傭兵とヤンデレ少女   作:スフィラ

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 やぁスフィラだよ

そんなわけで第二話です


第二話

胸に頬を擦り付けている少女に目を向ける

たまに顔を押し付け大きく息を吸い込み、その度に尻尾をちぎれんばかりに振る少女を見て、疑問がさらに加速する

 

(コイツ今なんて言った?運命の人?殺そうとした相手が?は?)

 

頭が痛くなりソファーに倒れるように座る

ちなみにアッシュに女性経験はなく童貞である

 

と思っているのはアッシュだけ、詳しい話はまた今度

 

「大丈夫かい?」

 

少女が不安そうにアッシュの顔を覗く

前髪が目にかかるほど伸びているが気にする様子はない

 

「…いや、なんで殺そうとした相手を運命の人って呼ぶのかわからんくてな…」

 

すると少女は笑顔になり

 

「そりゃ僕を負かしたからさ。」

 

「ますます意味がわからん。」

 

「僕の種族には最初に自分を倒した人がが運命の人って言い伝えがあるからね

 

アッシュはソファーの背もたれに深くもたれかかり、天を仰いだ

しかし目に映るのは、真っ白な天井だけだった

 

「…お前これからどうすんだ?」

 

「もちろん君のお嫁さんになるだけさ。」

 

「あそ…」

 

再び少女に目を向ける

変わらず胸に顔を埋める少女を見てアッシュはつい一時間前までの緊張感はどこに行ったのかと思った

とりあえず敵意はもう無いらしい

 

「さて早速だけど寝室に行こうか。」

 

「なんでだ。」

 

「子作りのためにきまっ…」

 

「ふざけんな。」

 

体の上の少女を押し除け風呂へ向かう

アッシュはホモでもなければ枯れてもいない

小学生高学年ぐらいの少女と禁忌を犯すことをアッシュの理性が拒んでいた

 

脱衣所に入り服を脱ぐとそれからかなり強い獣臭が漂ってくる

 

「アイツの匂いか…おい!お前後で風呂入れよ!」

 

とりあえずソファーのカバーは洗濯確定がしたところで風呂場の戸を開けて入る

 

「だぁ〜なんなんだよアイツ…」

 

蛇口をひねりシャワーを出す

冷水が温まるまで待っていると隣から扉を開け閉めする音が聞こえてきた

まさかと思い目を向けると

 

「やぁお待たせ。」

 

すかさず冷水が流れ続けているシャワーを手に取り少女に浴びせた

 

「ひゃあっ、なにを…あっ…はふぅ…」

 

「チッあったまってきたか。」

 

温度を一気に最高まであげる

 

「ふぅ〜うっ!あっ熱!」

 

「何しに来たんだよ。」

 

逃げ回る少女に熱湯を浴びせ続けながら聞く

 

「君とお風呂に入りたいから…熱ぃ!。」

 

「知らん、出ていけ。」

 

ずっと浴びせていると熱さに慣れ少女は逃げなくなり、アッシュに文句を言い始めた

 

「もう!びっくりしたじゃないか。」

 

そうアッシュを不満のこもった目で見つめる少女の肌は所々真っ赤になっている

 

「背骨折れても治るんだから、それくらいどうってことないだろ。」

 

「そもそも!なんで一緒に入るのを嫌がるのさ!僕も君も裸どうしじゃないか!」

 

その言葉でアッシュは気づいた

自分は一糸纏わぬ状態だということを

そしてその姿で少女に向かって仁王立ちしていることに

 

「さっきは熱さで気づかなかったけど、それ僕に入るかな…裂けちゃいそう♡」

 

「…」

 

見られてしまったものはしょうがないし、後で入れという勘違いしてもおかしくない指示を出したのは自分だ、目の前で顔を赤くして身体をくねらせている少女をさっさと洗せて風呂場から叩き出せばいいと、アッシュは考えた

 

「わかった、体洗ったら出てけよ。」

 

「洗って?」

 

「は?」

 

「洗ってよ、僕どうすれば分からないし。」

 

アッシュは頭を抱えた

世に言うロリコンと呼ばれる者たちならこの状況は拳を突き上げて立ったまま死んでも悔いは無い程であろう

しかしアッシュはロリコンではない

そう、ロリコンではないのだ、自分はなにを悩んでいるんだ

目の前の生物を洗えばいいだけ、洗うのが自分の体が目の前の生物に変わっただけだなにも問題はない

そんな謎の理論を立てたアッシュは少女を膝の上に乗せると男物シャンプーで、少女の髪を洗い始めた

 

