本当は2話で納めたかったですが、長くなってしまったので急遽つけたし
上・中・下の3部編成でお送りします
20○○年某月東京民事裁判所で被告、一二三次郎長が起こしたパワハラ事案の第1回審理が開始された。
ーーーー第○回審理ーーーー
裁判官が法廷で取り調べを行い事実関係(今回の件ではパワハラの有無)、法律関係を明らかにする。
事実に争いがなければ、1回目の審理で終了し2回目で判決。
事実に争いがある。または複雑な事件の場合、回数が数回~数十回に及ぶこともある。
※基本作者は一つの事件でネタを広げられないため、多くても3審程度で終了する予定
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裁判所内はありふれた民事訴訟と言うこともあり、傍聴者はまばらであった。
法廷に被告、次郎長・黛真知子ペアが入廷。少し遅れて原告側は古美門1人のみが入廷してきた。
ーーーーー民事裁判と刑事裁判の違いーーーー
刑事裁判の場合
1)人定質問(じんていしつもん)
2)起訴状(きそじょう)の朗読
3)黙秘権(もくひけん)の告知
4)罪状認否(ざいじょうにんぴ)
5)冒頭陳述(ぼうとうちんじゅつ)
と流れを踏んで行われる。
また被告は必ず出廷しなければならず、出廷がない限り裁判が行えない(ネット調べ)
一方民事裁判の場合、刑事裁判のような格式的な流れはあまり存在しない。
また原告側と被告側が欠席することも可能であり、裁判当日お互いに弁護士だけで弁論を行うというのも珍しくない
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小御門は、真智子に対し「かかってこいや!」の挑発ポーズ。対する真智子はボクサー顔負けのファイティングポーズで応戦。すでに、一触即発の雰囲気である。
暫くし、裁判官が入廷。傍聴人も含めて全員が起立、裁判官が着席前に一礼するのにあわせて、全員で一礼。
裁判が開始された
※本当はこのあと、争点整理・当事者尋問等あるが、テンポ重視でいきたいのでカット!!
また、被告側と原告側の意見陳述には決められた順序があるらしいがテンポ重視でいきたいのでこれも無視。
まずは、被告側の弁護士真智子の弁論が始まる。
「今回の事件、被告次郎長さんが行った行為はパワハラには該当しません!!」
「何故なら次郎長さんは感電した原告を救護するため、やむを得ず蹴ってしまったのです。また・・・」
ここから、真智子はいかに今回の行動が正当であったかを以下の4点から説明していく
1.感電者を救護する際注意することとして、救護者も感電するこがないように絶縁防護(今回なら安全靴)をする。
またその際、体全てが地面と接していなければ尚良。(理想はドロップキック)
2.毎年100V感電の死亡者は後をたたない
3.AEDセクハラ騒動からもわかるように、救護時の行動が罪に問われることはあってはならない。
4.次郎長さんは従業員一人一人を家族同然のように可愛がっており、事件当日も原告を助けたい一心でつい蹴りが出てしまった。
そして、ここで真智子とっておきの切り札が炸裂する。
「こちらは、一二三工業の元従業員Aさんです。現在は独立して一人親方をやっていますが今回、裁判のためにわざわざ御足労頂きました。」
ーーーーー証人尋問ーーーーー
原告側、被告側各々の言い分を第3者の証言によって、確かめていく。
本来は、原告側・被告側両方の弁論終了後に行われるが・・(フィクションなので気にしない)
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「Aさんにお聞きします。次郎長さんパワハラを行うような人でしたか?」
「とんでもない!親方は、常に自分達を第一として考えてくれる人です。」
ここから、証人Aがいかに被告、次郎長が従業員思いの親方であるかを以下のように語っていった
・親方は常に従業員一人一人を息子同然に可愛がってくれていた
・Aが電気工事士資格を取得する際、親方は仕事が終了後常に付きっきりでアドバイスをしてくれた(他従業員も同様に)
・一度Aが大病を患い1ヶ月程度入院した際にも、1日も欠かすことなく励ましに訪れ、退院後直ぐに職場復帰することができた。
・今の自分がこうして独立できたのも親方あってこそである。
「Aさん、有り難うございました。 最後にお聞きしますがAさんにとって次郎長さんはどの様な方ですか?」
「私にとって父親の様な存在です」
