本編よりも、こちらが燃えてしまったことに申し訳ないカンナムです。
破壊神ビルスの星。
数ある星々の中でも、四角錘を上下に組み合わせたような形のこの星は宇宙で一つしかない。
この星では、破壊神と付き人以外に四人のサイヤ人と呼ばれる戦闘民族の男が揃っていた。
見た目が青年のような若々しさを持つ黒髪黒目の彼らは、現在二手に分かれて互いに見合っている。
「最初はオラ達からだな? ブロリー!」
山吹色の道着に青色のインナーを着た明るい雰囲気の男が、自分よりも頭二つは高い落ち着いた雰囲気の長身の男を見上げる。
孫悟空とブロリーだ。
「…お前となら。久し振りに本気を出せそうだ」
「へへっ! オラもだ!!」
互いに不敵な笑みを浮かべて拳を握る両者。
髪を逆立てた目つきの鋭い小柄な男・ベジータが悟空の背後に陣取り、悟空と酷似した容姿の男・バーダックがブロリーの背後に陣取る。
「貴様らの戦いを見せてもらうぞ。カカロットにブロリー!」
「せいぜい、楽しませろよ?」
ライバルと父からの言葉に悟空もニッと笑い返した後、破壊神の付き人であるウイスを見つめる。
「準備はよろしいようですね。では、ビルス様」
これに、長身の付き人の背後に立った紫色の猫のような見た目をした人物は、細い目を見開いて凶悪に笑った。
「見せてもらおうじゃないか? お前達サイヤ人の修行の成果を」
ビルスの墨付きをもらったことで、いよいよ悟空とブロリー。
二人のサイヤ人が真っ向から対峙する。
白い気を纏い黒髪を靡かせながら、両者は腰を落として斜に構える。
悟空は顔の横に左手を置き、右拳を腰に置く亀仙流の構え。
対するブロリーは左腕を肩の高さで前方に伸ばして拳を軽く握り、右拳を顎につける。
張りつめる空気。
見つめ合う黒瞳と黒瞳。
「さあ来い、カカロット!!」
「いくぞ、ブロリー!!」
同時、二人が消えて足場が弾け、高速での攻防が始まった。
互いに目にも映らないハイスピードバトル。
空間を飛び回りながら次々に発生する光の波紋と衝撃波、そして遅れてくる轟音。
破壊神ビルスの瞳が険しく細められている。
「いかがです、ビルス様? 全宇宙武道大会には間に合いそうですか?」
「…悪くないね、だけど。悟空やブロリーなら、まだ上を目指せるだろ? ウイス、修行を緩めてないか」
「まさか。悟空さんもブロリーさんも、相手の実力を測るところから始まります。お互いの調子を見ているのでしょう」
「……勿体ぶるじゃない? ま、確かにね。一々、雑魚相手に変身してるようじゃスタミナ切れにも繋がるだろうし、ね」
瞳を鋭く細めながら、ビルスは自分の惑星を所狭しと飛び交う二人の戦士を見上げる。
飛び交っていた二人の戦士は両手を組み合って、力比べをする姿勢で止まって現れた。
無表情のブロリー。
不敵な笑みの悟空。
ふと、互角の力比べをしていた二人のうち、悟空が下に沈む。
咄嗟にブロリーは掴み合っていた掌を放し、両腕をクロスさせると真下から悟空が両足を揃えて蹴り込んできた。
ガードの姿勢のまま上空へ吹き飛ばされるブロリーだが、彼は淡々とした表情で天頂で止まるとクルリと真後ろを振り返る。
背後に高速移動で姿を現した悟空が拳を繰り出してきていた。
左手で横に流しながら右の拳を返すブロリー。
両者、目にも留まらない拳と拳、蹴りと蹴りの撃ち合いが始まった。
一つ打たれてはガード、もしくはかわし。
一つ打ち込んでは返しが来ると次を打ち込む。
互いに息もつかせぬ攻防を繰り広げながら、二人は息を全く切らさない。
強烈な悟空の後ろ廻し蹴りに対し、ブロリーはしなやかで長い腕を折り畳み、肘をぶつけるように受け止める。
歯を食いしばる両者。