髪はすぐに汚れで泡が黒くなるとは思えないほど白くさらさらしており触っていて心地がいい

ただ汚れが本当に凄まじいので一回流して再び洗い始めるそれを何回か繰り返してやっと泡が大きく泡立つようにまで綺麗になった

問題が起きたのは狼のような獣耳を洗おうとした時だった

 

「んあぁっ!」

 

耳に触れた瞬間、少女から嬌声があがる

 

「…おい。」

 

「耳は、だめぇ…弱いからぁ…」

 

たった一度触れただけで少女は蕩けた顔になった

 

「じゃあ自分で洗えよ。」

 

「むりぃ…からだにちからが入らないよぉ…」

 

漫画や小説でケモ耳キャラは耳や尻尾が弱点と描かれることは多かった、しかしここまでの破壊力だとは予想できなかった

 

しかし洗わなければならない、耳は汚いだろうから穴の中まで念入りにやらなければならない

 

「耐えろ…」

 

「えっ?ちょっと心の準備がっ!んぁぁぁぁあああああ!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ザーッ

 

「はーっ♡はーっ♡」

 

「…」

 

力が抜け、完全にアッシュに身体を預けている状態の少女の頭を流す

流し切ったあとは洗顔を泡立て少女の顔を洗う

 

「わぷっ!?うえぇぇ…」

 

泡が口に入った少女を気にかけずタオルで顔を力強く洗う

終わった頃にはタオルの一面は垢で茶色くなっていた

 

「うぅ…まだ口の中に残ってるよ…」

 

「あっそう。」

 

新しいタオルを取ってボディソープをつける

十分に泡立てたら少女の首から洗い始める

髪と同じようにすぐに汚くなるので何回かタオルを替えて洗う

 

「ねぇ…」

 

「なんだ?」

 

「おっぱいとお股はなんで洗わないんだい?」

 

恥じらいもせず少女はアッシュに聞いてきた

その顔には悪戯っぽく小さな笑みを浮かべている

少女がからかっていることに気づいたアッシュは少女の股にタオルを通して思いきり上に引っ張った

 

「痛あっ!!?」

 

そして引き上げたまま擦り始める

 

「いたっ!痛いよ!うぁああ!!」

 

「うるせー洗えと言ったのはお前だ。」

 

 

しばらく続けたあと涙を流す少女を見て、やりすぎたと思い、最後に力を入れて擦ったあとタオルを引き抜く

 

「うぅ…ズキズキするよぉ…」

 

股を押さえる少女の両脇にタオルを通して脇と同時に胸を洗ったあと、泡を流した

 

「どうだ?」

 

「ありがとうスッキリしたよ。」

 

まだ痛いのか涙目になりながら股を押さえている

 

「嫌いになったか?」

 

「いや?全く。」

 

「ドMかよ…まぁいいやさっさと出てけ。」

 

「うん。」

 

意外にもあっさり言うことを聞いたことに驚きつつも、アッシュは自分の身体を洗い始めた

 

「あっ僕も君のこと洗ってあげるよ。」

 

「いらん、出てけ。」

 

そのあとは少女の攻撃を躱し、風呂を済ませたあと、アッシュの手料理を食べ、2人でテレビを見ていた

 

「なぁ。」

 

「なんだい?」

 

「お前なんでこんなくっついてるんだ、暑くないのか。」

 

風呂から上がってからというものずっと抱きついてきており、抱きつかれているアッシュの左腕には汗が滲み始めていた

 

「暑くないよ、ただ…」

 

「あ?」

 

「ただ…今までずっと寂しかったから…」

 

「…だったらなんであんなとこにいたんだ。」

 

「…それはね…」

 

少女が話した内容はこうだった

元々この世界ではないどこかの山の中の村で暮らしていたが、なにかの拍子にこの世界に飛ばされた

行くあてがあるわけ無いので、山の中で動物を狩って暮らしていたという

 

そんな嘘のような話だが目の前でぴょこぴょこ動いている獣耳を見ると信じざるを得ない

 

「元の世界に帰る方法とか探さなかったのか。」

 

指摘すると少女の顔が曇った

 

