面倒なのは嫌なのでチープな企業とも提携したいと思ったらファイナルな出来になりました。   作:(=^・ω・^=)ニャ-

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ファイナルその前に。

 

(ついにログインか…正直楽しみでしょうがないな)

 

 醒井智則は、注文していたゲーム、『New World Online』のハードとソフトを目の前に、いよいよ初のログインをしようとしていた。

 

(今までVRMMOは何個かあったけど、これはかなり期待できるぞ。

 なにせNWOはいろんな大企業と提携して作ってんだもんな)

 

 そう、なんといってもこのNWO、ボリュームがこれまでのVRMMOと段違いなのだ。今まで以上に広大な世界に、情報公開時は世界中が、世界初のVRMMO発表の時以来の大歓喜に包まれたのである。

 当然、それだけのボリュームとなると、大企業といえど一つの会社で管理はおろか製作にすらかなりの年月、手間がかかってしまう。

 そこで行われたのが、複数の大手ゲーム会社との提携であった。そして提携のための準備等にかなり力を注ぎ、遂にゲームといえば真っ先に名の挙がるような企業との提携を実現させたのだった。

 

(見たことある会社の名前が並んでたもんな。全然知らない名前もあったけど。アメリカとか韓国とか、外国の企業もあったな。まあ、VRMMO作るのに提携するのはゲーム会社だけじゃないだろうしな)

 

 彼の予想通り、確かにゲーム会社以外との提携もしていた。

 

「よし、ログインするぞ‼︎‼︎‼︎」

 

 だが、彼は知らない。その知らない会社の中に、チープな会社の名前が多く並んでいることを。

 彼は知らない。その“韓国の企業”によって自分に大きな影響が与えられることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話は、時を遡り、とある会社内にて、

 

 

 

(なんでよ! なんなのよ!)

 

 部屋に一人、苛立つ初老の女性の姿が。

 

(なんでアタシがこんな目に遭わなきゃいけないのよ!)

 

 その部屋には、椅子とデスク、その上には女性の名前が。部屋の様子から、女性のそれなりの身分が想像できる。

 

(なにが『この件は君に任せる。君の優秀さは知っているからね、君ならばやり遂げてくれると信じているよ』よ! あんのハゲチリオヤジが! もっと多くの企業と提携しないと壮大なボリュームを作成しきれないし、既にここまでの作成過程と大手企業との提携関係で莫大なコストはかかってるし、ああもう! どうしたらいいのよ!)

 

 そう、彼女は上司に面倒な仕事を丸投げされていた。それも、只今絶賛世間の注目の渦中にあるVRMMORPG 『New World Online』の企業との提携に関するものである。

 

(だからといってチープな企業と提携したらクオリティもチープになって…いや、ちょっと待って、幸いうちの社員たちは優秀よ。相手がチープな企業でも、うちの社員たちがうまいこと連携してくれればいいのよ! これよ!)

 

 そして、彼女は選択を誤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「安金ゲームズ担当箇所、点検、修正終わりました!」

「! よし! ギリギリだけどどうにか間に合ったか! 案外どうにかなるもんなんだな」

「まあ、二度とやりませんけどね」

「ああ、俺たちの負担が大きすぎる」

「ほんまそれ」

 

 彼らは、『New World Online』開発、運営担当の者たち。

 

「まったく、なにが『コストを考えると他に方法は無いわ。優秀なあなた達がうまく連携すればどうにかなる。あなたたちが我が社の命運を握ってるのよ、心して励みなさい。任せたわ!』だ! 部下にムチャぶりして丸投げしただけじゃねぇか!」

「ほんと、もし『現にできたからムチャぶりじゃない』とか言われたら心折れますね」

 

 彼らはどうにかチープな企業との連携をしているところだった。

 そして、彼らの言葉通り、それは負担が大きすぎた。なにせ、チープな会社相手だと、教えることも多い、修正することも多い。

 また、大企業での当たり前がチープな会社では当たり前じゃなかったりして、あとで認識の違いによるズレに気づいて面倒な事になる等、面倒が多いのである。

 

