この闘いからは逃れられない。
そう、全なる王を倒さなければ絶対の神などにはなれないのだから……。
未来世界の地球にターニッブ達が現れた頃。
遥か彼方の界王神界では、ザマスと全王の闘いが続いていた。
原子や霊魂をも含めた概念とも言える存在。
消滅と再生を幾度にも繰り返す二柱。
「すごいね、楽しいね。君は中々、消えないんだね」
無邪気に楽しむ全王を前に世界の意思と融合したザマスは、脂汗をかいて肩で息をしながら立っていた。
「………おのれ。全王!!」
歯軋りしながら睨みつけるザマスに、全王はニコニコ笑いながら首を傾げる。
「世界の意思と融合したんだってね、ザマス君。だけど、君の守ろうとする世界や君達ーー神を生み出したり、消したりするのは誰だと思うの?」
全知全能の王。
全てを知り、全ての事象に干渉できる神々の長。
頭の中に流れてくる情報にザマスは笑う。
「…なるほど。神でも、所詮は全王のコマに過ぎぬ、か」
「世界も神も、全てを司るのがボクなんだよ? 世界の意思は教えてくれないの? ボクを倒せば宇宙も終わるって」
淡々と無表情につぶらな瞳をザマスに向けて、全王は語る。
「…世界を管理する神、世界を破壊する神、世界に生きる生命。それを見守る天使。ボクはね、それを見てるの。ずっと独りでね」
「……全王。貴様の存在は確かに世界にとって必要なのだろう。だが、生み出された世界は滅される事など望んではいない!!」
「ザマス、君のちっちゃな価値観と世界が同じ天秤にあると思うの?」
「ならば、ならば全王! 貴様は、なんだ!? 勝手に我を生み出し、神に管理させ。気に入らねば破壊する。それで管理した気になってる貴様は、我と何が違う!?」
問いかけるザマスに全王は、感情のない無邪気な笑顔で告げた。
「面白いね、君」
「なんだと?」
「ちっぽけな正義にこだわってバランスを保てない。神としてここまでダメなの初めて見た」
小首を傾げる子どものような仕草と無邪気な声に反し、老人のように悟り切った瞳と落ち着いた態度。
淡々としたーー、
超然とした雰囲気の全王にシンやキビトが呑まれる中、ゴワスは淡々とザマスを憐れむように告げた。
「…ザマスよ、生み出された我らはどう足掻いても全王様には勝てぬのだ」
だが、ザマスは全王に向けニヤリと笑う。
「ちっぽけだと? 愚かだな、全王よ。私は全てを超越したのだ。世界の意思と一つとなり、生と死を乗り越えた!!」
薄紅色のオーラを身に纏い、気を高めるザマス。
両手を広げ、高らかに天に向かって告げる。
「世界の痛み、嘆き。神々と人間の罪をこの身に引き受けたのだ!!!」
全王は、その表情を淡々と見つめている。
「世界をこれ以上、貴様らの好きにはさせん。世界の意思と共に我は、貴様を討つ!! この世全てを統治する神々の長よ。貴様に生み出され、虐げられ、嘆くだけだった我ら世界の怒りを知れ!!」
「へ~、それで化け物になっちゃったんだね。ザマス」
「ほざけ、全王!!!」
はじめて拳を握って構えを取り、高速移動で姿を消して殴りかかるザマス。
「……わ! 消えちゃった!!」
無邪気な全王の背後に現れ、手刀を作って振り下ろす。
狙いは全王の首。
光を纏う手刀は、全王に触れる寸前で見えない壁に阻まれるように止まった。
「……くっ!?」
「凄いね、ザマス。いつの間に後ろに回ってたの?」
ニコニコしながら全王は振り返り、ザマスを見つめた。
「ぐわぁああっ!!」
瞬間、ザマスは後方へ弾き飛ばされる。
闘いにすらならないのを悟り、ザマスは後方で吹き飛ばされた体勢を整えて全王を睨みつけた。
「…ふん。文字どおり住む次元が違う、か。攻撃がまるで通じんとはな」
クスクスと無邪気な子どものように笑う全王。
ザマスは世界の意思と一つになることで、全王の正体を見る。
それは、この世界に生きるモノは誰であれ、全王に傷一つ付けることは出来ないという理だ。
全王という個体は見えているし、触る事も出来る。
しかし、その存在を害することは何人にも出来ない。
全王に生み出された世界のモノは、全王を傷付けることは愚か、逆らう事も許されない。
