ドラゴンボールZ 真・超サイヤ人   作:カンナム

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さてさて(´ー`* ))))

それでは、行ってみましょう(´ー`* ))))



未来を切り開くもの(希望)たち

 現在の地球。

 

 トランクスのいる未来世界の危機に悟空達とターニッブはプリカの案内で援護に向かおうとした時。

 

 界王神とキビト、そして第10宇宙の界王神ゴワスが悟空達の前に現れた。

 

 彼らの語る事実に、悟空達一同はショックの表情を浮かべている。

 

「界王様が、オラの肉体を奪うって?そんなんアリかよ」

 

「…それだけじゃねえ。お前の体を使って好き放題に人殺したぁ、いい度胸してんじゃねえか」

 

「だか、そいつを止めようと俺たちの次元のザマスが未来世界のカカロットと魂を融合し、自らの命と肉体を犠牲にしてカカロットの体を復活させた、か」

 

「…俺たちの次元の界王ザマスがゼノ。元凶である他次元のザマスがブラック。ブラックの未来世界での協力者が未来のザマスか。全部、別次元の同一人物とはな」

 

 悟空、バーダック、ベジータ、ブロリーがそれぞれ言葉を紡ぐ。

 

「要は、ゼノを助けてブラックとザマスを倒せばいいってこっだろ? 簡単じゃねえか!!」

 

「どうかな、父ちゃん? 界王神様がわざわざ、オラ達に話をしに来たってこたぁ、そんな簡単な話じゃねえんじゃねえか?」

 

 真剣な表情の悟空に界王神も頷く。

 

「…実は、ブラックは超サイヤ人ブルーと同じ領域の超サイヤ人。超サイヤ人ロゼに変身できるのです」

 

「…超サイヤ人ロゼ? 超サイヤ人ゴッドの力を持つサイヤ人の超サイヤ人を手に入れてんだな?」

 

「そうです、悟空さん。それだけじゃありません。未来世界のザマスは超ドラゴンボールで不死身となり、実力も超サイヤ人ブルーと同格の強さを持ち、神の力を振るう存在に。ブラックは、ダメージを受けるごとにパワーを上げるサイヤ人の特性を使いこなす無敵の存在になっています」

 

 界王神の説明に悟空の表情も鋭いものに変わっている。

 

「…オラの体を乗っ取りやがった上に、オラやベジータが苦労して得た超サイヤ人ブルーと同じ変身をアッサリと使えるってのか?」

 

「…はい」

 

 言い辛そうに答える界王神に、ベジータがチッと舌打ちする。

 

 彼にとっても、超サイヤ人ブルーは特別な変身だ。

 

 それをアッサリと使いこなされたと言うのならば、良い気はしないだろう。

 

「…なあ、界王神さんよ? 俺たちは真・超サイヤ人に目覚めてから純粋な戦闘力なら、普通の超サイヤ人の状態でブルーってぇのに並べるほどの力を引き出せるように鍛えられた。今となっちゃ超サイヤ人2やら3ってのになる必要がねえほどに極めてる。そんな俺たちでも、そのロゼってのはヤバイのか?」

 

 真っ直ぐなバーダックの問いかけに、皆が界王神を見る。

 

「…超サイヤ人ブルーと同程度の力を此処にいる皆さんが持っているのは知ってます。ですが、それでも超サイヤ人ロゼに勝てるとは言い切れません。それほど、ブラックの力は底知れないのです」

 

「…そいつは、ヤベェな。未来世界ってのに、俺たちに匹敵する力を持つ戦士は居るのか?」

 

 バーダックの問いかけにベジータが叫んだ。

 

「居たら、助けなど俺たちに求めて来るか! あの世界には俺もカカロットもピッコロも悟飯もいない!! 俺の息子のトランクスしか戦える奴はいないんだ!!!」

 

「…落ち着け、ベジータ。此処で焦ったところで事態は好転せん」

 

「分かっている! だが、こんなところで話している暇がないほどに、未来世界は危機だと言うことだ!!」

 

 ブロリーの諫言にもベジータは叫び返す。

 

 今すぐにでも未来世界に飛び出していきそうだ。

 

 これにブロリーも頷く。

 

「確かにな。プリカ、行けるか?」

 

「…はい。皆さんを未来世界に送り迎えるのが、私の役目ですから」

 

 プリカの言葉にベジータも頷く。

 

「頼む。息子のーートランクスの危機だというならば俺が止めてやる!!」

 

 いきり立つベジータの横で悟空も手を上げた。

 

「オラも行きてぇ。未来世界には、ターニッブと修行した悟飯やピッコロも居るみてえだかんな。だけど、此処に居る全員で行くのはやめた方がいい」

 

