プリンセスコネクト! Re:Birth   作:UNAG3

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もうすぐ年明けるわ~、もう今年は大変でしたね…

例のウィルスでおちんぎんしなしなですよ神。おかげで風俗も行けないし、遊ぶお金も余裕ないしでさんざんです。

転職活動するのも今のご時世じゃキツそうだなぁ…


第23話

翌朝、ベットでぐっすり寝ている騎士の部屋に忍び込む小さな人影が一つ…

 

「お~い! お兄ちゃん起きて~! 朝だよぉ~」

「う~ん…? だれだ、乗っかってるのは…」

 

寝ている最中に体を揺らされている感覚を感じると流石の騎士も目を開ける。なにやら、誰かが寝ている騎士の上に座っているようだ。

 

「……ん?、アヤネか?」

「あ、おはようお兄ちゃん! さっきスズメが言ってたけど本当にここで住むんだね!」

『よう坊ちゃん、俺もいるぜ?』

「ああ、ぷうきちもいるのか…。二人ともこれからよろしくな。……あと、朝からうるさい、少し声を下げてくれぇ…」

「そうしてほしいならすぐ起きて! ご飯の準備してるからみんなもう待ってるよ~」

『嬢ちゃんたちも坊ちゃんのこと待ってるぜ?』

 

ベットで寝ていた騎士の上に馬乗りになっていたのはアヤネ+ぷうきちであった。どうやら騎士を起こすために部屋に来たらしい。

 

ここ、【サレンディア救護院】ではできる限り、みんなで食卓を囲むというルールがあるので騎士が来なければ食事が始まらないのだ。

 

「そうか悪い悪い、今起きるよ。……おいアヤネ、そこをどけろ」

「やだよ~。起きるのが一番遅かった罰として私を抱っこしなさい、なんならお姫さま抱っこでもいいよ?」

『ごめんな~、坊ちゃん。コイツは坊ちゃんに会えて喜んでるんだ、ちょっとだけ甘えん坊さんの相手をしてやってくれ』

「ちょ、ちょっと⁉ 何言ってるのさ! ほらっ、抱っこして。ん~~」 

「わかったよ…よっと」

 

アヤネに抱っこをせがまれた騎士はアヤネを抱き上げてベットから出る。抱きかかえられたアヤネは騎士の首に手をまわしてがっしりしがみついた。

 

「これでいいか?」

「ふふ~ん♪ 私、お兄ちゃんの匂い好きかも。なんだか落ち着くんだよね~」

「そうなのか?」

 

騎士の方に顔をうずめて深呼吸しているアヤネ、どうやら騎士の匂いを堪能しているらしい。このままだと微笑ましい光景程度で収まってくれるが、立場が逆転しているとすぐさま通報されるだろう…世知辛い世の中である。

 

『おい、はしたないぞアヤネ。立派なレディならさっさと離れるんだ』

「やだよ~。ねぇお兄ちゃん? このままみんなの所まで連れて行ってよ♪」

「はいはい、わかったわかった」

 

騎士はアヤネに言われるがまま、アヤネを抱っこしながら自室を後にする。はやく食卓に行かねば腹を空かしている子供たちとペコリーヌからブーイングを喰らってしまう。

 

『………あれ? お~い、俺を忘れるなぁ~! アヤネの裏切者~!』

 

アヤネに忘れられたぷうきちは、このあとすぐに戻ってきた騎士とアヤネによって無事に回収された。


 

 

「ねぇ~ごめんってぷうきち~。機嫌直してよ~?」

『ふ~んだ』

「おはようみんな、待たせたか?」

「あ、騎士だ~」「兄ちゃんここに住むんだって~?」「まだいただきますできないよ~」

 

みんなが待っている食卓に顔を出すと、子供たちの声が騎士を出迎えた。どうやら全員揃っているようで子供たちはある程度、席に座って待っているらしい。

大人側のペコリーヌとサレン、それと子供側のコッコロ、クルミが料理担当として食事の準備を行っていた。スズメは戦力外通告されているのだろうか、代わりとして小さな子供のお世話をしていた。

 

「おはよう、後は盛り付けするだけだからあんたはテーブルに運んでくれる? アヤネも手伝いなさい」

「「は~い」」

 

