まだキャルちゃん☆6にまだしてない…、プリンセスオーブが余ったらやろうと思って半年以上経過してるわ
「ぐぅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛‼ ご、ごめんなさ…」
「その言葉、もう何回目かしらね。流石に聞き飽きたわ、キャル」
「痛゛い!い゛だい゛…! ごめんなさい! ごめんなさい!」
私は今日も罰を受ける、本当に何回目なのかもわからない。…痛いのは嫌いだ
「お、おゆ、お許しください…陛下… 次は、次こそは陛下の期待に゛⁈ きゃあっ!」
陛下が持っていた中身の入った盃が私に投げつけられる、体中汚れてしまった。
「黙りなさい、あなたの大きな声は甲高くてイラつくのよ。でもまぁ、今回ばかりはイレギュラーの発生を考慮して、お仕置きはここまでね。」
イレギュラー…、まだ私は陛下に何も話していないというのにどうしてそのことを…?
「あら、不思議そうな顔をするわね。キャル、あなたは私の一部みたいなものよ? あなたの見たもの感じたものはある程度、私にも伝わるのよ」
私は黙る、陛下の機嫌を損ねないよう無駄な思考をしないようにする。
「そうね…、あの女の殺害はいったん止めにしましょうか。あのよくわからない二人組も行動を共にしているのなら今のキャルでは無理でしょうし…、調べたいことも増えたし」
「期待に沿えず、申し訳ございません…。わ、私が出来損ないなばかりに…」
「ええ、本当よ。あなたが少しばかり有能だったら、こんなことにはならなかったのにね」
…陛下の言う通りだ。私に才能があれば、陛下の命令を忠実にこなせる良い子になれたはず…。
けれど、現実はそうじゃない――私はただの獣人、陛下に与えられた力がなければ魔法すら使えない…
「キャル、暗殺はいったん止めにするわ。あの3人を見張りなさい、女との共通点、実力を測るのよ」
「は、はい! 畏まりました!」
「さぁ行きなさい、私の可愛いキャル。これ以上、私を失望させないでよね」
言われるまでもない、私は陛下に拾われたおかげで今をこうして生きている。どのような扱いをされようと、救われたことに変わりはない。…私の命は陛下の物だ
陛下の命令で3人を尾行調査を続けて確実にわかったことが一つ。陛下が最初に言っていた通り、今の私ではあの3人を殺すのは不可能だ。
何回か魔物を当ててみたが、どのモンスターも一撃で殺されている。やはり最初に見たときは夢でもまぐれでもなかった、ドラゴン種でも操って相手させないと力量が測れないかもしれないと思うと…ゾッとするわね
それと3人でギルドを新結成したみたいで、一緒に行動してくれるのは追う側として少しありがたいことだ。
ギルド名は【美食殿】、構成員はギルドマスターのペコリーヌにコッコロと騎士…。
ところで、3人中2人が偽名ってどういうことよ?あきらかに本名じゃないでしょコレ⁉ これを普通に認可する協会側もどうかしてるわよ! ふ、ふざけてるのかしら?!
はぁ……今もそうだけど、命を狙われている側が楽しそうに仲間とおしゃべりしたりご飯食べたりして…――ほんと、バッカみたい!
「でも、……いいなぁ」
なんだか私もお腹減ってきた。あいつら尾行してるといっつも食べてるから、見てるこっちもお腹すいてくるのよね。
今日も朝からあの女――ペコリーヌへの張り込みをしているけど、最近何も変化がない。ただ飯屋のウエイトレスをしているだけなんだけど…?
こうも何もないと緊張感というか集中力がゴリゴリ減っていくのが分かるわ…、私はこういうの向いてないのかもしれないわ。
あと、ペコリーヌからは陛下の言うような危険性は皆無に感じるのよね~。何故、陛下はペコリーヌの暗殺を?たしかに強い部類ではあるけど、危険性は今のところ見当たらない。
「私としてはさっさとクエストに出て行ってもらいたいのよね~、こんなところじゃ魔法使えないし…。あ~あ、私も何か食べようかしら?」
店の窓から働いているペコリーヌを観察していると、私は後ろから肩を叩かれる。…何かしら? 私に知り合いも友人も居ないから声を掛けることはほとんどないのだけれど
「一体私になんの用かしr」
「お前ここで何やってんだ?」
私は振り向くと、どうやら肩を叩いたのは騎士と呼ばれるペコリーヌの仲間だった…
「ぴぎゃああァァ⁉ い、いきなり現れるんじゃないわよ! ぶっ殺すぞ!」
「あぁん? 喧嘩売ってんのか?」
「ヒィィッ⁈」
勢いで殺すと言ってしまったけど、すぐさま殺気を当てるのは止めて欲しい…――少しでちゃったじゃない…なにとは言わないけど…
それとコイツにあったのはこれで2回目だ、前回はコイツが道に迷っているときにバッタリ出会ってしまったんだけど…
「それで私に何か用かしら? 無いならさっさと何処か行きなさいよね」
「いや、お前こそなんで店の前にずっといるんだよ? 入らないのか?」
「いや、私はただ…グゥ~」
私のお腹が鳴った…超恥ずかしい…。しかも、よりによってこんな男に!