「? …理由を聞かせろ」

 

 ブロリーが疑問の声を上げる。

 

「簡単だ。今回の敵は時空を越えて来るような相手なんだろ? オラ達が未来世界でブラックとザマスや惑星の意思を追い詰めたとしても、この世界に逃げ込まれでもしたらどうする?」

 

「…瞬く間に地球は終わるな。なるほど、それならば部隊は二つに分けた方が無難だな」

 

 ブロリーの言葉に頷き、悟空は皆を見回す。

 

「オラとベジータが先発だ。後は、ブロリー! 一緒に来てくれっか?」

 

「…バーダックやターニッブではないのか?」

 

「ターニッブと父ちゃんなら、どんな奴が現れても地球を守り抜いてくれる。それに、オラと顔の似てるブラックのせいで、父ちゃんやターニッブにまで迷惑かけらんねえ」

 

 そんな悟空の言葉に、バーダックが吐き捨てる。

 

「ガキが、水くせえことを。だが、そういう事なら仕方ねえ。チチや悟天のこたぁ、任せろ」

 

「…分かった、悟空。地球の安全が確保できたら、必ず援軍に向かう」

 

 力強い二人の言葉に悟空も笑みを返す。

 

「…へへっ! オラとベジータ、ブロリーが居るんだ。さっさと終わらせて帰って来るぜ!!」

 

「カカロットの偽物など、俺の力で捻り潰してやる!!」

 

「……久しぶりに大暴れしてやるか。ククク…!!」

 

 プリカは静かに三人のサイヤ人を見回すと、ターニッブに向き直る。

 

「…では、私は向かいます。ターニッブ、貴方も気をつけてください」

 

「ありがとうございます。プリカ様もどうか、お気をつけて」

 

 プリカに頷き、ターニッブは一礼する。

 

 これにプリカも優しく微笑むと、界王神達に問いかけた。

 

「…私たちは時空の階段を使いますが、界王神様達は?」

 

「私とゴワス様には時の指輪がありますから。大丈夫です。我々もすぐに向かいます」

 

「…それでは」

 

 プリカが両手を広げた先の空間に光の扉が現れ、下に降りる階段が見える。

 

 悟空達は互いに頷くと、絶望の未来へと続く道を歩いて行った。

 

「…行きやがったか。それで、界王神さんよ? 俺たちにまだ用事があんのかい?」

 

「悟空達に聞かせたくない話なのか?」

 

 バーダックとターニッブの鋭い問いかけに、界王神シンは静かに告げた。

 

「…正直に言います。現状では悟空さん達は未来世界を救えません。敵は不滅の存在ですから」

 

 シンの言葉にバーダックの眦が釣り上がる。

 

「…な、なんだと!? テメエ、それを分かってカカロット達を行かせやがったのか!!」

 

「現状では、勝てなくても負けません。悟空さん達は、それほどまでの域にあります。ですが、勝てなければ意味はない。ターニッブさん、貴方にかかっています」

 

 バーダックの迫力に負けず、シンはターニッブを見据える。

 

「…貴方の風の拳とは正反対の拳。どのような存在でも滅ぼし得る滅殺の拳が、必要なのです」

 

「…そいつは、リューベの拳か? だが、ターニッブは」

 

「分かっています。一撃必殺の風の拳を見せられた時点で貴方は、リューベとは違う道を歩もうとされている。それでも、今! 必要なものは、木の葉を揺らす優しい風ではなく、万物必滅の滅びの拳なのです!!」

 

 必死なシンの言葉に、ターニッブは目を僅かに細める。

 

「不滅の存在を滅ぼし得る技ーー瞬獄殺か」

 

 一瞬千撃の必殺技。

 

 一撃必殺の風の拳とは対極の拳。

 

 ゴワスは、ターニッブの前に来ると静かに頭を下げた。

 

「別次元の存在といえ、元は私の弟子だ。どうか、頼み申し上げる…!」

 

「…ターニッブよぉ、話は後にした方がいいみたいだぜ」

 

 真剣なゴワスの懇願の前にターニッブが何かを口にしようと開いた時、バーダックが横から声をかけて遮る。

 

 バーダックの黒い瞳は、先ほどプリカが作った時空の階段を睨みつけている。

 

 ターニッブも静かに拳を握り構えると、明らかに屍人の体をした存在が群れを成して地球に歩み寄ってきた。

 

 全ての生者を食らわんと、大口を開けている。

 

「…これは、亡霊? 時の狭間に怨霊が満ちているというのか?」

 

