一ノ瀬ちづるに幼馴染がいたら   作:さっきのピラニア

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本日も駄文ですがお楽しみください。


2018年6月1日 木ノ下和也の誕生日

5月末日。部屋で過ごしていると。窓から物の当たる音がした。木ノ下和也からの呼び出しの合図。話を聞くと彼の実家の誕生会があるから参加してほしいらしい。彼にはおばあちゃんの検診で遅れていくけど参加すると伝えておいた。

 

当日の検診後、おばあちゃんはとても体調が悪そうだった。流石に行けそうにないので彼に電話をする。彼と個人LINEで繋がってしまった。既にレンカノとお客さんの関係とは程遠くなってしまったような気がする。和おばあちゃんに今日は行けないかも話をした後、彼と代わる。るかちゃんに誕生日の事がバレていたらしく、その場にいるらしい。大変そう。突然、電話がるかちゃんに代わり来なくて結構です!と言われてしまった。るかちゃんは大分怒っていた。レンカノの事バラされなければいいんだけど。

おばあちゃんに彼の誕生日の事を話すと行けと言われてしまった。…おばあちゃんの心遣いが嬉しかった。彼の家族と過ごせる時間は好きだ。私があまり過ごせなかった家族との時間。もし私に家族がいたら、こんな風だったのだろうか、と考えてしまう。

 

タクシーに乗り彼の家に向かう。彼の家に到着し、彼の家で過ごしている、いつの間にかるかちゃんと彼はいなくなっていた。いない間に二人の間で何かあったのかしらね。誕生日会もしばらく過ぎた後、和おばあちゃんからプレゼントをもらいそうになってしまった。彼女の婚約指輪らしい。流石にこの関係の私が受け取ることはできなかった。受け取る時、木ノ下和也はレンカノの関係を話そうとしてくれた。しようとしたのだけれど、突然私の携帯が鳴った。…おばあちゃんが倒れたという知らせだった。

 

病院に行くとおばあちゃんは普通に元気だった。拍子抜けしてしまった。和おばあちゃんは彼女の調子の悪い日に私を誘ってしまってばつが悪そうだったけど、おばあちゃん曰く、私はとても行きたそうにしていたらしい。なんかちょっと恥ずかしい。

 

お医者さんの話だとおばあちゃんはかなり悪いらしい。彼にその話をすると、やはり自分たちの関係を話そうと言ってきた。私は言いたくなかった。この関係の事を。おばあちゃんは彼の事を気に入っている。今際の際におばあちゃんに別れたと伝えたくなかった。おばあちゃんの思い出の中には素敵な人がいるって事にしてあげたかった。

和おばあちゃんとの別れ際に、結局指輪を押し付けられてしまった。彼女は悟っていた。おばちゃんが長くないことも、私におばあちゃん以外に身寄りがいないことも。彼女は私に持って欲しいと言ってくれた。彼女の優しさはとても暖かくて嬉しかった。

 

 

--透視点

 

 

「…悪いわね。急に呼び出しちゃって。」

 

「良いって事よ。小百合おばあちゃんの事だしな。俺も心配はするさ。おばあちゃんの体調はどうだ?」

 

「今は元気そう。…でも…あまり良くはないみたい。」

 

「…そうか。ちょっとおばあちゃんと二人で話をしてきて良いか?」

 

「…うん。待ってる。」

 

俺は病室の扉を開ける。

 

「こんばんは小百合おばあちゃん。あんま来れてなくてゴメン。仕事帰りで来るのおそくなっちまった。」

 

「あら、透くん!いらっしゃい。ごめんね心配かけちゃって。御覧の通り今はぴんぴんしてるわよ。さぁさぁ座って。一緒にお話ししましょ。」

 

彼女に促されるまま。俺は椅子に座る。

 

「ごめんね。何も用意してなくて。」

 

「急なことだったから仕方ないわよ。融通の利かない身体で困っちゃうわ。」

 

「そんな事無いよ。言い方は悪いけど俺が病院に来るきっかけにもなったし。」

 

「それもそうね。…ねぇ透君。ちづると和也君の関係は知っているの?」

 

「うん。お似合いの二人だなとは思ってるよ。」

 

言動には注意をしないといけない。俺から二人の本当の関係を悟らせてはいけない。

 

「…あなたはそれで良いの?」

 

「…え?」

 

「私はあなたとちづるの関係はこれでいいのか知りたいのよ。あなたの気持ちを聞かせて欲しいの。あなたは昔からちづるの事を知っている。彼も魅力的な人だとは思ってるわ。…私はあなたにちづるの彼女になってほしいと昔から思っていたわ。でも今は和也君がちづるの彼女。それを見ていてあなたはどうも思わないの?ちづるの気持ちは考えてあげてる?あの時ちづるから離れた事は後悔していない?」

 

「…考えてはいるし後悔はしていないよ。ただ、東京に戻って来た時は思わなかったけど、最近の彼女の自分に対する行動、言動を見ていると、俺なんて居なくて良かったんじゃないかなって思ってるかな。彼女は俺がいなくてもこれからやっていける、そう思うよ。和也もいるしね。」

 

