ソードアート・オンライン ~たった一人の為の英雄~   作:まっちゃんのポテトMサイズ

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第16話 偽善者

 

俺はエクスカリバーを鞘から引き抜き、地を蹴る。

キリトとの距離が十メートル程になると、剣先をキリトに向けながら左に構え、姿勢を低くして、エクスカリバーの柄を両手で掴む。

止めなければ、そう思いながらも、身体は言う事を聞かない。

蒼いライトエフェクトが刀身から発せられると、剣先を突き出して、突進した。

キリトはそれを黒い剣で弾き、軌道を右に逸らしてその攻撃を避けた。

そして、俺は突進したままの勢いでキリトの右に突っ込んでいく。

その背中に剣を振り下ろそうと、キリトがそれを振り上げる。

 

「縺翫◎縺!!」

 

そう言って、エクスカリバーで横に薙ごうとする。

この攻撃は明らかに命中してしまう。

幾らキリトの反応速度が速いとは言え、これは必中の一閃。

脳裏に第五層でノーチラスを傷つけてしまった事が過る。

 

『同じ事を繰り返させはしない。お前の様な、アーサー王でも、カルキの様にも成れない者にキリトを傷つけさせはしない』

 

コンマ以下でも攻撃を遅れさせれば、キリトはこの一閃を避けることが出来る。

俺はその攻撃を止めるよう、必死に念じた。

すると、エクスカリバーを持つ腕がピクリと動き、攻撃が数コンマ遅れる。

キリトはすんでの所でその攻撃を後退して回避する。

そして、俺はキリトが着地する前に距離を詰めるが、キリトはそれを読み取ってか、既に赤いライトエフェクトが刀身から発せられていた。

俺はエクスカリバーをその技が発動される前にキリトの腹部に突き刺そうと剣先を前に突き出す。

しかし、その攻撃が届くよりも先に、キリトからの一撃目の左上からの垂直斬りが届いた。

その流れに乗り、キリトはその右側を垂直で斬り、その二撃の間を垂直に切り裂く。

俺のHPバーは徐々に減っていき、黄色ゲージにまで到達した。

その時点でHPの減りは停止し、俺の意識は沈んでいった。

薄れ行く景色の中、キリトはリザインをし、また俺を背負子に乗せた。

何かに叩き起こされるように、俺はハッと目を覚ます。

視界には、青い目をした俺と似た様な顔をした者が映る。

その者は半目にしながら、「漸く目を覚ましたか、愚者め」と言って、俺の胸倉を掴んで無理矢理身体を起こさせる。

 

「…誰だ、お前」

 

俺は初対面の者に乱暴に扱われた事に多少憤りを感じながら、溜息交じりに言う。

青い目をした者は、鼻で笑い、頭を人差し指で突っつきながら「少しは自分で考えてみろ。俺がお前如きに自身の正体を明かすとでも思っているのか?」と言った。

 

「まぁ、そうだな。強いて言うのであれば…」

 

そう言って顎に手を置き、右上に視線を逸らす。

 

「先程まで、貴様の身体を動かしていた者、だな」

 

口を異様なほどにまで歪ませながら、瞳孔を開いた。

それを聞いた俺は地を蹴り、彼に殴りかかろうとした。

しかし、彼は顔をすぐさま通常の人間のそれに戻し、掌をこちらにかざした。

すると、勢いが無くなり、俺はその場に留まってしまった。

 

「それ以上俺に近づくな、多少は自分の身分を弁えろ、愚者」

「愚者はお前の方だろ…!」

「…何?」

「俺の友人を傷つけさせようとしたのにも拘らず、反省もしようとしていない。俺以下の愚者だ…!!」

 

彼は不快感を顔いっぱいに露わにしながら、エクスカリバーをどこからともなく生成し、その柄を握ってこちらに近づいてくる。

そして、俺にエクスカリバーの剣先を向けながら、「あの世で反省でもするんだな」と言ってエクスカリバーを振り上げた。

俺は大して怯える様な反応はせず、只その刃が俺の頭を切り裂く瞬間を待っていた。

その刃が顔の寸前にまで振り下ろされた時、彼はエクスカリバーを下ろし、俺に背を向けた。

 

「何だ、貴様は死に対する恐れが無いのか」

「あるさ。…でも、死なんてものに怯えていたら、いざと言う時、身体が竦んで動けなくなってしまうかもしれない。目の前で大切な友人を失ってしまうかもしれない」

「…若し、それで救えたとして、それは偽善だ。…その偽善がお前の死に対する恐怖を薄めるのならば、その偽善はお前にとって、途轍もなく大きなものなのかもしれないな。…もうよい。速く去れ。お前と話す事は最早無い」

 

そう彼が呟いた瞬間、俺の意識は目覚めた。

 

 

 

 

シノンとかリーファとかのIFに出て来るキャラは登場した方がいい?

  • もちのろんじゃろ、このボケナスがぁ!!
  • え?別にええわ
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