コロナ禍で迎える新年になりましたが皆さんが健やかに日々を過ごせるよう願います。
最近、身の回りで陽性患者が出始めているらしく、『明日は我が身』状態です。みんな気を付けてな!
「―――うおっ⁉ やっぱりか‼」
騎士の頭上から不可視の攻撃が飛んでくるがしかし、狙った攻撃は前のムイミとの戦いで受けた広範囲ではなく、絞った線のようであった。これならば、アオイを抱えている状態でもなんなく避けることが出来る。
「避けるな不審者!」
「誰が不審者だぁ!」
威勢だけなら良さそうだが、空に浮かぶ少女から飛んでくる攻撃はアオイに当たらないように気を付けているのが騎士でも理解できるため、それほどまでの脅威を感じることはない。
しかし、常に頭上を抑えられている状況はよろしくない。少女からの攻撃を騎士は感知出来ているが、あくまで本能に訴えかけるような第六感覚のようなもので感じ取っているだけであって、視覚や聴覚といった五感で完全に認識できているわけではない。
つまり相手の100%の実力が分からないでいる以上、
「おいおい! 起きてくれよアオイ‼」
「あうあうあうあう…」
「…マジで起きねぇコイツ」
上から降ってくる攻撃を避けつつも、アオイを揺さぶって夢の世界から釣り上げようとするが、まだ深いところに居るらしく、釣り上げるには時間か衝撃が必要かもしれない。
「はやくアオイちゃんを離しなさい! そしたら手加減してあげるから!」
「んなもん只の誤解だ! コイツが勝手に気を失っただけだ! 俺は何もしてないぞ⁉」
「うそ‼ そんなの信じないもん、怪しい人は大体そう言うって誰かが言ってたよ!」
「そんな話、知るか!」
どうやら少女Eyeからの視点だと、アオイちゃんをお持ち帰りしようとする『へんたいふしんしゃさん』として確定しているらしく取り付く島もない。
無事に無罪を勝ち取りたいが、
「(抵抗したら話がややこしくなるから、ここまま逃げるか?)」
この場を穏便にやり過ごすには抵抗せず、アオイの目覚めを待つしか他にない……
ということで騎士はとりあえず逃げることにした。もちろん気絶したアオイを脇に抱えて。
「ちょっと⁉ 逃げるの? ま、待てぇ~」
「そんな中途半端な攻撃じゃ止まらんぞ、っと」
当然、騎士の足を止めるようにして頭上から攻撃が繰り出されるが、やはり手加減ありきなので避けるのはたやすい。
もはや脇に抱えているアオイはお守りアイテムのような扱いをされている。近くに居るだけで相手の攻撃力を下げてくれるのだ、こんな便利アイテムは滅多にないだろう。けれど今回の誤解を招いている原因の一つになっているのがちと痛い。
「もうわかった! こっからは本気でいくよ! 謝っても手加減しないからね!」
―――誤解から始まった鬼ごっこは長くなりそうである。
「ぜぇ…はぁ… も、もうだめ疲れたぁ…」
アオイを抱えた騎士とピンク色の少女の鬼ごっこは1時間……ではなく30分も経たずに終わった。
「おいおいどうした? そんなんじゃ俺を捕まえられないぞ?」
「うぐっ、だってアオイちゃんに当てないように気を付けてたから…。本当だったら一瞬だもん! ズルい! 反則!」
「おいおい、ほんとかぁ? どう見てもそんな強そうに見えないけどなぁ」
「むぅ~ …つ、次は負けないよ!」
空からの攻撃をひたすら逃げていると、浮かんでいた少女がゆっくりと落ちてきて、最後にはぺたんと地面に座り込んでしまったのだ。
恐る恐る騎士が身を隠していた木から姿を現しても攻撃が飛んでくることもなく、先ほどまでの威勢はどこへ…といったところ。
「で、これからどうするの?」
「ん? 何がだ?」
「私もアオイちゃんと一緒に誘拐する…とか?」
「はぁ? なんでそうなるんだよ。 てかいらない」
「い、いらない⁉ …その言い方、なんか傷つくなぁ」
騎士はべつに少女らにはこれっぽっちも興味がない、なんなら抱えているアオイを放り投げてペコリーヌのもとに帰りたいぐらいだ。
「あの~? もしかして、もしかしなくても…実はあなたって悪い人じゃなかった、り?」
「たぶんな」
「じゃあ、アオイちゃんはなんで気を失って…?」
「近付いたらこうなった、後は知らない」
「あぁ、うん…。だいたいわかったよ」
「ほんとか? ずいぶんあっさりだなぁ。…まぁいいや」
そんな簡単に分かってくれるならさっさとして欲しかったと愚痴を言いたいところだが、誤解が解けたならそれでよしということにした。あとはアオイを返してペコリーヌの元に戻るだけ、予想以上に時間を掛けてしまったので心配事を増やさないためにもさっさとしなければ。
「じゃあ俺は急いで戻らないといけないから。 ほい、これ返すわ。受け取れ」
騎士は抱えていたアオイを飲み物をパスする感覚で座り込んでいる少女に向かって放り投げる。