 ターニッブが目を細めながら呟く隣でゴワスが告げた。

 

「ウム。ザマスーーブラックが殺した人間は、既に未来世界の地球を除く全てだ。彼らの魂が無念となり、惑星サイヤの力に影響されて怨霊と化したのだろう」

 

「…胸糞悪りぃモン見せてくれんじゃねえか? ブラックって野郎!!」

 

 吠えるバーダックと構えるターニッブ。

 

 二人のサイヤ人は同時に気を纏い、怨霊に向かって拳を繰り出した。

 

ーーーーーー

 

 未来世界の北の都。

 

 悟飯とピッコロとガーキンはゼノとトランクスの案内の下、地下シェルターを移動していた。

 

「こいつは、スゲえな。網の目みたいになってやがる」

 

「…地下に、こんな施設があるなんて」

 

 ガーキンと悟飯が互いに告げ合う中、トランクスが声を上げた。

 

「人造人間達に追い詰められた俺たち人間が、最後の抵抗に作ったものです。生き延びて生き延びて、そんな願いを込めてーー。俺が奴らを倒したことで、本来なら不要になるはずだったのに」

 

 歯を食いしばるトランクスの肩を、悟飯は軽く叩く。

 

「トランクスさん。まだ最悪の事態には、なってません。俺とピッコロさん、俺の中のもう一人の俺もゼノさんも居ます。トランクスさん一人で戦わなければならない状況より、余程マシですよ!」

 

「はい、心強いですよ。貴方やピッコロさんが過去から来てくれるなんて! でも、タイムマシンも無いのにどうやって?」

 

 問いかけるトランクスにピッコロが声をかけた。

 

「俺と悟飯は、ターニッブというサイヤ人に時の狭間のナメック星で修行してもらってな。元の世界に帰る際に気になる気配がする時空の階段があった。そいつを上ったら、此処だったってわけだ」

 

「時の狭間?」

 

 ポカンとするトランクスにゼノが応えた。

 

「タイムマシンで過去に向かう際に通る時空の狭間だ。その世界はあらゆる可能性が交わり、時の流れもあやふやだと聞く。特異点とも呼ばれているらしい」

 

「さすが、銀河を管理する神ーー界王だな。物知りだ」

 

「元、と言ってくれ。今の私には界王など、重過ぎる」

 

 ニヤリと笑うピッコロにゼノが応えるも、ピッコロは瞳を鋭くして問いかける。

 

「何を寝言を言ってる? 界王が自分の責任を果たさずに逃げてどうする?」

 

「…私には無理だ。私は、界王や界王神になどなるべきでは無い。別次元とはいえ、人間の醜さのみに目を向けてあのように恐ろしい事をしでかすとは。私は、なんと愚かな男だ」

 

 悲しげに呟くゼノを悟飯とトランクスが悲しそうに見る中、ピッコロがいきなり胸倉を掴み上げた。

 

「…ふざけるなよ。孫悟空の名を守るだけで、貴様の責務が果たされたと思っているのか!? 界王たるものが、そんな狭量でどうする!?」

 

「おいおい、よせよ。仲間内でやめとけって!」

 

 焦ったガーキンが止めに入ろうとするよりも早く、ゼノが叫び返す。

 

「…ならば、どうしろというのだ!? 全ての宇宙の界王神をブラックは殺した! その上で、人間も地球を除く全ての宇宙の人々を殺したんだ!! 殺された人々に頭を下げて詫びろというなら、いくらでも詫びよう!! いっそ責めてもらった方が気が楽だ!!」

 

 胸倉を掴み返し、ゼノは真正面にピッコロを睨み返して叫ぶ。

 

「…だが、それでは何も変わらん。何も、救えん。どうすればいい? 孫悟空の名を守ることぐらいしか、今の私には無理なんだ!!」

 

 慟哭のような声を上げるゼノ。

 

 その声が、地下通路に響く。

 

 思わずトランクスが手を伸ばす中、悟飯が肩を制して首を横に振った。

 

「貴様の中にいる孫悟空は今、何と言ってる?」

 

 静寂の中、ピッコロの落ち着いた声が聞こえる。

 

「………私には、そんな資格はない」

 

「いいから応えろ!! 孫悟空は何と言ってる!?」

 

 ピッコロの問いかけにゼノは、静かに呟く。

 

「……みんなを守ってくれ、と。助けてくれ、と。界王様なら、戦ってくれと。だが、私は……!!」

 

「…界王を名乗る資格がない、か? そんな事を誰が決めた? 貴様の師である界王神様か? それとも全王様か? 貴様の宇宙の破壊神様か!?」

 