世界から生み出された人間はもとより、世界を管理する神々であってもだ。
「…全王。やはり、貴様は世界には不要だ」
淡々と告げるザマス。
「最早、神であることすら、我は望まぬ。貴様という悪に屈する神など不要」
「…じゃあ、消える?」
「貴様がな!!」
言うやザマスは天に顔を向けて叫んだ。
「世界と同化せし、惑星の意思よ! 我に与えよ!! 我らが忌み嫌い、恐れたサイヤの肉体を!!!」
これにシンが目を見開く。
「馬鹿な! ゴクウブラックの肉体を複製させて合体するだけで飽き足らず、合体した肉体をサイヤ人のモノに変化させるなんて!?」
「やめろ、ザマス!! 高位レベルの神の魂に人間の肉体が持たぬ!! 下手をすれば存在が消滅するのだぞ!!」
ゴワスの叫びにすらも応えずザマスは叫ぶ。
「それで滅ぶ我が身ならば、全王に勝てる道理なし!! そうであろう、サイヤよ!!!」
瞬間。
声が辺りに響き渡る。
男とも女とも、子どもとも老人ともつかぬ声が。
ーー 心得た。我の身は其方が身。我の意思は其方の意思なり。我、万夫不当のサイヤの神となり、全なる王を屠ろうぞ!! ーー
滾る悪鬼の如き咆哮。
漆黒の大猿の幻影がザマスの影から生まれ、咆哮する。
瞳を閉じたザマスは祝詞をゆるりと唱えていく。
「我が志、サイヤの神道を求む。無量劫に至りて欲深きを離れ、正に念ず。志、清め真行を修む。我、真なるサイヤの神となりて、目の前に立つもの全て敵とみなす」
漆黒は螺旋の粒子を描いてザマスの肉体に張り付いていき、やがて薄紅色のオーラは。
「天! 我をサイヤの神と為し。我! 真なるサイヤの神なり!!」
薄紅のスパークが散る黄金の炎へと変わっていた。
「馬鹿な。こんな、馬鹿なことが!?」
シンが叫ぶのも無理はない。
神と世界の意思の融合である身が人間の肉体を型取り、変身するなど前代未聞だ。
ザマスはゆっくりと告げる。
「…我、万物を必滅するサイヤの神なり。我が前に立つ者、我が敵と見なす。全なる王よ、我が滅殺の拳の贄となれ!!」
漆黒の螺旋を弾き飛ばし、黄金に燃える髪を持ち、翡翠に漆黒の瞳孔を持つ目を見開いて。
合体ザマスの髪型と服装をした真・超サイヤ人が立っている。
顔立ちや肌の色は悟空やベジータに似ているサイヤ人のモノ。
かつてサイヤが変異したベジットのような圧倒的な力を放って。
「…君、だれ? ザマスじゃないね」
首を傾げる全王に超サイヤ人は笑みを浮かべると同時、姿を消し、目の前に現れた。
「…わわっ!」
全王は自分の左右の手から光を放ち、目の前に現れた黄金の炎を纏うザマスに放った。
だが、放たれた青い光はザマスの右掌に止められている。
「……散れ」
ザマスが呟くと、全王の放った光の玉が消滅した。
その光景にシンやゴワスは目を見開いている。
「ザマスが全王様の光を無効化した!?」
「…何ということだ。これが、お前が目指した終着点なのか、ザマスよ?」
界王神という高位の神ですらも及ばぬ、圧倒的な次元にザマスは立っている。
しかし、全王はこれを見てニコニコと笑った。
「すごいね、ザマス! 僕の力で消せないくらいのレベルに上がったんだね」
微笑みかける全王を前に、サイヤ人の肉体となったザマスは睨みつけた後ーー右手の人差し指と中指と親指を立てて剣指を作る。
その先に太陽のような赤い光の球を作り上げた。
「聖なる逆鱗!!」
叫びながら前方に向かって放つザマス。
極大の光の球が全王の前に放たれた。
「ぜ、全王様!!!」
シンが思わず叫ぶ。
当然だ。
全王の攻撃さえも効かないレベルにザマスが達したのだから。
本来、全王に触れられる存在などいない。
しかし、無限に力を上昇させると言う“真・超サイヤ人”と、あらゆる可能性を取り込むと言う“惑星の意思”の力によって、あり得ない存在へとザマスは変わりつつある。
もしかしたら全王でさえもーー。
シンが不安に思う中。
光の球が爆発し、視界が全て光に消える中、ゴワスは静かにザマスの背を見る。
「ーーザマスよ。お前は、敵わぬと知っていて。尚、挑むと言うのか?」
ゴワスの言葉に目を見開くシンとキビトの前で。
