ドラゴンボールZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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惑星サイヤは救われた。

 惑星ベジータと呼ばれる別の星から現れた五人のサイヤ人の戦士。

 孫悟空、ベジータ、バーダック、ブロリー、そしてターレスによって。

 何百年にもわたる死者との争いの歴史に終止符を打ったのだ。

 最終決戦に参加した彼らは、サイヤ王ジュードの計らいにより、たくさんの食事と持て成しを破壊神ビルスと付き人ウイスと共に受けていた矢先のこと。

 突如現れた全王の希望により、孫悟空とターニッブ。

 二人のサイヤ人による全王の御前試合が行われようとしていた。
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エピローグ★ 孫悟空 対 ターニッブ

 全王と付き人二人を席に座らせたベジータだったが、此処でも問題が発生していた。

 

 ベジータの目の前で、ガリガリの猫人間と太った猫人間がにらみ合いをしている。

 

 それを青白い肌のウイスによく似た美女が微笑みながら見つめている。

 

 なんと、第6宇宙の破壊神シャンパとその付き人のヴァドス、この二人も全王の呼び出しを受けて来ていたのである。

 

 ビルスが早速、シャンパに絡んでいった。

 

「ぬぁんで、第6宇宙の破壊神のお前まで此処にいるんだぁ?」

 

「全王様のお誘いを受けたからに決まってるだろうが! じゃなきゃ、誰が第7宇宙になんぞ!!」

 

 顔を合わせるや否や、レベルの低い言い争いが破壊神同士で行われている。

 

 そんな二人に向かって全王が告げた。

 

「二人とも、うるさいのね。試合、始まるのね」

 

 この言葉に、いがみ合っていた兄弟は一瞬で仲良く隣同士の席に座りながら、闘技場を見る。

 

 表情は真っ青でガチガチに震えていた。

 

「ベジータ君、ジュード君」

 

 二人の破壊神の様子を伺っていたベジータは突如全王に呼ばれた為、ジュードと共に振り返る。

 

「はっ! 何でございましょうか!?」

 

「私どもにご用とは?」

 

 かしこまる二人のサイヤ人に、全王はにこやかに告げる。

 

「二人とも悟空達の試合、解説してほしいのね」

 

 これにベジータとジュードが顔を見合わせる。

 

「ベジータ君は悟空のライバル。ジュード君はターニッブ君の同門なんだよね? 一緒に試合見ながら解説、お願いできるかなぁ?」

 

 小さい子がおねだりするような表情と頼み方に思わず先ほどの破壊神達の様子も忘れ、ベジータとジュードの表情が柔らかくなる。

 

「カカロットの闘いのことならば、喜んで!」

 

「謹んで相席させていただきます、全王様」

 

 二人の言葉に全王は無邪気に喜ぶ。

 

「うん! ありがとね、二人とも!!」

 

 プリカがこの光景にクスリと笑っていると、バーダックとブロリー、ガーキンが疲れ切ったような表情で悠然と微笑むウイスと共に現れた。

 

「おや、姉上。シャンパ様もご一緒ですか」

 

「ええ、全王様のお招きに預かったのです。なんでも最高の闘いが見れるとのことで」

 

「おほほ、流石は全王様! 耳がお早い!!」

 

 上機嫌に笑うウイスにヴァドスが怪しい笑みを浮かべた。

 

「……ウイス。全王様主催の全宇宙武道大会に孫悟空と出る予定なのかしら? 今回のサイヤ人は」

 

「もちろん、選手に組み込ませていただきますよ。我々第7宇宙の勝利のためにも」

 

 ヴァドスとウイスがそのような会話をしながら、並んで座っているビルスとシャンパの下に行く。

 

 二人の会話を聞きながら、シャンパはビルスに問いかけた。

 

「? なんだぁ? ベジータと孫悟空だけで飽き足らず、まぁだサイヤ人を増やすのか? どうせ、あの二人以上のサイヤ人は連れてこれないだろうに」

 

「……フン! 見ればわかるさ(クソゥ、シャンパにだけは見られたくなかったぞ。奴らはうちの切り札だからな)」

 

 自分と互角以上に戦う格闘の技を修めた孫悟空。

 

 その悟空が認めた男にして、破壊神の拳を受け止めたターニッブ。

 

 どちらも武道会までは秘匿にしておきたかったと悔やむビルス。

 

 そんな彼の心を読んでか、ウイスが口添えをしてきた。

 

「ビルス様、シャンパ様や姉上だけでなく界王神様達も居られますね」

 

「前回の大会の時も居たじゃない? 今更だよ」

 

「ですが……、人数が多いと思いませんか? わたくしも久し振りに父上や姉上以外の家族と出会えて嬉しいのですが」

 

「え? も、もしかして……!」

 

 ウイスの不吉な発言に思わず会場の客席を見渡すと、全12の宇宙の破壊神と界王神、その付き人達が居るではないか。

 

 即座にビルスは席を立って全王を振り返った。

 

「全!王!様ぁあああああ!!」

 

 目を見開き、絶叫するビルスに向かって無邪気に全王が顔を向け、首を傾げる。

 

「ん? なぁに?」

 

 彼に向かってビルスは己の立場を分かりながらも絶叫する。

 