「で、あと何社だ?」

「ああ、あと一社ですね」

「…ちなみにその会社というのは?」

「……奴らです」

「…………ああああ!! またあいつらかよー!!!! もうやだよ! なんなのあいつら! 情報共有もまともにできないし! あいつらなぜかこっちのサーバー上で作業しないからなんか進捗状況こっちから覗けないし! 仕事はトップクラスに遅いし! その上全然ダメだし!」

 

 因みに、彼らのいう『あいつら』というのは、チープな企業の中に並ぶアルファベットの『H』から始まる韓国の企業のことである。

 

「はぁ…まあ言うてもあと数日余裕あるし、ゆっくり安心して進められるし、間に合うだろ」

「そうですね…」

 

 因みに本来、期限が残りあと数日の際に『余裕』などと言う言葉は出ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあもうあと3日なんだが? あいつらはなにやってるわけ?」

「なんか嫌な予感がする」

 

 

 

 

 

「あと2日だぞ! このままじゃサービス開始しちまうぞ!」

「上も一応余裕持って見積もったはずなんですけどねえ!」

「もういい連絡とれ!」

「さっきしたけどまだって言われました!」

「くそが!!!!」

 

 

 

 

 

「もう俺らで間に合わせるしかないですよ!」

「ゲーム開発は死ぬ気でやっていい仕事じゃねぇんだよ!!!!」

「おい! こんなのもう間に合わねぇぞ!」

「点検と修正する時間なくね」

「もういいこのまま組み込むぞ! 俺たちは悪くぬうぇ!」

「ぬうぇ!」

「「「ぬうぇ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずはPネームか…」

 

(結局考えられてなかったな。今までやってきたMMOの名前も、どうもしっくりこなかったし、なんか無いかな…

 そういや今までのMMOといえば、『世界初のVRMMO』買えなかった時、難しいのはわかってたけど、思いの外落ち込みが大きかったな。まあ、それだけ楽しみだったしな。でも今思うとあれは幸運だったな。ニュース見たときのショックはデカかった。まさかあんな映画みたいな事件になるなんて。自分がああなってたかもしれないと思うといまでも恐ろしい。『リンクスタート』しなくてよかったな…

 ん⁇⁇⁇⁇)

 

「リンク……スタート…⁇⁇⁇⁇ リンク…」

 

(『リンク』……なんか、これだけなら良い言葉に感じるというか、しっくりくる。

 それじゃあ…)

 

「『リンク』っと、次は初期装備か」

 

(やっぱり剣と魔法のRPGしたいから…)

 

「ここは片手剣一択だよなぁ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

 

(お、次はMMO定番のステ振りか、剣と魔法使いたいから、MP STR INTだけに振る…⁇⁇⁇ いや、バカだろ。ここはバランスよく満遍なく、HP とMPはあるから今はいいや)

 

 

 

 

リンク

Lv1

HP 35/35

MP 20/20

 

【STR 20〈+15〉】

【VIT 20】

【AGI 20】

【DEX 20】

【INT 20】

 

装備

頭 【空欄】

体 【空欄】

右手 【初心者の剣】

左手 【空欄】

足 【空欄】

靴 【空欄】

装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

なし

 

 

 

 

 

(次は容姿か。身長や体の形状、顔はそのままだな。今までの経験からして、身体や顔の形が違うとなんか気持ち悪いし、現実と同じ方が動かしやすい。

 あとは……白髪ってかっこいいよね‼︎‼︎‼︎ かっこよくない? ってわけで、それじゃ…)

 

「よし‼︎‼︎‼︎ ログインや‼︎‼︎‼︎‼︎」

 

 

 

彼は知らない。これから自分に降り注ぐ数々の苦難を。

 

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