ザマスと対峙するように、全王はそこに居た。
「…これだけ存在の次元を上げても、傷一つ付かんか。やはり、作り出された箱庭(せかい)の神である我がどれだけ力を上げようとも、貴様にダメージを与えるのは困難ということらしい」
つまらなそうに告げるザマスに、全王はニコニコと微笑みかける。
「勝てないと分かってるんだね? なのに、どうして挑むの?」
その問いに応えず、ザマスは淡々と掌を見下して告げる。
「……我は人間こそ、愚かだと思っていた。諦めることを知らず、足掻こうとする人間という存在を。だが、世界は何一つとて諦めることを選んではいない。生きること、其処に存在することを。故に我も従ったまでよ」
絶えず上昇するザマスと言う存在の次元。
それは気が上がるとか、スピードやパワーが上がると言った類の話ではない。
文字通り次元が違う存在に変異することだ。
二次元の存在が三次元の存在に手を出すことが出来ないように。
この次元の神も悪魔も。
全王に手は出せない。
だからザマスは、世界という次元そのものの意思と融合することで変異しようとした。
滅ぼされた世界の記憶と無念。
消された命の意思をその身に宿して。
全王を消せる次元にまで己の存在を高めようとしたのだ。
それは半分、成功した。
事実、全王の力でも消せない次元にザマスという存在は到達した。
しかし、それだけだ。
「そのキラキラ光るスーパーサイヤジンっていうのが切れちゃったら、どうかなぁ? それでも消えないの? ザマス?」
小首を傾げながら問いかける全王に、ザマスは皮肉気な笑みを浮かべる。
そういうことだ。
真・超サイヤ人と世界の意思の力、そして神の魂を持つザマスは次元を高めることが出来る。
だが、それは一時的な物。
真・超サイヤ人の変身が切れれば、その限りではない。
「ふん、ならば肉体と精神、魂を極限まで高めた上で貴様を屠ってくれるわ! 全王!!」
手を大きく上下に開いて掌を相手に向け、対峙するものから見て時計回りに腕を回し始める。
やがて青い光の粒子が、世界に満ちていく。
「ーーなぁに、コレ?」
目を見開いて楽しげに全王は笑う。
青い雷が世界に走り、粒子が弾けてまた世界に満ちる。
それをかき混ぜるようにザマスは両腕を回す。
否、世界に満ちた光の粒子は、ザマスの腕の動きに合わせて回っている。
「こ、コレは気!? 悟空さんの元気玉のように世界そのものから気を集めているというのか!?」
「ーーあ、あり得ません! 何故、ザマスや世界の意思のような邪悪な者が、あのような善そのものの気を。技を使うなど!?」
シンとキビトが唸る中、ゴワスが目を細める。
「自らを正義と疑わぬザマスと、全王様によって消された世界の慟哭が。彼奴にあの技を使わせておるのだろう」
青い光の粒子の輪を一つに重ねて両手を右腰にたわめ、青い光の球を作り出す。
気が膨張し、世界の全てに蒼い光が満ちていく。
肉体と精神と魂の極限にまで高めた一撃。
無限にして究極の力。
翡翠に黒の瞳孔が現れたザマスのーー真・超サイヤ人の瞳が見開かれる。
「極・真空・波動ぉおおおおお拳ぇえええええええんっ!!!!」
両手を前方に突き出し、究極の蒼い光が放たれた。
野太い光線は全王の目の前に迫る。
「消えちゃえ」
全王も両手を広げて青い光を二つ作り上げる。
それを前方で組んで光を世界へと広げていく。
青い光の球が世界に広がろうとするのを、ザマスの放った蒼い光線が押し留めて、全王に向かって突き進もうとしている。
「ザ、ザマス!!!」
歯を食いしばり、全なる王に向かって真・超サイヤ人となった一柱の神ーー否。
男は吠える。
「うぉおおおおおっ!!! 全王ぉおおおおおっ!!!」
つぶらな瞳をジッとザマスに向けて、全王は小首をかしげる。
その力の差は歴然。
それでもザマスは逃げようとしない。
まるでーーそれは。
敗北を知りながらも逃げようとしない“彼ら”のようだと、シンは呆然と思った。
(何を考えているんだ、私は? ザマスは世界を食い物にする存在。悟空さん達と今のザマスの姿が似ているだけだ!! なのにーー何故!!? 何故、ザマスは逃げない!!!?)