「もしかして! 全宇宙の破壊神や界王神まで見るのですか!?」

 

「うん」

 

「おそれながら、言わせていただきます!! いくらなんでも理不尽じゃありませんか!? 悟空とターニッブは、第7宇宙のエースです!! そいつらの手の内を他の参加する破壊神達に見せるなんて!!」

 

「でも、悟空達くらいじゃないと優勝は無理って目安になるよ?」

 

「……そ、それは!!」

 

「それにね、ビルスの所だけ強い選手が集まるの、ずるいのね。真・超サイヤ人の力、隠しちゃダメなのね」

 

 その言葉に「はは~」としか言えずビルスは頭を下げるしかなかった。

 

 ウイスが静かに観客席を見渡しながら告げる。

 

「これは壮観ですね。全宇宙の破壊神・界王神の揃い踏みとは」

 

「かつて人間同士の闘いで、これほどまで神々に注目された試合があったでしょうかねぇ」

 

 ウイスの言葉にヴァドスも頷きながら、全王の傍に控えている、自分たちよりも背の低い青白い肌の青年を見据える。

 

 大神官という役職にいる彼は、全宇宙で五本の指に入る武道の達人であり、ウイス達の父親に当たる存在だ。

 

 二人の会話を聞いていたのか、大神官はウイス達を見ると微笑みながら首を横に振った。

 

「あら、お父様も存知ないようですね」

 

「これはいよいよ、歴史的快挙かも知れませんねぇ」

 

 互いに微笑みあいながら告げる姉弟を横目に、シャンパがビルスに問いかけた。

 

「おい、なんだよ? 真・超サイヤ人って?」

 

「……すぐに分かるさ」

 

 ビルスは不機嫌そうにそれだけを告げて、闘技場を見据える。

 

(悟空が、この僕との闘いでさえ勿体ぶるほどの力。できることなら秘匿にしておきたいが)

 

 いっそ超サイヤ人4を使わせて(これだって切り札となり得る強力な変身だ)それを真・超サイヤ人だと言い張るかとも考えたが。

 

 全王が知っている時点で誤魔化せるわけがない。

 

 まあ、超サイヤ人4を隠せるだけでも儲けモノだとビルスは思うことにした。

 

「いやはや、まさか神Tubeではなく実物で試合を観戦することになろうとはなぁ」

 

「これはゴワス様、お久しぶりです」

 

「おお、第7宇宙のシン殿。お久しゅう」

 

 黄緑色の肌をした老体の界王神がつぶやくと、第7宇宙の界王神であるシンが隣に座って挨拶をする。

 

「すっかり立派な界王神になられた。お亡くなりになられた第7宇宙の大界王神様達も喜んでおられるであろう」

 

「ありがとうございます。若輩者ゆえ、ご先祖様に日々指導を受けている身ではありますが……」

 

 ゴワスという老界王神との会話に花を咲かせるシンの横では、いかつい顔の立派な体格をした付き人キビトがゴワスの付き人に挨拶をしている。

 

「久しぶりだね、ザマス君。ただの界王だった君が今や立派な付き人ぶりだ」

 

 ゴワスを若くしたような端正な顔立ちに、緑色の肌と白い髪の青年。

 

 ザマスは静かに微笑を返して一礼した。

 

「これはキビト様。先日はどうも」

 

 界王神達の会話を余所に、付き人同士で語り合う二人であった。

 

ーーーー

 

 闘技場では既に悟空とターニッブの為に加工が施されており、不思議なエネルギードームが闘技場を包んでいた。

 

 ターニッブはそれを見上げながら静かに周りを見渡す。

 

「……凄まじい力を感じるな。観客席に居るのは全て神とその関係者か」

 

「ああ、オラ達の宇宙の界王神様だけじゃねえな。第6宇宙の界王神様達も見えっから、ひょっとすっと全宇宙の界王神様や破壊神様が来てんのかもな」

 

「……フッ、相変わらずお前の話はスケールの大きいものばかりだな」

 

 笑うとターニッブは静かに己の両手につけた赤いグローブを握り締める。

 

 これに悟空も手首につけた青いバンテージを引いて、張りを確かめてから拳を握る。

 

「でもよ、オラ達の試合には関係ねえぜ!!」

 

「ああ! 全力で行かせてもらう!!」

 

 二人は同時に気を高めて黄金の気柱を立てると、両者の漆黒の髪が天を突き、眉と共に黄金色に変化する。

 

 漆黒の瞳は翡翠に黒の瞳孔が現れたモノとなり、やや丸みがかった悟空の目つきは鋭いモノに変化した。

 

「……いきなり真・超サイヤ人か」

 

 ブロリーが静かに目を細めて告げると、バーダックがニヤリと笑う。

 

「様子見なんざする気もねぇってか? そうこなくちゃな!!」

 

「さぁて、俺が立ち合ったときは一撃勝負でターニッブの勝ちだったが。本気の殴り合いならどっちが強いのかねぇ」

 

 ガーキンの言葉にサイヤ人達の表情が鋭いモノに変わり、真剣な目で闘技場の二人を見据える。

 

 全王が首を左右に傾けながら、椅子に座って両足をバタつかせる。

 

