一ノ瀬ちづるに幼馴染がいたら   作:さっきのピラニア

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七海麻実、再び

 

とある日、七海麻美からどこか出かけないかとお誘いが。

何か裏がありそうかとも思ったが、特に用事も無かったので行くことにした。

場所は以前出会ったショッピングモール。

 

適当に雑談をしながら、店を回っていく。

化粧品コーナーとか女物の服屋とか平然と入って行くのは止めてほしいよね。あのなんとも言えない気まずさがメンタルに来る。特にちづると出かけると「え、こんな男と…?」って視線を食らうので中々にメンタルに来る。

自分で言うのも何だがこんな微妙な人間と出かけて楽しいもんなのかね?

 

で、メンタルの回復と休憩がてら、カフェに入る。女性客の割合が多めでやたらお洒落な内装とかキラキラした雰囲気の店内は微妙に居心地の悪さを感じるけど気にしないことにする。前言撤回、ここでの休憩ではメンタルは回復しません!

 

「あれ〜?そ〜いえば今日は制服じゃないんだ?」

 

「…あれは忘れてくれよ。俺は乗り気じゃなかったよあれはさぁ…。」

 

「冗談。で、彼女とはどう?仲良くはしてる?」

 

彼女はちづるとの関係が気になっていたらしい。あのときはただの幼馴染としか言ってなかったしね。

 

「まぁ色々あって付き合うことになったよ。」

 

「ふ〜ん。和くんも大分アタックしてたみたいだけど、結局は別の女の子の所に行っちゃったしなぁ♪」

 

「俺が中々煮え切らない態度だったのが悪いんだけどなぁ…それはいいとして、和也を振ったことは後悔してないのか?」

 

「ん〜どうだろ?今はともかく、あのときの和くんは変な所で積極的だったし、女心も分からない感じだったし。あのときは妥当な判断だったかな〜と。」

 

「俺も女心は分からんけどな、」

 

「ははっ♪なにそれおもしろ♪あんな可愛い娘捕まえておいて、女心分からないなんて矛盾してない?」

 

「幼馴染だから分かるってやつかねぇ。人生何が起きるか分からないもんだ。」

 

「…ねぇ。私が和くんと別れなかったら、どうなってたと思う?」

 

「…さぁな。和也がレンタル彼女を使わなかったかも、位しか言えないな。」

 

思い返すと、彼が彼女をレンタルしてから、いろいろ始まったわけみたいだな。るかちゃんとか墨ちゃんとかさ。

とはいえ、ちづるとはお隣さんだったわけだし、何かしらは起こっていたのかもしれないのだけれど。

 

「ふ〜ん。まぁそんなもんだよね〜♪」

 

そういって彼女はドリンクに口をつける。やたらにクリームの乗ったそれはカロリーにするとかなりあるんだけれども、世の女性たちはやたら飲みたがるよね。そんで太ってる様子もない。え、何かゼロカロリー理論適用されてるのこれ?女の子が飲むと大丈夫的な?

 

その時は最良の選択をしたと思っていても、本当はこっちの方か良かったんじゃないかと後悔することはままあることだ。目の前の彼女も今は多少の後悔はしているのかもしれない。

 

「まぁ、ちづるとは仲良くしてやってくれ。あっちは警戒してるかもだけどな。」

 

「ん〜ど〜しょっかな〜♪私とまたデートしてくれたら考えてあげても良いかな♪学生よりもお金は持ってそうだし♪」

 

「しがないサラリーマンにたかるなよ…。」

 

「あなたを彼女から奪ってみるのよ面白いかもね♪」

 

彼女はニマニマしながらこっちを眺めている。おちょくられてますよねぇ、これ。

後悔しているって言うよりかは、より良い人に乗り換えようとしてるやつだよね?スペックでしか人を見れないと婚活で苦労しそう。知らんけど。

 

「それ本人の前で言っちゃ駄目でしょうよ…。暇なら出かける位なら付き合うさ。お節介かもしれんが、その鉄面皮も疲れるだろうしな。」

 

「ふーん。そーゆーの分かっちゃうタイプかぁ。」

 

