ギレンの野望?なんだそれは・・・   作:国連宇宙軍

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もうそろそろドズル視点だけでは物語を進めるのが難しくなるので他の人物の視点も混ぜていきたいと思います。


第六話

 あの同時テロから3日、昨日まであちこちで上っていた煙も完全に消え夜中のサイド3は静寂に満ちていた。しかし、日が経つごとに被害の全貌が明らかになってきており政治家や有力幹部たちは大慌てである。倒壊した建物の修復や負傷した人々への保険支払いのために掛かる費用はバカにならず、さらに医療品の調達や医療団の派遣などで、我々政府は多額の負債を抱えてしまった。さらにもっとも痛手なのはサイド3にある五つの生産拠点のうち、三つの拠点の生産ラインが停止したことである。そのうちの一つは全拠点の中で最大の生産数を誇っている。ザクの生産はもちろんムサイやチベ、ザンジバルの建造も行っているのだ。しかし建物や機械の損傷により最低でも3ヶ月は稼働させられないとの報告が届いている。

 

「兄貴、どうする? 今把握できているだけでも死者は三百人、怪我人は死者の倍以上だ。さらに俺たち政府が抱えてしまった負債はバカにならない金額だ」

 

「しかしドズルよ、これはチャンスだ。今サイド3の国民の連邦への評価は下がり続けている。なにしろサイドの治安を守ると言っておりながら、少ない医療品と人員を派遣しただけだからだ。このまま反連邦意識を煽れば……」

 

「ちょっと待ってくれ兄貴、まだ国力の差は埋まっていない。今の状態で仕掛けたら間違えなく負けるぞ」

 

「分かっている、まだ先の話だ。今は我慢しようではないか」

 

 その時、ドアがノックされセシリアが入ってくる。

 

「ギレン様、ドズル様、ご報告がございます。先程サイド1、サイド2、サイド4より支援金が届きました。各サイドから一千万ずつ合計三千万です」

 

 ギレンは頷き、言葉を発する。

 

「そうか、ありがたいな。騒ぎが収まったら、なにかしらお礼をしなくてはいけないぞ、ドズルよ」

 

「そうだな、そういえばこの一件での連邦の対応のお陰で、公国防衛隊の発足が認められたみたいじゃないか」

 

「その件についてか、それならアンリ・シュレッサー少将が隊の長を務めるそうだ」

 

 僕は喉が乾いたので、カップの紅茶を飲みながら疑問に思ったことを聞いてみる。

 

「兄貴、あの二人を信じてもいいのか?」

 

「アンリとマハラジャについてか? あの二人は改めて我々に忠誠を誓うと言ってくれた。大丈夫だろう」

 

「ならいいんだがな。おっとこんな時間か、このあと学校の方で用事がある。失礼するぞ」

 

 席を立ち、ギレンの執務室を出る。ふぅ、大分緊張しなくなったな。何であんなに怖いんだろうな、あの人は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一時間後 士官学校校長室

 

 僕とキャスバルは向かい合ってソファーに座っている。

 

「まさか、キャスバルがガルマと同じ学年だったとはな。推薦状は渡したが同期になるとは思っていなかった」

 

「閣下から士官学校への推薦状を頂き、入学しましたところガルマ様と同期であった次第です」

 

「そうか、まあそれはいい。それでザビ家に復讐する気はまだあるのか?」

 

 キャスバルは目を細め、俯く。

 

「……はい」

 

「分かった。復讐は必ずさせる。ただ、二つだけお願いがある。一つはガルマだけは生かして欲しい。あいつはまだ黒く染まっていないからな。もう一つは、連邦との戦争が終わるまで待って欲しいってことだ。ジオンはあと少しで連邦と戦争を始めるだろう。コロニーの自治権を獲得しスペースノイドの独立を成し遂げるまで待って欲しいんだ」

 

「分かりました。それと、ドズル様に復讐する気はありません。私が殺したいのはデギン・ザビとキシリア・ザビだけです」

 

「ギレンの兄貴はどうなんだ?」

 

「ギレン様については直接話し合いを行い和解しました。正直申しますと、イメージと違いました」

 

 やっぱり、原作とギレンの性格が変わってるんだよな。

 

「そうか、分かった。まあしばらくは、学業に励んでくれ。卒業したら晴れて軍属だ。ゆっくりと上に上がってこい。部下として受け入れるぞ」

 

「ご配慮、ありがとうございます」

 

「それとガルマの面倒を見てくれないか? あいつはまだ世間を知らなすぎる。親父に甘やかされ過ぎたんだ」

 

「了解しました。それでは失礼します」

 

 キャスバルは僕に一礼して、部屋を出ていく。

 

 復讐したいのはデギンとキシリアだけか。原作よりはましだな。末弟のガルマが黒く染まらないように注意しとかないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズム・シティ郊外 ジオン新兵器開発局

 

 ジオン新兵器開発局の二階にある会議室では、連日のように会議が行われていた。会議が終わり、資料をまとめていたエリックとラースはある一枚の紙を見つける。

 

「おい、これを見ろ。ギレン様からの極秘開発指令書だ。なになに……ドズル様の専用機を作って欲しいだってさ。何か案はあるか?」

 

「そうだな、今生産中のF型をベースにすればいいんじゃないか? あれなら能力的に今あるモビルスーツの中では最高峰だ。ただし、ドズル様は巨漢だからコックピットは拡張しなければならないな。まあ、後で設計図を書こう」

 

「そんなことより今はこの情報流出をどうするかを考えよう。幸い盗まれたのは最初期のモビルワーカーの試験結果だからそれほど問題はないと思うが一応上に報告はしといた方が良いだろう」

 

「分かった。俺から報告しておくよ」

 

 エリックは情報流出の証拠が記してある紙を持って部屋を出ていった。

一年戦争が終わった後の戦乱

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