「カカロット! もっと動け!! ブロリーに動きを読ませるな!! 左右に飛び散りながら手数で攻めろ!! スピードと技なら貴様が上だ!!!」
「譲んじゃねえぞ、ブロリー!! タフさと打撃の重さ、リーチならテメエが上だ!! 蚊とんぼみてえな動きに惑わされずに叩き落とせ!!!」
ベジータが悟空に叫べば、負けじとバーダックがブロリーに告げる。
二人の助言にビルスが頷いた。
「確かにね。お互いに総合的な能力が五分である以上、持ち味を生かした戦い方をできるかが勝敗の分かれ目ではあるだろうけど」
「お互いの戦い方を熟知しているお二人です。そう簡単に自分のペースには持ち込めないでしょう。詰まるところ、この様子見はもうしばらく続くことになる」
「それは、つまらないね? 見ているだけの僕が楽しめない」
ニヤリと邪悪な笑みを浮かべるビルスに、ウイスはニコリと微笑みを返してから悟空とブロリーを見上げる。
「ではーー!」
ウイスは空中で互いに打撃を繰り出しながら、仕掛けるタイミングを牽制しあう二人に声を張り上げた。
「悟空さん! ブロリーさん! お二人とも様子見はそのくらいで! ビルス様や私を退屈させないでくださいよ!!」
互いに強烈な右上段蹴りをぶつけ合わせて止めると、バックステップするかのように空で距離を取って止まる二人。
「…だってよ、ブロリー?」
「フン。我が儘な神と天使だ」
互いにそう述べ合うと、悟空は蒼銀の緩やかな炎のようなオーラを身に纏い始める。
髪は天に向かって逆立ち、目つきが鋭くなって瞳は翡翠へと変化した。
神々しいオーラを纏って神の域に達した超サイヤ人は、ニヤリとブロリーに笑う。
「…超サイヤ人ブルーだ。来い、ブロリー!!」
「フン。ならば伝説の超サイヤ人の力、見せてやるぞ!! カカロット!!!」
天に向かって顔を上げ、気を引き上げ始めるブロリーは白目を剥いて一気に髪を逆立たせる。
周囲の気がブロリーの纏う球型のオーラに集約されるように引き込まれていく。
同時、緑色の光がブロリーの胸の辺りから爆発して世界を覆うように光った。
現れたのは、3メートルを越える筋骨隆々とした金色の髪に、白目の禍々しい力を持った戦士。
神の気を纏う超サイヤ人に対するは、かつて悪魔とよばれた伝説の超サイヤ人。
神々しい蒼と禍々しい緑が、互いに向かって気を高めていく。
「いかがです? ビルス様」
「ほっほう! すごいパワーだ! どっちも良いんじゃない!?」
「ええ、別の宇宙の破壊神なら十二分にスカウトすべき力を持った人材ですね」
頷きながらウイスも目を細める。
惑星サイヤでビルスと互角に戦った超サイヤ人ブルーの悟空。
その悟空と同域にあるとされるブロリーの力が、どれだけのものか。
実はウイスも初めて見るのだ。
「行くぞ、カカロットォオオオオ!!」
「っ!!」
パワーを一気に引き上げながら、緑がかった金色のオーラを纏ってブロリーが突貫してきた。
巨体に似合わぬスピードに思わず悟空が目を見開いて構える。
振り下ろされる巨大な左拳を左腕で受け止めて歯を食いしばる悟空。
拳を受け止めたことにブロリーはニヤリと笑みを深めた。
「止めたか。さすがだな!!」
「腕がしびれたけどな。今度は、こっちの番だあああああ!!」
悟空の言葉を合図に、先程までと同じように拳と蹴りをぶつけ合う両者。
秒間に数百は下らない打撃の応酬。
正確なガードに的確にピンポイントを打ち抜く悟空の打撃に対し、圧倒的なタフネスと無限に高まるパワーをもってごり押しするブロリー。
しばらく、二人の戦いを見上げていたベジータが呟いた。
「やはり、カカロットの超サイヤ人ブルーでも伝説の超サイヤ人に変身したブロリーにダメージを通すのは難しいか」
