湿気も多いせいで虫もいっぱいだし、どうしようもないね。
登場人物がある程度出揃ったら、オリジナル設定の解説でもまとめようと思ってま~す。
騎士とマホが【
広場には露店がいくつか並んでおり、賑わっているとは言えないが人の行き交うがあった。買い食いしている人もちらほら見える。
「なぁ王子はん? そこでデザートでも食べていかへん?」
「でざーと?」
マホは露店がある方向へと指を指して、騎士にアピールする。
だが、騎士にはデザートが何かを理解していない様子。
「王子はんはデザートを知らないんどすか? あま~い食べ物のことを言いはります。食べたことが無いんなら是非とも一緒に食べないとあかんなぁ♪」
「そういうのは多分食べたことないかも、って付いて行くから腕は引っ張らなくてもいい。」
騎士はデザートなる物を知らないようだ。そのことを知ったマホは是非ともそのおいしさを知ってもらいたい、あるいは一緒に食べたいと思ったマホは早速騎士の腕を引っ張り、デザートを取り扱っている露店の並びへと向かっていく。
「それにしても… どれにしましょうなぁ~、王子はんは何かあるん?」
「そんなこと言われてもなぁ、マホの好きにしたらいいよ。」
「王子はんがそういうなら… ん~、どれにしようか悩みますなぁ~」
食べるものはマホに任せるということでマホがこれから食べるデザートを考えたがどれも捨てがたい様子。食べれるのなら全部!と言いたいところだがマホにはそんな芸当は無理である。 また、デザートは嗜好品ということもあり、間食としては少しお高い部類だ。
そんな事情もあり、露店が立ち並ぶ近くで、マホがう~んと唸って悩んでいた。クレープ、パフェにたい焼きなど選択肢は多いが食べ歩くならたい焼きなどの汚れにくい、落ちにくいものが良いだろうか?そんなことをマホが考えていると――
「やぁそこのお若いカップルさん、どうだい? カップル限定のクレープがあるけどお安くしてあげるよ。」
「そのクレープ買わせておくれやす!」
「まいどあり~」
突如、クレープ屋の店員である女性に声を掛けられた、マホ。 カップルと思われたこととカップル限定という響きが脳内を駆け回ったことにより、先ほどまでの考えが吹き飛んでいた。
「そういや、店員はんのことはお見掛けしたことあらへんなぁ。」
「この店はアタシの店なんだ。いつも働いてくれる子たちは休みを取ってもらっていてね、店主であるアタシが店番をやっているのさ。」
「そうやったんかぁ~、それなら納得や。」
「それじゃあ、クレープを用意するからお嬢さんと彼氏さんはちょっとだけ待ってておくれ。」
そう言って、クレープ屋の店主は二人の前でクレープを作り始める、甘いもの大好きなマホはクレープを作る作業を食い入るように見ていたが、後ろに居る騎士は興味がない様子であちらこちらに視線を動かしていた。
マホがしっぽを揺らしながら、騎士は暇そうにしているうちにクレープが出来上がったようで、店主がマホに2人分のクレープを手渡す。
「はいよ、カップル限定のクレープだ。サービスで具材のトッピングを増やしてるから少し食べづらくなってしまったかも。」
「気にせんでええよ、サービスありがとうなぁ~。はい、王子はんどうぞぉ♪」
「ああ、ありがとう。」
手渡されたクレープの一つを騎士に渡す、2つのクレープは色が違っているので、違う味のものだろう。食べさせ合うにはもってこいの一品であった。
マホからクレープを渡された騎士は一旦クレープを見つめてからマホへと視線を移動させた。
「少年がクレープを食べるのは初めてだったかな? 上からガブりと行くんだよ、ガブりとね」
「そういう食べものなのか…」
クレープ屋の店主に言われるように騎士は初めて見るクレープに齧り付く、それを見ていたマホも自分のクレープを一口食べる。」
「やっぱり、ここのクレープはおいしいなぁ~。どうや騎士はん? クレープおいしいやろ~」
「かなり甘いけど悪くないな、たまに食べるくらいならちょうどいいかも。」
「ちょっと王子はん、うちに王子はんのを食べさせてくれやす。ほらあーん。」
「あいよ。」
騎士のクレープをおねだりするマホは、口を開けて待っている。それを見た騎士は特に思うこともなくマホにクレープを食べさせた。
「ありがとなぁ、王子はん。うちのもはい、どーぞ♪」
「うん… こっちもなかなか。」
無事に目標であった「王子はんとお口あーん」を達成できたので、マホは心の中でガッツポーズをする。
