私の日常が脅かされている。
原因はバイト先のお客さん、木ノ下和也のせい。
最低評価つけられた。またレンタルしてきた時はクレームを付けられた。
同じ大学で、家もお隣さんだった。
あの時は緊急事態だったし仕方なかったけど、彼と病院のベットの中で抱き着いてしまった。
アイツとはこんな事にならないのに。
自宅に急に押しかけてきて家におばあちゃん来てるから会ってくれって交渉された。というかあれは交渉じゃなくて脅迫だ。警察呼んだら一発アウトの案件だったと思う。鍵も壊されたし。
最終的に彼の家庭の事情を汲んで水曜日に一時間だけレンタルすることにした。
お客さんのプライべートに深く関わらない方が良いのに何やんてんだろ私。
「…で、鍵を直すために俺が呼び出されたってわけか。」
透は苦笑しながら、小型の工具箱を取り出し修理を始める。
彼の家に大きい工具箱があったはずだけど、事前に写真を送っておいたから最低限しかもってきていないようだ。そこから10分位で終わった。
「ごめんね、こんな時間に呼び出して。」
「良いって事よ。こっちも暇だったし。そーいえば、ちづるのアパートに初めて来たな。例のお隣さんは今いるん?」
「多分。彼に見つかると面倒だから帰る時は気を付けてね。」
「一度顔合わせしてみたい「やめて!」…おっ…おう…」
流石に異性の幼馴染ですって紹介するのはマズイ。彼、粘着質っぽいし、別の面倒事が起こりそうな気がする。
「仲良くなれそうだと思ったんだけどなぁ…」
「絶対やめてよね。」
「分かってるって。」
…分かってなさそう。後でもう一度釘を刺しておこう。
「…ねぇ。修理してもらったお礼も兼ねて、うちでご飯でも食べてく?さっき作ったロールキャベツもあるけど、足りないだろうし…オムライスとかで良い?」
「おう。なんか悪いな。」
「だから鍵の修理してくれたお礼って言ってるでしょ。」
「へいへい。ありがたくご相伴にあずからせていただきますよ、一ノ瀬お嬢様。」
透が「お邪魔しま~す」と部屋に上がる。部屋の中はある程度片付いているが、台本が机の上に散らばってる位か。まぁ良いか。
「なんか女子っぽいいい匂いがするな。」
「変態。嗅ぐな。」
「へいへい。」
彼は部屋のをぐるりと見渡した後、適当にくつろぎ始めた。私はロールキャベツを温め直しながら、オムライスを作り始める。
「舞台の台本ってこんな感じなんだな。初めて見た。」
横目で見ると、彼は台本を手に取りペラペラと眺めていた。
「使うんだから汚さないでよね…というか素人が読んで面白い?」
「面白いっつうか新鮮?新しいことを知るってのは面白いもんよ。あと、まだ女優を目指しているのを知って安心したのもある。そっちのプライベートの話は聞いてたけど実際にこういった現物を見たのは初めてだったし。」
「ふーん。」
私は興味なさげに彼に返す。私が女優を目指すきっかけの一つになったあの時の事はおくびに出す様子は無い。…過去の事を思い出している間に料理は完成した。
「「いただきます。」」
料理が出来上がったので二人で食べる。この光景を隣人が見たら怒鳴り込んできそう。怒鳴られる理由なんてないはずなんだけど。うん!今日の料理は上手くできた気がする。
「ごちそうさまでした。それじゃぁ帰るわ。明日も仕事あるし。んじゃ、おやすみ。料理作ってくれてありがとうな。」
彼は立ち上がり、工具箱取り上げる。
「気が向いたらまた作ってあげるわよ。おやすみなさい。」
そうして彼は帰っていた。迷惑な隣人もいるけど、これは私が欲しかった日常。こんな形でまたこうしてアイツとご飯を食べる事になるとは思わなかったけど。
1話で1000字以上書くルールあるのが地味にキツイ。。。
投稿前に物語的に致命的な誤字があってめちゃ焦ったのは私の個人的なお話。
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