――1992年12月 大広場『決闘場』
ハリーは杖を片手に、大広間を改造した決闘場で他の生徒と同じように決闘場に立つ先生を見ていた。いつもは4つの寮のために大きな長テーブルがある大広間だが、今はそのテーブルは取り払われ、大きな決闘用のスペースがあった。生徒たちは円形に集まり、ロックハートは周囲を見て満足げにうなずいた。決闘場の周りにはフリットウィックやマクゴナガルなど、実力のある先生が憮然とした表情で立っていた。
「皆さん! 私の声はよく聞こえますか? 私の姿はよく、見えますか? ――よろしい」
ロックハートはゆっくりと円形に歩きながら、生徒たちにわかりやすく説明を始める。
「最近何かと物騒なのでね、校長先生に言って『決闘クラブ』を開催することにしました。みなさんに授業では取り扱えない実戦的な戦闘法を、お伝えします。では、さっそく」
ロックハートは芝居がかった様子で手を挙げた。生徒たちの山を割って、黒ローブの男が出てくる。
「助手の先生を紹介します。スネイプ先生です。彼は少し決闘の心得があるようで、ご協力願いました。皆さんご心配なく! お手本で先生を吹き飛ばしたりはしませんよ。手合わせのあともちゃんと、魔法薬の先生は生きています」
ハリーはそんなくだらないことを言っている暇があったら自分の命の心配をしたらどうだろうか、と呆然と思った。なにせ助手だと紹介されたスネイプの顔は不機嫌を通り越して殺意を宿している。もしかして決闘って死の呪文を撃ち合うものなのだろうか、とハリーは怖くなる。今のスネイプの顔を見る限り、やりかねない。もしハリーならあんな顔のスネイプに杖を向けられたら回れ右して全速力で逃げるけれど。
「さて、決闘の作法をお伝えします。大事なのは礼節です」
ロックハートはスネイプと向き合い、杖を顔の正面に掲げる。ひゅ、と杖を振って体側につけると、深く一礼した。
「お辞儀は大切です。これから打ち倒す相手に対する礼儀と敬意を忘れてはなりません」
頭を上げると、二人は振り返って、5歩、ゆっくりと一歩一歩数えるように歩いた。もう一度二人は振り返って相対すると、杖をお互いに構える。
「数を三つ数えて、決闘開始です。
1
2
3」
数え終わったことを確認したスネイプは即座に攻撃に移った。
「『エクスペリアームズ――武器よ去れ!』」
下級生にも分かりやすいようゆっくりと放たれた武装解除呪文をロックハートは全く反応できず、もろに食らって吹っ飛ばされる。本来ならただ武器、つまり杖を取り上げるだけの呪文だが、スネイプの殺意と過剰に込められた魔力が恐るべき効果を生み出した。
「大丈夫かしら」
「知るかよあんな奴!」
女子が心配して、男子が吐き捨てる。そんな光景がそこかしこで起きる。ハーマイオニーは無言だった。
「あ、はあ……」
ロックハートはゆっくりと上体を起こし、呆然とそばに落ちている杖を拾い、立ち上がる。
「す、素晴らしい呪文でした! 皆さん、見ましたね。あれこそが『武装解除呪文』! あの術を選択したのはさすがはスネイプ先生。しかし、あまりにも見え透いていました。
スネイプはいまだに杖を下ろそうとはしない。彼の顔は殺意に満ち満ちていた。もしこれ以上ロックハートが何か一言でも余計なことを口にすれば、『アバダ』から始まる呪文を唱えかねない。
「……も、模範演技はこれで十分です。では! 生徒の皆さんにも実践していただきましょう。皆、二人一組になって! 先生方、監督をお願いします」
各教員は、生徒たちを二人一組にさせる。
「……私、一人だ」
ぽつん、と所在なさげにトゲトゲがついたチョーカーを付けた女子生徒が杖をぷらぷらさせながら言った。
「一人か」
カサンドラが周囲を見ながら言った。みんな二人一組を作り終わっており、空いている生徒はなかなか見つからない。
「私が相手しよう。私はカサンドラ。お前は?」
カサンドラは槍を引き抜いて答える。