しかし、マホには気になることが一つできた。
「ところで、なんで店主はんは王子はんが初めてクレープを食べることを分かったんや? もしかして知り合いやったとか?」
「確かに… あんたは俺のことを知っているのか?」
「いいや、クレープ自体あまり出回って無い食べ物だからね、初めてのお客さんは珍しくないんだよ。 それに少年の反応の仕方がまさにそれだったし…ね?」
どうやら店主は騎士のことを知らないようで、マホの早とちりだったようだ。
「王子はんのこと何か知っておったら良かったのになぁ。」
「俺の記憶ことは気にしなくていいぞ。」
「ん? そこの少年がどうしたんだい?」
「うちの王子はんは記憶喪失なんや。それでなぁ、店主はんがその手掛かりになると思ったんよ。」
どうやら、マホはクレープ屋の店主に何らかの疑いではなく、騎士の記憶への手がかりを期待していたようだ。
記憶が無い本人は気にするなと言っていたが、マホは恩人である騎士の手助けになりたかった。
「そうだったのかい? 力になれなくてすまないね…」
「ええよ、うちが勝手に期待しただけやから。かんにんなぁ、店主はん」
「力にはなれないけれど、相談相手ぐらいならなれるさ。また良かったら寄っておいでよ。」
「おおきになぁ。ほな、さいなら。」
マホはクレープの代金を払って、騎士と一緒に広場から去っていく。
広場で座りながら、二人でゆっくりクレープを食べるのも良いが、残念ながら騎士に【
マホと騎士はようやく【
約束の時間に間に合わせるために、クレープ屋のあとは一度も寄り道することはなかった。
「さぁ着いたで、うちらお城へ。おこしやす~」
「これが城?」
騎士は城=ランドソル城なので、マホの城ということを聞いた騎士は疑問に思っていた。
まぁ、見た目を城に寄せているため、城と言えば城かもしれない程度だが…
「えへへ~、ギルドハウスをお城って呼んでるんどす、実は内装も弄ってあるんよぉ。…みんなには不評やけどな~」
マホは「入って入って」と、騎士の右手を掴んでギルドハウスへ引きずり込むように招待した。
「おっ? やっとマホが帰ってきたさ~、おかえり~。」
「なんか甘い匂いが残ってるのを察するに、買い食いでもしてたんだろう…」
「おいおい、うちの姫さんは約束してたのに呑気に買い物かよ。」
ギルドハウスに帰ってきたマホに気づいたカオリ、カスミ、マコトが出迎えるために出入口の方向へ歩き始める。
「みんなただいまや~、ちゃんと揃っておるな? 王子はんを連れてきたで。」
「「「――!」」」
「こらっ! 王子はんやめときぃ!」「ちょっ⁈ 待ったぁー!」
マホに連れられてギルドハウスにお邪魔した騎士は、カオリとマコトを視認した瞬間に体勢を少し低く構えて左腰の帯剣へと手を伸ばし、逆手持ちで剣を引き抜こうとしていた。
マホは騎士のことを警戒していた為、動いた瞬間に正面から抱きつく形で騎士の動きを阻害した。さきほどから騎士の腕を掴んでいたのもこの為だ。
カオリとマコトも騎士の動きに即座に反応していたがカスミが慌てた様子で二人の前に立ち、両腕を大きく広げて止めようとしている。カスミも一応、警戒はしていたようだった。
「ほらっ、みんな仲良くせぇよ? 王子はん、カオリはん、マコトはん、一旦落ち着きぃ。」
「私は反応しただけさ~、悪いのはそっちさ~」
「あたしはそいつにボコられたんだし、しょうがないだろ?」
「つい前日に俺はこいつらに襲われたんだぞ? いきなり出くわしたら普通は身構えるだろ。」
マホのお叱りを受けた3人はどうやら反省する様子は無いようだ、揃いも揃って言い訳している。
要約すると全員が「相手が悪い」と言っているようなものだ。
「本当に大丈夫なんだろうか… 私は物凄く不安になって来たよ。」
無事に事が進むことを祈らずにはいられなかったカスミであった…
「この人がうちの王子はんの『騎士』はんや、みんなよろしゅうなぁ。」
現在、騎士と【
ちなみに騎士はマホの隣で座っている。 が、剣は没収され、片腕が腕を組むようにして封じられているので動きづらくなるように対策されていた。
「単刀直入で言うが、俺には記憶が無い。 『騎士』なんて呼ばれているが本当の名前でないんだ、だから俺のことは好き呼んで構わない。」
マホの紹介に続いた騎士は、自身が記憶喪失であることを気にする事なく打ち明けた。前から言ってはあるのだが本当に記憶に関して気にしていなかった。
