深海の駅   作:NiOさん

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『千島・カムチャツカ海溝』 ‐9,550m

 そんなこんなで。

 

 静かに、ゆっくりと、下へ進んでいる俺達の前に。

 

 

 ……それは(・・・)現れた(・・・)

 

 

########################

 

「……なんか、くさい」

 

チョロ幼女、ひさげ あかりちゃんの言葉に、俺……贄野(にえの) (こひつじ)は、素直に頷く。

 

 地下5階は、何やら、腐臭が強かった。

 

 

『 魚 安 駅 ( B5F : 千島・カムチャツカ海溝 : -9550m )』

 

 

 階段を調べて行こうとすると。

 

 

 階層の中央に、何やら腐臭を放つ原因とも思われる物体が、鎮座していることを、俺は確認した。

 

 

 

################

 

 

 

 それは、有体(ありてい)に言ってしまうと、死体であった。

 

 周りにはハエも集っていない。

 

 恐らく、この謎空間、そういった死体を土に返す微生物(スカベンジャー)もいないのだろう。

 

 肉のついたミイラ、とでも言うのであろうか。

 

 まあそれにしたって、臭いが強いのには、変わりがないのではあるが。

 

 

「こわい」

 

 

 

 あかりちゃんは、怖がって近寄らないが。

 

 

 これは、何かしらヒントが隠れているのではないか?

 

 そんなことを考えた俺は、幼女を置いて、死体へと近寄っていく。

 

 

 

 

 死体は、何やら、紙切れを、手に持っていた。

 

 

 

 

 

 申し訳ない気持ちを持ちながら、紙切れを引っ張って、内容を確認する。

 

 

 

『31415』

 

 

 

 数字だ。

 

 

 よくわからないが、ただの数字だ。

 

 

 ……いや、ちょっと待てよ。

 

 

 

 俺は、今までの行程を、思い浮かべた。

 

 

 降りる階段の順番は、『31415』。

 

 ……今まで降りる順番の階段、『3番』『1番』『4番』『1番』『5番』が、書いてあるのであった。

 

 

 

「……なるほど、ここまで辿り着く道筋を書いたんだな~……。

 

 

 そして、力、尽きた、と。

 

 

 ……出来れば更に先の情報まで、教えて欲しかったんだけど」

 

 

 

 紙切れを、死体に返す。

 

 

「う~ん……これはもしかしたら、これから下にも更に、死体があるかも解らんね」

 

 

 俺は、少し先を予測する。

 

 ここに迷い込まされたのは、俺だけではないであろう。

 

 そして迷わされた結果、帰れなくなった人たちも、多くいるはずだ。

 

 

 そんなわけで、これより更に下の階層に進めば、先に進むヒントが残されている可能性は、十二分にある。

 

 ふむ。

 

 これは、チャンスと言って、良いだろう。

 

 

 俺は、それらの人たちのヒントをハイエナのように漁って……。

 

 

 そんなことを考えて。

 

 

 思いついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ(・・)

 

 1階の人骨(・・・・・)調べれば(・・・・)よくね(・・・)?」

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