「ルーナ・ラブグッド。……それ、知ってる」
「ほう?」
「『レオニダスの槍』だ」
カサンドラはピクリとわずかに眉を動かす。
「パパが言ってた。昔の英雄が使ってる武器はみんなすごいって。私、絶対負ける」
「気にするな。私は反撃しない。好きに撃ってこい」
ルーナは頷くと、ぎこちなく杖を構えた。
「いいか、敵から視線を逸らすな。体にも気を配れ。強い戦士は大地を踏みしめる。そう、そうだ。姿勢を低くして、どんな状況になっても反応できるように備えるんだ」
こく、こくとルーナは頷いた。
「よし、三つ数えたら武装解除呪文だ」
「うん」
「1、2、3!」
ルーナはまるでガンマンのように素早い動作で杖を振った。
「エクスペリーアムズ! ……あれ」
ただ、やはり初見の魔法を成功させるのは難しいのか、魔法は成功しなかった。
「まあ、そういうこともあるだろう。気にするな」
カサンドラは周囲を見る。戦場と化していた。
「まったく……」
笑い続けているマルフォイと、踊り続けるハリー。まだ魔法をかけあったというならマシな方で、酷いペアなると殴り合いの決闘をしているところもある。
「皆さん! 武装解除呪文といったのに! ああ、もう!」
「仕方のない」
スネイプはため息をつきつつ、周囲が見えるところに移動すると、杖を振り上げた。
「『フィニート・インカンターテム! ――呪文よ、終われ!』」
スネイプが呪文を唱えると、周囲全体の魔法は全て効果が終わった。マルフォイも笑うのをやめたし、ハリーも踊るのをやめた。
だが、物理的な決闘をしていたペアには効果がなかった。ハーマイオニーとスリザリンのミリセント・ブルストロードなんかは、ミリセントがハーマイオニーにヘッドロックをかけていた。ハーマイオニーはミリセントの腕をタップしているが、聞く気はないらしい。魔法使いの象徴たる杖は二人のそばに無造作に落ちている。カサンドラは二人のそばに行くと、ミリセントをハーマイオニーから引き離す。
「ずいぶんマグル的な決闘だな」
「あー……。その、夢中で」
ブルドックみたいな顔をしょんぼりとさせてミリセントは言った。悪気はなかったらしい。
「ハーマイオニーも怪我はないか?」
カサンドラが手を出すと、ハーマイオニーは手をつかんで立ち上がった。
「ありがとう、カサンドラ。……私、ちょっと鍛えて思いあがってたかも。ミリセント、ありがとう」
「お礼を言うなんて、変な女ね」
ハーマイオニーはミリセントに手を差し出した。不審そうに思いながら、ミリセントはハーマイオニーに握手で答えた。
「でも、次は負けない」
「……私だって、負ける気はないわ」
何やら男子的な友情を育んでいるようで何より。カサンドラは周囲を見回す。もうあらかた生徒たちは先生方に制圧された後で、まだ決闘をしている組みはもうなかった。
「……その、防御的な呪文の伝授から始めたほうがよさそうですね」
ちらり、とロックハートは面食らったままスネイプのほうをちらりと見た。スネイプは顔を背けた。
「あー。では、最後に、モデルとして……そうですね、ロングボトム、それからロン・ウィーズリー、どうですか」
「ロックハート先生、それはいけない」
スネイプは憮然と言った。スネイプの視線はハリーとマルフォイを行き来していた。
「ロングボトムは残念ながら術の制御が上手ではありませんし……ウィーズリーの杖では簡単な呪文でも重大な事故を起こしかねない。吾輩、ロングボトムの四肢を箱に詰めて医務室に駆け込むような真似はしたくありませんのでな。
――ここは、ポッターとウチの、マルフォイでいかがかな?」
ロックハートは破顔した。
「それは素晴らしい! では二人とも、こっちへ!」
さっきまで呪文を掛け合っていた二人は、挑発的な笑みをお互いに向け合ってロックハートの元へ歩き出す。生徒の山が割れ、二人はまっすぐに部屋の中央にたどり着いた。
「さて、よいですか、1、2、3で武装解除呪文です」