魂の叫びを。
心の熱さを。
今まで気取っていた神としての矜持をかなぐり捨てて。
ザマスは全王を前に挑んでいる。
「ザマスーー! それほどの覚悟を持って全王様の前に立っていたのか。しかし、何故だ? その歩む道さえ正すことが出来たならば、お前はーー!!!」
無念そうにゴワスが呟く中、全王はザマスに向かって問いかける。
「君が世界を管理するの?」
「そういうことだ。貴様などに、我が身一つ足りとてくれてやるものか!!」
光と光が押し合う中、全王はジッとザマスを見つめる。
「存在がどんどん上がってってる。破壊神ーー天使ーーもしかしたら、その上にまで行けるかもしれないね。すごいね、ザマス!!」
瞳をキラキラとさせながら喜ぶ全王に、ザマスは表情を不快気に歪めた。
「全王よ!! 我は、貴様を許さん!! 世界を我が物顔で消していく貴様だけは!! 我が宇宙に不要だ!! 貴様だけは、目にものを見せてくれる!!!!」
「見せて、ザマス! 君の可能性。ボクが作り出した世界の可能性を」
淡々とした表情で一切、声を揺らすことなく告げる全王。
その瞳はキラキラと興奮して、子どもが知らないモノを見て喜ぶような表情だった。
「失せろぉおおおおおっ!!!!」
怒りの表情に変わったザマスの一撃。
全てを消し飛ばす一撃は、全王の放った消滅の光を霧散させて一気に全王に迫る。
「ば、馬鹿な!? ザマスの力が全王様の力を上回った!!?」
「そ、そんな馬鹿な!!?」
慌てふためく界王神たちを他所に、全王は小首を傾げながら小さな手をザマスの放った光線に向ける。
掌から数センチ離れたところで止まる蒼い光。
「これだけの力を持ってしても、全王様には触れられんのか? ザマス…!!」
ゴワスは複雑な感情を持ってザマスを見つめている。
今のザマスからは、邪念が感じられない。
純粋に世界を消滅から守ろうとしている。
その事実に、世界を創造する神である界王神が揺らがないわけがない。
ザマスの放った蒼い光は徐々に粒子となって溶けて霧散していく。
「惜しかったね、ザマス」
笑いながら言う全王の目の前に、ザマスは右拳を振りかぶっていた。
全王の顔に向かって降り下ろされる右拳。
強烈な一撃は、しかし全王に触れると同時に衝撃が消える。
ザマスの身に纏っていた黄金の炎のようなオーラが消滅し、サイヤ人だった肉体は元の緑色の肌をした白髪に銀色の瞳の合体ザマスの姿となった。
更に元のボリュームの髪に戻り、ザマスは界王神黒を基調とした服に赤い帯をした付き人の服装に変わった。
だが、その瞳は全王を睨みつけている。
「ザマス、終わり!」
無邪気に全王は宣言し、ザマスの前に手をかざす。
ゴワスが叫ぶ暇もない。
全王を相手にあれほどの抵抗をした神・ザマスは、あっけないほどにあっさりと消滅した。
消される瞬間でさえも、ザマスは全王から目を逸らすことなく消えて行った。
その様にゴワスは悲し気な表情に変わっている。
そんなゴワス達の胸中など知る由もない全王は、周りを見渡して一つ頷いた。
「えっと~! ザマスを消しちゃったし、神も人間もほとんど死んじゃってるみたいだしぃ~。この世界は一度消して、やり直した方がいいかな?」
そう言うと両手に光を溜めていく。
シンが思わず叫んだ。
「お待ちください! 世界から神と人間を滅ぼそうとしたザマスは消えました!! 世界を滅ぼさなくても!!」
その言葉に全王は淡々と告げた。
「無理だよ。それを管理する僕が面倒なんだもん」
「ぜ、全王様ーー!!!」
無情な全王の言葉にすがるような表情だったシンが絶望の声を上げる。
全王は淡々と両腕を振り上げる。
「消えちゃえ、こんな世界ーー」
その時、全王の顔に赤い光弾がぶつかる。
全王はキョトンとした表情で光弾が飛んできた方向を見据えると、其処には腰まで伸びた金色の髪をした、長身瘦躯にカジュアルな服装をした男が立っている。
地球で孫悟空・ゼノとゴクウブラックによって倒された、究極の人造人間・超17号。
だが、黒髪だった彼の髪は金色に変わっている。
「フン。コイツが、全王か」
「君ーー誰?」
