一ノ瀬ちづるに幼馴染がいたら   作:さっきのピラニア

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本日も、駄文ですがお楽しみください。


2018年1月4日 お出かけ

--次の日

 

「お待たせ。待った?」

 

「いんや全然。んじゃぁ行きますか。早く暖かい所に行きたい。出来ればオフトゥンでぬくぬくしたい。」

 

そう言って彼は歩き出す。手を握ると彼の手は少し冷たかった。そういう所はやはり男の子の様だ。

 

今日の目的は彼の初詣とストールに合う服選び。お参りは手早く済ませて。私たちはショッピングモールに向かった。

 

「予算はどれくらいにする?あまりに少ない金額は勘弁してよね。」

 

「…う~ん、2、3万って所かねぇ。今日は手堅く黒のチノパンにしてきたから、出来ればそれとストールに合う服で頼む。全体を見て新しいパンツが必要ってんなら普通に買うけど。」

 

「了解っ。たっぷり着せ替え人形にしてあげるわ。」

 

「今日の俺の役割着せ替え人形かよ…まぁ良いけど。」

 

私達最初にスーツ店に入る。彼は少し躊躇いぎみだったけど。何着か試着して、

 

「アンタ、スーツ全然似合わないわね…」

 

「うるせぇ。俺だって分かってんだよ。…自分で着るたびに悲しくなるわ。というか、どうしてスーツなのか…」

 

「ストールの組み合わせだと一応定番でしょ。…似合わないから却下だけど。」

 

スーツ店を出て、他の店も何店舗か回る。

ニット、ライダースジャケット、ブルゾン、カーディガン…色々試したけれど、

最終的にカジュアル系のジャケットとジーンズで決定した。

 

「というか俺は似合う服がほとんど無いんだって改めて実感したわ。適当に選んでもそこそこにまとまるユニ〇ロさんマジ偉大。というか俺の着せ替えは面白いのか?…需要が分からん…」

 

「私は楽しいわよ。人の服選ぶ機会なんて殆ど無いし、とても新鮮だわ。」

 

「そんなもんかねぇ。」

 

「結局普通な感じにまとまっちゃったわね。もっと派手目にしようと思ったんだど、難しいわね。」

 

彼の服は決定したので、ショッピングモールを適当に回る。私も何着か試着した。彼は「コイツは何着ても似合うな…これが顔面偏差値の差か…」と、一人でごちていた。

 

 

 

「ちょっと休憩するか。」

 

私達は某コーヒーチェーン店に入る。

 

私はキャラメルマキアートを低脂肪ミルクに変更して注文する。彼は抹茶フラペチーノに色々カスタマイズをしていた。なんかコイツ注文し慣れている気がする。結構来てるのだろうか?受け取り口で商品を受け取り、空いている席に座る。

 

「ここ結構来るの?」

 

彼はドリンクを一口飲んで答える。

 

「…たまにな。毎年イチゴの新作が出るときは飲んでるかな。今年のやつはイチゴジャム感が凄かったな。う~ん糖分が身体に染み渡るぅ。」

 

「…ふーん、そうなんだ。それ一口頂戴。」

 

「えぇ…まぁ良いか、はいよ。そっちのも一口くれ。」

 

「ありがと…結構苦いわね。」

 

「カスタマイズでエスプレッソ追加してるからねぇ。こっちはめっちゃ甘いな。糖尿病になりそう。というかそっちはカロリー大丈夫か?女優さん。」

 

「女の子にそんな質問するのは藪よ。一応考えて飲んでるから気にしなくて良いわよ。」

 

「さいですか。」

 

二人とも黙ったままドリンクを飲みづ付ける。彼は手でストローの袋を弄びながら何か考え事をしている様子だった。

 

「…何か考え事?」

 

「…いんや。」

 

彼は否定するが何かあるのだろう。仕事のことだろうか。

 

「話し相手位にはなるわよ。私だって愚痴聞いてもらってるし。」

 

「…おう、ありがとな。だが話すことは何もない。ふはは、話したくても話せないことがあるのも大人の特権なんだよ。」

 

「何それ。変なの。」

 

「一ノ瀬も誰にも話せないことの一つや二つや三つもあるだろ?」

 

「……そりゃそうよ人間だもの。でもアンタは隠してることが多すぎる気がするわよ。話せるなら話しちゃいなさい。お姉さんが聞いてあげるわよ。」

 

「お子ちゃまは黙ってなさい。」

 

「なんかその言い方ムカつくわね。」

 

そう言って私は彼の額をつつく。彼は不服そうではあったが、何も言わずドリンクを飲んでいた。

 

お互いドリンクが飲み終わった後、再度ショッピングモールを回る。ゲームセンターを通るとき、彼は懐かしそうにコインゲームのコーナーを見つめていた。昔は100円で何時間粘れるか競っていたっけ。意外と機械の下にコインが落ちているのよね。

 

「…ねぇ、あれ撮らない?」

 

私はプリクラのコーナーを指さす。

 

「えぇ…あれお目目パッチリになって誰だコイツってなるから苦手なんだよな…まぁ良いか。」

 

二人でプリクラに入る。お金を入れて、シチュの選択画面が表示される。「どこかに幼馴染ボタンのコマンドは無いのか…」と彼は探していたが、私は恋人のボタンを押してやる。

 

「…マジで?」

 

「良いじゃない。どのモード選んでもそんな変わらないでしょ。」

 

「さいですか。」

 

手つなぎ、肩組み、ハグ、とプリクラの定番のポーズの撮影をしていく。彼からハグしてもらうのは久々な気がする…。。。

 

『じゃぁ最後は二人仲良くキスをしよう!☆』

 

「えぇ…それは無理だろう…角度調整すればそれっぽくは撮れるか…」

 

彼は少し後ろ向きに前後で私と重なる。確かに見えないがキスしてるっぽい写真になる。

 

『それじゃぁいくよ!3!2!1!』『パシャ!』

 

私はシャッタの瞬間、彼の頬にキスをしてやった。彼は狼狽えて私から離れる。

 

「ちょっ!…おまっ…マジか…」

 

「アンタが女々しいからよ…レンカノのバイトでこんなの日常だしね。アンタがこんなに焦ってるの久々に見たわ。なんかちょっと得した気分。」

 

私はこの時、悪戯に成功した子供の様な表情になっていたと思う。実際は頬にキスなんてサービスはしないけどね。

 

「…ハァ…そうっすか…こういうのはしばらくは御免だな。…今日はもう帰るか。」

 

そういって私達は帰路についた。

 

 

彼との写真は机の奥に大切にしまい込んだ。あの時のように色褪せてしまわないように。もう無くしてしまわないように。




どうしてこの二人付き合ってないんだろう?(率直な疑問)
長い時間過ごした相手ってのはいろんな距離感がぶっ壊れるって私は考えていますが…実際どうなんでしょうね…

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