一ノ瀬ちづるに幼馴染がいたら   作:さっきのピラニア

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本日も駄文ですがお楽しみください。


2018年6月某日 八重森みに、来襲

--透視点

 

 

さて、本日は社会人念願の休日。明日の労働に悩まされることもなく、朝早くの目覚ましにたたき起こされることもなく、オフトゥンとのランデブーを楽しめる日である。ただ長く寝てもいられずいつもの時間に目が覚めてしまうのは、社会人の悲しい性か。S・A・G・A佐賀。

 

座ったままの姿勢で跳躍を決めてやろうかと思ったが、部屋が狭いので止めておいた。壁に激突するわ。

 

 

朝食は適当にパンを焼いて食べ、コーヒーを啜る。なんと優雅な休日の朝。これが大人ってやつか。(社会人2年目とは到底思えない発言)

PCの電源をつけ、ネットサーフィンを始める。あぁ^~ネットの海をぴょんぴょんするんじゃぁ^~。最近のお気に入りは改造トライピオ動画です。矢木に電流走る。

 

さぁて優雅に二杯目のコーヒーを頂こうと考えているとチャイムが鳴る。誰だワタクシの休日を邪魔する不届き物は。成敗してくれる。不動産の営業だったら居留守決めてやる。知らない訪問者は無視するのが平穏な生活を営むコツよ。

 

いざ誰ぞと、インターホンのカメラを覗くと見たことある女性の顔が。八重森みに。何できたのかは不明だが、さてどうするか。無視を決め込んでも良いが用事がある場合は相手方にも悪いし、総合的には自分の時間のロスにも繋がるので出るのが正解か。グッバイ私の安寧の休日よ。

 

「こんにちはっス透さん!遊びに来たっスー!」

 

全然用事じゃなかった。俺の休日を返して。まだ取られてないけど。

 

「追い返していいっすかねぇ…?」

 

「せっかく来たのに追い返すのは酷いっス!お邪魔させてもらいまっス!」

 

俺の横を通り抜けて。彼女は俺の家の中にはいる。

 

「はぁ…俺の安寧の休日が…」

 

彼女を向かい入れるのは不本意だが一応お客さんだ。彼女に飲み物を出す。

 

「どうもありがとうっス!…で!今日来た理由はパソコンっス!透さん、昔は相当なゲーマーだったんスか?」

 

「…どうしてそれが分かる?」

 

「デバイス見れば分かるっスよ!メーカーもそうですし、テンキーレスのキーボードとかヘッドセットをわざわざ選んでるのもゲーマーも証っス!」

 

「ひと昔前の話だけどな。今はたま~に友達に誘われた時にやるくらいだな。」

 

「ちょっとSteamの履歴見せてもらうっス!…おぉ…FPS系のゲーム結構やり込んでますね!上手かったんスか!?」

 

「普通って感じだな。やり込んだ時期もあるけど今もあの時みたいにできるかは微妙だな。」

 

「ちょっと見せて欲しいっス!」

 

「まぁちょっと位なら。」

 

PCをつけてゲームを起動する。ゲームは某100人のバトルロワイアルTPSだ。激戦区には降りずに少し過疎っている地域に降りて物資を漁る。今回の物資は当たりだな。

 

「やっぱやってただけあって動きが手馴れてるっすね。お、ナイスキルっス!」

 

円の収縮は良い。移動はあまりせずに後半戦に行けそうだ。

残り十人。遠くから聞こえる銃声を避けて右側から大外回りに移動する。ん~敵が前に見えるけどコイツは殺すのは最後にしてやる。あ、木の後ろでドリンク飲んでる。殺すのは最後にしてやると言ったな、あれは嘘だ。SRで頭を抜く。これで2キル目。漁夫を警戒して漁らずにその場に待機。…近くに敵はいなさそうだ。

 

物資を漁って最終決戦。自分含めて残り3人。ただ場所があまり良くない。スモークを焚きながら移動するが、敵に接敵してしまった。位置は有利なので何とか撃ち合いでは勝てた。あと一人。おそらくかなり寄ってきてるはずだ。警戒しながら移動しているとグレネードの音。少しダメージを食らってしまった。…来る。残念ながら1位にはなれなかった。ダメージと先に接敵してしまったのが良くなかった。久々にやったけど意外とエイムの腕は落ちてなかったのは良かったかな。

 

「…めちゃ上手じゃないっスか…後半見いっちゃいましたよ。」

 

「いんや普通よ。プロは動きとエイムが違いすぎるんでありゃ無理だ。こーゆーのは友達と車乗ったりしてわちゃわちゃ楽しむゲームなんさ。」

 

「配信とかはしてたんスか?」

 

「配信はしてたけど人は全然だったねぇ。まぁ男が友人とゲームしてるのなんてそんなもんでしょ。」

 

「自分も最近宅コス配信してるんで今度来てくださいっス!歓迎するっス!」

 

「んじゃ今度見に行くかな。バレない様にこっそりとだけどな。」

 

「いけずっス~!一緒に配信しましょーよ~!伸びるっスよ~!」

 

