プリンセスコネクト! Re:Birth   作:UNAG3

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戦闘シーンを考える側ってわくわくするよね


第2話

命を救われた少女は茫然としていた。死んだも同然だった状態からこうして生きていることも理由だがそれを超える光景が目に映る。青年は少女を殺そうとしていた魔物――オークの上半身を素手のみで吹き飛ばすと左右から襲ってくるオーク2体を蹴りだけで処理している。勢いは止まらずほかの魔物に狙いを定めて青年は走り出した――

 

「うわぁ、すごいですね。人間ですか?彼は…。いけない、せっかく救ってもらったんです、ここから離れなくては――」

 

何とか立ち上がった少女は魔物から距離を取るため歩みを進めるが、それを逃すまいかとイノシシ型の魔物――リーフボアが少女めがけて突撃してくる。その数5頭、流石に避けれないと悟った少女は何としても生き残るため、防御の構えを取る。すると誰かが上を飛び越える姿が――先ほどの銀髪の少女であった。

 

「加勢しますよ、お腹ペコペコのペコリーヌさま」

 

上を飛び越えていく少女はそのままリーフボアも飛び越えた。しかし、突っ込んできたリーフボアたちはペコリーヌに体当たりする前に地面に倒れた。5体すべての頭部はなくっているため、一瞬で頭部を切り落とされていることを後になって気づいた。

 

まだ魔物の攻勢は続いており、近接がだめならと遠距離攻撃を仕掛けてくる。山犬の魔物――コボルト10体ほどが一斉にブーメラン攻撃を仕掛けるが少女がペコリーヌの前に立ち、魅入るような槍捌きですべてのブーメランを叩き落とす。一部のブーメランを弾き返したらしく、頭部を失ったコボルトがいた。コボルトたちは狼狽え、一度体制を整えようとしていたところにオークの得物に見える斧を持った青年が強襲していた。圧倒的な力の差を感じたコボルトたちは逃げ惑うがあっけなく全滅した。

 

あたりを見渡すと、どうやらあのコボルトたちが最後だったらしい。周りには死骸とゴーレムの残骸であろう岩が転げ落ちている。この惨状をみてペコリーヌは自分が命の危機だったことを忘れてしまいそうになっていたが、気を取り直して命の恩人である少女に感謝を伝える。

 

「あ、ありがとうございます。その…2度も助けてもらって。」

 

声をかけられた少女は振り返り、笑顔を向ける。

 

「いえ、当然のことをしただけです。おケガはございませんか、ペコリーヌさま?」

 

ペコリーヌと呼ばれ、少女は戸惑いながら返事をする。

 

「はい!ケガの方はなんとか…あのぉ?ペコリーヌってわたしのことですよね?」

 

戸惑うことも無理もない、あの危機的状況でニックネームをつけられ、そう呼ばれたのだ。けれど戸惑いはしたがニックネームで呼ばれることに喜びを感じたペコリーヌであった。

 

「そうですが?ペコリーヌさまは本名を伏せたいご様子だったので、急遽ニックネームで呼びましたがご迷惑でしたか?」

 

少女は少し悲しげな表情を見せ、ペコリーヌは焦ってしまう。

 

「いえいえ!そんなことないですっ!命も助けられ、かわいいニックネームも貰ってしまって…あの、あなたの名前を教えてもらっても?」

 

名を尋ねられた少女は礼儀正しい姿勢で自己紹介をする。

 

「わたくしはコッコロと申します。あちらのお方はわたくしがお仕えする主さまです。」

 

少女――コッコロは自身と青年の現状をペコリーヌに伝え、自分たちの力添えを頼み込んだ。どうやら青年の記憶を取り戻すための旅をしているらしい。多大な恩を受けたペコリーヌはその申し出を断りずらい。だがペコリーヌ自身、現状を打破するための戦力を探していた――謎だらけの人間とエルフの少女だが戦力としては申し分ないことをペコリーヌは理解していたため、快く申し出を受け、3人でランドソルを目指すことになった。

 

(お父さま、お母さま…わたしはすべてを取り戻して見せます)

 

すべてを奪われた少女の物語(復讐)が始まる――


 

コッコロは自身の目を疑った、先ほどまで精気のない青年が驚くほどの速さで魔物に向かい一方的に殲滅しているのだ。驚いている場合ではないとコッコロ自身も青年を守るため、あと追う。

 

「なにがなんだかさっぱりわかりませんが、記憶を取り戻したのですかね?そうだったら非常に良いのですが…それにしても主さま結構お強いですね。わたくしには劣りますが。」

 

自身の主の戦いぶりを観察しながら追っている最中に動きが鈍い少女が目に入る、どうやら逃げようとしているが足の動きが悪い様子。しかもそれを狙った魔物が突進している。行きかけの駄賃のようなものと捉え、彼女の救援を向かうことにした。

 

「加勢しますよ、お腹ペコペコのペコリーヌさま」

 

