「あぁ本っ当にムカつく!」
家に帰り、鞄をベットに叩きつけそうになったが、寸前のところでやめた。大事な商売道具。一時のストレス解消のために傷つけてはプロ失格だ。どうどう落ち着け私。
今日は災難だった。流石に事務所に報告しようかと思ったがやめた。トラブルではあるが、まだ私はバイトを始めたばかりの身だし大事にしたくはない。こんな条件の良いバイトなんて無いし。
今回も木ノ下和也のレンタル彼女案件。身から出た錆なところもあるけど、彼に関わると大体ひどい目にあっている気がする。…アイツに愚痴りに行こう。
彼と約束した毎週水曜日の病院限定のレンタル彼女。それまではいつも通りだった。
今日は彼の友達と偶然会ってしまった。彼は見栄を張って彼女だと紹介してしまった。私から告白したと嘘をついて。私がレンタル彼女だって事忘れてるのかしら。ムカつく。
その後、流れで飲み会に付き合うことに。私未成年だからお酒飲めないんだけど。この時点で既に大幅に時間超過してる。
さらに彼の元カノがいてめっちゃ気まずい雰囲気に。二人きりで下の質問までされるし。レンタル彼女なんだから。そんな事は絶対にありえない。彼は過去の話を持ち出されて落ち込んでた。
誰にだって話されたくない過去の一つや二つあるはずだ。こんな場所で軽薄に語る彼女につい怒鳴って帰ってしまった。彼は元カノとヨリを戻すチャンスなはずだったけど、結局ダメだったみたい。
透は苦笑しながら、うなずくだけだった。ただの愚痴だったけど、近くに話を聞いてくれる存在がいる、それだけでとてもありがたかった。
実は今日、透には言ってない話がある。それは木ノ下和也に謝られたこと。
彼は言っていた。
『くだらない未練を引きずって、口ばかり前向きで、無関係な人に迷惑をかけて』と。
私は否定した。私も同じだったから。その未練はくだらなくなんてない。簡単に忘れられない大切な事なんだと。だから私は元カノにあれほど怒ってしまった。
物事の忘れ方には3種類ある。
時が風化させてくれる場合と、新しい大切が塗りつぶす場合、
そしてもう一つは藻掻き苦しみ、みっともない姿でも正面からぶつかり乗り越えること。
…この先、彼が困ったらちょっとだけ相談相手になってあげても良いかな。
私が大方愚痴り終わった後、透は言った。
「ちづるが日常を楽しんでいるようで何より。やっぱり和也って人と一度話をしてみたいね。」
彼は何故かご機嫌だった。さっき作ってあげたカレーライスがお気に召したのかもしれない。
…ただ何か心を見透かされているようで気に入らないわね。
今回も何とか1000字行った・・・
日に日に増えてくPV数とお気に入りの数に戦々恐々としております。プレッシャー。
感想くれると作者が喜んで書き溜めが増えてこの物語が毎日更新できるかもしれません。
気を付けていますが、どこかで致命的な矛盾を生じさせそうでとても怖い…
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