ギレンの野望?なんだそれは・・・   作:国連宇宙軍

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投稿が遅くなり申し訳ございません。一年戦争開戦に向けて、これから忙しくなっていきます。


第十四話

 UC 0075 5月

 

 ズム・シティ ドズル執務室

 

 あの情報漏洩事件から1年の月日が流れた。復興に全力を注いだことによりズム・シティは完全に元の姿に戻り、破損した生産施設も修理を完了した。これらの施設は約1ヶ月前から艦船やMSの生産を再開し始めている。

 一方、連邦軍では、事件後しばらくレビルたち穏健派が主導権を握っていたが、最近地球で起きた大規模な災害の対応に奔走しているうちに強硬派に主導権を取り戻されてしまったらしい。去年ギレンが言った通り、あっという間に連邦政府は強硬派が牛耳った。これでは、やはり戦争は避けられないだろう。僕は、そんなことを思いながら開発局から提出された書類に目を通し、サインをする。

 

 

 

 

 

 

 同時刻 ジャブロー

 

 地下洞窟中心にある連邦司令部内の会議室では、災害支援任務に就いていた左官や部隊が召集され勲章授与並びに昇格辞令の交付が行われていた。各部隊への授与・交付が終わり、最後に名前を呼ばれたのはレビルであった。

 

「ヨハン・イブラヒム・レビル少将、災害対応の功績から現時刻をもって中将に昇格とする。同時に、連邦宇宙軍司令官並びにルナツー基地司令の役職を命じる」

 

 最後の一文を聞いたレビルはわずかに顔をしかめた。辞令を受け取り一礼をした彼の後ろで、待機していた各部隊の隊員が彼の辞令を聞いて小声で会話を始める。

 

「ルナツー勤務……事実上の左遷かよ」

 

「強硬派は穏健派を厄介払いしたようだな」

 

 連邦軍の拠点で唯一宇宙空間にあるルナツーは僻地とされており、連邦軍兵士には嫌われていた。そこで強硬派は穏健派の筆頭であるレビルをルナツーに送ることによって、穏健派の発言力を低下させ封じ込めようとしていた。

 

「静粛に! これにて終了だ。各部隊は速やかに、持ち場に帰るように。以上」

 

 

 

 

 

 

 

 レビルがルナツーに向かうという情報は各地にすぐに広まり、抗議の声もちらほらと聞こえ始めた。だが、それはすぐにおさまることになる。ジャブローで抗議の声をあげた者が逮捕されたためである。

 

 

 2日後、レビルは副官のティアンムを連れてルナツーへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 9月中旬 ズム・シティ郊外 開発局内第2格納庫

 

 今日はギレンに呼ばれ、開発局に来ている。辺りにいる開発局の連中もさっきからそわそわしているし、なにが始まるのだろうか? それにモビルスーツっぽい物もおいてあるし……

 

「ドズル、貴様は前線指揮官になりたいと言っていたな。だから専用機を作ってやったぞ」

 

 ………………………………は? 

 

「これがドズルの専用機だ。諸君、布をはずしてくれ」

 

 ギレンがそう指示すると、格納庫に置いてあったモビルスーツの布を4人がかりで取り外した。そこに現れたモビルスーツに、僕は見覚えがあった。

 

「これはヅダか?」

 

 顔や特徴的な腕などからヅダであることは間違いない。しかし、胸部の装甲を中心として細部が僕の知っているヅダとは異なっていた。

 

「そうだ、ヅダをベースとしている。ラース、説明してくれ」

 

 ギレンがラースに声をかけると、彼はヅダの後方から姿を現した。どうやら各部の点検をしていたようだ。

 

「分かりました。このEMS-04Dは、先ほどギレン様がおっしゃられたようにEMS-04ヅダをベースとして開発したドズル様の専用機になっています。基本性能はあまり変わりませんが、装甲の厚さは2倍になっています。また、コックピットがある胸部周辺は他の箇所よりもさらに厚くしております。重量は増加しましたが脚部にスラスターを追加しており、ベースのヅダより瞬間加速力は増えています。ですが、あまり無理な加速はなさらないようにお願いします」

 

 ラースがこちらに同意を求めてきたので、僕は頷く。

 

「分かった」

 

「では次に装備についてですが、背面にプロペラントタンクを2基つけています。さらに任務によって追加でもう1本つけることもできるようにしてあります。主武装は120㎜ザクマシンガンとシールドに懸架しているザクバズーカ、90㎜マシンガンになります。格闘武器は、特注で作ったジャイアント・ヒート・ホークです。ヅダの全高と同じ大きさとなっているので、取り回しには注意が必要になりますが艦船相手ならば問題はないでしょう。そして、塗装は銀と黒、そして各所にエングレービングを施しています」

 

 そう話すとラースはEMS-04Dの取説と性能が書かれた紙を僕に手渡した。

 

「操縦方法等はここに書いてありますので、こちらをご覧ください」

 

 渡された紙に目を通そうとした時、ギレンが口を開いた。

 

「ラース、説明ありがとう。下がっていいぞ」

 

「はっ、ギレン様」

 

 彼は敬礼をして、奥へと下がっていった。

 

「すぐにでも操縦練習をさせたいところだが、なにぶん此処は連邦の目が光っている。ア・バオア・クーの裏側の極秘演習場までいくぞ」

 

「そうだな、久しぶりに行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2日後

 

 ア・バオア・クーまでは、今存在している艦艇の中で一番速度が出るザンジバルを使っても最低2日はかかる。だが、サイド3のズム・シティや開発局を中心とした軍事施設は連邦軍に監視されており、現状としては製造されたモビルスーツは各パーツに分けられ、ソロモンとア・バオア・クーで組み立てを行っている状況だ。サイド3では、ムサイなどの艦船が月に数隻づつ就役しているだけである。もっとも、貨物船でムサイの各ブロックを2つの施設に運びこんでいるで実際に就役している艦は公式に発表されている数よりは多いが。このように、情報漏洩を防ぐ観点からモビルスーツの稼働試験や演習なども2つの施設で行っているのだ。特にア・バオア・クーは宇宙唯一の連邦施設であるルナツーとは地球を挟んで反対側にあり、連邦軍の目は届きにくい。さらに要塞の裏側にまわってしまえば、月に何度か要塞を巡回している部隊にも見つかる確率は限りなく低くなる。そのため、ギレンも此処を選んだのだろう。

 

「さて、ドズル。まずは耐G試験を受けてもらうぞ」

 

「……」

 

 僕の顔から、どんどん血の気が引いていく。

 

「ヅダはその仕様上、どうしても体に大きな負担がかかってしまう。そのため、ヅダのパイロットは必ず耐G試験を1週間以上受けるという決まりがあるのはお前が一番知っているだろう?」

一年戦争が終わった後の戦乱

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