騎士は抱きかかえていたアヤネを降ろして、手伝いをするためにサレンたちの元へ向かう。

現在、調理場は鉄火場といえるほど忙しい光景になっていた、朝から大忙しである。

 

【サレンディア救護院】はペコリーヌたちを合わせて20人近くの大家族、なので調理から食事の準備まで大変なのである。しかも幼い子供の場合は落ち着いて椅子に座っていられないのでたまにどっかにいってしまうことだってある。

傍から見れば元気な大家族なんだろうけど、当事者(世話係)からすると戦場そのものだ。

 

「おはようございます騎士くん、良く寝れましたか?」

「おはよう、ペコ。おかげで起きたのは最後みたいだ」

「おはようございます、主さま。さっそくですがこちらを持って行ってくださいまし」

「よし、わかった」

 

騎士とアヤネは料理チームによって食事をよそられた皿を食卓を運んでいく。アヤネは慣れた様子で皿を次々に並べていく、流石は最年長だけあってこういった手伝いは手馴れているようだった。

 

「あなたたちが手伝ってくれて本当に助かるわ。見ての通り、ここは大御所帯だからいつも人手不足なのよね」

「私は最近まで飲食店でバイトしてましたけど、それ以上に忙しくてヤバいですね☆ 結構大変だったんでしょうね、これからは私たちがお手伝いしますから」

「それなら頼りにさせてもらうわよ?」

「ところでサレンさま、わたくしたちが加わったことで食費の方はよろしいのでしょうか? 良く食べるお二方がいるので、申し訳ありませんが……かなり食費がひっ迫されてしまう恐れが」

 

もちろん良く食べるのはペコリーヌと騎士のお二人である。【サレンディア救護院】に招かれた際の食事で、すでにサレンとスズメには把握されていることなので問題ない。

……などあるはずがない、家計簿は絶賛大炎上確定中である、なんならパリも燃える勢いだ。

 

「分かってるわよそのくらい、だからこそあなたたちにはしっかり働いてもらうからね?働かざる者食うべからずよ」

「わ、わたしも働いた方がいいですか…?」

「クルミはこうして働いてくれるじゃない。それに子供たちのお世話をしてくれてるんだから、それで十分よ。ありがとね」

「あ、頭は撫でなくていいですよぅ。ちょっと恥ずかしいです、ママ・サレン」

「クルミちゃんは凄いですね、こうして料理のお手伝いも出来ちゃうんですから。ヤバいですね☆」

「わたしは家族たちの中では年上のほうですから…、それにママ・サレンとスズメさんの力になりたくて…」

「もうっ、この子ったら可愛い子ねっ」

「く、苦しいですよぉ…ママ・サレン~」

 

クルミの言葉に感激したサレンは思わずクルミを抱きしめるが、(愛情)がすこし行き過ぎている様子。

 

「もう料理が行き渡ったようです。わたくしたちも食事にしましょう」

「そうね。子供たちもお腹すいてるだろうからさっさと席に着きましょうか、クルミも行きましょう」

「やっと朝ごはんが食べられるんですね~。目の前にたくさんご飯があって、お腹が減っているのに食べれない時間が続くのは厳しかったですよぅ」

 

調理担当のサレンたちも食卓に着いてようやく全員が朝ごはんを食べる準備が整った。さきほどから座って待っていた子供たちから急かすような声が飛んでいる。

 

「はい、みんな席に着いたわね。それじゃあ、いたただきます」

「「「「いただきます!」」」」

「どうぞ、召し上がれ。ちゃんと噛んで食べるのよ?」

 

サレンの音頭に合わせて子供たちが元気な声で応え、一斉に食事を始めた。競うようにして早食いする子供もいればゆっくり食べる子などまさに十人十色だ。

 

「お、お兄ちゃん。こ、これは私が作ったんですけど、どうです、か?」

「うん、おいしいよ。クルミは凄いなぁ、偉いぞ~」

「えへへ、良かったぁ…」

「いいなぁ、私も料理運ぶの手伝ったんだよ? 私も偉い偉いされた~い」

「そのくらい俺だってできるわ、偉くもなんともない」

「ぶ~、ケチぃ~」

『坊ちゃんに認められたいなら料理の一つや二つくらい出来るようにしなきゃだな』

「でも面倒だしなぁ~、私には向いてないと思うんだよね~」

『なら、坊ちゃんのことは忘れて次だな次』

 

こちらではアヤネとクルミの年長コンビが騎士の両隣をがっちりホールドいる。そんな中、クルミはアヤネには無い『料理スキル』の有無で好感度の差を付けようと勇気を振り絞ってアピールしているところだろうか?