「探す方法がないし、戻ったところでお母さんもお父さんもいないし僕は化け物扱いされるからね。」

 

「あの腕のせいか。」

 

「いや腕のせいじゃないよ、あれはみんなできることだから、僕が化け物扱いされたのはこの白い髪のせいだ。」

 

「白い髪ねぇ…俺は似合ってると思うがな。」

 

そう言って少女の頭を撫でると頬を赤らめた

 

「ありがとう…」

 

「そういや名前聞いてなかったな。」

 

「そうだったね、僕の名前は禊だよ、君は?」

 

「アッシュ、霧島アッシュだ、お前名字は?」

 

「そんなもの貴族しか持ってないさ、いや君のお嫁さんだから霧島禊かな。」

 

「俺はお前を嫁にはしてない、マセガキめ。」

 

「僕ガキじゃないもん、49歳だよ!」

 

「うっそだろお前!?」

 

まさかの目の前の少女は自分より20も歳をとっていた、アッシュの母が生きていたら丁度同い年である

その事実にアッシュは再び頭の中が真っ白になった

 

「えっとお前…じゃなくてあなたはこの世界に来てから何年めでしょうか?」

 

「別に敬語じゃなくていいよ、僕が12歳のときだったから37年前かな?」

 

「俺よりもこの世界にいる時間長えじゃねえか!!」

 

「てことは君は僕よりも年下?」

 

禊が首を傾げる

 

「俺は26です…」

 

「嘘!なんか老けてる人が多いと思ったら君が26なの!?」

 

「お前が異常なんだよ!」

 

「だって僕の種族の雌は不老不死だもん、正確には不死ではないけど血を全部失ったら死んじゃうから、でもそれ以外では死なないかな。」

 

「うっそだろお前!!」

 

「12歳から20歳ぐらいの間で成長が止まるんだ、僕は12歳で止まったからこんなに小さいんだ。」

 

「…ちなみに男はどうなんだよ。」

 

「だいたい300年ぐらいで寿命で死んじゃう、でも血を全部失わない限り死なないのは雌と一緒。は」

 

禊から出される衝撃の事実に頭が痛くなる

目の前にいるのは不老不死の少女

存在がバレたらとんでもないことになるだろう

 

「とりあえず、お前はもう人の前に姿を現すな。」

 

「どうしてだい?僕とアッシュの生活を邪魔する奴は僕が消してあげルカラ…」

 

目の光がなくなり、さらっと怖いことを言った禊をアッシュは諭す

 

「そんなことしてみろ、お前のことを調べたい奴らが飛んできてどんな手段を使ってもお前を手に入れようとしてくる。」

 

「そんな奴ら僕の敵じゃないよ。」

 

「お前はそうだろうな、だが俺は違う、そういう奴らからすれば俺はただの邪魔な異物だから殺される、お前と違って俺は下手すりゃ銃弾1発で死ぬからな、そうなればお前は俺と永遠にさよならだ。」

 

すると禊の顔が一気に悲壮なものになる

 

「そんな…やだよ…アッシュと離れたくない…」

 

「だったら人前に出るなよ、いいな?まぁどっちにしろ俺はそのうち戦場か老衰で死ぬがな、さて寝るか。」

 

「うん…」

 

立ち上がり寝室へ向かう

当たり前のように禊はついて来る、一緒に寝る気なのだろう

しかしアッシュはそれを拒む気にはならなかった

 

自分と同じく幼い頃に両親を失った禊に同情しているのだろうか

だとしたらとんでもなく甘くなったもんだとアッシュは思った

 

戦場では両親を失い行き場を無くしたのであろう少年兵や孤児を何人も見てきた

孤児は見て見ぬふりをし、殺そうとしてきた少年兵には容赦なく引き金を引いた

 

禊も少年兵と同じようなものだ、しかし今一緒のベットで寝横になっている、寝首を掻かれるかもしれないのにここまで心を許してしまっている

禊のド直球な好意はとても偽りとは思えなかった

 

隣で眠る禊の方へ向く

月明かりで照らされた真っ白な髪の間から真紅の瞳が輝いていた

アッシュを見つめるその瞳はあの時の殺意は篭っていなかった

 

「どうしたの?」

 

「いや、おやすみ…」

 

「うん、おやすみ、アッシュ。」

 

禊がアッシュの胸に埋まる

幼い子特有の温かさが寒い冬の夜には丁度良かった

 

 

 




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