ハリーの視界の端では、スネイプがマルフォイに何かを言っている。ロックハートはハリーにささやく。
「気を付けるんだ」
「……はい」
「武運を祈るよ」
ハリーは頷き、中央に立つ。手を伸ばせば届く位置に、マルフォイが立った。
「怖いか、ポッター」
「そっちこそ」
二人はぺこりと一礼すると、踵を返してゆっくりと歩く。警戒しながら、5歩。
「いいですか、二人とも。武器を取り上げるだけですよ」
ロックハートの言葉を二人はほとんど聞いていなかった。
「1、2、3」
ロックハートが宣言すると、マルフォイが動いた。
「『サーペンソーティア! ――蛇よ来たれ!』」
マルフォイの杖の先から一匹の蛇が出てきて、ハリーのすぐ前まで来ていた。
「どれ、ミスターポッター。吾輩が追い払ってやろう……」
スネイプが杖を構えながら歩く。それを、ロックハートが止めた。
「いえ! お任せを」
ロックハートは自信満々に杖を振り上げ、呪文を蛇に放つ。蛇は宙高く跳ね上げられ、全くの無傷で元の位置に着地した。ただ怒らせただけだった。
「……全く効いてないじゃないか」
ハリーは呆れかえった。じっと、ハリーは蛇のつぶらな瞳を見る。彼も可哀そうだ。殺すのも忍びないのではないか? そう思ったハリーは、彼を穏便に大人しくするよう、説得を試みる。
『――大人しくして。お願い』
ハリーの言葉を聞いた蛇は、途端に大人しくなった。
『さあ、元居たところに戻ろう? 驚かせちゃだめだから、ゆっくりね』
蛇はゆっくりと鎌首をもたげ、少しづつ移動する。ジャスティンの方へと向かっていく。
『噛んじゃダメだよ』
しゅるしゅると同意するように舌を出し入れする。蛇はジャスティンの前で止まるときょろきょろとし始める。たくさんの足があってどう通ろうかと迷っているらしい。
『……うん、僕も一緒に行くよ』
ハリーが一緒に部屋を出ようとしたとき、カサンドラの鋭い声が飛んだ。
「全員動くな!」
え、とハリーが声をした方を見ると、剣を持ったカサンドラが蛇のほうへと踏み込んで、剣を振り上げていた。一瞬あとに、ひゅおん、と音がして。蛇の首はあまりにもあっさりと、切り落とされていた。
「『ヴィペラ・イヴァネスカ――蛇よ消えよ』」
蛇の頭が床に落ちる前に、スネイプの魔法が飛んできて蛇に当たり、切り落とされた頭ごと黒焦げになって、やがて灰となってさらさらと消えてしまった。
「あ……カサンドラ、どうして?」
「ど、どうしてもこうしても」
珍しく困惑した表情のカサンドラを見て、ハリーはさすがに異変に気付く。周囲を見回すと、ハリーは自分を見る視線が全て化け物を見るような目に代わっていることに気づいた。
「……僕は」
「ハリー」
その時、ジャスティンの冷たい声が聞こえた。
「これは、いったい何の冗談だ」
「冗談って、僕はただ」
「ハリー!」
ロンとハーマイオニーがハリーのそばにやってきて、その腕をつかんだ。
「ロン? ハーマイオニー?」
いいから! と叫ぶロンに連れられて、ハリーは決闘クラブの部屋から飛び出した。カサンドラはその背を見送ると、スネイプに聞く。
「蛇と話すのはそんなにヤバいのか? まあ、ジャスティンにけしかけたのはよくなかったが」
「カサンドラ。有名な『
カサンドラは苦い顔をした。
「なるほどな。そりゃまずい」
「まずいで済めば、よいのだがな」
トラブル体質にもほどがある。カサンドラはため息をついた。
――
ハリーは何がなんだかわからなかった。穏便に蛇を返そうとしただけなのに、物凄い目で見られたし、決闘場から出るのにもまるで危険人物からよけるようにぐわりと人の山が勢いよく割れた。ハリーに触れるだけで病気か何かをうつされて死ぬんじゃないかとみんなが思っているんじゃないかと勘繰ってしまうほどだ。ロンはハリーを談話室まで引っ張り込むまで一言もしゃべらなかった。談話室に戻ったロンは、周囲に誰もいないか、聞き耳を立てていないかを念入りに確認してから、ハリーに詰め寄った。