「なんだお前も腹減ってるのか、じゃあ入るか」
「えっ? ちょっと待ちなさいよ! こら、放しなさいよ! …ま、まだ心の準備がぁ~」
なにこの男!強引すぎるんですけど! …あれ?全っ然びくともしないんだけど⁉ え、嘘よね?ちょっ、マジで放しなさいよッ!
「いらっしゃいませー! って騎士くんじゃないですか~! おいっす!」
「おっす、ペコ。飯食べに来た」
無理やり連れてこられてしまった…。ターゲットに姿を見られるなんて一生の不覚ッ…!
「さぁさぁ、好きな場所に座っていいですよ。それで騎士くん♪ ――隣に居る女の子はなんですか?」
「――⁉」
ペコリーヌが笑顔で私に視線を向けた途端に、何故か背筋に冷たくおぞましい感覚が走った。何よこれ?体験したことないやつだわ…もう帰りたいんですけど
「店の前に突っ立ってたんだよ。腹減ってるみたいだから連れてきた」
「えぇ…、連れて来てきちゃたんですか…」
「ダメだったか?」
「駄目です」「駄目でしょうが!」
この男には常識がないのかしら? 本人からは悪気が感じられないのが余計質が悪いわ
「そうか…、ダメだったなら戻してくるわ」
「え? ちょっと!私を持ち上げんな!」
「はい、ストップですよ騎士くん。その子を降ろしましょうね~」
ペコリーヌの呼びかけで騎士の腕から解放される。商品を棚に返す感覚で店から追い出されそうになったわよ…。こんな教育しやがって、親の顔が見てみたいわ!
「さっきから何なのよあんたは⁈ 人様を物のように扱って!」
「どーどー、落ち着いてお客さま。この人は記憶を失ってまして、その影響なのかたまに変な行動するんですよね」
「たぁ・まぁ・にぃ・ねぇ?」
「何だよその目は?」
尾行している私からすると騎士の変な行動は頻繁にあったと思うんだけど…? それにしても『記憶喪失』ねぇ…、このことは陛下に伝えておくべきかしら?
「私の仲間が失礼しちゃってすみません。代わりにと言ったらなんですが、一品だけサービスしてあげますよ♪」
「え⁉ ほんとにほんと?」
「はい♪ ホントにホントですよ」
「やったぁ! ちょー助かるわ! これでお金がすこs…」
やっば、つい浮かれちゃったわ/// でもサービスしてくれるのは素直に嬉しいわ♪ 自給自足で生活してると、どうしても食料問題に直面してしまうのよね…
「それでお客さんはこちらの男性…騎士くんとはお知り合いなのですか?」
「知り合いっていう訳じゃないわよ? 前に道案内しただけ」
「そんなんですか騎士くん?」
「あぁ、そうだけど」
「そうですか…なら安心ですね!」
何が安心なのかしらね?さっぱりわからないわ、隣のいる騎士もよくわかってないっぽい感じね。
「それでは席に座っててください。 私はメニュー持ってきますね~」
ペコリーヌが店のカウンターに歩いて行った。目につくのも嫌だし端の方にでも座ろうかしら…
「……なんでアンタは私に付いてくんのよ」
「ん? どうしてだ?」
「いや、私たち友だちでもちょっとした知り合いっていうような間柄じゃないでしょうが。私はあんたとなれ合うつもりは無いわよ」
「でも、飯は誰かと食べたほうが良いってペコが言ってた」
「……」
――そんなこと私だって知ってる…分かってるわよ…。でも時と場合っていうのがあるのよ、私とあんたは敵同士なのよ? 敵と一緒の席でご飯を食べるなんて絶対おかしいと思うけどね
「こ、今回だけは一緒に食べてやるわ、感謝しなさい!」
結局、騎士と一緒にご飯を食べてしまった…。こんなこと陛下に知られたら失笑者よ…ハァ…
でも…こんなこと、誰かと一緒にいることが心地よく思ってしまう自分がいる。
私には「人並みの幸せ」っていうのは許されないはずなのに… ――仲間って羨ましいなぁ…
キャルちゃんはいつ仲間にしようか少し迷い中、パターンはいくつか考えてるんだけどね?