魔術師の少女の、ブリテン旅の物語   作:斉藤さん

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出ろ。
書いたから、出てくださいっ!


キャスター:アルトリア・ペンドラゴンの召喚用触媒

 それは、ティンタジェル、キャメロット城に至るまでの合間と中途と、そして隙間の物語。

 選定の杖を授かり、災厄の獣を引き連れる一人の魔術師にして、野原を駆け回る研究者。

 純真であった頃の、アルトリアの旅の幕間。

 

 

 

 

 

 

 アルトリアは激怒していた。嘘である、激怒まではしていない。だが延々と根に持ってはいる。

 ともかく、アルトリアは腹を立てていた。何にかって?、それはあのろくでなしの師匠に対してだ。

 いきなりごめんと言って、下手しなくても世界を滅ぼせてしまうキャスパリーグを押し付けて姿を晦ました師匠にお冠なのだ。ぷんすかである。

 

 かといって、いつまで怒っていても仕方がない。旅というのは自由なようで、意外と不自由なのだ。

 天候が荒れれば足を止めねばならないし、少ない食料が尽きるまでに次の村まで着かなければならない。更に、村についても、金があっても、食料が買えるとは限らないのだ。

 交渉に交渉を重ね、相場に上乗せし、粘って粘って、或いは恩を売って。手を変え品を変えてあらゆる手段を模索する。

 そこまでして漸く次の村までの食料を買えるか、という程度なのだ。ひどい。

 

 それも当然である。何せ、この頃の村はどこも一様に余裕がない。備蓄があっても、来年の備えにしておきたいはずだ。そうそう売りたがるような人はいない。

 

 今までこういう交渉事は、師匠であるマーリンがやっていた。口が上手いし、女を乗せるのも得意な彼は、それこそ魔法のように相手の意思を口説き落とす。正直、この時の師匠が一番格好いいです。

 しかし、今はそのマーリンがいないのだ。つまり、自分で食料を調達しなければいけない。できなければそこらの恵みを頂くしかなくなる。

 だが、それもだいぶリスクがある。まず食べれる草などそうそう見分けがつかないし、ランクを落として食べても死なない草を食すのはひもじいにも程がある。かといって木の実も虫食いだらけで、まともに食べれるのは殆ど見つからない。見つかれば運が良いくらいだ。どのくらい運が良いかというと、呼符で星5を招来するくらい運が良い。

 というか時たま、此処は自分たちの狩場だ。手に入れた恵みは置いてってもらおう。などと抜かす奴らもいるのだ。本当に居るのだ。まあ、知った事ではないのだが。こっちも食わなければやっていけない。こういうところは師匠に汚染されたのだろう。初めの頃は盗みを働いたような罪悪感もあったが、今となっては逃げ切った後に師匠のように笑って恵みを頂くようになった。思えば、随分と図太くなったものだ。

 

 では魔獣はどうか? 畑を荒らす彼らを狩れば近隣の村からも感謝され、何なら食料の提供も受けれるのではないのか?

 これもあまりいい策ではない。確かに体力のある時はいい策なのだろうが、まず魔獣を狩るというのが一苦労だ。

 そして、魔獣を狩ったからと言って必ずしも近隣の村で歓迎されるわけではない。一部では報復を恐れたり、あろうことか魔獣を神聖視する村まであるのだ。そういう村に魔獣の死体を持っていくと、間違いなく死体だけ持ってかれる。最悪、村のどこかの納屋か何かに監禁されたり、或いは何かの儀式の生贄にされる。

 更に解体するのも一苦労だ。そも、アルトリアは解体が得意ではない。アルトリアは魔術師なのだ。そりゃあ剣も使えるし、肉弾戦もこなせるが、魔獣の解体は本当に苦労する。そこらのイノシシではないのだ。下手すれば自身の何倍も背丈がある魔獣を解体するには、それなりの道具が必要だ。

 