「結構分かりやすいとは思うけどなぁ。友人の知り合いだからこうして話すけど、積極的には関わりたくはないタイプではあるかな。」

 

「アンタこそ本人の前でそれ言っちゃう?私は私の性格の事も理解してるし、バレてるみたいだし気にしないけど。」

 

「人には他人に見せたくない面の一つや二つあるもんさ。それをため込んでストレスになる人もいるし、時折出しながら生きている奴もいる。要はその面と上手く付き合えってことよ。いやぁ中々に難しいんだけどねぇ。」

 

「アドバイスしようとして全然フォローになってないわね。ま、私なりにやるわよ。」

 

「俺がわざわざ言う事ではないけど、変な男引っ掛けないように気をつけなさいな。」

 

そんなこんなでお互い飲み物が尽きてきたので店を出て、今日は解散の流れになった。

そのうち、彼女の進展でも聞かせてもらいますかね。惚れた腫れたは、男女共通の話題だしね。

 

 

七海視点

 

週末はレポートも友達と遊ぶ約束もなかった。で、LINEのフレンド欄を眺めていると一倉透の文字があったので連絡してみたらOKをもらえた。

理由はなんとなく。あと、なんか面白そうな話でも聞けたらな〜って感じ。

 

ショッピングモールに集合して、適当にぶらつく。あっちは特に行きたい所も無いようで、私の行きたい所に合わせている。

彼の評価は顔も会話も至って普通。デートっぽくリードしてくれる様子も無かったし、顔見知りじゃなきゃ一生話さない部類の人間かも。

 

カフェでは水原千鶴の事を聞いてみたけど、今の関係についてはあっさり話してくれた。

この前の関係から考えると妥当かなとは思うけれど、何で彼?っていうのが正直なところかな。

 

あと、私に裏の顔、というか猫を被っていたのはなんとなく分かっていたらしい。

そして積極的には付き合いたくない側ってぶっちゃけられた。

そんな言葉とは裏腹に突き放すような態度にはなっている様子ではなかったので、彼は何となく離れてはいかなそうな人間ではあるような気がする。

そろそろ誰か良い男捕まえようかなぁ。独り身で男を手玉に取るのも楽しいけど、ずっといないのも癪だしね。彼にはさらっと流されたけどさ。

 

 

ーー透の家にて

 

「…今日、誰かに会った?」

 

「会ったがどうして分かったんだ?」

 

「ほんのちょっと香水の匂いがしたから。女性用のやつ。」

 

「そこまで分かるのか…犬かよ…俺は全っ然分からんぞ…」

 

「犬じゃないわよ!で、誰と会ったのよ?」

 

ちづるは何故かぐいぐい聞いてくる。特に後ろめたいことも無いので正直に答える。

 

「七海麻美に会ったよ。何故か急に誘われてな。暇だったし。」

 

「ふ~ん。」

 

七海麻実の名前が出たとたん少し機嫌が悪くなった気がする。心なしかぶすーっとした表情もしている気がするし。悪い感情を感じ取った時って大体当たっているんだよねやんなっちゃうね。

ちづるって想像以上に嫉妬深かったかねぇ?何も言わず出かけたことが問題か、七海麻実と会っていることか、もしくはその両方か。

 

「そんな不機嫌になるなさ、ちづるも忙しいだろうに…今度どっか連れて行ってやるさ。靴も買って放置したまんまだし、山でも行くか日帰りで登れそうなやつ。」

 

「そうね。」

 

今度は機嫌は戻ったようだ、出かける用事ができたからなのか、他に何か感情の変化があったのか、分からん。とりあえず頭を撫でておこう。

頭に手を乗せた際に少し目を見開いていたが、振り払いもしないし続けておく。しばらく撫で続けると大人しくなったので、撫でて欲しかったのだろう。

 

「…誤魔化されないからね…」

 

違ったらしい。だが気にしないことにする。

今日も夜が更けていく、少しずつ変わる関係、変わっているような変わっていないような日常が過ぎていく。

いろいろと面倒な事、楽しいことはあるが、とりあえずは二人の時間を楽しませてもらうとしよう。




オリキャラが少しずつハーレム主人公しつつあるようなないような感じになってきたこの作品。なんだこれ。

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