「そーゆーのは知人の女子と一緒の方が伸びるでしょうに。そっちでやんなさいな。ゲームなら呼ばれれば行くけど。」

 

「やったっス~約束っスよ~!…そういえば水原さんとはどうなんスか?ただならぬ関係だと推測するっス!」

 

「前に言ったろ。只の幼馴染だ。それ以上でもそれ以下でもない。」

 

「嘘っス!彼女が透さんにいろいろやってるって話は聞いてるっス!白状するっス!」

 

「アイツ何を話したんだ…」

 

「中身は教えてくれなかったっス!でも明らかに透さんに好意がある様子っスよ!今まで何も無かったんスか?」

 

「…何にもない。ま、幼馴染の縁で一緒にいることが多いってそれだけだ。」

 

「あんな美人さんの前で何も無かったって言いきれるのか不思議っス…もしかしてホモっスか!?」

 

「違げぇわノーマルだわ。…お前さんと話してると疲れる…。エネルギーと圧が強いわ。」

 

俺はコーヒーに口をつけ溜息を吐く。完全に安寧の休日からは遠ざかってしまったな。アーメン。

 

「…透さんはこのままの関係を続ける気なんスか?うかうかしてると、師匠に取られちゃうっスよ。あ、師匠ってのは木ノ下さんの事っス!」

 

「アイツお前に師匠って呼ばれてるのか…関係が謎すぎる…。ま、あの二人の方がお似合いじゃないんかね。前途有望な若者と女優の卵。お似合いだと思うけどねぇ。」

 

「…透さんはそれで良いんスか?」

 

「それで良いって?」

 

「水原さんが師匠と結ばれる事っス!自分は師匠派なんスけど、現状だと明らかに透さんの方が有利っス。透さんから行けば彼女はイチコロっす。なのにどうして付き合わないんスか?」

 

「いろいろ事情があんのよ。そこは聞かないでもらえると助かる。」

 

「…今日は聞かないでおくっス。でもそのうち聞かせてもらいたいっス。」

 

「…話すつもりは無いんだけどなぁ…。」

 

ここでチャイムが鳴る。ちづるが来たようだ。

 

「お邪魔します…え、何で八重森さんがここにいるのよ…。」

 

「今度ゲームする約束も取り付けたんで邪魔者は失礼するっス。また来るッス~!」

 

そう言って彼女は脱兎のごとく帰って行った。嵐過ぎるわあの少女。

 

「何で彼女がここにいたの?っていうか彼女と何をしてたのよ?」

 

「ざっくり言うと、俺のやってたゲームが気になって来たって感じだな。そのうちゲーム一緒にやる話になったな。まぁいつになるかは分からんが。

…元はと言えば、一ノ瀬が連れて来てしまったのが悪い気がするのだがな。」

 

「……それは悪かったわよ。」

 

俺はカプチーノを淹れ彼女に手渡す。

 

「ん、ありがと。」

 

「やっぱお前といる時が一番落ち着くわ。なぜか和也周りの女性って疲れる人多いのよねぇ。」

 

「…そう。」

 

彼女はそう言ってカプチーノを飲む。飲み終わると立ち上がって台所に向かう。

 

「今日の献立、グラタンの予定だけど、苦手な物ってあった?」

 

「いんや無いな。助かる。」

 

「アンタ放置すると碌な物食べてないわよね。注意して欲しいわ。」

 

「野菜ジュースは飲んでます~コップ一杯で一日分の野菜取ってます~。」

 

「栄養は取れてもそんなのばっかじゃ健康に悪いわよ。」

 

「へいへい。」

 

そう言って彼女は料理を始める。しばらくすると美味しそうな匂いがしてきた。

 

「運ぶよ。」

 

「ありがと、これお願い。」

 

料理を運んで二人で席に着く。

 

「「いただきます。」」

 

ご飯を食べ始める。今日はさっき言ったグラタンとコンソメスープ。うん、美味い。お互い無言のまま料理を食べ続けた。

 

「美味かった。ご馳走様。洗い物はやっとくよ。」

 

「お粗末様。お願いするわ。」

 

洗い物が終わった後、二人で各々適当にくつろぐ。彼女は芝居の台本を読んでいるようだ。

 

コーヒーを飲みながら今日の事を思い出す。八重森みにとの話だ。

 

『透さんはこのままの関係を続ける気なんスか?うかうかしてると、師匠に取られちゃうっスよ。』

 

『…透さんはそれで良いんスか?』

 

現状に不満はない。ちづるが良い人を見つけていつか自分とは関係が無くなる事も受け入れている。この関係はいつか終わる。それも分かってる。今度は彼女から別れを告げられるのだろうか。因果応報、それも良いかもしれない。一度彼女と決別した俺の贖罪として。

 




作者が言うのもなんですが、どうしてこの二人付き合ってないんだろう…(3度目の疑問)
連載開始当初に全く書く予定の無かった話が増えていってます。書いてて楽しいのでいいんですけどね。

あと、よう実のss書き始めました。お読みいただくと嬉しいです。
https://syosetu.org/novel/235907/

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