ソードアート・オンライン ~たった一人の為の英雄~   作:まっちゃんのポテトMサイズ

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第13話 決定者カルキ

茅場さんから送られてきたメールの中身を見て、俺は溜息を吐く。

そして、新たな、ダイヤのマークが彫られている道化師の仮面を付け変える。

その仮面の独特な臭いが鼻の奥を突き刺してくる。

 

「…?」

 

転移碑に向かう途中、広場の中心で人だかりが出来ているのを見て、興味本位でその人だかりの中央にいる人物を覗き込む。

黒い髪に、黒いコートを羽織り、片手剣を背負う、黒づくめの剣士と、茶髪の、細剣を腰に差した、フェンサー。

その姿を見た瞬間、俺は地を蹴り、その場から逃げ出した。

何故、何故お前たちがここに居る…!!

黒の剣士、お前は攻略組の筈だろう。

そんな君がこんな所で油を売っていても良いのか。

キリトに対する文句が沢山浮かんでくるが、それを口に出す事は出来なかった。

ただひたすらに、歯を食いしばりながら、その場から逃げ出す事のみが、俺の頭を支配していた。

君達と会う事は絶対に許されない。何故なら、俺はオレンジプレイヤーだから。

犯罪者だ。然も、親友を傷つけた、根っからのクズだ。

この罪は絶対に晴らされる事は無い。

もう二度と、彼らを傷つけないように距離を置く。

それが俺に出来る、唯一の償いだ。

やがて、俺は、只々青々しい草が生えている草原に突っ立っていた。

如何やら、無我夢中で走っている内にフィールドに出てしまっていたらしい。

そうして、踵を返し、街に戻ろうとした時、俺を呼ぶ何者かの声が鳴り響いた。

 

「…汝に問おう。その剣の輝きは、真か?将又、偽か?」

 

俺は振り返り、その声の主に視線を移す。

彼の頭上には<<Arbiter The Kalki(決定者カルキ)>>と言う名前と共に、ボスモンスターでは一本分短い、三本のHPバーが浮かび上がっていた。

彼は白馬に跨り、手に持っている弓を構えながら深呼吸をした。

そして、目を開けた瞬間、彼は弓矢を放った。

放たれた弓矢は俺の左腕に突き刺さった途端に、光を放ちだした。

俺はそれを直ぐに引き抜こうとしたが、弓矢は腕にくっついた様に離れない。

やがて、弓矢は爆発を起こして、俺の左腕を奪って消えていった。

俺はエクスカリバーを引き抜き、地を蹴って彼に近づく。

そして、彼の馬目掛けて突きを繰り出す。

 

「…転送」

 

カルキが呟くと同時に、白馬は姿を消した。

カルキは鷲の様な翼を広げて、ゆっくりと地面に着地する。

俺はその隙にエクスカリバーを振りかぶり、カルキに向けてそれを振り下ろした。

その攻撃は確実に当たった。しかし、削られた筈のHPバーは一ミリたりとも削られていなかった。

 

「なっ…!?」

「…我の体力が一片たりとも減っていない、とでも言いたげな顔だな。良いだろう、汝の力量に免じて教えてやろう」

 

カルキは右肩に突き刺さっているエクスカリバーを左手で鷲掴みにしながら、ニヤリと笑った。

俺は腕に更に力を籠め、それを深く突き刺そうとするもカルキはその企みを容易に阻止する。

 

「…我の名である、カルキ。その意味を、汝は存じていないようだな。その名の意味は、『永遠』だ。故に、我は永遠の生命力を得る。幾ら削られようと、その量を回復する、『永遠』がある限り、死ぬ事は無い」

 

カルキはエクスカリバーを引き抜き、それごと俺を投げ飛ばす。

そして、俺の目の前まで近づき、俺を見下ろす。

 

「…汝は更に強者に近づいて行く。自身の罪と向き合うという事が為された時、恐らく、我を超えるだろう。しかし、決して、自身の決断に悔いをするな。…さぁ、我の武具を使うと良い」

 

カルキは俺に首を突き出して、俺に『食え』とでも言わんばかりに、人差し指でその場所を突っついた。

俺は遠慮なく彼の首元に噛り付いた。その時、彼の武具のデータと共に、ある記憶が流れ込んできた。

それは、正義の味方として、宇宙に跋扈するあらゆる悪を滅する、カルキの記憶だった。

終わりの無い戦いを何度も行う彼の姿は、宛ら殺戮ロボットのように見えて仕方が無かった。

それを、彼は何度も、何度も、何度も、行ってきた。既に心が死んでいても可笑しくない。

『永遠』の命を持った彼は、『永遠』の戦いをする。それは、無間地獄と然程変わらない。

だが、それでも彼は戦い続けた。その姿に俺は、昔の、馬鹿馬鹿しい自分の事を思い出す。

 

「…それじゃあ、俺は行くよ。このゲームが終わる前にはお前を殺す。絶対にな」

 

カルキが使っていた白馬と瓜二つのそれを呼び出し、それに跨ってその場から去る。

それから暫くして、俺は街の転移碑から第七層に転移した。

 

「俺が、罪と向き合う時、か。…ああ、やっぱり駄目だな」

 

俺は曇った空を仰ぎながら、自嘲気味に笑う。

 

 

 

 

「…さて、ヤマラージャ。あの計画はそろそろ完成するのか?」

 

カルキは近くの木に体重を預け、目の端でヤマラージャを捉えながら言った。

ヤマラージャと言う人型のボスモンスターはコクリと頷くと、青いフードを被った。

シノンとかリーファとかのIFに出て来るキャラは登場した方がいい?

  • もちのろんじゃろ、このボケナスがぁ!!
  • え?別にええわ
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