 ベジータが静かに両腕を組んだまま、鋭い漆黒の目を向ける。

 

「カカロット……!」

 

 ジュードが胸を張り、漆黒の目を闘技場に向けた。

 

「ターニッブ……!」

 

 この場にいる全ての存在が、二人の黄金の戦士に注目している。

 

 闘技場に居る二人はただ、互いを見合うだけ。

 

「ベジータ、感じるか。凄まじいまでの両者の気迫が会場を飲み込んでいる」

 

「フン、カカロットの野郎。相当押さえてやがるが、我慢の限界だな」

 

 互いに横目で頷きあいながら、ベジータとジュードは目を武舞台に向けた。

 

 静かにターニッブは右脚を前に出し、左拳を顔の横に、右手を腰の前に置いて斜に構える右構え。

 

 対する悟空は左脚を前に出し、左手を顔の横に置いた後手を伸ばして、右拳を腰に置く左構え。

 

 鋭い瞳、口元に笑み。

 

 同じ顔をした超サイヤ人は、始まりの時をじっと待っている。

 

 全王が二人に向かって告げた。

 

「はじめていいよ〜!!」

 

 声が響いた瞬間だった。

 

 二人の身に纏っていたオーラが弾けて、白い光と共に中央で拳同士がぶつかり合った。

 

 互いの拳を拳で押し返しながら、不敵な表情と清々しい表情で笑みを浮かべ合う。

 

「オメエの本気、俺に見してみろ! ターニッブ!!」

 

「俺の拳を試すか、孫悟空!!」

 

 互いに向かって叫び合うと同時、凄まじい乱打戦が繰り広げられる。

 

 お互いの攻撃を紙一重でかわし、捌き、受ける。

 

 開始数秒から、両者は全力で飛ばしている。

 

「リューベを倒した拳、見してもらう。…最初(ハナ)から、全開で飛ばすぜ!!」

 

「お前の全力を見せてくれ! そして、この拳を確かめてみろ!!」

 

 真・超サイヤ人特有の気の無限上昇が始まる。

 

 互いに戦闘力を固定せずに力を開放し、どちらがより高みに立てるかを競い合っている。

 

「…あのカカロットが最初から全力とはな。余程、拳を交えたかったようだ…」

 

「ターニッブも楽しみにしていたようだな。しかし、気を無限上昇させればタイムリミットが早くなる。互いに同じ条件とは言え、無茶をする」

 

「全くだ。はじめて奴等がやり合った時もそうだった」

 

 ベジータがポツリと呟くと、ジュードも応える。

 

「悟空もターニッブ君も、楽しそう。なんで?」

 

 つぶらな瞳で闘技場を見ながら、全王は首をかしげる。

 

「それがサイヤ人だから、です」

 

 ベジータの力溢れる言葉と、隣でこちらに振り返りながら同じ笑みを浮かべているジュードを見て、全王は喜ぶ。

 

「わあっ! いいなぁ、いいなぁ! 楽しそうなの!」

 

 子どものような無邪気な笑みを見返した後、ベジータとジュードは真剣な表情で闘技場を見据える。

 

 別の観客席では、破壊神ビルスとシャンパの兄弟が仲良く並んで座っていた。

 

「…やはりね。楽しそうな顔してるじゃない、どっちも」

 

 ビルスが目を細めながらつぶやくのを遮り、シャンパが叫んできた。

 

「おい、ビルス! なんなんだよ、孫悟空とそいつによく似たサイヤ人は!! どっちもバケモノみたいに気が上がってんじゃねえか!!」

 

「おやぁ、シャンパ? もしかして、ビビってるのか?」

 

「ふざけんなぁ!! こ、くぉのシャンパ様がビビる訳ないだろうがぁ!!」

 

 声を荒げて裏声になるシャンパを横目に見返した後、ビルスは笑みを浮かべて悟空達に目を戻す。

 

 シャンパは、そんなビルスを見た後に、二人の超サイヤ人の闘いを見据えた。

 

(…どうなってる!? 神の気を纏わずに、破壊神のレベルに届いてんじゃねえか!! しかも、まだ気が上昇してやがる!! 何処まで上がるんだ、おい!!)

 

 口には出さないが表情で何を考えているのか丸分かりな程に百面相をするシャンパを見て、ウイスが口元を押さえながら笑う。

 

「…笑い事じゃないわ、ウイス。何者なの、あのサイヤ人と変身は。孫悟空もだけど、破壊神にも匹敵しているわ」

 

「彼らが、切り札です。あの変身は真・超サイヤ人と言って、相手のレベルに合わせて気が無限に上がるのです。最低ラインが超サイヤ人ブルーより少し上の状態からの上昇ですから、対戦相手は大変ですねぇ」

 

「…ヒットとの試合では出さなかった。いいえ、まだ変身できなかったのね? それをこの短期間で」

 

「変身自体は神の気を纏う超サイヤ人ブルーほど難しいものではありません。問題は力の制御。そして理性をも食らって高まり続ける破壊衝動です。しかし、悟空さんもターニッブさんも完璧に使いこなせている」

 

 歌うように機嫌よく告げるウイスに、ヴァドスは目を細めて言った。

 

