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3月26日
ドズルside
レビル達がサイド3に来るまで後2日しかない。未だエリックに指示をした人物は特定されておらず、公国防衛隊とキシリアの諜報部は必死になって黒幕を探してくれている。
「それで昨日の続きだが、エリックは黒幕について全く口を割ろうとしない。やっと口を開いたと思えば、〔私が一人でやった、獄刑に処するならさっさとしろ〕としか言わないんだ。兄貴、エリックは本当に一人でやったと思うか?」
「何か言えない事情でもあるのかもしれんな。例えば、身内を人質に取られているとか、他人には話せない秘密を握られているとかな。その辺についてもう一度エリックに聞いてみたらどうだ? それと、司法取引も一つの手だぞ」
「なるほど、司法取引か。それならば応じてもらえるかもしれん。ありがとう兄貴、お陰で黒幕がわかるかもしれん」
「ああ、礼には及ばないさ。昔読んだ書物の中に似たようなことを題材にしたものがあって、それを思い出しただけだからな」
「そうか、それでも助かった。では、ちょっと行ってくる」
「うむ」
僕はギレンの執務室を出て、自分の部屋へと戻った。そして、公国防衛隊の本部に回線を繋ぐ。
「こちらドズルだ。少しエリックと話をしたいのだが……そうか、ありがとう。ではこれから向かうぞ」
通信を切ったあと、運転手を呼びだし庁舎の外に止めてある僕専用の車に乗り込んで、公国防衛隊本部へと向かった。
公国防衛隊本部内
数分後には車は本部前に着き、僕は車を降りてドアを閉めた。入口には出迎えの隊員達が10人ほど待機しており、僕はすぐにエリックがいる取調室へと通された。その途中である報告を隊員から聞き、僕は取調室へと入っていった。取調室に入ると一つの机があり、机の向こう側にはエリックが座っていた。僕は手前の椅子に座り、机の上で手を組んだ。……座った直後に体重で椅子が少し変形した気がするが気のせいだろう。
「久しぶりだな、エリック。最後に会ったのは生産拠点の状況についての報告の時だったよな?」
「……」
「早速本題に入るが、君が逮捕される前にキシリアの諜報部から君の身辺調査の結果が届いたんだ。そこには、君の家族として高齢の母親の名前が載っていた。そこで公国防衛隊の何人かが君の情報を聞くために母親の元へと行ったのだが、その時は丁度不在だったらしく数時間待っても帰ってこなかったので諦めて帰ったらしい。そして今朝また母親の元へと向かったが、やはり母親は家におらず不審に思った隊員達は近所に事情を聞き、近所の住民達は母親を一ヶ月ほど目撃していないと証言したそうだ。ここからは俺の勝手な推測になるが、母親を誰かに誘拐され脅されているのではないか? それで仕方なく、開発局から情報を盗んだ。違うか?」
エリックは母親の話になった途端に、僕の方をむき驚いた表情を見せる。
「……そうです。一ヶ月ほど前、仕事が終わり家に着くと普段は居るはずの母親の姿がなかった。そして、30分ほどたった頃四人の男達が家のドアを無理矢理こじ開けて入ってきたんです。そして、〔母親は預かった。返してほしければ開発局から機密情報を盗め〕と言われました。何を言っているんだこいつは、と思いましたが銃を突き付けられ、一枚の写真を見せられました。そこには、椅子に縛り付けられたアザだらけの母親が写っていたんです。それで仕方なく、情報を盗み奴らに届けました。そして逮捕される直前、指定されたアカウントにザクの情報も送ってしまったんです」
「ザクの情報を送った? それは本当なのか?」
「ええ、本当です」
「そうか、それでお前に指示を出していた人物は誰だ? そいつに関する情報を貰えれば君の罪を軽くし、出所後の援助や仕事についても保証することを約束しよう」
「……キリングという名前で、背は小さめでサングラスをかけていました。モビルワーカーについての情報は手渡しだったのですが、市内にある店舗が入っていないビルで情報を渡しました」
ん? 前世で聞いたことある名前だな。それに容姿もなんとなく聞き覚えがある。
「成る程、話してくれてありがとう。母親はこちらで必ず救出しよう。君の処罰についてはあとで正式に下されるだろうが、軽くなることを約束しよう」
「ありがとうございます」
エリックは涙を流しながら何度も僕に頭を下げた。
僕は部屋を出て、アンリに話しかける。
「アンリ、話は聞いていたな。明後日には連邦が来る。その時にキリングは情報を渡すつもりだろう。それまでになんとしても逮捕してもらいたい」
「分かりました。公国防衛隊の総力をあげて、キリングという男の捜索を行います」
「頼んだぞ」
「お任せください。よい報告をあげてみせます」
アンリは部下に指示を出すため、どこかに歩いていった。僕は時計を確認する。今は午前9時半を過ぎたところだ。9時半……あれ、確か今日って士官学校の卒業式じゃなかったけ。あと30分しかないじゃないか、急がなくては。
数時間後
なんとか遅刻せずにすみ、ガルマの1つ上の先輩達の卒業式は無事に幕を閉じた。全く、テロ騒ぎのせいで1週間延びたのをすっかり忘れてたぜ。ん? 校長室に電話だと……
「ドズル校長、公国防衛隊のアンリ様よりお電話です。お繋ぎしますか?」
「ああ、頼む」
電話が切り替わる。
〔ドズル様、公国防衛隊のアンリです。キリングという男が見つかりました〕
はえーな、おい。
〔ただエリックの母親の場所はまだ判明していませんが、とりあえず本部に来てもらえますか? 〕
「分かった。すぐに行こう」
〔お待ちしております。〕
さて、この事件ももうすぐ解決だ。僕は、専用の車に乗り込んで本部へと向かっていった。
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一年戦争が終わった後の戦乱
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