「有り難うございます。 最後に一言付け加えますが、Aさんは幼い頃に父親を亡くしております。」
「そのAさんが父親のようだと言い尊敬する被告が原告にパワハラを行うはずがありません。」
「何度でも申し上げますが今回の件はあくまでも、大切な従業員の命を守るために行った行動なのです。以上で被告側の陳述を終了致します」
そう言い終わり、裁判官の表情を伺う真智子。
予想通り、裁判官は感極まり涙を流していた。
今回の事件を担当する裁判官は、あのリーガルハイ1期・3話ヤジ裁判で登場した人情派裁判官であった。
とにかく、涙脆く特に「父親」や「母親」というキーワードに弱い。
原作では、口汚いヤジを行い強制退場させられた原告が、球団側に1500万円を請求したムチャクチャな裁判でも「球団応援団にとって母親の様な存在だった」の決め台詞から原告側が勝訴している(小御門担当)
正に、真智子の狙い通り100満点の陳述であった。
しかし・・・
「ブラボー!!」
あの男が、大袈裟にスタンディングオベショーンしつつ流れてもいない涙を拭う仕草をしながら反撃に移る。
「素晴らしい!とても感動的なお涙頂戴な陳述でした。私も涙無しには聞いていられません・・・しかーし!!」
「本当は被告には別の一面があるのでは?と私は思えてなりません」
「どういうことですか?」
真智子はくいぎみに反応する
「Aさんにお尋ねします。あなたは独立前、被告と共にSさん宅の屋内配線工事をしたことがありますね?」
「はい」
「その際、貴方はパワハラを受けた覚えがありますね?」
証人A氏の顔を覗き込み、確信的にそう質問する古美門。
「・・・いいえ」
「それはおかしい!!」
A氏の苦し紛れの否定に即座に反応、そして原告側用意した書類を読み上げていく
「此方は、工事を施行したS宅の依頼者Sさんから伺った陳述書です。僭越ながら読み上げさせていただきます」
わざとらしい咳払いを一度行うと、以下のような内容の陳述書を読み上げていく
1.被告はA以下従業員3名を何度か大声で叱責しており、従業員達がとても不憫に思えた
2.またAさんはヘルメットの上から頭を叩かれている姿も目撃した
3.普段はとても社交的な被告だが仕事になると、大声で罵声を浴びせている姿を目にする
「此方の陳述書の証言者S夫婦、よくエアコンやコンセントが故障すると一二三工業に施工を頼むお得意様です。」
「今回の裁判に伴い!お忙しいところわざわざ!!陳述書の作成にご協力頂きました」
「Aさん、貴方は否定しました。しかし一二三工業が何度も施工を担当しているSさんがこう陳述書をかかれています。」
「本当に覚えがありませんか?」
「・・・親方にそのようなことを受けたことはあります。ですが!!」
親方受けた罵声には以下のような理由があるとAさんは、反論する。
※実際の裁判では証言の前に虚偽証言はしないことを宣誓し、故意に虚偽発言を行うと罰せられますが・・・そこはテンポ重視ということで以下略
・親方が怒鳴るのは基本此方の施工に不備がある(工事が雑、ミス、危険)時だけ
・メット上から叩かれたときも配線をリャンコ(黒線と白線を反対に接続)にしてしまった
・これらは、親方が自分達の成長をうながすための愛のムチである
Aさんの反論に、間髪いれず古美門の反論があがる
「愛のムチ!これまた古くさい!!」
「私達が子供のとき学校でも、その様に教師達は愛のムチと言い何かやらかすと廊下に立たされたり、校庭を走らされたり、平手打ちがとんできました。」
「ところが、令和の今そんなことを行ったのなら速攻で首が飛ぶ事でしょう」
「それは、何故か?時代だからです!!」
「昭和の時代は許されたことでも、平成・令和の現在では許されない。」
「そして、教師はその時代に対応した教育を行う義務があり、古臭い昭和の指導を変えられない教師は淘汰されていく。」
「これは、他の職種にも当てはまります。勿論地域密着型の一二三工業にもです!!」
ここから古美門は今回の裁判の争点、被告の蹴りは原告の感電救護に本当に必要であったのかどうかに展開させていく。
「被告にお尋ねします。貴方は感電した原告を助ける為に蹴ったと仰いましたが本当は救護にかこつけて原告を蹴ること自体が目的だったのでは?」
「意義あり!!感電者救護の最善は先ず救護者も感電に巻き込まれないことです。この鉄則に応じて最善の行動をとったまでです!!」
古美門の悪意ある質問に直ぐ様反論する真智子。
しかし・・・
「感電者を救護するだけなたら、ブレーカーを切る・絶縁手袋をはめて回路から切り離す色々とやり方があった筈だ!!」
