一ノ瀬ちづるに幼馴染がいたら   作:さっきのピラニア

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エピローグ イエスタデイをうたって

--透視点

 

 

…さて、どこから話をしようか?まずは一番の功労者の和也の事からか。

 

俺は和也にちづるとの関係が変わったことを伝えた。

彼は祝福はしていたけど、少し涙目だった。すまんな和也よ。

るかちゃんとこれから上手くやっていってくれることを願うよ。

まぁ彼も心の整理がついたら前に進めるだろうさ。

 

 

ちづるとの関係だが、変わったと言えば変わったが変わらないかと言えば変わらないと言った感じか。

一歩踏み出したからと言って、そんな簡単に日常が変わったりするわけじゃない。

ただ、ちづるが前よりちょっとだけ甘えてくる機会が増えてきたって事くらいだろう。相変わらず私生活のだらしなさで怒られることも多いんだけどね。あ~耳が痛いよ本当にさ。

あと、小百合おばあちゃんが亡くなったことで、落ち込んでしまっているようだからフォローしとかないとなとは思っている。人との別れは必ずあるものだ。それは受け入れられなくても受け入れられても、どうしようもない変えられない現実として、本人に襲い掛かってくる。身近な人なら特にだ。さらに彼女にはもう身内はいない。一応、父親はいるみたいだけれど、連絡もとれないようだし、今更再開して一緒になんてそんな都合のいい話にはならないだろう。家庭の事情は一家それぞれに違いがあり、他人はあまり踏み込めないというか踏み込んではいけない領域だと思う。あとは、本人たちの歩み寄り次第ってことか。

 

 

 

 

>>ちづる視点

 

 

最後の最後に私たちの関係は変わった。変えることができた。

 

おばあちゃんが死んじゃったのはとても悲しいけれど、私は一人にはならなかった。

私が答えを出し、彼がそれを受け入れてくれたことで、お互いは変わることができた。

…とは言っても生活は普段通りなんだけど。

 

 

今日も私は彼の部屋で過ごす。彼の淹れてくれたカプチーノを飲みながら。

彼は最近バリスタの勉強を始めたようだ。透曰く、「趣味が高じて始まってしまった。」、だそうだ。彼は彼でこれからも自分の才能を模索していくようだ。

私はそれを一番近くで見守り、応援していくことになるんだろう。お互いを励まし合い、支え合いながら。

 

 

 

 

彼の部屋のコンポから音楽が流れる。曲はRCサクセションのイエスタデイをうたって。

 

 

 

 

私は彼のことがもっと知りたい。私が知らない四年間のこと、彼の仕事の事、今まで何を感じ何を考え行動してきたのか。

理解はできないのかもしれない。人は完全に分かり合えないのかもしれない。ただ分からなくても。受け入れ、寄り添うことはできる。

 

 

 

今はとりあえず前に進めている。映画も完成した。結局私も彼も立ち止まることは無いんだろう。ただ、どこかで壁にぶつかり立ち止まる事もおそらくある。

女優の事、学校の事、友達関係、将来の事…そして彼との事。それ以外にも今は想像もしていない、面倒な事、困難が待ち受けているんだろう。

 

 

 

それでも日常は続いていく、どうしようもなく続いていく。楽しい事、嬉しいことがあっても、大切な人が亡くなっても、絶望に打ちひしがれても、時間が立てば誰にでも平等にいつも通り朝日が昇ってくる。そこに貴賤はない。嫌な事、難しい事、本人だけでは解決できない事。いろいろあるんだろう。それが人ってものだ。お互いの考えがぶつかり合い交差しすれ違い、でもたぶん乗り越えられる。

 

 

 

 

 

>>私が透を離さない限り。

 

 

 

--俺がちづるを離さない限り。

 

 

 

 

 

 

ごちゃごちゃ考えたり、昨日を振り返ったり、

 

 

 

 

 

それでも

 

 

 

 

--俺達の

 

 

 

 

>>私達の

 

 

 

日常は…

 

 

 

 

続くのだっ!……





yesterdayの通常の意味は「昨日」ですが調べてみると「過去」という意味合いがあったりします。
清志郎はどっちの意味で使っていたのでしょうか?今はもう知ることはできませんが、私は後者の意味で使わせていただきました。
正しいかはあの世で本人に聞けたら聞くとしましょうか。

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