小首を傾げながら問いかけると金髪の超17号はニヤリと笑った。
「パワーは少し落ちてしまったが。残酷極まりない、この世界の17号と18号の魂と融合出来た。これで俺は最強にして究極の人造人間となったのだ。究極17号の誕生だーー!!」
自らを究極と述べ、金色の髪の超17号はパワーを引き上げる。
「君、ザマスの分身? 僕と戦うの?」
「フン、貴様などに用はない!!」
そう言って漆黒のオーラを身に纏う。
同時に超17号は天に向かって告げた。
「一星龍!! ベビー!! 貴様らの声をザマスに届かせろ!!!」
そう言いながら超17号は天に向かって、掌から漆黒の雷の球を放った。
それは空間に大穴を開ける。
その大穴に向かって超17号は声を張り上げた。
「聞こえているか、ザマス!! 俺達を従えるなどとデカイ口を叩いていて、このザマか!!! それで良く世界を我が物にするなんて言ったモノだな!!!?」
その声に呼応するように、大穴から赤黒い雷が放たれ一点に集中して光の塊となる。
次にサイヤ人の王子の肉体を手に入れたツフル王・ベビーの声が届く。
ーー 全くだ。俺を界王神にしようと言った神の器が、こんな程度ではな ーー
その声に反応するように塊は大きくなり、徐々に人間大の大きさへと変わっていく。
界王神たちが目を見開く中、赤黒く禍々しい雷は白金色の神々しい光を纏いはじめる。
ーー 人間どもの勝手な願いによって邪悪龍は生み出された。神々は、人間を見届けるだけで何かをしようとはしなかった。それを貴様は変えたのだーー!! その無能の王に見せてやるがいい、ザマス!!! ーー
そして一際、巨大な声が届く。
邪悪龍の長にして、ドラゴンボールという願い球の邪悪なエネルギーから生み出された白き龍。
一星龍が、叫んだ。
ーー 貴様の怒りは正しい!! その怒りで、愚かな神々を滅ぼすのだ!! 我らが、神よ!!! ーー
その声に呼応するように赤黒い光の塊は白金色の神々しい光によって、まるで卵の殻を割るようにひび割れて爆発した。
中から白金色の炎のような神々しいオーラを纏った、黄金の髪と白い肌、翡翠に黒の瞳孔を持つ目を持った合体ザマスの髪型と服装をした真・超サイヤ人が立っている。
「ーー存在の次元が、更に上昇した?」
目を見開く全王に向かい、真・超サイヤ人はニヤリと笑った。
「礼を言うぞ。17号、ベビー、そして一星龍よ。我は、更なる高みへと至る!!」
拳を握り締める真・超サイヤ人に、全王が呟いた。
「世界の意思と融合してる?」
「そういうことだ、全王。これで貴様の存在は理解した。この世界より消えてもらう!!」
それだけを告げると真・超サイヤ人は片手を全王に向けた。
全王が目を見開くと同時、全王の存在が何かから弾かれるように消えた。
世界から弾かれたのだと界王神達には理解できるが、何故そんなことになったのかまでは理解できない。
「ぜ、全王様が、消えた…!!」
ポカンとするシンに向かって、真・超サイヤ人の変身を解いて通常のザマスに戻ると、彼は肩をすくめた。
「消したわけではない。孫悟空達サイヤ人どものように、この世界から弾いただけだ。全王の宮殿に行けば奴はピンピンしているさ」
そう告げた後にニヤリと笑う。
「もっとも、二度と奴は我の世界に来ることはできんがな」
その言葉に界王神たちが目を見開く。
未来世界・全12宇宙の管理権がザマスにあると言うことだ。
「いかがでしょう、ゴワス様? 私の勝利です」
穏やかな微笑みを浮かべるザマスに向かって、シンやキビトが絶望したような表情でうなだれる中、ゴワスが目を細めて告げた。
「まだ分からんぞ。サイヤ人達は、まだ抗っている。そして、私の弟子のザマスであったゼノと別の世界のお前であったブラックもな」
真剣な表情で告げてくるゴワスにザマスはクスリと微笑んだ後、言った。
「ーー確かに。では、最後の闘いを始めましょう」
踵を振り返ると、合体ザマスに変身した状態で彼は告げる。
「この世界を握るのは、我らか! それとも貴様らかを!!」
その宣言に超17号も冷酷にニヤリと笑ってザマスを見つめた。
次回は、明日の午前7時です。お楽しみに(*^^*)