「…とんでもない人間を用意して来ましたね、ウイス。純粋な強さだけなら、私達天使にも迫っている」

 

「ただ己の拳を磨いて作り上げて来たターニッブさんの愚直な拳。片や自分の感性に従って戦うことで磨かれた悟空さんの天性の拳。どちらも素晴らしいとは思いませんか、お姉様? 私はとても美しく感じます」

 

 うっとりとしながら告げるウイスを横目に、ヴァドスは目を細める。

 

「…そうですね。彼らに見合う戦士をヒット以外に探すという無理難題が無ければ、素直に感動できましたね」

 

「あらあら、大変ですね〜。第6宇宙は〜」

 

「……ウイス、今に見ていなさい」

 

 高笑う弟を見据え、ヴァドスが表情を凍らせて告げた。

 

 そんな彼女の表情にビルスとシャンパが震え上がっていたが、ウイスは無視して楽しそうに二人の超サイヤ人の試合を見ている。

 

ーーーー

 

 別の場所では第7宇宙の界王神とキビトが、開いた口が塞がらないほどに狼狽していた。

 

「…か、か、界王神様…! あ、アレは一体!?」

 

「わ、私にも分かりません。悟空さんは、一体いつの間にあんな変身を身につけたんだ…!? 神の気を纏う超サイヤ人ブルーとは違う、神の気を纏わずに破壊神の領域に達している…!! 超サイヤ人と変わらない見た目だというのに!!」

 

 そんな二人に第10宇宙の界王神であるゴワスが問いかける。

 

「…何者なのだ、あの者達は。シン殿のお知り合いか? 破壊神にも匹敵する凄まじい力だ」

 

「私達の宇宙を幾度となく救ったサイヤ人、孫悟空という人間です。驚きました、悟空さんは超サイヤ人ブルーとは違う変身を身につけていたのか」

 

 ゴワスがシンの言葉に思わず唸る。

 

「全王様が我々を集めたのは、このレベルの選手を出せというご意向なのかもしれんな」

 

「ご、ゴワス様。このレベルって…!」

 

 思わずシンの表情がひきつる。

 

 破壊神にも匹敵する人間など、何人もいられてはたまったものじゃない。

 

「ザマス、見なさい。界王の中でも最強と言われたお前よりも、更にあの二人の人間は高みにいる。強さとは果てしないものだな」

 

 しみじみという感じでザマスという付き人に告げるゴワスだが、当のザマスは目を見開き、冷や汗をかきながら試合を見ている。

 

「……アレが、人間? あんな力を持った人間がこの世にいるのか! それも二人も!!」

 

 神の気を纏うことなく、神の領域に至り、ぶつかり合う二人の人間にザマスは目を細めている。

 

「…しかし、何と楽しそうな顔で笑うのだ。あれほどの力を振るいながら、邪念が一切感じられん。あんな人間がいるのか」

 

 ザマスの思わずという感じで漏れた言葉に、ゴワスがニヤリとする。

 

(…やはり、ザマスも武道の心得がある。純粋に強さを競い合う姿に心打たれたか)

 

 両者の振るう拳は神の域に達している。

 

 だというのに、二人の拳からは野心や邪念が無く。

 

 ただ、相手よりも一歩先に行こうと。

 

 ただ、相手よりも一歩上に至らんと。

 

 己の全力を尽くして、敵に敬意を表する。

 

 そんな思いが互いの表情に出ている。

 

(人間とは、何だ? 力を望み、欲をかき、身内同士で争い世界を汚し、他を巻き込みながら破滅する存在だと思っていたが。目の前の二人は圧倒的な力を振るいながらも、他のことに興味を示していない)

 

 界王として、界王神見習いとして見てきた人間とはあまりに違う二人に、ザマスは複雑な感情を抱いていた。

 

 強烈なターニッブの拳が悟空の顔を後方へ吹き飛ばせば、悟空の回し蹴りがターニッブの脇腹を薙ぐ。

 

 互いの攻撃を時に防ぎ、時に捌き、時にぶつけ合い、時にまともに体に浴びる。

 

 しかし、後方に激しくのけ反りながらも。

 

 口から血を吐きながらも、笑みは決して消えない。

 

 互いに互いの強さを理解し、高め合うことを喜びとしている。

 

 今、喰らった一撃は先のものより一回り強く重い。

 

 互いの限界点を互いの強さが突破させ、更なる成長を促している。

 

「カカロットの野郎、うずく戦いをするじゃねえか。こっちまで熱くなってきやがる」

 

「…カカロットとターニッブの実力は互角。こいつらに決着がつくとすれば、技や力じゃない。心の強さと運が勝敗を分かつ」

 

「要は、勝利の女神はどちらに微笑むのか分からねえってこったよな」

 

 バーダックが拳を握って吠えれば、ブロリーが淡々と告げ、ガーキンも肩をすくませて応える。

 

 三人の黒い目は、武舞台の二人に釘付けだ。

 

 そのうち、ガーキンは静かに目を脇にやり、自分達と並んで見ている美しい女性。

 

 プリカ姫に声をかける。

 

「プリカ姫、今ならドサクサに紛れてターニッブの応援できるんじゃありません?」

 

「あら、ガーキン。私は、いつでも祈ってますよ? ターニッブの勝利を」

 