 

一方、ペコリーヌはと言うと…

 

「すげー! ペコお姉ちゃんすげーよ!」

「ご飯がスッて消えたぜ?スッて!」

「お姉ちゃん、もう一回やってよ!」

「ふふん、良いですよ~。ほいっ、そいっ」

「「「うははははっ」」」

 

ペコリーヌの食べる速さを見て爆笑している子供たちがいた。まぁ、手品のように目の前にある一品が一瞬で消えてるのだ、子供たちが見て面白がるのには十分だろう。むしろ大人でも通用しそうなほどだ。

 

「ちょっとペコリーヌさん⁉ 子供たちの悪影響にあるから、はしたないことはしないでよね」

「そうですよ、サレンさまの言う通りでございます。行儀よく食事を取ってくださいませ」

「……はい、すみません。反省しますぅ…」

 

サレンとコッコロに怒られるペコリーヌを見て、子供たちはさらに笑うのだった。


 

朝食を始めてから時間が経過し、子供たちは食べ終わったようですぐさま遊びに行っていた。席に残っているのは昨夜と同じメンバーだ。

 

これで話したいことも話せるようになった。流石に難しいことや不安を煽るような話題は、子供たちの前では極力無しにしたい。

 

「そういえば、あんたは居なかったときに話してたんだけど、これからあたしとコッコロさんの二人はこれから出かけるから」

「どうした、何かあったのか?」

「どうやら昨夜の続きのようです。あの事件の事情聴取を受けに行かねばならないらしく…なので、わたくしが出向くことしました」

「それなら俺やペコも行った方がいいんじゃ…」

 

何故、コッコロだけが行くのかと思った騎士は素直に思ったことを聞いてみる。

 

「あんたとペコリーヌさんには頼みたいことがあるのよ」

「それに私はある事情で顔を無闇に出したくないですからね、コッコロちゃんにお任せすることにしたんです」

「そうか…で? サレンの言う頼みたいことってなんだ?」

「それはね、食材の調達よ。あんたにはよくやってもらったでしょ?」

「それはそうだけど、俺とペコで馬車の護衛をするのか?」

「もちろん積み込みもしてもらうけどね♪ あんたたちなら楽勝でしょ?そのくらいは」

 

【サレンディア救護院】の懐事情は何度も言うがかつかつである。なので食料調達は市場ではなく生産者からの直接買い付けの契約をしており、食材を出来る限り安く仕入れているのだ。そのため、定期的に食材を買うために生産者の元へ出向いているわけで…

 

「行ってもらうのはオラル高山って場所にある【牧場(エリザベスパーク)】の経営してる農場とエルフの森方向にある【フェレスティエ】管理の作物園に、あとはね~―――」

「おい、サレン? なんか多くないか?」

「まぁね。今回は同じタイミングになっちゃったのよ。でも今日1日で全部行きなさいって言ってるわけではないわよ」

「そりゃそうだ、流石に今言われたところ全部回るのは馬車じゃ遅すぎる」

 

サレンが取り出したメモ用紙を見ながら契約した産地の場所を言っていくが、今回の目的地はけっこう多かった。一日で回れるような現実的な数ではない。

 

「あの~?騎士くんは【牧場(エリザベスパーク)】っていう言葉に聞き覚えありますかね?」

「いや、聞いたことないけど…」

「あのときの主さまはまだ言葉を理解するどころかロクに動けない状態でしたからね、覚えてないのも仕方ありません」

「実はですね、ランドソルに来た際に【牧場(エリザベスパーク)】の方々にお世話になったんですよ」

 

およそ2ヶ月半前、ランドソルを訪れた際にギルド【牧場(エリザベスパーク)】構成員兼従業員のリマとリンに出会い、ランドソル行の馬車に乗らせてもらった経緯があった。ペコリーヌとコッコロの予想の通り、騎士は全然覚えていない様子。

 