「なのにその中から、原告を傷つける蹴り飛ばすというやり方を選んだ。何故か?」
「それは、普段から被告が原告に対し不満を持っており、その不満を救護にかこつけて蹴りを入れるというやり方で発散したかったからではないでしょうか?」
「意義あり!!それは原告側の憶測でしかありません」
「そういわれるであろうと思い、原告側の証人を用意しております」
そういうと古美門は、一人の人物を証言席に呼んだ。
原告側証言人B。彼は原告と同じ時期に一二三工業に入社しており、常に原告とペアを組んでいた人物だ。
その見た目は、丈のあっていないTシャツにダルだるのズボンであった全身からズボラさが滲み出ていた。
「Bさんにお聞きします。原告は普段から被告によく怒鳴られていましたか?」
「はい、ことあるごとに小うるさく怒鳴れてました」
「具体的にはどのような?」
「仕事が雑すぎる!やる気がないなら帰れ!何回同じ失敗をしたら気が済むんだ!まだまだ沢山あります」
「それは、あなたもよく言われましたか?」
「はい、よく言われました」
「それを聞いてさぞ、嫌な思いをなされたでしょう!!その時の原告の口調はどうでしたか?」
「ぶっきらぼうで、怒鳴り散らしてるようでした」
「わざわざお忙しい中貴重な証言有り難うございました」
古美門側の証人が発言を終了し席につく。それを笑顔で見届けた古美門は再び発言を始める
「この証言からもわかるように、普段から被告は原告の仕事態度・技量に不満を持ち指摘していた」
「しかし、一向に改善されなかった・・・そして今回の事件、ついに形となって現れた!!違いますか一二三さん!」
「なっ・・・」
被告席に座っていた一二三は思わず声をあげてしまった。彼の短く発した一言に、全く被告自信の意図とは異なる見解が向けられたことへの驚き・戸惑い・焦燥それらがありありと感じられていた。
「意義あり!原告側の主張は飛躍しすぎています!」
何とかフォローに真智子。しかし、まだまだ奴の追撃は終わらない。
「何処が飛躍している言うのでしょうか?」
「Bさんの証言からもそれは自明の理と言えるのではないでしょうか?さらに言わせてもらえば・・」
ここから古美門は、真智子が用意した切り札の打ち崩しにかかった
「被告側証人は一二三さんを父親のようだと言いました。しかし!!父親がかわいい我が子を助けるために暴力を振るうでしょうか?」
「何が言いたいんですか!」
真智子の反応を無視し、さらに古美門独自の解釈が行われる
「例えば、川で溺れている我が子を見つけたとき、父親ならばどうしますか?」
「直ぐに川から引き上げ、震えて泣きじゃくる我が子のために焚き火を起こし、怖い思いをしたな・・でも、もう大丈夫だと抱き締めるのではないでしょうか!!」
「ですが・・・」
そこで、わざとらしく一呼吸おき被告席に目をやる古美門。
「被告が行ったことは、泣きじゃくる我が子に平手打ちを放ち何故あんなところで遊んでいたんだ!!と、ただ怒鳴っただけに等しい。」
「これでは、ただトラウマを植え付けるだけで何にもならない。これが父親のやることでしょうか!!」
この弁護は例えに無理がありすぎる。
しかし、古美門研介に掛かればこの支離滅裂とも思える弁護が成立し、法廷全体の空気さえも支配してしまうのだ
古美門有利、この空気を変えるため何とか奮闘する真智子。
しかし、第1回審理でこの空気を変えることはできなかった。
そして、続く1週間後に行われた2回目の審理。ここで、古美門は次郎長が失敗を注意するために行ったことを、パワハラと解釈する元従業員を揃え原告側有利な状況を更に磐石なものとした。
そして、3回目の審理を明日に控えた打ち合わせ、真智子は依頼者の次郎長から意外な一言を言われることとなる
「次郎長さん。まだまだ裁判は始まったばかりです!ここからいくらでも巻き返せます」
「それについて相談したいことがあるんだが、大丈夫かい?弁護士の先生」
「はい!何でもおっしゃって下さい!」
「この裁判、もう和解しようと思うんだ」
「へ?」
次回に続く
ここまで来てあれですが、1部の主題パワハラですが、裁判でパワハラ罪というものはありません。
パワハラ行う過程で発生したもので、罪状を争うことがほとんどです。
例
パワハラ:部下に暴言・・名誉毀損、恐喝罪
部下に手をあげる・・傷害罪
セクハラ:(その発言等が不快に感じられた場合)強制猥褻成立する可能性も
等々。
それと最近では、男性が女性の付近に立ち呼吸しただけでセクハラ!!といわれることがあるとかないとか・・・
女性の前では呼吸も出来ない・・・ヤヴァイですね!!