「……のようだな。今のブロリーは痛みを感じないだけじゃなく、無限に気を上昇させる。気力の消費を抑えるブルーとは真逆だ」
向かいで見上げるバーダックも淡々とした声で呟く。
野太い首に鋼のような胸板。
丸太のような両手足に、3メートルを越える巨躯は伊達ではない。
ブルーのパワーでは基本的にダメージが通らないだろうが、それでも悟空の的確に急所を打ち抜く技と弱点を見抜く神眼が、本来は通らない攻撃をブロリーの肉体に通している。
もっとも、ダメージを与えるといっても今のブロリーには痛みが無力となっている状態な為、ブルーとは相性が悪い。
しばらく打撃を交換しあい、離れる両者。
「ちくしょう。こっちの攻撃がぜんぜん効いてねえ。オラもブロリーの弱点をついてるはずなんだけどな」
「フヒヒ、そんな簡単に俺にダメージを与えられると思っているのか? 確かにお前の攻撃は俺の急所を的確に射抜いている。だが、伝説のサイヤ人になった今の俺には痛みなど感じぬ!!」
「……反則だろ、そりゃあ」
「つまり、今のお前では俺に勝つことは出来ぬ!!」
一気に突っ込んでくるブロリーに対し、悟空も構えてから突っ込み返す。
互いに右の拳をぶつけ合い、押し合う。
両者のパワーで地面にクレーターができ、掘り進んでいく。
一瞬の拮抗。
「ぐあぁあああっ!」
後方へ吹き飛んだのは悟空。
「ブロリーの突進を止めたのは見事だったが、相手はパワーを何処までも高めることができる。加えて腕力と体重で勝るブロリーの方が力比べには有利だね」
「悟空さんは、ブルーの見切りと自分の技をもってブロリーさんの突進からのパンチを右ストレートで止めて見せた。それでも力比べではブロリーさんの方が有利。加えて痛みを感じないタフネスとスタミナを前にどうやってブルーのまま勝利するか」
「対するブロリーは、悟空に何かをさせる前に叩き潰すか、か。いや、アイツのことだから悟空の対抗策を見た上でパワーでねじ伏せる方を選ぶか」
「どのみち、決着がつくのは後でしょうねぇ」
「……どうかな? サイヤ人達の気性を見るに、そんなのんびりしてないんじゃない? あいつらは」
ビルスの瞳が鋭くなると同時、拳や蹴りをぶつけ合っていた悟空の瞳が鋭く細められた。
ブロリーの白目が見開かれる。
「界王ぅ拳ぇえええんっ!!」
「ぬっ!?」
いきなりパワーとスピードを増した悟空にブロリーが吹き飛ばされる。
後方へ弾け飛んだブロリーは、ニヤリと口の端を歪ませて笑った。
「そうこなくちゃ、面白くない! カカロットォオオ!!!」
さらに気を高めて突っ込むブロリーに悟空も拳を合わせる。
再び繰り広げられる乱打戦。
今度は捌き切れず、強烈な炸裂音と共に互いの顔が交互に仰け反り始める。
その光景をベジータは静かに見上げながら叫んだ。
「譲るなよ、カカロット! 接近戦は貴様の土俵だろうが!!」
バーダックも隣で叫ぶ。
「よぉし! テメエの必勝パターンだ、ブロリー!! カカロットのスタミナが切れたところをぶっ潰せ!!」
悟空が炸裂弾のような拳打を五発、ブロリーの急所に叩き込んで仰け反らせれば。
強烈なブロリーの重い拳の一撃が、悟空のガード越しに打ち込んで吹き飛ばす。
「ち、少しは手加減しろぉ!!」
「手加減ってなんだぁ? ククク」
軽口を飛ばし合いながら殴り合う両者。
戦闘力という面においては悟空の方がブロリーよりも上だが、ダメージを与えられない上に時間が経つにつれて気が上昇するブロリーと打撃を交換する度にスタミナを減らす悟空は不利になっていく。
(さあて。このままじゃブロリーにゃ、勝てねえ。界王拳の倍率を上げるか、それとも真・超サイヤ人を使うか、だがーー!)