「女の子の扱いは大切に!」とかなんとかを誰かに言われたことがあった気もするが、とくに躊躇することもなく投げられたアオイは綺麗な放物線を描いて―――
「ちょちょ⁉ 待って待って! 私いま、力使いすぎてて―――へぐぅ⁉」
「…あれ? 勢いつけ過ぎたか?」
「う、うぇ~…」
まるでフライング・ボディ・プレスのようにアオイの体が少女にのしかかった。少女からは可愛くない声が同時に漏れた。
なんだか力尽きてへとへとになっていた少女にとどめを刺してしまったみたいで、もはや少女は倒れたまま動く気配がない。だがしかし、さきほどから動きがしばらく見えなかった片方の少女には動きがあった。
「………ハッ⁉ ここはどこ? 私は誰? おともだちは何人?」
「うぅ~、アオイちゃんどいて~。ちょっとおもいよ~」
「あっ! ここはフェレスティエ管理の森で私はアオイ‼ おともだちは………0、人? …はぁ、意識がはっきりしているのもつらいんですね」
「お~い、アオイちゃん? 聞いてるぅ~? 起きたならどいて欲しいんだけど~」
「…アイエエエ!?ハツネサン!?ハツネサンナンデ!?」
少女もとい、ハツネの声に気付いたアオイがおかしな言動と共に飛び起き上がる。さきほどと違って、水を得た魚のように動いている。もしくは打ち上げられた魚か…
「やっほーアオイちゃん。 とりあえず元気で何よりだね? …キラ~ん」
「はい、どうもです。っていつもより何だか疲れてませんか? いつもだったら『キラ~ん☆』みたいにハリツヤが感じられるんですけど?」
アオイの言う通り、ハツネの『キラ~ん☆』には元気がなく、むしろ☆がどこかに紛失している。やつれた人が無理やり元気ですアピールしている感がヒシヒシと伝わる感じ。
どうでもいいことだが、今のアオイがやった物まね、『キラ~ん☆』がハツネの声にそっくりだった。日課のエアともだちごっこで鍛えられ、精錬された声帯模倣が変なところで成果確認できた。
とりあえずアオイは、たおれているハツネの元にしゃがみ込んで上半身を起こし、立ち上がることを促すが…
「…うん、ちょっとね~? 私はヘトヘトで今にも寝ちゃいそうだからさ…」
「えぇ~? せ、せめて今の状況を説明してから寝てくださいよ… あぁ⁉ まって! まだ寝ないでください!」
目が閉じそうになっているハツネを見て狼狽えるアオイ。そんな表情を見たハツネはそっと、アオイの頬に手を添え、泣く子供をあやすような声音で語り掛けた。
「大丈夫だよ、アオイちゃんはできる子だって私知ってるんだから… だから、ね…?」
「何を言っているんですかハツネさん? だ、ダメですよ、目を閉じちゃだめですよ、頑張って!」
「アオイちゃん、あとは、よろ、し、く…ね…… ガクッ」
「嘘ですよね…ハツネさん? 私を置いて行かないでくださいよ! …は、は、ハツネさぁああああああん‼」
腕の中で
―――もう、ハツネが(夢の世界から)戻ってくることはなかった…
「今日で会ったばかりと言うのに、手伝ってくれてありがとうございます。」
「このくらい気にすんな、目的の場所は同じみたいだし。」
「すぴぃ~… すぴぃ~…」
あの茶番が終わった後、騎士たち3人は作物園に向かっていた。なお、ハツネは騎士におぶられて熟睡中である。
ところで何故、騎士がペコリーヌのところに行かないのか? それは……しっかり迷子になっていたからだ。
何も考えずに森に入って行ったのだからしょうがない。土地勘があるわけでも無い騎士にとっては森の中なんて迷宮そのもの。もし、アオイが起きていなかったら今頃どこかをさまよっていただろう…
「それにしてもすごい熟睡っぷりだなぁ。 これじゃあ当分起きなさそうだ」
「ですねぇ…。 こんなに疲れて寝るのは初めて見ますよ」
騎士は救護院の子供たちの遊び終わりやご飯を食べた後を思い出す。だいたい今のハツネのような顔をして眠ることが多かった気がする
「…騎士さん何かしましたか?」
「俺はお前を抱えたまま逃げてただけだ」
「あぅ、すみません」
「別に謝ることじゃないだろう? べつに気にしてないぞ」
「ですが、私が起きていたらこんなことにはならなかったと思いまして…」
「あぁ、それについては同意だな」
「なんという正論… しかも悪意を全く感じない目をしているのがなんとも…」
騎士の正論がアオイに刺さる! フォローという言葉は騎士の辞書には未記載のようだ、誰かが編集せねば…
「それにしても騎士さんがおひとり様じゃなかったのですね…」
「またそれか、それがダメだったか?」
「いやぁ~、同じボッチ同士だったらこれを機にお友達に…と思っただけですのであしからず…」
「ボッチってなんだ?」
「あれっ? 騎士さんそこからですか⁉ ボッチにボッチを説明させるんですか⁉ き、鬼畜の所業ですよ!」
「いきなり声大きくなったなぁ…。 嫌なら別にいいぞ、興味ないし」