「君! パーセルマウスだったなんてどうして言ってくれなかったんだ!」
「ぱ、パー、何って?」
ハリーがオウム返しに聞くと、ハーマイオニーが恐る恐るいう。
「本で読んだわ……蛇語使いよね」
「それが、どうしたんだ? だってそうでしょ、
「いないんだ」
ロンの言葉に、ハリーは顔を一気に青ざめる。
「それに……今蛇語使いだってばれるのはすごく、すごくまずい」
「どうして……」
「スリザリンの血統が、パーセルマウスなんだ」
ハリーはめまいがした。このまま倒れてしまいたかった。
「そんな。でも、僕は悪いことなんてしてない。だって、あの蛇にだって誰も傷つけずに一緒にホグワーツの外に出してあげるって、そう言っただけなんだ」
「へえ、そんなこと言ってたとは思わなかった」
ハリーはむっとした。
「どういうこと?」
「ハリー、私には、ハリーがジャスティンに蛇をけしかけているようにしか見えなかったわ」
「……うそでしょ」
ハリーは呆然とした。
「ほ、本当なんだ、信じて。僕はジャスティンを殺そうなんてしてない。殺されそうな蛇が可哀そうになって、それで」
「僕は信じるよ、もちろんさ。……でも他の奴らはどう思うかな。きっと君のこと、スリザリンの遠い末裔だなんだって言い出すに決まってる」
「そんなことあるわけが……」
ハリーは一瞬固まる。思い出したのだ。自分が組み分けの時、グリフィンドールかスリザリンかを、いや、スリザリンのほうが上手くやっていけると、スリザリンに入るべきだと、組み分け帽子はそう言った。もしその原因が、自分に流れる血にあるのだとしたら?
「……そうだよ、あるわけ、ないよ」
「証明は難しいわ。だってカサンドラだって、自分の子孫が誰か知らないのよ? 家系図ひっくり返したって、確たる証拠とは言えないわ」
絶望したような表情でハーマイオニーが言った。
「……そんな」
ハリーはかぶりを振ると、ロンとハーマイオニーを押しのけて自分の部屋に戻った。
それから就寝時間になっても、ルームメイトは部屋に戻ってこなかった。どうやら、別の部屋に外泊することにしたらしい。
――ハリーは何時間も眠れなかった。だってそうだろう。自分はグリフィンドール生だ。スリザリンじゃない。なのにどうして、自分は蛇語を話せるのだろう。
もしかして、本当に? ハリーは悩む。だってハリーは半純血だ。スリザリンの継承者だというなら、純血魔法使いじゃないと話が通らないじゃないか。そうだ、自分がスリザリンの子孫のはずがない。はずがないんだ。
ハリーは首を振る。
明日、ジャスティンに会ったら事情を説明しよう。蛇をけしかけたわけじゃないんだって説明する。ハリー・ポッターは英雄だ。その英雄の言葉ならきっと、絶対に聞いてもらえるはずだ。『有名学』の授業の中でロックハートから教わった手練手管を使えば――本当に癪だけど――少なくともにべもなく袖にされることはないはず。ハリーは無理やりそう自分を納得させるしかなかった。
――
ハリーは鬱々とした気持ちで廊下を歩く。会う生徒会う生徒がまるで危険人物を見るかのような目でハリーを見て、どんな上級生でも大げさに道を譲るのだ。廊下の端を歩いていると申し訳ない気持ちになるので、ハリーは廊下の中央を歩かざるを得なかった。それがさらに悪の帝王っぽく見えるらしく、畏怖の視線は強まる一方だ。授業で自分の席の周りがまるまる空いていたりしたら立ち直れないかもしれないので、ハリーはその日一日の授業を全てサボることに決めた。先生も文句を言ってきたりしないだろう。
「……でさ」
自習しようと図書室にたどり着いたハリーは、図書室の奥で固まって話しているハッフルパフ生がいるのが見えた。ジャスティンの居場所をしっているかもしれない。話しかけようとしたハリーだったが、彼らが話している内容を聞いて、本棚の脇に隠れて耳を澄ませる。