「…そう…。でも私はそんな事ないと思っているわよ。ちづるはあなたが居なくなってからしばらくふさぎ込んでしまった。裏切られたと感じていたのかも知れないわね。その後彼女は女優になるために奔走していた。色々自分なりに調べてアクターズスクールに通って夢を目指しているわ。その時彼女は強い自分を作っていったわ。他の人から見たら強く見える自分を。でも私にはそうは見えなかった。彼女はとても寂しそうに見えたわ。まるで誰かの事を忘れるかの様だったわね。」

 

「…」

 

俺は何も言えなかった。あの日、彼女と一度決別したことは後悔していない。ただ、彼女の気持ちは考えてはいなかった。あの時の自分は受験で必死だった。そのせいで彼女の気持ちに対する心配りは足りていなかったのかもしれない。

 

「…ごめんね、話しすぎちゃたわね。今日はお見舞いに来てくれてありがとう。」

 

おばあちゃんに別れの挨拶をして病院を出る。このままの関係でい良いのか…ね。まぁどこかでこの関係も変わるんだろうな。それは俺の気持ち次第ってとこか。

 

 

「…さっきおばあちゃんと何の話をしていたの?」

 

「そこはオフレコで。…で、何で俺の家に来た?そして何で俺のYシャツを着ている!?さっきまで着てたやつだから洗濯してないぞ。」

 

「良いの。彼シャツってやつ?一度やってみたかったのよ。」

 

そう言って彼女は缶チューハイを開ける。俺はその類の酒は飲まないから彼女用だ。あんま酔えないしな。今日の雰囲気を見るに何か仕掛けてきそうだから一応気を付けておこう。

俺も彼女の隣で缶ビールを開けて口を付ける。強めの苦みが喉を通り抜けていく。

 

彼女はもたれかかってきた。

 

「…怖かった。今日、おばあちゃんがいなくなっちゃうんじゃなかったって…本当に怖かった…。」

 

 

そう言って彼女は俺の唇を奪ってきた。警戒はしていたが足りなかったようだ。油断した。おそらく彼女は失う寂しさから俺との繋がりを求めてきたのだろう。一時の衝動を受け取めるにはお互いに幼すぎる。

 

彼女は俺の頭にまで腕を回してきた。どうしても離れる気はないらしい。

 

彼女を引きはがすために脇をくすぐる。以前これでギブアップしたので離れてくれると良いんだが…彼女は身体をガクガクと震わせるが駄目なようだ。心なしか腕の力も強くなっているような気がする。

 

片手で耳を触る。口内も蹂躙する。

彼女の反応が良い所を重点的に。しばらくすると彼女の身体が大きく震え、抱きしめる力が強くなった。その後、彼女が弛緩したので引きはがしてソファーに横たわらせた。目の焦点が合っておらず、息も荒い。やっと屈してくれたようだ。

 

俺はベランダに出て煙草に火を点ける。彼女はさらに具体的な行動に出てきた。

一本吸い終わって彼女を見ると、意識は戻ってきたようだ。身体はまだびくびくしているようだけど。

 

「…今日は帰んな。色々あって疲れただろ。あとこんな事は勘弁してくれ。」

 

「…うん。」

 

その後の彼女はやけに素直だった。俺がそう言うと着替えて家に帰って行った。

いつもこんな感じなら助かるのだが…。

 

 

--ちづる視点

 

今日はいろいろあった。誕生日の事。おばあちゃんの事。

さっきまでおばあちゃんを失うかもしれなかった不安だった。そして彼がいつかまた居なくなってしまう恐怖。その両方が一度にやってきたらと思うと。私は衝動的に彼との繋がりを求めてしまった。

 

彼の頭に腕を回し唇を奪う。彼はひどく驚いた様子だった。

 

彼は私を引きはがそうと身体をくすぐる。今日はそれに屈する気はない。腕の力を一層強くする。彼もそれに気づいたのか、次は耳を責めてきた。頭の奥がじんと痺れて思考がまとまらなくなる。

 

このままではいけないと彼の身体に脚も回した。でもこのままだと引きはがされるのも時間の問題だ。彼は更に攻勢に出てきた。私の口内を蹂躙する。

目の前がチカチカしてくる。始めたのは私だったが、彼は責めるのを止めてくれそうになかった。

 

お腹の下の方が震え、頭の中が真っ白になった。

…気付くと私はソファーに横たわっていた。

私の身体は彼の責めに屈してしまったらしい。…そして彼をその気にすることはできなかった。衝動的に求めた彼との繋がりは実現しなかった。

彼はベランダで煙草を吸っていたらしく私の様子に気付くと部屋に戻って来た。

 

「…今日は帰んな。色々あって疲れただろ。あとこんな事は勘弁してくれ。」

 

彼の言う通りに私は着替え、家に帰った。彼はどんな気持ちだったのだろうか。

 

ぬいぐるみを抱きしめながら、彼の責めを思い出す。指が自然と下半身に伸びる。あの時の行為は彼の本位ではなかったかもしれなかった。けれど、彼からの刺激は自分でするより何倍を気持ちよかった。

 

彼から感じた生の感触と比べると、自分を慰める刺激はずいぶんと冷たく寂しかった。

 




本番はしてないからセーフ!…たぶん…

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