「…そりゃ、野暮を言ってすみませんね。ったく、当てられちまうぜ」

 

 からかい半分で言っても満面の笑みと何より熱のこもった本気の言葉で返され、ガーキンは表情を歪める。

 

 真・超サイヤ人となった孫悟空とターニッブ。

 

 二つの強烈な右の拳がぶつかり合う。

 

 互いに押し合いながら、相殺されたと理解した瞬間に左のフックがまともに互いの頰を打ち抜き、顔をのけ反らせながら後方に下がる。

 

 互いに距離が開き、静かに見合う。

 

 不敵な笑みを浮かべたまま、孫悟空は語りかけた。

 

「…流石だ。やっぱ、オメエは凄えよ。俺も相当強くなったつもりだったが、全くの互角なんてよ」

 

 対するターニッブは、静かに悟空を見ると口の端を爽やかに歪める。

 

「お前こそ、流石だ。お前が先を歩んでくれるからこそ、俺も前に進める…!」

 

「…フ」

 

 真っ直ぐな瞳に悟空はクールな表情を穏やかに歪めて語りかけた。

 

「…ターニッブ。オメエは何のために強くなりてえ?」

 

「真の強さとは何か、答えを知るためだ」

 

「…オメエは強えさ。あのリューベに真っ向から勝った。いや、んなもん関係ねえ。俺の中にいるオメエの拳は、何よりも強え!! あん時、出会った時から。俺はオメエの拳に首ったけさ」

 

「…………」

 

 ターニッブは静かに笑みを消し、真っ直ぐに悟空を見据える。

 

 対する悟空は不敵な笑みで震える右の拳を掲げながら告げた。

 

 それは闘志だ。

 

 武者震いが、止まらないと拳が告げている。

 

「…俺はオメエの拳を超えてみせる。全力で、打ち負かしてみせる。オメエはよ、俺にそう思わせてくれんだよ」

 

 静かな悟空の言葉は何よりも熱く強い。

 

 ターニッブの視線も。

 

「地球の運命とか、みんなの未来とか。俺は色んなもんを背負ってた時期があった。でもよ、はじめてなんだ」

 

 拳を握り締め、最高の相手に出会えたことを孫悟空は噛み締めている。

 

「本当の本当に、全力でぶつかり合って勝敗だけを競い合える相手に出会えたんは!!」

 

「…悟空」

 

「…変な言い回しだけどよ。俺は、オメエに会うために生きてきたんかもしんねえ」

 

 この言葉に、観客席で見ていたベジータは笑う。

 

「…カカロット。ターニッブと拳を交えた今なら、貴様が何故そこまで拘るのか分かるぞ。奴は、貴様に似ているんだ」

 

「…絶対に負けないために。相手より一歩前に進むための戦い。確かに、似ているな」

 

 ジュードも笑いながら応える。

 

 これに全王が笑いながら話しかけた。

 

「みんな、楽しそうなのね! なんだかね、凄いのね! あの二人を見てると、元気になるの!!」

 

「…全力だからです。奴らは全力で、本気で互いに互いを超えようとしている。其処に打算や野心などない。純粋な勝敗だけを競い合っている。だからこそ、心に響くのだと俺は思います」

 

「うん! 見てるとね、ベジータ君やジュード君も試合したそう。試合、早く決めようね!!」

 

 全王の言葉にベジータとジュードは互いを見合うと苦笑を漏らした後、全王に向かって言った。

 

「望むところ。戦闘民族サイヤ人の王子の力、お見せしましょう」

 

「ご配慮、感謝いたします。全王様」

 

 ベジータ達がそんな会話をしていると悟空は、叫びながら拳を繰り出した。

 

「だりゃぁああ!!」

 

「ーーせいやぁ!!」

 

 ぶつかり合う二つの拳。

 

「コレだ、この拳が俺を夢中にさせんだ。そのオメエの目指す真の強さ。いってえ、どんなもんだ?」

 

「極みを目指し続けることだ。其処に辿り着くことはないのかもしれない。だが俺は生きている限り、この拳を振るい続ける」

 

「変わんねえな、オメエは。はじめて出会った時から、ずっとよ。神の域に達しても、リューベを超えても。オメエは変わらねえ。俺は、それが一番嬉しいぞ!!」

 

 拳を押し合い、互いにバックステップしてから横蹴りを繰り出しあって相殺する。

 

「みんな、変わってくんだ。それが悪りいとは思わねえ。ただよ、寂しかったんかもな」

 

 蹴り足を軸足に引きつけて戻し、構えを取る。

 

 かつての親友は武道を離れ、天下一武道会で戦った宿敵達は挑戦するのではなく、見守る方に変わっていく。

 

 自分もそうだった。

 

 息子が自分を超えた時、超えられた悔しさや寂しさよりも嬉しさが勝った。

 

 息子の才能に、何とか自分を超えて地球を守って欲しいと願った。

 

「ターニッブ、オメエと闘うとよ。俺は子どもの頃を思い出すんだ。田舎山暮らしで何も知らねえで。ブルマに連れ出されて世界の広さや、強え奴が居ることを知ってワクワクしてよ」

 

「…………」

 

