ギレンの野望?なんだそれは・・・   作:国連宇宙軍

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少し短いですが、やっと投稿できました。


第十六話

 ギレンside

 

 2日後 サイド5[ルウム]

 

「よくぞお越しくださいました、ギレン殿。さあ、こちらに座ってください」

 

 サイド5の政府代表は、私を応接室の椅子へと案内した。椅子に腰掛け、出されたお茶を1口飲んだ私は向かい側に座る男の目を見据えた。

 

「それでお話というのは、なんでしょうか」

 

 

「単刀直入に申し上げます。各サイドをまとめる代表に就任していただきたい。このまま連邦との関係が悪化していけば、戦争は避けられないでしょう。そうなれば、最初は優位に進められてもいずれ国力の小さいサイド側が負けるのは明白です。それを防ぐためにはサイド全てが総力をあげて戦いに挑む必要がある。そして、それをまとめられるのはジオニズムを提唱なされたジオン公国の総帥であるあなたしかいません」

 

「なるほど、確かに良い案ですな。しかし、なにか見返りはあるのですか? こちらが矢面にたつことになり、サイド3だけが悪者にされかねませんが」

 

 私に睨まれ男は、肩身を狭そうに話を進める。

 

「もちろんこちらからは人材と資源をお渡しします。また、矢面に立っていただくのは申し訳ないと思っております。しかし、こちらとて住民の命が一番ですので……」

 

 はぁ、連邦からは独立したいが自分たちが矢面に立つのは避けたいのが本音か。元々、戦うのは私たちだから関係はないが、大役を押し付けられるのはめんどくさいぞ。それに短期決戦で終わらせたいのに、全面戦争になってしまうではないか……

 しかし、これは利用出来そうだな。

 

「分かりました、全サイド代表は引き受けましょう。その代わり、戦争に突入する際に[ルウム]そのものをお借りしたい」

 

「……と申しますと?」

 

「このコロニー群は地球から最も近い位置にあります。このコロニーを地球に落とすと宣言すれば、連邦軍は血相を変えて阻止に動くはずです。そして誘い出した連邦宇宙艦隊を潰します」

 

「コロニーを落とす!? そんなこと認められるわけないじゃないですか!」

 

 代表は机を叩き、立ち上がった。

 

「まあ、落ち着いてください。実際に落とす必要はありません。連邦さえ出てきてくれればそれで終わりです。しかし、戦場はこの宙域になります。なのでこのコロニーの住民はその間サイド3に移ってもらいます。この計画はデキン公王からも許可をいただいています」

 

「………………コロニーに被害を出さないのなら、承諾しましょう」

 

 しばらく悩んでいた彼だったが、やがて決心した顔で言葉を放った。

 

「合意ですな。それでは早速、サイド全ての代表を呼んで会議を開くとしましょうか」

 

「1つお聞きしてもよろしいか。ギレン殿はこうなることを予想して、計画を練っていたのですか?」

 

 ふむ、いい質問だな。

 

「成り行きですよ。ここで計画が進まなくても他に手はありましたから」

 

 実際には計画は存在せず頭の中の妄想だけだったのだが、ザビ家定例会議でハリボテ住宅を作ると口走ってしまったので焦っていた所だ。偶然の出来事ではあったが利用しないわけにはいかないだろう。

 

 数時間後、各コロニーに会議の召集がかけられた。開催日時は一週間後、場所はサイド3である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドズルside

 

 ギレンがサイド5から帰ってきた。先日ハリボテ住宅を建設すると言われたときには驚いたが、肝心な理由を言わずにサイド5に赴いてしまったので、残された僕たちは数日餌をお預けにされた気分だった。特にキシリアはもう少しで禁断症状が出かけていたところだ。妹はギレンが帰ってきた瞬間に部屋へと突撃し、問い詰めていた。僕とサスロも部屋に着き、兄は話し始める

 

「兄上、先日の定例会議での件についてお聞きしたい。ハリボテ住宅を建てる理由はなんでしょうか?」

 

「ふむ、説明せずにサイド5へ赴いてしまってすまなかったな。それでは理由を話そう。サイド5[ルウム]の住人全員をここに移住させる」

 

「「「は?」」」

 

 何を言ってるんだ? サイド全員を移住なんて無理に決まってる。それに出来たとしても、問題が多すぎる

 

「順を追って説明しなければあるまい。全体会議を開こう。すぐに幹部を集めてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大会議場

 

 いつも定例会議が行われる場所とは異なり、議会議員や政府幹部などサイド3運営に関わるすべての人間が入れる場所でそれは開かれた。集められたのは政府幹部と軍上層部、防衛隊のアンリに開発局の者たちだ。ここにいる者が連邦と繋がっていないのは全員調査済みである。ギレンは中央に立つとマイクを持って話し始める。

 

「サイド会議に先立ち、総帥ギレン・ザビはここに宣言する。サイド3はスペースノイド独立のため、地球連邦と戦争を行う! 開戦は0079年1月1日である」

 

 とうとう口に出したな。おかげで会場内にどよめきが広がっている。

 

「これはまだここにいる者たちだけの話である。しかしいずれは公表しなければならんだろう。そのために色々と準備しなければいけないことがある。まずは軍の再結成である。次に兵士の育成も必須だ。4年後の1月1日に宣戦を布告し戦争に突入するまで時間は少ない。そしてもう一つ…

 

 

 サイド3の複数のコロニーにサイド5[ルウム]の住民をすべて移住させる!」

 

 再び会場内に先程よりも大きいどよめきが起こった。

 

「理由は明確で、開戦直後の作戦にコロニーをまるごと使用するからである」

 

 コロニーをまるごとか…まさか落とさないよな? 

一年戦争が終わった後の戦乱

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