クラウドファンディングの件について、知り合いの役者に話をしていると、仲良くしている海君がSNSで結構な人気者だったらしく、紹介してもらえることになった。本当に助かる。ただ、クラファンの最終日に彼に観劇に誘われてしまった。
木ノ下和也にその話をしたら、八重森さんと話し合った後、行くべきってことでまとまったらしい。彼はなぜか涙目だったけど。
…で、その当日は海君と観劇。有名な劇団なので非常に楽しみだ。海君から木ノ下和也に関して聞かれた。クラファンで主演の映画を作ってくれる彼の事を。彼は不思議な人だ。大見得切ったかと思うとすぐ空回りして焦るし、映画製作は初心者のくせに作れる自信だけはある。でも「できる」って言ってくれる人がいるのは大事な事なんだと、私は思う。
演劇はすごい楽しかった!出演者の人たちに挨拶できたのは顔の広い海君のおかげ、本当に
感謝してる。女優の夢に一歩近づけた。行けって言ってくれたみんなにも感謝しないといけない。
彼は演劇の後、私に素敵だなと言った。普段は誰よりも努力家で真面目でひたむきなのに、演劇を見た後は少女のように喜んでいる所が好きだと。彼女の七菜ちゃんにそんなこと怒られるよと注意すると彼女とはこの前別れてしまったらしい。
彼は言った。俺はもしかすると演技に一生懸命なコが好きなんじゃないかと。
彼は七菜ちゃんの代わりを求めている。木ノ下和也の事を思い出す。彼はお試しでるかちゃんと付き合っている。私というレンタル「彼女」がいるせいで正式に付き合えていない状況だ。人の気持ちは複雑だ。彼がるかちゃんと正式に付き合っていないのは、たぶん本当に好きかどうか彼自身が分からないからだ。
私の気持ちはどうなんだろう?私が本当に好きなのは誰?木ノ下和也?透?海君?本気で好きな人が分からない私では傷心した彼の心は埋められない。
ビラ配りがあるから別れようとした時、このままご飯に行かないか誘われた。舞台の感想がもっと聞きたいと。彼は良い人だ。アクターズスクールの同期で演技の事も分かる。おまけに顔も良い。
私は断った。今日は大切な日だから。今までもずっとこの日のために、今この時も私の為に頑張っている彼のためにも行かないといけない。
彼は最後に聞いて来た。木ノ下和也が好きなのか、と。私の好きな人なのかと。
彼は言った。私はおばあちゃんの事で、一時期何をするにしても落ち込んでいたように見えていたらしい。でも1年くらい前から少しずつ元気を取り戻しているように見えたと。その理由は木ノ下和也のおかげなんじゃないかと。前に進み始めることができたからなんじゃないかと。
もちろん彼の事もある。そして透が戻ってきたのもだいたい同じ時期だ。何が私を前向きにさせたのかは分からない。木ノ下和也の「できる」と前を向かせてくれる力なのか、透が戻ってきて「あの時」が戻ってきたからなのか。
私は答えた。好きじゃない、…けど好きじゃなくはない、と。
いつか揺れる私の気持ちにもけりをつけないといけない。たとえそれがどんな結果になってしまおうとも。
透という人物が入ったせいで話が変わって書きづらい!作風が重い!ちづるの苦労が増えてしまっている!
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