 叫ぶピッコロにゼノも叫び返す。

 

「どの面下げて界王だと言えるのだ!? 人間と神の在り方に矛盾を感じていた!! ヤツのーーブラックの考え方は正に私なんだ!! 私もああなっていたかもしれん。孫悟空とターニッブの闘いを見なければ。彼らの心を知らなければ、私は!!」

 

「…ブラックは貴様とは違う」

 

「違わない!! あれは、私だ!!」

 

「いいから聞け!!」

 

 頑ななゼノに向かって、ピッコロは叫ぶ。

 

「心を知らなければ、と言っていたな? お前は何故、ゼノになった?」

 

「…ブラックが、孫悟空を名乗るからだ。ヤツが名を貶めるならば、私が名を守らねばならんとーー」

 

「ブラックは何故、孫悟空になった?」

 

 ピッコロの問いかけに、ゼノは訝しげにしながらも応えていく。

 

「……それは、ヤツが孫悟空に負けたからだ」

 

「孫悟空の力を目当てに、孫悟空の肉体を手に入れた。そうだな?」

 

 ピッコロの問いかけに頷くゼノ。

 

 ピッコロは、悟飯とトランクスに目を向けた。

 

「…違うな?」

 

 これに悟飯が即座に頷き、トランクスも肯定する。

 

「ええ。全然違いますね」

 

「…母さんも言ってましたが、ゼノさんとブラックは似てませんよ」

 

 ゼノは自嘲気味に笑い、告げる。

 

「それは私が孫悟空の魂と融合したからだろう」

 

「…そもそも、お前は融合した孫悟空という人間を下等だと思うのか?」

 

 ゼノの眦が吊り上り、ピッコロを睨みつける。

 

「…孫悟空は、私にとって理想だ。何度も世界を救った男を尊敬こそすれ、下等だなどと思えるものか」

 

「悟空は世界を救うなんて思っちゃいないがな。ただ、目の前で人が助けを求めるなら助けるだけだ。善人も悪人も分け隔てなくな。それがヤツの弱点であり、美点でもある。タチの悪いことに自覚してないがな」

 

 フランクな笑みを浮かべてピッコロは笑うと、ゼノを静かに見据える。

 

 その声はピッコロの低く通る声ではなく、落ち着いた温かみのある声だった。

 

「…孫悟空は、神であった私にも対等に話をしてくれた。無論、最低限の礼儀を払った上での事だ。過ちを過ちだと告げてくれた。無欲で、権威などに興味がない。そんな男だからこそ、あやつは多くの者に慕われた」

 

 目を見開くゼノにピッコロの姿をした誰かは笑う。

 

「私は、お前達に多くの事を教わり救われた。無論、ピッコロもだ。ザマス殿、界王であらせられる貴方に告げるのは極めて無礼だと知った上で、話させてほしい。孫悟空の声に、もっと耳を傾けなさい。実直で生真面目な貴方の中に居るドジで明るくて、優しいサイヤ人の心を。もっと感じてみなさい」

 

 穏やかな笑顔の人物にゼノは唇を震わせる。

 

「…貴方は、地球の。神様……か?」

 

 問いかけにピッコロの顔をした誰かは、茶目っ気たっぷりに笑った。

 

「さて、私は本当の名も忘れてしまったナメック星人ですよ。界王様」

 

 瞳を閉じ、元のピッコロの表情に戻る。

 

「…あんたに言いたいことは、ヤツが言ってくれた。後はあんたが考えろ。界王としてのあんたの在り方をな」

 

「…ピッコロ。私にそれを告げるために、神様を?」

 

「…さあな? 要らんせっかいを焼きたがるのは、神の影響かもしれんな」

 

 笑いながら、ピッコロは告げる。

 

「あんたを見ていると思い出すんだ。神になりたくて邪悪な心と別れたかつての事をな」

 

「…ピッコロ」

 

「元が一つだったからか、互いに認められず嫌悪しかなかったが。今となっては詮無いことだ」

 

 ニヤリとピッコロはゼノに笑いかけた。

 

「…なあ、孫悟空?」

 

「………ああ。そうだな、ピッコロ」

 

 互いに笑い合う姿は、先程まで胸倉を掴み合った二人とは思えないほどに穏やかだった。

 

「トランクス! ゼノくん!!」

 

「良かった、トランクス! 無事だったんだね!!」

 

 其処には青い髪の初老の女性と黒髪の妙齢の女性が、こちらに駆け寄ってきた。

 

「母さん! マイも!!」

 

 トランクスも駆け寄っていく。

 

 三人が無事を確認して一息ついたところ、ブルマが悟飯とピッコロを振り返る。

 