「ありがとよ、ターニッブ。オメエの強さが。オメエの心が。オメエの在り方が、俺に思い出させてくれた。あん時の俺の気持ちをなぁあ!!!」

 

 黄金の炎がオーラとなって噴き出し、一気に孫悟空の戦闘力を引き上げる。

 

 この行為に誰もが唸った。

 

「…決着をつけようというのか」

 

「見せてみろよぉ、クソガキ!」

 

 ザマスが静かに瞳を細めてつぶやき、バーダックが拳を握って叫ぶ。

 

 対するターニッブも静かに拳を握り、青白い雷を両手に纏わせる。

 

「…フルパワーで行くぜ、ターニッブ!!」

 

「受けて立とう、孫悟空(とも)よ!!」

 

 瞬間、互いに向かって二人は駆け出す。

 

 拳や蹴りが火を吹き、悟空とターニッブの顔が交互に吹き飛ぶ。

 

 後方に大きくのけ反りながら、両者はすぐに元の位置に顔を戻し、拳と蹴りを繰り出し合う。

 

「…ノーガードじゃねえかよ、あいつら!!」

 

「拳を体で受け止めた上で、勝つつもりなんだよ!!」

 

 驚いてばかりいたシャンパも、いつの間にか拳を握り締めて見入っている。

 

 隣のビルスも腕を組みながら、牙を剥き出しにして歯を食いしばる。

 

「どちらの拳が上か。どちらがより相手より耐えられるか。意地と意地の勝負ですね」

 

「…ウイス、前言撤回するわ。わたしも素直に美しいと思います」

 

「おや、姉上。あなたが認めてくださるとは」

 

 その時、二人の会話に割って入るように声が聞こえた。

 

「本当に美しいモノは、感動を与えます。彼らの拳は正にその領域です。ウイスさん、本当に第7宇宙が羨ましいですよ」

 

 振り返れば大神官が其処に立っていた。

 

 ヴァドスが頭を下げ、ウイスが応える。

 

「…はい、お父様。素晴らしいものが見れるとは思っていましたが。わたくしも、これほどになるとは。リューベとの闘いに匹敵する程ですよ、お二人とも」

 

 三人が目を武舞台に戻す。

 

 高速打の応酬。

 

 打つも打たれつも、構わずに笑みをこぼして殴り合う。

 

 手数は悟空がやや上だ。

 

「…ぐあ!」

 

 ターニッブが苦悶の声を上げながら、悟空のショートアッパーに顎を跳ね上げられる。

 

 左フックで上がった顔を刈り取られ、仰け反るターニッブに更に追撃を仕掛けようと悟空はダッシュする。

 

「…龍撃拳。俺の全力のラッシュ、受けてみろ!!」

 

 左の膝で腹を撃ち抜き、拳と蹴りの雨霰をターニッブに叩き込む。

 

「おお、何という!!」

 

「悟空さん、凄すぎるラッシュだ!!」

 

 ゴワスとシンが同時に叫ぶ。

 

 左の下段廻し蹴りでターニッブの右足を刈り、体勢を崩した所を顔に放った右のストレートを左腕でガードさせ、その上に右の回し蹴りを叩き込む。

 

「…くっ!」

 

 受け切れずにのけ反るターニッブの腹に、悟空は本命の左中段蹴りを槍のように突き出す。

 

 ターニッブは見事に反応し、右の肘で受ける。

 

 だが、振りかぶった悟空の右拳には黄金の龍の気が満ち々ちていた。

 

「顔面がガラ空きだ! もらったぞ、ターニッブ!!」

 

 黄金の龍が孫悟空の拳に宿り、右ストレートが放たれようとした瞬間だった。

 

「今だ!!」

 

「何ぃいいいっ!?」

 

 龍の気を纏う右ストレートを首を横に倒して紙一重で避けながら、ターニッブは青白い雷を放つ右の拳を悟空の腹に打ち込んだ。

 

「…ぐぅお!? し、しま!?」

 

 痺れて体が動かない悟空の顎に、左の拳が龍の気を纏って突き上げられる。

 

「真!! 昇ぉお龍ぅう拳ぇええん!!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 天高く吹き飛ばされ、悟空は背中から叩きつけられる。

 

「…カカロットの全力のラッシュからの右ストレートを、僅かな間隙を縫って切り返した!!」

 

「バカヤロウ。そんなことより、破壊神ビルスも止めたカカロットの龍拳を前に一片の迷いや恐れなく踏み込みやがったぞ!!」

 

「…よほどの自信と度胸、そして冷静な判断力が無ければできない。流石だね、ターニッブ」

 

 ベジータの叫びにバーダックが突っ込み、ビルスも感嘆する。

 

 錚々たる顔ぶれが、手に汗握り試合を見る。

 

 背中から叩きつけられる悟空は咄嗟に受け身を取り、腰だめに両手をたわめて赤い光の球を作り上げる。

 

 同時、ターニッブも両手に纏う雷を更に走らせ、左腰に両手をたわめて置くと青白い雷の球を作り上げる。

 

 これにブロリーが絶叫した。

 

「みんな、伏せろぉおぉお!!!」

 

 同時、ブロリーとベジータ、バーダックが真・超サイヤ人に変身した。

 

