ギレンの野望?なんだそれは・・・   作:国連宇宙軍

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今回は前回より短めです。


第十九話 宣戦布告と作戦開始

 UC 0079 1月1日 AM0:00

 

「地球連邦に告ぐ。本日1月1日、ジオン公国はスペースノイド独立のため地球連邦に宣戦を布告する。スペースノイド独立を認め、すべてのサイドの自治権を承認せよ。さもなくば、地球連邦は滅びることになるだろう」

 

 この放送は地球全土に向け放送され、深夜の各連邦基地は大混乱であった。そして時を同じくして、ルナツーでは大艦隊が発進を待っていた。ブリティッシュ作戦を迎撃するため、総艦艇の約8割240隻ほどがルナツー宙域に集結し、その光景はまさに異様である。

 

 

 [ティアンム君、あれが落ちたら地球環境は荒廃してしまうだろう。それだけは防がなくてはならない。頼んだぞ。]

 

「しかしながら果たして間に合うでしょうか? ここからルウム宙域まで3日半はかかります。それまでにジオンがコロニーに到達したら。」

 

 [その時はその時だ。最善を尽くすしかあるまい。]

 

「そうですな。この連邦艦隊が負けることはないでしょうし。お任せください。この艦の能力も証明して見せます」

 

 ティアンムは通信を終了する。彼が乗るバーミンガム級タイタンは艦隊の中ほどに位置していた。連邦の最新技術を詰めこんだこの艦は各宇宙艦隊の旗艦として合計5隻が就役している。そのうちレビルのアナンケとタイタンを除いた3隻がジオン艦隊迎撃のために、急遽ジャブローより打ち上げられた。

 

「レビル将軍の前では大口を叩きましたが、この戦い、果たして勝てますかな」

 

 そう独り言を発し、彼はブリッジへと上がっていった。

 

 

「全艦、発進せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソロモン・旗艦ワルキューレ

 

「戦争の火蓋は切られた。ここから先は命をかけた戦いが始まる。この戦争の目的は故郷で待っている人達が弾圧されず蔑まれる事がない世界を実現させる事だ。この作戦を成功させ一刻も早く、連邦を降伏させられるように皆全力を尽くしてほしい。だが、いちばん大切なのは自分の命である。命が失くなれば、いくらこの世界が平和になろうとも意味はない。刺し違えようという気持ちは起こすな。必ず生きて作戦を成功させろ! ジーク・ジオン!」

 

 ワルキューレの通信機能は普通のザンジバルよりも強化されており、画質もきれいだ。原作で有名なギレンの演説に真似をして、僕は片手を突き上げる。

 

「ジーク・ジオン! ジーク・ジオン!」

 

 この光景、何回もテレビで見た光景だ。

 

「出撃する。全艦エンジン始動、発進だ!」

 

 高揚感に包まれつつ、号令をかける。数刻後、ワルキューレを先頭にして僕の率いる艦隊はソロモンから離れていく。ほぼ同時刻、ギレン艦隊もルナツーへ向けて出撃し宇宙軍総出の作戦が始まった。

 さて、ここからルウムまで3日だ。内訳としては先行しているドロスに追いつくまで丸1日かかり、足並みを揃えてルウムまで着くのが2日かかるという計算だ。だが、いくらゆっくり見積もってもルナツーからの艦隊よりは先に着けるはず。すでにドロス内でMSの装備の点検などは行っているはずだから、すぐにでも戦闘に突入できる。

 

「連邦はどのくらいで到着しますかな。私達よりも先に着くことはないと思いますが、彼らの到着が遅ければ遅いほど私達はゆっくりと準備できますから」

 

「そうだな、ルナツーからだと遅くても4日にはルウムに到着するだろうな。あとはどれだけ戦力を削げるかだ。兄貴に迷惑をかけるわけにはいかん」

 

「あちらは大丈夫でしょう。士官学校7期主席のガトー少尉を始め、数々の優秀なメンバーがあちらに配属されておりますゆえ。そういえば、ギレン様繋がりですがギレン様のご親友のシリウス・マイ殿はこの艦隊所属でしたな。私が言うのは恐れ多いですが、彼はとても温厚な性格で、必ずやジオンを支えてくれる優秀な将官になるでしょう」

 

「シリウスさんか……小さい頃から俺だけでなくキシリアやガルマの面倒をみてくれていた方だ。俺にとっては叔父のような人でな。あの人には、とても世話になった。最近は会えていなかったが、この作戦が終わったらゆっくり話をしたいものだ」

 

 シリウス・マイはMSイグルーのオリヴァー・マイの父だ。とても優しい性格で面倒見のいいおじさんといった印象だな。ドズルの記憶にあるだけなので、僕は会ったことはない。資料に目を通したとき、強化型ムサイの1番艦に乗っていると記載があったはずだ。装甲と通信機能強化を軸として改良された強化型ムサイは、マゼランの主砲であっても簡単にやられることはない。将官クラスに与えられた特殊な巡洋艦だ。ふと時計を見ると出航から1時間が経過していた。

 

「1時か……もうそろそろキシリアの方は佳境を迎えた頃だろうか」

 

 

 

 

 

 

 AM0:46 サイド3ズム・シティ

 

「よし、司令部を一気に押さえる! 第1小隊は右から、第2小隊は左から突入せよ」

 

 市街地郊外にある連邦駐屯地内は、まさに駐在連邦兵からすれば地獄絵図といっても過言ではないだろう。皆が寝静まっている深夜に宣戦布告が発表された影響で、彼らは上官に叩き起こされ広場で臨時召集がかけられた。地獄絵図になっているのは皆が集まり集会が始まった直後に、戦車の砲弾が広場を直撃したからである。先程まで喋っていた隣の仲間が、一瞬で吹き飛ばされ息絶える。これまで人の死に直面したことがなかった彼らは、仲間を弔う暇もなく次々と降り注ぐミサイルを避けながら銃を構え、なだれ込んでくるジオン兵を迎え撃とうとする。しかしまともに対人戦闘訓練を受けていない駐在兵が、練度の高いジオン兵に勝るわけはなく次々と凶弾を受け倒れていくのだった。一方キシリアは的確に部下へ指示を出し、15分も経たないうちに司令部へと到達した。そして数分でサイド3駐屯地司令部を制圧するのだった。他のコロニーでも終始ジオン側が圧倒し、やがてサイド3駐屯地は全て壊滅した。

一年戦争が終わった後の戦乱

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