やはり評価って一応気にしたほうがいいのかな?あと気軽に感想頂けると嬉しいです。
「ゴップ殿、世間話はこれくらいにしてもうそろそろ本題に入っていただけますか?」
一時間ほど続いた世間話に痺れを切らし、兄貴は切り込んだ。
「ああ、そうですな。……この間の地球連邦の声明は聞いていただけましたかな? こちらからの要求はあれの通りです。各種税金の値上げ、サイド3へ対する軍縮要請と特別税金の徴収、それと声明には入っていませんでしたが小惑星2つの内部視察です。以上の事をサイド3に対して要求させていただきます」
それを聞いた僕は、思わず声を荒らげる。
「……お言葉ですが、事件の爪痕は消えかけているとはいえ医療費や修繕費などで財政は逼迫しています。増税と特別税金の徴収は待っていただけないでしょうか?」
僕の返答に対して、口を開いたのはゴップではなくエルランだった。
「地球連邦は地球全体の管理をしている。貴様らスペースノイドは私達がいないと生活すらままならない。貴様らは私達に従っていればいいのだ。意見などするな」
その衝撃的な発言に僕を含めたザビ家3人は固まってしまった。
「口を慎め、エルラン!! ……ザビ家の皆様、申し訳ございません。エルランに変わり謝罪いたします」
ゴップは立ち上がり、深々と頭を下げた。それに続き、レビルも頭を下げる。エルランはずっとそっぽを向いていたがゴップが無理やり頭を下げさせた。
「……ゴップ殿、連邦軍でエルラン少将を拘束してもらってもよろしいですかな?」
そう言葉を発したのはギレンだ。
「それはどういうことでしょうか、言葉が過ぎたとは言え、拘束されるいわれはないはずですが」
「先日、サイド3内で軍事機密が漏洩するという事件が起こりました。首謀者は逮捕したのですが、その者がこう発言しているのです。[連邦軍のエルランという高官にジオンの情報を渡す代わりに連邦軍で私と父の重要ポストを約束してもらった]と」
その発言を聞いたゴップは顔をしかめ、エルランを睨んだ。
「エルラン、その話は本当なのか?」
「……その首謀者が勝手に話を持ちかけてきたのです。私は関係ない」
鼻で笑いながらそう言うと、エルランは腕を組んで椅子に座り直した。
「ほう、それはおかしいですな。こちらには首謀者が録音していた音声データもあるのですがね」
ギレンは、懐からひとつのディスクを取り出した。
「ここにはエルラン少将と首謀者の会話がすべて録音してあります。もちろん連邦にとって不利な会話もたくさんありました。また、スペースノイドに対する暴言もね。今回の各サイドに対する要求を全て撤回していただけるなら、このディスクは貴方達にお渡しします。しかし撤回していただけないのであれば、これを地球と各サイドに公開します」
「それを公開されたら地球連邦はスペースノイドだけでなく地球に住む人からも反感を買ってしまう。…………分かりました。要求は撤回しましょう。その代わりにそれをこちらへ渡してください」
ゴップは完全に青ざめ、顔をひきつらせていた。一方、エルランは目をつむり下を向いていた。
「その前に、すぐに会見を開いてもらいます。渡すのはそれからです」
「……分かりました。案内してください」
数分後、すでに準備してあった会場でゴップは会見を始めた。
「連邦軍のゴップです。先日各サイドに対して要求した政策についてですが、全て撤回させていただきます。理由としては、サイドに対して余りにも横暴な要求だったからです。不快な思いをした皆様に対して、深くお詫び申し上げます。……」
その後3分ほど続いた会見は終了し、ゴップはギレンに近づいた。
「これでいいでしょう? それを渡してもらえますか」
「そうですな。ただし、そちらで音声を加工し我々が不利になるような会話にして公開した場合はどうなるか分かっていらっしゃいますよね?」
「それはもちろんです」
その返答を聞いたギレンは、ゴップにディスクを手渡した。その後、ゴップは部下にエルランを拘束させ、宿泊する予定だったホテルへと帰っていった。それを見送ったギレンは、隣に立っていた人物に話し掛ける。
「……助かりました、レビル殿。あの情報のお陰で私達は要求をのむことを回避することが出来ました」
「いえ、あの声明は我々連邦のスペースノイドに対する偏見が生んだ横暴なものでした。それを正すことが出来てよかったです。それに強硬派の一員だったエルラン少将を失脚させられそうですから。ただ、スペースノイドに対して穏健だったゴップ中将に責任を被ってもらってしまったのは少し心苦しかったですね」
「今回の情報漏洩事件は連邦の強硬派が穏健派の勢いを押さえ、無理やり理由を作ってサイドを弾圧するための口実の1つとして仕向けた事でしょう。しかし、穏健派のゴップ中将を代表としたことが裏目に出てしまった。結果的に自分達で仕向けた事が自分達の首を締ることになった。これで連邦の強硬派はしばらくおとなしくなるでしょう」
「そうですな。このまま大人しくしていてくれれば良いのですがね。それでは怪しまれると困るので私は失礼します」
レビルは待機させていた車でホテルへと帰っていった。
ギレンとレビルの会話を隣で聞いていた僕は、その会話に驚きを隠せなかった。
「兄貴、あの情報はどこで手にいれたんだ? 俺が取り調べに立ち会ったときは、ヘルシオは何も言ってなかったぞ」
「レビル少将達が来る前日、私に彼の部下が接触してきた。その時、あの情報を手にいれたんだ。レビル少将達の穏健派は、強硬派が何か仕掛けることを予期して強硬派の人間の部屋に盗聴器を仕掛けていた。そして、偶然にもあの音声を聞き、強硬派を潰すために情報をこちらに流してきた。私は国民を苦しめることになるあの要求を止めるために、レビル少将達に協力したんだ。多少嘘をついてしまったが、要求を止めることが出来て良かった。」
「なるほど、そういうことだったか。理解できたぞ」
「これで穏健派が連邦政府を掌握すれば、スペースノイド達は弾圧されずにすむ。我々がスペースノイドのために戦争を起こす必要もないだろう。しかし強硬派が掌握し続ければ、戦争は避けられない。さて、どちらになるか……」
そう発言したギレンはうっすらと笑みを浮かべていた。
一年戦争が終わった後の戦乱
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