瞳を鋭く細めながら相手の動きを見る悟空。
(フン、さすがカカロット。悔しいが打撃のセンスに関しては俺よりも上だ。伝説のサイヤ人に変身していなければ、あっと言う間にやられていただろうが…)
ニヤリと余裕の笑みを浮かべながらも、白目の向こうでブロリーは冷静に己と相手の戦力を分析している。
「よし!!」
悟空は覚悟を決めたように一瞬瞳を鋭くすると、金色のオーラを纏った。
蒼銀の髪が金色に変化し、纏うオーラは金色に変化している。
超サイヤ人ーーあらゆる変身のバリエーションの基本中の基本とも言える変身だ。
しかし、悟空は基本の超サイヤ人に変身しながらも、純粋な戦闘力は神の気を纏うブルーよりも少し上の状態を維持していた。
「超サイヤ人、か。お前のとっておきの一つだな」
「ああ。戦闘力の引き上げの限界。超サイヤ人の極みってところだな」
通常の超サイヤ人のまま、神の気を纏うブルーをわずかに上回る気を纏っている。
心と技、肉体を極限にまで鍛えたサイヤ人だからこそできる変身。
2や3といった無理な変身をすることなく、極限のパワーを引き出せるようになった。
「だが、その状態の超サイヤ人では俺は倒せんぞ? 伝説の超サイヤ人は、気を無限に引き上げる」
「ダメージを与えられねえからか? 案外、そうでもねえかもしんねえぞ」
「……なに?」
言うと同時、悟空は高速移動でブロリーの目の前に現れる。
目を見開くブロリーの腹に強烈な右の拳が打ち込まれた。
「ぐぅお!? こ、この拳は……!!」
その一撃は、ブロリーをして懐かしい一撃だった。
新惑星ベジータで悟空に負けたときに打ち込まれた一撃。
そして死者の都でターニッブに打ち込まれた一撃に酷似している。
「か、カカロット! お前……!!」
よろめきながらもブロリーは悟空を見上げる。
対する悟空はニヤリと笑みを返した。
「心の力ーー! 相手の防御力に関係なく、魂に刻み込まれる一撃。オラも出来るんさ、ターニッブのおかげでなぁ!!」
惑星サイヤのサイヤ人ーーターニッブは通常の状態で極めていた。
その拳は、相手の全力を引き出させるように強い。
悟空の今放った拳は、あのときのターニッブによく似ている。
「真・超サイヤ人と超サイヤ人はよく似てっからな。出来ると思ってたぜ」
力を引き上げると、真・超サイヤ人の基本戦闘力を超サイヤ人の状態で引き出せると見つけたのは悟空だ。
だが悟空は、それだけで飽きたらず、真・超サイヤ人の時に無意識に振るっていたーー相手が誰であろうとダメージを与え、真の強敵に成りうる拳ーー心の力を超サイヤ人の状態で振るえることを見つけていた。
ブロリーは武者震いをしながら拳を握り締める。
「なんて奴だ……!!」
伝説の超サイヤ人のまま、拳を繰り出すブロリー。
その巨大な拳を紙一重でかいくぐりながら、悟空はブロリーの横腹に左拳を打ち込む。
「おぐう!?」
先程までは悲鳴もあげなかったブロリーが、苦悶の声を上げて前のめりになるところを。
さらに悟空の右の拳がボディに叩き込まれ、ブルーの時に見せた急所を的確に五発打ち抜く技を繰り出してきた。
左右の拳で腹を打ち抜かれ左ローからミドル、ハイキックに繋がり、とどめに右の後ろ回転廻し蹴りで空から地面へと吹き飛ばす。
超龍撃拳と名付けた悟空のラッシュだ。
地面に叩き落とされたブロリーの目の前に、悟空は高速移動で現れて着地する。
「どうするよ、ブロリー? そんなデケエ図体じゃ、今のオラには良い的だぜ」
ダメージを与えられる以上、一気に形勢逆転である。
ブロリーが気を高める前に、悟空はブロリーをKOできる。
そう告げながらも悟空は先程のように攻め込んで来ずに、ジッとブロリーを見ている。
「……何のつもりだ? カカロット」
「待ってんだよ。オメエのフルパワーを!」
不敵な笑みを湛えたまま告げる悟空に対し、ブロリーはニヤリと凶悪な貌に笑みを浮かべさせると、金色の気を全身に纏った。
「うぉおおおおおっ!!」
咆哮を天に向かって上げ、再び肉体から気が爆ぜる。
通常の超サイヤ人に戻りながら、ブロリーは伝説以上の気を纏って悟空の前に現れた。
ただし、その髪は更に逆立ち全体的なシルエットが悟空やベジータの超サイヤ人に近い。
「こうなってしまっては、加減は効かんぞ。カカロット……!」
「望むところだ。これで、オラも思う存分戦える…!! さあ、来い!!」
「フン!!」
金色のオーラを身に纏い、ブロリーが悟空に突っ込む。
悟空もブロリーに向かって大地を蹴り、真っ向から拳を振りかぶった。