「僕はね、ジャスティンに言ったんだ。絶対、部屋に隠れているべきだって。次の標的は間違いなくジャスティンだ。僕は知ってるんだ。ジャスティンのヤツ、不用意にハリーに自分がマグル生まれ……つまり、本当はホグワーツじゃない学校に通う予定だったって言っちゃったんだ。恐ろしいよ。だって去年、大体の生徒がハリーに家庭がマグル生まれか純血か、話してる。もうマグル生まれは逃げられないよ」
「でも」
嫌疑的な女子生徒が言った。
「おかしいわよ。だって、ハリーはマグル生まれのハーマイオニーと仲がいいし、マグルのカサンドラとも仲がいいわ。それに、純血主義の継承者なら、去年例のあの人の企みを阻止したりしないわ」
「何言ってるんだ。帝王は国にただ一人。例のあの人が復活したら、もう一人の『闇の帝王』は帝王になれない。だろう? 悍ましい権力争いだったんだよ、去年の出来事は」
「でも、それにしては……ポッターはそうは見えないわ」
「クィレルだってそうは見えなかっただろう?」
よく考えろよ、と男子生徒は言った。
「最初はフィルチの猫だ。僕見たよ。その数日前、フィルチに廊下を汚したからって事務室に連れていかれたことを。それが気に障ったんだろうさ。その次はコリン・クリービーだ。あのカメラ小僧にハリーが嫌な顔してたのなんて、みんな知ってる。だから狙われた」
「じゃあ、ジャスティンは?」
男子生徒は肩をすくめた。
「『私怨』はやめて、継承者として仕事をしようとしてるんだろうさ。きっと他にも力を隠してるぞ。それに――」
ハリーは限界だった。ハリーは本棚から出て、二人に話しかけた。
「あの」
「――っ! な、何かな、ハリー」
噂話をしていた二人はさーっと顔を青ざめさせる。今すぐにでも殺されるって、そんなことを考えているような表情だ。
「僕、ジャスティンを探してるんだけど……」
男子生徒はごくりと息をのむと、毅然と言った。
「ぼ、僕が友達を売るとは思わないことだ。確かに僕は、その、9代遡っても純血だと堂々と言えるほどの純血魔法使いだ。このホグワーツを見回しても僕ほどの純血は」
「君が、どれほど純血だってかまわないよ。僕はジャスティンを襲おうと思ってるわけじゃない。あのときのことを説明したいだけなんだ」
「何を説明するんだ? 僕だけじゃない、みんな見てた。それが事実だ」
「僕は蛇を穏便に返そうとしてただけだ」
「もう少しで、ジャスティンはヤバかった」
「蛇は口を開けることすらしなかった!」
「マグルを憎む君のいう事を信じられない!」
ハリーは言葉を詰まらせる。
「どういうこと?」
「し、知ってるよ。君は自分の家にいるマグルを殺したいほど憎んでるって」
「ダーズリーと一緒に暮らして、あいつらを憎まない魔法使いがいるもんか! それに、マグルを憎んでたらカサンドラと仲良くするわけないでしょ?」
「カサンドラは普通のマグルじゃない。僕が純血だからって、何もしらないと思っているのか? マグルは、クィディッチの尖塔から飛び降りて無傷でいられるはずがないんだ」
「その、それは」
ハリーは何も言えない。ハリーだってカサンドラがなんであんなに強かったり不思議なことができるのかさっぱりわからないのだ。
「……少なくとも、僕がジャスティンの居場所を話すことはない。どのハッフルパフ生に聞いてもだ!」
「わかったよ! もういい!」
ハリーは怒鳴るように叫ぶと、踵を返して図書室から出て行った。
ハリーの蛇語は少し原作と変えてあります。理由としましては原作ハリーは意図的に蛇語を使っているという描写がなく、普段と同じように話したら蛇語になっていたという表現だったので、蛇相手にも普段通りに話すんじゃないかな、と思ったからです。
国に帝王は一人と言いますが、国王が二名体制の国が古代ギリシャにあったみたいですよ。スパルタっていうんですけど
闇堕ちハリーとヴォルデモートの二王制魔法界も見てみたくはあります