--透の家
「墨ちゃんがもう一度レンタル彼女の練習をしたい?」
「そう。アンタが途中でアドバイスしてくれてたのを気に入ったみたいでもう一回お願いしたいそうよ。」
「ほ~ん。ただ自分が気になった事言っただけなのに参考になったんかねぇ。お願いされたんなら了解したおかのした。」
--墨視点
今日は透さんとレンタル彼女の練習です。彼を遊園地でおもてなしする予定になってます。前回お世話になってますし。頑張ります。…でも緊張します。
「…こっ…こんにちは。…今日は…よ、よろしくお願いします。」
「や、墨ちゃん、こんにちは。今日もよろしく。んじゃ行きましょうかね。遊園地だっけ?」
私はこくこく頷きます。透さんはできれば話をしたそうですが、恥ずかしいので話さなくて良いときはジェスチャーになっちゃいます。
遊園地に着きました。まずはジェットコースターに乗ります。彼はとても楽しみにしていますが、私はちょっと怖いです。振り落とされないか不安になっちゃいます。
「う~ん楽しかったねぇ。あの浮遊感?みたいのは日常では楽しめないからねぇ。…墨ちゃん、少し顔色悪そうだけど大丈夫?休もうか?」
私は首を振ります。ちょっとふらふらだけど平気です。今日は私がおもてなしするんですから。
次はメリーゴーランドに乗ります。これは怖くないから安心です。
今日も彼は私に付き合ってくれています。どんな気持ちで私の相手をしてくれているんでしょうか?気になります。
アトラクションをいろいろ回っていきます。
お化け屋敷があるので入ります。…お化けは苦手です。
「お化け屋敷でしがみついてくる美少女。役得だねぇ。」
良く分かりませんが、彼は満足してくれているみたいです。
最後に観覧車に乗ります。ゆっくりと時間が過ぎていきます。今日回ったアトラクション、そして街の景色が見えてきます。
「…今日は、楽しめましたか?」
「いやぁ楽しめたねぇ。可愛い女の子と遊園地デートなんて男の一つの夢ってもんよ。」
今日、彼には楽しんでもらえたみたいです。
「…あっ…あの…透くんに言いたいこと…が…つっ…伝えたい…こと…が…あります。…ちづるさんの事…です。」
透くんの顔つきが変わります。
「…もしかして、一ノ瀬の話をするために俺を呼び出した?…いやそれは考えすぎか。」
透さんは良い人なんだと思います。ちづるさんの事、いろんな人の事を考えて行動してくれています。もちろん私のことも。
彼の昔のことはあまり分かりません。ちづるさんから最近の話は少し聞いています。
ちづるさんは彼の事が好きなんだと思います。私も女の子ですから、彼の事を話す彼女の様子を見れば分かります。でも透さんは分からないです。大切には思っているようですが、恋愛感情があるのか、ただの幼馴染としか思ってないのかは分からないです。でも、私個人としては二人には仲良くなって欲しいと思ってます。
「…とっ透くんは…自分の気持ちに素直になって…、ちづるさんはあなたの覚悟だけでいい…と私は…お、思う。」
「うーん、気持ちに素直にねぇ…。そんな簡単な問題じゃないのよねぇ…。」
彼は少し悲しそうな顔をしています。昔ちづるさんと何かあったのでしょうか?今はそんな風には見えなさそうですが…。
「…そんなに悩まないでください…。私に話せる事なら…っ…話してください…いつでも…いいので…っ。」
「…うん。俺がどうしたら良いか分からないときに話させてもらうよ。こんな感じでデートの時じゃないかもだけど。」
私は頷きます。彼の苦しみは分かりません。でも、彼からその言葉を聞けたのは、その苦しみを知っても良いと許してくれたように感じて、嬉しく思います。
観覧車が下に着きました。今日はもう終わりです。最後はちょっと嫌な感じで終わってしまいました。私が彼に質問してしまったのが悪いんですけど。
「んじゃ、今日はこれで終わりかな。ありがとう。楽しかった。」
そう言って今日は彼と別れました。
レンカノの仕事は大変です。私は口下手で人見知りなので、人の相談も聞くことが少ないです。今日は彼の事を少しだけ知ることができました。悩みを聞いても良いって言ってくれました。
彼の苦しみを全て知ることはできないし、教えてくれないかもしれませんが、少しでも話をしてもらえたら、苦しみを分かち合うことができたなら、彼が彼女に対して一歩踏み出してくれるんじゃないかって、私はそう思っています。
書いていると文才の壁にぶつかって頭を抱えることが多々ありますが、この物語を、ssを一番愛しているのは間違いなく自分だ、と言い切れます。
日間総合ランキング47位に入っていました。応援してくれる皆様のおかげです。ありがとうございます。
まわりが有名な原作しかないのでマジか…マジか…ってなってます。
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