 ウイスも立ち上がり、告げる。

 

「お父様。兄上、姉上方、力をお貸しください」

 

 この言葉に皆が杖を出し、大神官も手をかざした。

 

 強固なバリアが更に固められる。

 

「…フルパワーで行くぜ、ターニッブ!!」

 

「この拳で、受けて立とう。孫悟空!!」

 

 同時に同じ構えで両手を突き出し、真紅の光線と青白い雷光がぶつかり合う。

 

「10倍! かめはめ波ぁああああ!!」

 

「電刃! 波動ぉおお拳ぇええん!!」

 

 二つの極大の一撃は互いの中央でぶつかり合い、強大な力のうねりを伴いながら爆発した。

 

 あまりの威力にビルスが目を見開き、シャンパも思わず唖然としている。

 

「…バリアを通して、余波が来るだと!?」

 

「し、信じらんねえ! 何なんだよ、あいつらぁ!?」

 

 煙がバリアの中を完全に覆い隠し、力の余波が赤い光の粒子や、青白い火花となって走っている。

 

「…無事か、プリカ」

 

「は、はい。ありがとうございます、ブロリーさん」

 

 真・超サイヤ人となったブロリーがプリカの盾となった隣では、バーダックがガーキンを庇って立っている。

 

「フン! やるじゃねえか、クソガキ共!!」

 

「…いや、褒めるところじゃねえだろ」

 

 また、ベジータもジュードと側近が動くより早く全王を庇っていた。

 

「…す、すまん。ベジータ」

 

「構わん。ホコリを巻き上げるくらいで、ほとんど衝撃は来なかったからな」

 

「…凄い。悟空、凄い!!」

 

 庇われた全王はベジータの肩に上ると孫悟空を凝視している。

 

 ベジータも真剣な表情で、二人がいる煙に包まれたバリアの中を見据えた。

 

 やがて煙が晴れると、壁に貼り付けになってめり込んでいる悟空とターニッブが現れる。

 

 二人はゆっくりとボロボロになった体を起こし、金色のオーラを身に纏う。

 

 大量の汗をかいて、悟空は笑った。

 

「…力を使い切っちまったみてえだな」

 

 ターニッブも静かに笑みを返して告げる。

 

「ああ、だが。俺たちの勝負は終わっていない。…そうだろ?」

 

「やっぱ、オメエは最高だぜ。ターニッブ!!」

 

 互いに拳を握り、再び武舞台中央でぶつかり合う。

 

 拳を食らってのけ反りながら、すぐに体勢を整えて拳を返す。

 

 先ほどまでと何ら変わらないレベルの闘い。

 

 真・超サイヤ人ではなく、ただの超サイヤ人になっていながら。

 

「見せつけてくれんじゃねえか、クソガキ共」

 

「…まったくだ。この疼き。体を動かさねば、おさまらんぞ!!」

 

 バーダックもブロリーも、目を見開いて勝敗を見守る。

 

 両者は譲らない。

 

 あれ程、興奮で沸いていた会場が、静まり返っている。

 

「…ビルス」

 

「なんだ、シャンパ?」

 

「…大事にしろよ。あいつらの試合。今回だけと言わずにまだまだ、見たいからな」

 

「…お前に言われるまでもない」

 

「正直、全王様に呼ばれた時は面倒だったけどな」

 

 微かに涙ぐんだ目をしているシャンパを、いつもなら茶化すビルスが何も言わずに見逃す。

 

「…ま、まだ闘うつもりなのか」

 

「二人とも、何と無茶な!!」

 

 ザマスとゴワスの言葉にシンが微笑みながら告げる。

 

「それが、孫悟空という人間です。純粋な気持ちで強さを極めることができる。だからこそ、彼は強いのでしょう」

 

 そのシンの言葉に静かにザマスが、山吹色の道着を着ている孫悟空という人間を見据える。

 

「…ソン、ゴクウ」

 

 どれだけ殴り合ったろうか。

 

 膝は笑い、ボロボロにして。

 

 ボロボロにされて。

 

「…へへっ、やっぱ最高だぜ。とことんやり合ってんのによ。終わりになんか、したくねえな!!」

 

「ああ…俺もだ。お前と闘うと、心が熱く燃えてくるようだ」

 

 互いに満身創痍。

 

 もはや、満足に動けはしないだろう。

 

 拳を握る両者の最後の一撃は。

 

「…正真正銘、オラの最後の龍拳だ。さっきは、かわされちまったが。今度は当てるぜ? その体じゃもう、真・昇龍拳を使えねえだろうかんな」

 

「…確かにな。だが、俺には“コレ”がある!!」

 

 黄金の龍が右の拳に宿り吠える悟空の拳。

 

 対するは大木の枝を微かに揺らすターニッブの拳。

 

「…相手の一撃をわずかに上回る。一撃必殺の風の拳か」

 

「ああ、お前の全力に俺も応えよう」

 

 二人の超サイヤ人は、静かに拳を構える。

 

「…カカロットの龍拳に対するのは、風の拳か!!」

 

「なんだ、猛り狂う黄金の龍が見えるぞ!?」

 

「対するターニッブの拳は、木の葉を揺らす優しい風の如き拳。対照的だな」

 

