それでは、本日もお楽しみください。
--ある日
ホットミルクを飲んでいると、突然家のチャイムが鳴った。宅急便だろうか。
インターホンに出ると木ノ下和也の声だった。どうしたのよこんな時間に。話を聞くと女性不信になった友人の為に私をレンタルしたいらしい。るかちゃんを以前レンタルした彼の様だ。私も一応関係者で少し後ろめたい気持ちがあったのでOKした。バラす必要なんて無いと思うんだけど、彼はどこまでお人よしなのかしらね。
レンカノ当日、彼は私の登場にひどく驚いていた。最初は彼はデートしている状況は飲み込めていないようだったけど、結局楽しんでもらえたようで良かった。
現実的に生きることは難しい。そんな中夢を持つこともきっともっと難しい。
レンタル彼女に出来ることは本物よりは少ない。…けれど傷口に貼れる絆創膏くらいにはなりたいなって思っている。
別れ際、彼は私に客に本気になるのか質問された。わたしははぐらかしてしまった。私は木ノ下和也への恋心はあるのか、か。思い返すと彼とはこの一年で距離が縮まった気がする。レンタル彼女と客というドライな関係とは一般的には言いづらい位の関係に。
「…彼、良い奴じゃねぇか。普通はレンカノの事をそいつにバラすメリット無いだろうし。」
今日は彼はわざわざいつも機械を使わずにフィルターで淹れたコーヒーを飲んでいた。気分によって変えているらしい。変なこだわりよね。私はいつものカプチーノを淹れてもらった。
「栗林君…だっけ?彼も元通りにはなったわけ?」
「たぶんね。そこは彼に直接聞いてみたら良いんじゃない?」
「んーそうするわ。」
そういって彼はスマホほ取り出して弄りだす。彼にLINEでもしているのだろう。
「そーいや。女優業の方は順調か?」
「そこは出来るだけのことはやってるわ。そのうち舞台をやるかもしれないから、その時は見に来てよね。」
「時間の都合が合えばな。」
「そこはもちろんって言う所でしょうに。素直じゃないわね。」
「ふーんだ。俺は捻くれた人間ですよ。」
「…ねぇ。」
「何だ」
「…私の手、握ってみてよ。」
「ああー、たしか心理テストでそんなのあったな。内容は全く覚えてないけど。」
「じゃあ、はい。」
私は手を彼に差し出す。親指は尊敬、人差し指は恋人、中指は友達、薬指は嫌い、小指は興味なし。どれを握ってくれるんだろうか?
「だが断る。こちらの気持ちを勘繰られるのも何か癪だからな。」
「…ケチ。」
「ケチで結構。」
そう言って彼は立ち上がり、ベランダに出た。外からの冷たい空気が部屋に入り込んでくる。煙草に火をつけ紫煙を燻らせる。
「…また吸ってる。健康に悪いわよ。あと寒い。」
「たまにしか吸わんし、一本だけよ。」
私は差し出した手を握り締める。彼はどの指も取ってくれなかった。
彼は私にどんな感情を抱いてくれているのだろうか?
コイツと再会して約一年になる。木ノ下和也ともレンカノの関係になって約一年。彼とはだいぶズブズブの関係になってしまっている気がする。何回も関係を切る機会はあったはず、なのにここまで来てしまった。仲は悪くない。男子の中ではかなり話もする方だし。
透とはどうだろうか?この一年を思い出す。あの時みたいに会うことも出かける事も増えた。でも彼との関係は変わっていない気がする。彼は変わっていない。あの時からずっと。この温い関係も心地よいのだけれど、もう一歩踏み出すきっかけが足りない。その時私たちの関係はどうなってしまうのだろうか。また離れる事になってしまうのだろうか。壊れてしまう位なら、ずっとこのままでも悪くない気がする。
今日もお互いに一歩踏み出せないまま一日が終わる。いつか変わってしまうこの関係を恐れながら、彼の優しさに甘えながら。
川柳回さえも使っていくスタイル。
わたしが原作で唯一の不満点は時系列の飛び方ですね。矛盾出さないために自分なりに読み込んでいますが、携帯カバーとか栗林とかフォローが遅すぎますね。可哀そうすぎます。
透が煙草を吸うのは不満かもしれません。原作既読者は分かると思いますが、おじいちゃんリスペクトって事にしておいてください…
私も喫煙者なんですけどね…これ多くの人が見てくれていて書くのプレッシャー半端ないんや…
最近、ビガビガ戦法の動画にハマっています。こういう発想の勝利みたいなのが好きですね。
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