「い、いえ! これもボッチへの理解を深めてもらう機会です! …が、がんばります」
横に居るめんどくさそうな顔をしている騎士をよそにアオイはボッチの生態について力説した―――
最初はボッチ、いわゆる独りぼっちのことを説明していたのに、いつの間にかアオイのボルテージが上がり今までのボッチエピソードから友人たちと遊んでいる他人への羨望と嫉妬の感情についてなど、めちゃくちゃ語っていた。
なお、聞き手の騎士くんは全体の3割ほどしか頭に入っていない。途中から話が面倒になって相槌をするだけBOTと化していた。
「―――という訳なんですよ! わかりますか⁉ この感情、この気持ちを‼」
「あ~、わかったわかった。もう十分だからその辺にしよう、な?」
「そ、そうですね。 ふぃ~、久しぶりに沢山おしゃべりしましたよ! だいじょぶマイフレンドくんを作製した時以来ですよ!」
「…そうか、それはよかったな」
おしゃべりと言うか、一方的に喋っていただけなのだが、どうやらすっきりした様子のアオイ。額の汗を腕で拭い、満足したと言わんばかりの表情を浮かべていた。騎士が話を聞いていたとかは特に気にしてないかもしれない。
「それで、アオイは友達ってのが欲しいんだよな?」
「そ、そりゃあもちのろんですよ⁉ ボッチ卒業が私の目標ですから!」
「じゃあ、アオイの友達って言うのはどこからがそうなんだ?」
「……確かに。 それは盲点でした、騎士さんはどう思います?」
「知らない、友達とか知らないし…」
「なんと‼ と、友達を知らない…ですって⁉」
「また声デカくなったな」
突然の騎士の発言はアオイにとって雷に打たれたかのような衝撃だった。むしろニュアンス的には棚から牡丹餅とか偶然の産物などの意味合いに近いかも知れない。とにかくアオイにとってのチャンスなのは確かだった。
「ききき、騎士さん? い、今、と、ととと友達を知らないと申し上げましたよね、ね⁉」
「そうだけど?」
「でも、今日は一人じゃないと…」
「ペコのことか? ペコはうちのギルドマスターだ」
「なんと! では仕事で来ているわけでプライベートではないとおっしゃっているのですね⁉」
自分にとって都合のいい解釈をしているだけあって、アオイのテンションがうなぎ上りだ。
「なぁ? たぶんアオイは何か勘ちg―――」
「いえいえいえ、心配には及びません! どうです? 私と一緒にともだち作って、ボッチと卒業しましょう! ね!ね⁉」
「だから俺の話k―――」
「あれから早数年…多くのだいじょぶマイフレンドくんたちとの練習が……無駄な時間でなかったことの証のために! さよならボッチの理想を掲げるために! ささやかな夢の成就のために……!」
「・・・・・・」
―――もはや騎士の言葉を全て遮るように喋り出すアオイは誰にも止められない。
「これは同胞団結成しないとですよ、騎士さん⁉」
「あ~、うん。そだな」
「同胞団…いや、親しみやすい現代風だとチームですかね…? ならチーム名をつけなくては…! 騎士さんから何か意見やアイディアは?」
「ううん? …あぁ、アオイに全部まかせるよ」
「ほんとうですか⁉」
アオイの発言全スルーしてまともな返事もしてないのになぜか話は順調?に進行している。アオイもアオイで興奮状態なのでそんなこと一切頭の中には入ってきていなかった。
「実は私~、前からこういう時のことを考えてまして。ばいばいボッチ団…略して『BB団』という名前を付けたいなぁ~なんて思ってたのですが……どうですかね?」
「まぁ、アオイが言うならいいんじゃないか、それで」
「よっしゃあ! では『BB団』結成ですね! BB団! BB団! BB団!」
アオイが突然両手を挙げて「BB団‼」と連呼し始めて、意識ここにあらずだった騎士も流石に驚く。
騎士からしてみれば気付いたらこうなってました状態で、アオイの言動に完全に引いていた。
そんな中で追い打ちするかのように、アオイも一緒にどうぞと言うものだから、状況把握せぬまま言われるとおりに騎士もアオイと一緒に「BB団‼」と連呼した。 ……しかも、森の出口までふたりの合唱は続いていた。
結局のところ、騎士は『BB団』について知ることはできなかったがもういい。なぜなら、自分のとなりで花満開のような笑顔を振り撒くアオイの姿を見たことで「彼女が嬉しそうならそれでいいや」と思えたからだ―――
「おいっす騎士くん♪ ……私のことすっぽかして新しい
ハツネとアオイと共に森を抜けるとすぐそこには―――笑顔で仁王立ちしている
遅れてごめんよ!休みと仕事終わりの合間に執筆してるんだけどなかなか時間が取れない!
いつ終わるんだコレ⁉
ところで正月ペコは引けましたか? 僕は着物ネネカが欲しいので120連で撤退しました…
クリスマスもそうだったけど、プリヨリ☆5にした時も石を万単位で使ったから
消費がヤバいわよ!ガチャガムジョウ