 ベジータ、シャンパ、ビルスの言葉が周囲に緊張感を走らせていく。

 

 悟空が叫びながら、最後の力で地面を蹴り、拳を繰り出す。

 

「行くぜ、これがオラの最後の一撃だ!! 龍拳・爆発ぁああつ!!」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 対するターニッブは両足のスタンスを広げ、左手を出して右の正拳突きの構えを取る。

 

「来い! 俺の拳を持ってお前の全力を超えてみせる。風の拳・不滅!!」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 互いに睨み合う翡翠の瞳。

 

「…この一撃で!!」

 

「ああ、決着だ!!」

 

 互いに拳を繰り出す。

 

 激しい白の光が闘技場を覆い尽くす。

 

 強烈な炸裂音が鳴り響き、きりもみに回転しながら白い道着の超サイヤ人が頑強な闘技場の壁を砕いて叩きつけられた。

 

「…! ターニッブ!!」

 

 プリカの悲鳴が木霊する中、武舞台には拳を突き出した姿勢で固まっている孫悟空の姿がある。

 

「悟空の勝ちか!?」

 

「…いや、コレは」

 

 ガーキンの叫びにビルスが目を細める。

 

 山吹色の道着の胸には拳の打撃痕が煙を拭いていた。

 

「…へ、へへっ、流石だぁ。参ったぜ、ターニッブ」

 

 それだけを言うと黒髪に戻り、孫悟空は膝をついた。

 

 ゆっくりとターニッブが壁の残骸から起き上がり、黒髪に戻りながら武舞台に足を引きずって歩いて行く。

 

「…いや。俺の、負けだ。孫、悟空…!!」

 

 それだけを告げ、ターニッブは武舞台の上で前のめりに倒れた。

 

 それを見ると同時、悟空も弱り切った笑顔を浮かべて笑う。

 

「…へ、へへっ。く、あ…!」

 

 その言葉を最後に、糸の切れた人形のように前のめりに倒れた。

 

 ダブルノックダウン。

 

 この光景に会場の破壊神と界王神、付き人や天使を問わず。

 

 大歓声が巻き起こっていた。

 

ーーーーーー

 

 玉座の間にて。

 

「凄かったのね、悟空! ターニッブ君!! また見たいのね!!」

 

「そうだな。何度でもやってやっぜ!!」

 

「ああ。受けて立とう!!」

 

 試合が終わり、破壊神達が解散となっても全王の興奮は終わらなかった。

 

 いつの間にか全王はターニッブのことも気に入ったのか、手をつないで喜んでいる。

 

「墓守君、また会おうって! またね、ターニッブ!!」

 

「「バイチャ!!」」

 

 全王が付き人と共に消えていった。

 

 それを見送り、悟空はターニッブの隣に来る。

 

「また会おうってよ、ターニッブ! リューベのヤツ、やっぱ死んでねえんかもなぁ!!」

 

「ああ。また、あの人に会う事になるのなら、その時のために。俺は拳を磨いておこう」

 

「そん時ゃあ、真っ先にオラを誘ってくれよな!!」

 

 互いに笑い合い、拳をぶつけ合う。

 

 ウイスを先頭にビルス、ベジータ、バーダック、ブロリーが悟空の事を待っている。

 

 悟空はターニッブに明るく告げた。

 

「またな。ターニッブ!!」

 

「ああ」

 

 そんな簡単なやり取りをした後、ジュード、プリカ、ガーキンがターニッブの周りに来て悟空を、ベジータ達を見送る。

 

「へへっ、じゃあな! 惑星サイヤのみんな!! また会おうぜ〜!!」

 

 悟空の明るい声が響きながら、ウイスの次元移動が始まった。

 

 光の帯が天に向かって突き立ち、ターニッブはソレを見送りながら拳を握る。

 

「この拳、確かめに来い!! 孫悟空よ!!!」

 

 力強いターニッブの声が、宮殿に響いた。




________________________________________

 これにて、エピローグもおしまいです(´ー`* ))))

 ああ、楽しかったぁ、と自己満足なカンナムでした(´ー`* ))))

 ターニッブに関しては、取り敢えずキャラ自体は仕上げられたかなぁと思ってます。

 エピソード真面目に描いたら終わらないしね、リュウさんは(´ー`* ))))

 ガーキンは、もっと描きたかったけど割を食ったケン・マスターズです(´・ω・`)

 ジュードに至っては、ムエタイの帝王目指してオリキャラになったパターンです、はい(´・ω・`)

 プリカさんは、話の都合でイメージは剛拳の孫娘なんですが、居たり居なかったりする設定なんでテケトーにしました(´・ω・`)

 やってて気付いたのですが、何気にジュードとプリカは極限流の兄妹にも被るのかもと感じ、ジュードだけ極限流に近めになって行きまする\(゚ω゚ )

 サガットが出せなかったのが、悲しい。

 ナメック星人で、真・超サイヤ人のターニッブに宿敵言わせるくらい強キャラにしてやろうか、ホント(´・ω・`)

 とまあ、長くなりましたが、取り敢えずドラゴンボールの世界にリュウをサイヤ人にして出してみよう計画は、これにて終了します(´ー`* ))))

 ありがとうございました(´ー`* ))))
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