拳を繰り出し、ブロリーに当たる寸前にブロリーの顔が真下に沈む。
「何!?」
目を見開く悟空の腹に、地面に片手を付けた状態で逆立ちするようにしてブロリーの左蹴りが打ち込まれ、空へと吹き飛ばされる。
空中でピタリと制止し、地面を見下す悟空の背後にブロリーは高速移動で現れた。
「ちぃ!!!」
背後を振り返りながらも右手で気弾を放つ悟空だが、現れたブロリーは残像。
気弾があっさりとすり抜けるのを見て目を見開く悟空。
「しまーー!!?」
頭上からブロリーが悟空の顔面を鷲掴みにして、地面へと叩き落とした。
「ぐわぁあああ!!」
大地にクレーターを作りながら、沈み込む悟空。
両腕をブロリーの右腕に掴ませて顔を引きはがそうとするも、完全にパワー負けしている。
「どうした、カカロット? さっきの勢いは」
「の、野郎ぉ!!」
気を纏い、蹴りを繰り出す悟空だが、ブロリーは涼し気な表情で受ける。
拳を顔を掴んでいる腕に叩きつけ、胴体を蹴り上げる悟空だがブロリーは平然とした表情のまま地面に埋め込んだ悟空の肉体を舞空術で移動しながら大地に溝を作っていく。
一気にボロボロになっていく悟空を前に、ブロリーは涼し気に笑う。
だが、悟空も負けてはいない。
「これがブロリーのフルパワーか。なら、オラも!!」
気を高めて一気に力を引き上げる。
ブロリーの仁王のような腕を両腕で引きはがしながら、強烈な蹴りで後方へ吹き飛ばした。
この一撃にさしものブロリーも蹴られた胸板を右手で支えながら汗を掻いている。
「フン。流石だな」
「まあな。お互いな」
右手をすっと前方にかざし、ブロリーは緑色の小さい光の球を作り上げて大きく振りかぶり、サイドスローで投げる。
「スローイングブラスター!!」
悟空は迫る光弾を前に、両手を前方に構えて受け止める。
小さな光弾は悟空の肉体を軽々と飲み込めるほどに強大な存在へと変化していく。
だが、孫悟空は微動だにしない。
「どうした、ブロリー? こんなもんじゃねえんだろ?」
これにニッとブロリーも笑い、左手をそっと前に出すと気を高めた。
「とっておきだぁ!」
左掌が光ると同時、光の球が数倍に膨れ上がり爆発する。
「うぉりゃあああああ!!」
寸前、悟空は上空へと気弾を反らした。
天高くで爆発するブロリーの光弾。
だが悟空の目は光弾を見ていない、自分に攻撃を繰り出してくるブロリーの動きを読んで後方に振り返りながら拳を繰り出す。
見事、そこにはブロリーの中段廻し蹴りが繰り出されていた。
拳と蹴りがぶつかり、衝撃波が発生する。
同時、両者は更に拳と蹴りを交互に繰り出していく。
大地が掘り起こされ、亀裂が走り、平原だった地面が槍衾のように突き立つ。
「ブロリー! お互い目一杯の力でやり合おうぜ? “俺”はもう、我慢できねえ!!」
拳を繰り出し合いながら、悟空の翡翠の瞳に黒の瞳孔が現れる。
同時、黄金の炎のように激しいオーラを身に纏い、金髪がより濃い黄金色に燃え上がる。
「カカロット。カカロットォオオオオオオッ!!!」
ブロリーもまた翡翠に黒の瞳孔が現れた瞳へと変わり、天に向かって逆立つ髪は黄金に変化した。
同時、両者の纏う気が無限の上昇を始める。
伝説の超サイヤ人に変身していた先よりも、今の二人の上昇は速い。
その力はお互いの潜在パワーを限界以上に引き出してくる。
己の極限を超えたところで更に力を噴き立たせる悟空とブロリー。
「真・超サイヤ人に変身したか。これで修行の意味はなくなったが…」
「硬いこと言うなよ、王子様。退屈な勝負じゃなくて、破壊神ビルスも喜んでんじゃねえか?」
ベジータとバーダックが互いに告げあった後、ビルスを見ると。
彼はニヤリと凶悪な笑みを浮かべて肩を揺らしていた。
「いいねぇ。どっちもイイ感じだ」
「全宇宙武道大会が開催されるまで、彼らは更に互いの力を高め合うことでしょう。どのような選手が出てくるのかは分かりませんが、楽しみですね。ビルス様」
「ああ…!!」
強烈な打撃の交換から、両者同時に腰だめに掌をたわめて気を高める。
「ゴッド・かめはめ波ぁあああ!!」
「オメガ・ディストラクション!!」
互いの極限の力を放ちながら同じ構えで両手を突き出し、押し合う光と光。
地球よりも遥か遠い破壊神の住まう星で。
極限を超えた黄金の戦士二人は、更に力と技を高め合っていた。
閑話シリーズも増えてきましたね。
閑話は作者の気分次第ですが、何かリクエストがあれば。
このキャラとこのキャラの絡みが見たいなどがあれば、活動報告を上げますのでそちらへコメントをくださいませ(*^^*)