「あたしはマコト、先日はすまんかった。 水に流せとは言わんけどよ、こっちも十分やられたからそれでチャラでいいよな?」
「ああ、それでいいよ。あれでお相子だ。」
「よしっ、それならもういいや、これからよろしくな。」
騎士とカオリはどうやら先日の件はもういいらしい、お互い大雑把なのでどうのこうのみたいな話は嫌いなのだ。
「はいはい! 私はカオリって言うさ~。マホの恩人だったのに襲ってごめんな~、でも私は腕を折られてたし、それでお相子にするさ~。これからよろしくさ~ね~」
「よろしくな、ところでその腕は治ってるのか?」
「回復魔法でくっついてるけど、完治はしてないから当分踊りはできないね~」
カオリも相手に敵意が無ければ、基本フレンドリーだ。もう警戒している様子は無く、普通に接している。
マコトもそうだが、前日との差が大きすぎる。
「私はカスミという、こう見えて【
「探偵…? まあいいや、よろしく。」
探偵と言う言葉に引っかかったが、特に興味が湧くこともなかったので騎士はスルーしていた。
カスミ、哀れである。
「なぁ王子はん?ほんとはここに居ない子もおるんよぉ、いずれ紹介するから今回は堪忍なぁ。」
どうやらここには居ないメンバーがいるようだ。マホはいずれ紹介するいう約束を騎士と交わした。
「ねぇ? もう自己紹介も済んだんだし、お昼ご飯たべようよ~。私、お腹すいたさ~」
「あたしもカオリに賛成~。どうする?今から用意するか?」
「それやったら、みんなで一緒にご飯を作りましょか~。みんなで一緒にご飯を食べて、仲良くなりましょうや。」
「それじゃあ、食材を確認しないとね。騎士さんは好き嫌いあるかい?」
どうやらこれからお昼の準備をするらしく、騎士を除いた4人はキッチンがあるであろう場所へ移動を始めていた。
「好き嫌いはないな、なんでも食べれると思う。」
「それはよかった、じゃあ付いてきたまえ。」
「俺もか⁈」
「そうやでぇ、王子はんも一緒にや~」
どうやら本当に「みんなで一緒に」のようだ。みんなはやる気満々の様子、もともと【
しかし、今回は仲間ではなくお客さんであり、一応恩人でもある騎士が相手、
騎士はマホとカスミに連行されるが、抵抗はしない。 むしろこんな感じもたまには良いかも知れないと思い、すでに自分で歩いていた。
【
今日は面白い出会いがあったなぁ… いや?面白いというのはちょっと違うだろうな、だけどこの世界がアタシのことを退屈させないのは確かなことだろう。
「やっほー、マスター? 私たちが居ない間はちゃんと店番できたかな~」
「ただいまです、マスター! 今日も無事に終わりましたよ!」
どうやらあの子たちがアタシの‟おつかい”から帰ってきたようだ。 今日も無事なようで何よりだ。
最近は調べたいことが増え過ぎたせいで働かせてばっかりだ、本当に申し訳ないな…
「ありがとうお二人さん、ちゃ~んと目標の売り上げは確保できたよん♪」
「そうだったんですか~、…って目標すくなっ⁉ マスターの目標額それくらいなんですか⁉」
「お給料下がりそうならマスターのおつかい断りますよ~?」
「ひどいなぁ~、アタシが2人みたいにピッチピチな女の子だったらもっと売れてたから! しょうがないから!」
もちろん2人が冗談を言っていることは分かっている。でもね、今回それなりに接客してみたんだよ? 人が少なかっただけなんだよ?
「あれっ? 何かいいことありました? いつもより表情が明るいような…」
「マスター、それって男の子ですか⁉ 恋とか運命的なものだったりしますか?」
妙に勘のいい子たちだなぁ… 別にアタシは隠すつもりは無かったけれど。
たしかに運命じみたものを感じたよ。 もしかすると、あの不自然な流れ星は役者は揃った合図だったかも…な~んてね?
「ちょっとね~、昔の知り合いというべきか…そんな人とばったり偶然あったのさ。」
少女2人から「はぐらかすな~」と抗議の声が上がっているが軽く聞き流す。いずれ遠くないうちに、あの子と会うのだからここで言わなくてもいいだろう。
「まったく… この世界の神さまは何を考えているのだろうね~、そう思わないかい?」
「――ね? プリンセスナイトの少年♪」
クレープ屋の店主さん、一体何者なんだ⁈
といことで順調に話を進めているつもりですが、まだカォンのフェーズは次回も続きます。
コッコロとペコ要らなくない?みたいになってきましたが、今はフェードアウトしてるだけだから!今はメインヒロインじゃないだけだから!