「あら、あなたたちは【牧場(エリザベスパーク)】の人たちと面識があったのね」

「面識があったと言いますか、ランドソルに向かっていた最中に襲われているところにたまたま居合わせてですね。そのときのお礼として馬車に乗せてもらったんですよ」

「確か…あのときにお会いした方はリンさまとリマさまとおっしゃっていましたね」

「あ~、あのリマさんってもふもふした子なら私も会ったわね。…最初見たときは驚いたけど」

「あれは驚きますよね~、私も最初は魔物?なんて思っちゃいましたよ」

 

初見でリマを魔物と勘違いしてしまうのはどうやら人間だけではないようで、たぶん種族間にバイアスは無いのかもしれない…

 

「あのサレンさま、わたくしたちは宿に荷物を置いたままなので取りに行きたいのですが、よろしいでしょうか?」

「あら、そうだったのね。そうね…出かけるにはまだ時間があるから大丈夫よ」

「ありがとうございます。では、わたくしは荷物を取りに行ってまいります」

「コッコロ、俺も行こうか?」

「いえ、荷物は少量ですのでわたくし一人で十分でございます。それよりも先ほどの依頼についての話し合いをペコリーヌさまと詳しく聞いておいたほうが良いでしょう」

「わかったよ。気を付けてな」

「主さまもちゃんと話を聞いてくださいね?」

 

コッコロは礼儀よく一礼した後にこの場を離れ、コッコロと騎士が生活していた宿へと向かっていった。

 

「それじゃあ話を続けるわ。今日行ってもらうのは【牧場(エリザベスパーク)】ね、運搬するのは主に乳製品ね、それに卵とキノコね」

「乳製品って日持ち大丈夫ですか?」

「メインはチーズだから大丈夫よ。牛乳も買うけれど、すぐ使い切れる量しか買わない。というよりは買えないわね。どこかに食料をずっと冷やせるような設備はないかしらね~」

「そうですね~。氷結魔法で冷やそうとしてもカチンコチンになりますし、効率もかなり悪いと聞いたことがありますからねぇ」

「そうなのねぇ…。やっぱり世の中簡単にはできてないのね~」

「お~い。話が脱線してるぞ」

「あら、ごめんなさい。つい夢中になってしまったわ」

 

さっそく話の方向が料理関係に引きずり込まれていた両者を騎士が引き込んで話の路線を元に戻す。

 

「それで場所はさっき言った通りオラル高山っていう山にあるわ」

「あの北側にある山脈ですか?」

「山にあると言っても、どちらかというと麓のほうに牧場があるわ。でも高い場所にあるのは確かね」

「そこって遠いのか?」

「ええ、行ってもらう場所の中では一番遠い場所になるわ。だから手配した馬車隊がここに到着次第向かって欲しいのよ」

 

意外と急なお願い案件だった。


 

「ペコリーヌさま、どうか主さまをお願い致しますね」

「大丈夫ですよコッコロちゃん♪ 騎士くんのことは私に任せてください!」

「主さまも勝手に何処かへ行ったりしないで、ペコリーヌさまの言うことをちゃんと聞いてくださいね?」

「分かってるって。俺がそんな勝手に動いたことあるか?」

「「あります」」

「マジかよ……」

 

サレンの手配した馬車隊は、あれから30分ほどで【サレンディア救護院】に到着していた。馬車の数は4両、これを騎士とペコリーヌの二人のみで護衛しろと言っているのだからサレンのケチ、もとい節約根性が相当なものが伺える。まぁ、二人に対する信頼とも言えなくはないが…

 

「はい、これ。時間掛かるだろうからお弁当持っていきなさい、ペコリーヌさんと分けて食べてね?」

「ありがとうサレン。助かるよ」

「何言ってるのよ、いつも助かってるのはこっちの方だわ。これくらいならむしろ少ないくらいだわ」

「それなら楽な仕事でも回してくれたり、給料上げてくれたりして欲しいんだけどな」

「残念ながら、それはできない相談ね♪ 代わりに日ごろの感謝を込めたご褒美でも考えてあげるから待ってなさいな」

「はいはい、それならそのご褒美とやらを気長に待つとするよ」

 

騎士とペコリーヌはサレンとコッコロたちに少しばかりの別れを告げて、馬車隊と共に【牧場(エリザベスパーク)】が活動しているオラル高山へと向かうのだった。

 




これから、また騎士くんの出会いが加速するぜ!

一人ぐらい分けて欲しいわ、ほんとに
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