんな!!いくらVRとは言え、飲み過ぎだぞ!」

「OKよぉ〜〜〜!皆んなぁ〜シノンちゃんと一緒にテキーラ飲むわよ〜〜♡」

「「「「「はーい♡ママァ♡♡」」」」」

 

「ヤメロ!!酔っ払いモンスターども!!」

 

野太い声返事によって、次々とシノンの誘いによって従業員のオカマ軍団はノーバディの財布によってバカ騒ぎを始めていくのであった。怒りと酔いという最悪なシンクロ状態のシノンが先導されるかのように、ココロは同じく乙女の従業であるオカマ軍団の気迫に押され、ほかの客たちはそそくさと逃げてしまい、ほぼシノンとノーバディの貸し切り状態となってしまう。

 

「何よぁ!アンタぁは、ワタシの相棒なのよぉ!相棒があんなヤラレ方されて怒らない奴がいりゅとおもってぇんりょ!!」

「「「「そうよ!そうよ!!」」」」

「うっせぇーわ!オカマども!!怒号よりも、クエストに行って銃弾撃ってこいや!」

 

「何よぉ〜そぉのりょ言いからわぁ!」

「「「「お仕置きじゃぁぁぁぁ!」」」」

「ギャアァァァァァァァァァァ!!」

 

完全に酒乱モードへと覚醒したシノンとオカマ軍団によって、プロレス技をかけられる続けていく中で、この店のオーナーであるマギーことリアルネーム仙石(せんごく)道隆(みちつか)は、静かなグラスを口に運びながら、甥っ子であるノーバディこと一利(かずとし)へ聴こえない声量で、言葉を送る。

 

「いい子じゃないの、しっかりと大事にしてあげなさいよ。アオイちゃんやクロトちゃんに似てることを抜きにしてもね」




その日の夜。
一利の隣の部屋から何やら悶える苦しむ様な声が聞こえてきたのであった。

何故、そんな声を一利のお隣さんが発しているかは、皆さんのご想像にお任せします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。