「え? ピッコロ? それに、孫君?」

 

 目を見開くブルマにトランクスがニコリと笑いかける。

 

「過去から援軍に来てくれたんです。悟飯さんとピッコロさんが!!」

 

「ど、どういうことなの?」

 

 キョトンとするブルマとマイに、トランクスが告げる。

 

「まずは皆に紹介しないと。新しい仲間だって!!」

 

「…そうね。過去のピッコロと悟飯君よね。よろしく」

 

 ブルマの初老に似合わないウインクに悟飯が笑顔を返す。

 

「はい! よろしくお願いします、ブルマさん!!」

 

「…しばらくは世話になる」

 

 そんな二人の戦士にブルマがニコリと笑いかけた。

 

「……俺も居るんだけどな。ま、いいけどよ」

 

「勿論、ザマスを吹き飛ばした蹴り技。アテにしてますよ、ガーキンさん!!」

 

「お! そう言われると、悪い気はしないな!!」

 

 寂しげに呟くとトランクスのフォローが入り、喜んでしまうガーキンであった。

 

ーーーーーー

 

 一方、悟飯達と別れたターレス達は、廃墟と化した街を舞空術で散策していた。

 

「…チッ。人っ子一人居やしねえ。たまに人影の群れを見つけたと思ったら唯の亡者とはな。つくづく、生きた人間だけを殺してるみたいだな、ブラックは」

 

「亡者って。さっきの連中、明らかに死んでたわよね?」

 

「ああ、怨霊に亡骸を動かされた哀れな死者の末路だ」

 

 物珍しくもない、と吐き捨てるターレスにザンギャが目を見開いたまま告げる。

 

「…そ、そうなの? 死んでる人間が彷徨い歩くって普通じゃないわよ?」

 

「ああ、ザンギャさんははじめてなんですかね。私やセルさんやブウさん。それにターレスさんは死者の都から復活した存在ですからね。こんな光景は見慣れてるんですよ」

 

 肩を竦めながら告げるフリーザを、ザンギャが気味悪げに見つめる。

 

「だからって、気持ち悪くないの?」

 

「まあ、人間だと思わなければね。動くゴミみたいなもんですし」

 

 などと会話する二人を置いて、ブウが頭についた触角のようなモノを前方に向ける。

 

「…む? ターレスよ、生きた人間がいるぞ。あの建物の地下だ」

 

「ほう?」

 

 ブウに応えながらターレスは建物の影に移動する。

 

 崩れかけたビルの入り口に隠れるように扉があり、開けると地下通路へ続く階段があった。

 

「…なるほどな。亡者どもが見つけられん訳だ」

 

「扉は閉めておいてやれ。生き残りをわざわざ亡者の餌にすることもあるまい」

 

 セルからの言葉にフンとだけ応えて扉を閉める。

 

 真っ暗な地下通路への階段をブウが灯りをつけながら先頭を進んで行く。

 

「…居たぞ」

 

「そのようだな。おい、貴様」

 

 ターレスが地ベタに寝転んでいる小太りの肩まで黒髪を伸ばしたザンバラ頭の男に声をかける。

 

「…助けてちょーだいよー。腹ぁが減ってどぎゃあもならんでしょ」

 

 力無い声にフリーザとセルが顔を見合わせる。

 

「お腹を空かしてるみたいだね」

 

「飢え死にされても面倒だ。ブウ」

 

 これにブウがやれやれと言いながら手近な瓦礫に触角を向け、桃色の光を放つ。

 

「フルコースになれ! で良いか」

 

 現れた白いクロスのテーブルの上には、上品かつ豪華な食事が並んでいる。

 

 倒れていた男は、匂いを嗅いだだけで立ち上がり、貪り食べる。

 

「中々に良い食いっぷりだな」

 

「ふん。ブウ、俺にもくれ。腹が減ってきやがった」

 

「いいだろう」

 

 ドカッとその場に座り込むターレスの前に先の光を放ち、料理を用意する。

 

 ターレスは食器を使わずに素手で肉の塊を掴み、野性味溢れる食い方で噛みちぎる。

 

 しばらく食い合っていると男が、骨つき肉を齧りながらターレスを見て叫んだ。

 

「助けてもらって、ありがたいやー。この恩は忘れんでしょ〜! って、おみゃあさん! 孫! 孫悟空じゃなーかー!?」

 

「? 孫悟空? カカロットの知り合いか?」

 

 肉を齧り、酒を飲みながらターレスは、訝しげに小太りの侍を見上げた。

 




次回もお楽しみに(´ー`* ))))
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