上からの方がまとめて頭を落とせそうだと判断したコッコロは迷いなくしゃがみこんでいるペコリーヌの頭上と魔物の頭上を飛び越え、魔物5体の頭部を一瞬で全て切り落とした。そのまま着地したコッコロは自身が倒した魔物に視線を向け、食材として利用できないかと考えた―――矢先、自身の方向に魔物たちの視線と近づいてくる物体の気配を感じたコッコロはペコリーヌを庇えるところまで少し移動、すまし顔で飛んできた物体―――ブーメランを槍で捌いた。全てを持ち主に弾き返したつもりだったがどうやらブーメランの強度がなかったらしく弾き返せたのは2つほどらしい、遠目で倒れている魔物が2体を視認した。

 

自分たちの攻撃があっさり終わってしまった魔物たちが焦っているのが見て取れる。コッコロは追撃するための動作を取ろうとしたが止める。主が斧を振りかざして魔物たちに突撃しようとしているのが見えたためである。そのまま主がバーサーカーの如く殲滅していく様を見届け、記憶について聞きに行こうとしたところペコリーヌに感謝を告げられる。

 

「あ、ありがとうございます。その…2度も助けてもらって。」

 

コッコロは笑顔で答える。営業スマイルは得意分野であった。

 

「いえ、当然のことをしただけです。おケガはございませんか、ペコリーヌさま?」

 

助ける前の思考はどこに行ったのだと思うほどの身代わり良さである。

 

「はい!ケガの方はなんとか…あのぉ?ペコリーヌってわたしのことですよね?」

 

ペコリーヌと呼ばれ困惑している彼女に追撃を図るコッコロは少し困ったような悲しいような表情をする。

 

「そうですが?ペコリーヌさまは本名を伏せたいご様子だったので、急遽ニックネームで呼びましたがご迷惑でしたか?(ふっ、罪悪感を煽る追撃でこれからの取引を有利にさせましょう)」

 

ペコリーヌはさらに戸惑った様子で返事をした。

 

「いえいえ!そんなことないですっ!命も助けられ、かわいいニックネームも貰ってしまって…あの、あなたの名前を教えてもらっても?」

 

それからは自身の名前を告げ、主である記憶を失った青年についてや、自分たちの目的を話した。コッコロは仲間(介護要員)を増やすためにペコリーヌに助力を申し込む。結果、無事受け入れられ、当分3人で旅をすることになった。

 

しかし、ペコリーヌのことは正直謎だらけだ―――

結局、名を明かさなかった。それはまだ良い。一番気になるのが先ほどの魔物の襲撃である、あまり魔物との戦闘経験がないコッコロでさえ不自然を感じ取った。明らかにペコリーヌのみを狙った攻撃しかなかったためである。魔物使いというものは聞いたことがないが自身が精霊使いということもあり、居てもおかしくはないと判断した。命を狙われていることについてペコリーヌに質問したがはぐらされ、面倒くさい状況にいる女ということだけが分かった。

 

主である青年はどうやら相変わらず記憶に変化はなかった様子。声を掛けても返事がない、だが声に対して反応はしているし、身体の動きに関しては良くなっている様子が伺えた。コッコロは少しの進歩があったと前向きに捉え、これからのことを考えた。


 

ボロボロの少女に振り下ろされる魔物の腕よりも青年の拳打の方が早かった。駆け付けた勢いで振るった一撃はオークの上半身を打ち抜くほどの威力だったらしく、そこにはきれいに下半身のみが突っ立っているだけであった。すぐさま近くにいたオーク2体が左右に分かれ挟撃を仕掛けるが、青年が跳躍して右側のオークの頭部に踵からの回し蹴り、その反動で左側のオークには脳天めがけての踵落としを決める。挟撃を図ったオークたちは自身の獲物である斧を振りかぶる前に絶命してしまった。

 

青年はオークが落とした斧に視線を向け、一般人では持ち上げられなさそうな大きな斧をあっさり持ち上げる、しかも両手に。そのまま斧を双剣のように構え、次の標的をである複数の岩の魔物――ゴーレムたちに向かって走り出す。ゴーレムたちは迎撃のために岩を青年めがけて投げるが、当たる気配がなく、避けるか斧で弾かれ簡単にあしらわれていた。とうとう接近を許してしまったゴーレムたちは長所である頑丈さを生かして近接戦をするが、動きが鈍いため簡単に懐に入られ斧で真っ二つにされていく。それを見ていた別のオークたちは加勢してくるが戦闘圏内に入るころにはゴーレムは全滅しており、駆け付けたオークもまた同じ結果を歩むことになった。

 

オークとゴーレムを殲滅し、残っているはコボルトだけになっていた。最後の標的に向かい青年は突っ走る。青年の形相を見るや否やコボルトたちは一斉に逃げ出したが、簡単に追いつかれて1体は斧で潰される、青年はコボルトの所持品であろうナイフを何本か拾うと逃げたコボルトめがけてナイフを投げる。すると吸い込まれたようにナイフが刺さる、あとは斧と投げナイフその繰り返しであった――

 

全ての魔物を倒した青年は、ボロボロだった少女がいる方向を見る。銀色の髪をした少女と一緒にいるのが目に映った。

 

青年は戦うこと、守ること、救うことなどの意味はまだ理解していないはず。けれど表情にはかすかな笑顔が浮かんでいた。

 




ゲームでいうチュートリアルシーンなのに執筆で一日つぶれちゃったよ…文字数もそこまでだしやはり難しい
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