ギレンの野望?なんだそれは・・・   作:国連宇宙軍

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第五話

 10月20日

 

 僕の執務室に息を切らしながら開発局の人間が飛び込んできた。どうやらヅダの試作機が完成したらしい。僕はある部屋に通され、そこでスクリーンに写された映像を見ることになった。漆黒の中をヅダ3機が、加速と減速を繰り返しきれいな軌道を描きながら前方の的をめざして飛んでいる。そして、右手に装備したザクマシンガンで的とのすれ違い様に引き金を引いた。的は綺麗に破壊され、残骸を辺りに漂わせた。

 

「ほう、これがヅダか。確かにこの加速を利用できれば連邦の艦隊に近づくのも簡単だな。生産の目処は?」

 

「……コストなどの都合上、一年で四機ほどが限界かと」

 

「そんなに少ないのか。まあ、エース機と割りきれば多い方だな。分かった。このまま生産を開始してくれ」

 

「分かりました!」

 

 嬉々としているな。それにしてもこんだけGが掛かるとある程度パイロットは限られてくるな。ジョニーやサイクロプス隊のモビルスーツはこれでいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 UC 0074 3月13日

 

 いつものように執務室で僕が作業をしていると不意に大きな揺れが部屋全体を襲う。棚に置いてあった花瓶が床に落ち、壁に掛かっていた絵画が曲がった。数秒後、また大きな揺れが部屋を襲い、やがて静まった。とりあえず状況を聞くため僕は兄貴の執務室に連絡をとる。

 

「兄貴、何があった?」

 

「私も完全に状況を把握したわけではないが、どうやら爆発テロらしい」

 

「なんだと! 俺もすぐに行く。その間に情報を集めといてくれるか?」

 

「分かった」

 

 僕は執務室を出て兄貴の執務室がある別の棟に向かって走っていく。

 

 

 

 数時間後

 

 兄貴から聞いた状況を整理すると、ズムシティの中心部にある庁舎付近で数十人の男たちが体に爆弾を巻き付け自爆し、それによって通行人や庁舎内部に大きな被害が出たらしい。また、同時に他の場所でも同じような騒ぎが起きていて少なくとも百人規模の死者が確認されている。

 

「いま、キシリアが騒ぎの収拾をつけるために色々と動いている。ドズルは負傷者の搬送先になっている士官学校の方の対応を頼む」

 

「分かった。兄貴、こっちは任せたぞ!」

 

 ギレンはサイド3全域に状況を伝えるためにテレビ局に向かっていった。僕は士官学校に向かうため車に乗り込みエンジンをかける。今は運転手を待っている時間はない。俺はアクセルを踏み、車を走らせていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズムシティ・士官学校

 

 隣接している2校の士官学校の校庭にはすでにテロによる負傷者が何十人も運び込まれていた。2校の生徒たちは処置や物資の搬入に追われており、あちこちを行き来していた。

 

「まさかこんな歳になって学校に通って、さらに医者の真似事をするなんて、俺たちは本当に何をしているんだろうな」

 

「ぼやくな、ミーシャ。ほら、そこに包帯を巻いてくれ」

 

「ああ、分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テロの騒ぎで渋滞が起きており、学校に到着するのが遅れてしまった。既に校庭にはテントが広げられており、近くの病院から医者や看護師が治療を開始していた。僕は本部のテントに向かい、トランシーバーで指示を出している人物に声を掛ける。

 

「副校長、遅れてすまない。どうなっておる?」

 

「閣下……いえ校長みずからお越しいただきありがとうございます。校庭では既に重傷者の治療が開始され、軽傷者は校舎内で治療の順番を待っております」

 

「そうか、俺に出来ることがあったら何でもいってくれ」

 

「そんな恐れ多いです。校長はそこで休んでいてください」

 

「しかしだな……」

 

 その時、不意に後ろから声をかけられる。

 

「ドズル兄さん!」

 

「おお、ガルマか。元気にしているか?」

 

「ええ、それにしてもこの状況はどうなっているのですか?」

 

「ああ、もうすぐで兄貴からテレビを通して放送があると思うぞ。副校長、テレビを学校全体に聞こえるように繋いでくれるか?」

 

「分かりました」

 

 副校長は放送室に走っていく。数分後、学校のスピーカーからギレンの声が聞こえてくる。生徒たちの中には、手を止めて放送を聴いているものもいるが大半の生徒は聞き流している。それだけ忙しいのだろう。

 

 〔……今、サイド3全体でテロが起きております。過激派の仕業か、それとも連邦の策略なのかは断定できていませんが、皆さんどうか落ち着いてください。怪我をされた方は近くの病院または特設治療施設に向かってください。繰り返します、どうか落ち着いて行動してください。……〕

 

 威勢の良くない放送だな。やはりギレンは迫力がある方がいいな。多分無理だけど……

 

「兄さん、どうするんですか?」

 

「今は負傷者の治療に専念するべきだろう。ガルマはもうひとつの士官学校の学生の指揮を頼む。大人は全体への情報伝達などで忙しい。頼んだぞ」

 

「お任せください!」

 

 ガルマは張り切って、校庭を走っていった。さて、どうするかな。

 

「あと一時間ほどで包帯などの物資と医療団が到着する。皆、もう少しの辛抱だ。頑張ってくれ!」

 

 僕は声を張り上げ、皆を鼓舞する。あらためて周りを見回すと先程より負傷した人が増えており、中には爆発による火災によっての二次被害を受けた人もいた。

 ……しばらくは復旧作業などに追われそうだな。

一年戦争が終わった後の戦乱

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