 道具だけなら投影魔術(グラデーション・エア)を使えばいい。強度が足りないと途中で砕けてしまうが、解体の役には立つ。

 ここまでして、更に血の臭いを嗅ぎつけた他の魔獣という問題まである。そんなものに襲撃されれば村などひとたまりもないし、アルトリアも連戦はきつい。というか、きりがない。

 

 仮に運良く周囲に魔獣がいなかったとして、じゃあ余った肉はどうするのか、という問題が出てくる。

 村に持っていけば抜け目のない村人に、素知らぬ顔で盗まれる。これは自身が少女のなりで、嘗められてるからである。こういう時は本当に師匠の幻術が恋しい。

 かといって村で魔獣を仕留めたり、村で解体して実力を分からせた場合でも大変さは変わらない。

 余分な肉は処分しましょうなどと言って、無料で大半の肉を持っていこうとする村長。

 大体このくらいでいかがでしょう、と人のいい顔で相場の半分以下の値を提示する、ガリガリの交渉人。

 つぶらな瞳をする子供たちを連れてくる、親たち。

 朝起きると村人たちが村一つ放棄していて、代わりに肉を全て持ち去った後を確認し、そこまでするのかと呆れたりもした。

 

 或いは、単純にしつこい粘りを見せる交渉。

 

 魔獣を討伐して疲れたアルトリアが、そんなことを好き好んでしようと思うだろうか? 否である。考えるまでもなく、否である。

 いっそのこと一部だけ切り取って、後はその場に置き去りにしてしまえばいいのではないか? 村に立ち寄らなければいいのではないのか?

 それも、駄目である。

 何故なら生肉は保存がきかないからだ。都合良く乾燥肉を作る魔術は、未だに開発できていない。時間を操るのも大変なのだ。空間を指定すると、更に大変。そもそも、魔獣を討伐したアルトリアにそんなことをする魔力は残っていない。

 

 故に、魔獣も好ましくない。

 

 

 

 

 

 ああ、おなかへったなぁ……

 

 難しいことをごちゃごちゃ考え、更に空腹が進む。

 フォーウと可愛く鳴くキャスパリーグが、何処か旨そうに見えてきた。

 あ、キュッ!? っていって逃げちゃった。

 

 ……まあ、いいか。どうせ少ししたら戻ってくるでしょう。

 そういえば、あの子。何を食べてるのでしょうか。

 餌をやった記憶はありませんが、私がやらなければいけないのでしょうか。

 

 はぁ……

 

 ごそごそと背嚢に手を突っ込み、最後の一切れの干し肉を取り出す。

 ここから次の村まで、後二日は歩かないといけない。水は両手で掬える程度しか残ってない。

 次の村まで、干し肉一切れと少しの水で過ごさないといけないのだ。

 最後に食べたのは何時だっただろうか。じーっと見つめていると、干し肉が段々と二重に見えてくる。

 

 切実に、何かを食べたかった。

 

 

 

 

 

 ……はっ! 今、私は何を?

 

 手元を見ると、干し肉が消えていた。

 背嚢に仕舞ったのだろうか。しかし、漁っても見つからない。

 

 何故か異様に喉が渇く。

 

 やって、しまいました。

 

 

 

 まあ、食べてしまったものは仕方ないです! 次の村に着くまで持てばいいのですから!

 

 しかし、次の村まで僅かな水でどう過ごすのか。運良く湧き水に行き当らなければ、水も足りない。既にガンガンと頭が痛んできているが、アルトリアは長年の経験でまだまだいけることを察していた。

 

 こういう時はどうすればいいのだろうか。確か獣の血も水分になるというが、こういう時はあの、リスに似たナマモノを頼ればいいのだろうか?

 

 ぐるぐると悩み事が脳裏を駆け、朦朧と霞がかっていく。

 

 ひもじいのは、イケナイコトです。

 

 

 

 「……きゅう」

 

 ぱたんと、脈絡もなく。

 アルトリアは、空腹に目を回して大地に伏せた。

 

 あ、つめたくてきもちいい。

 

 そんなことを考えながら、頬を舐めるキャスパリーグの舌も鈍く、遠くにあったこともないお爺さんの声を着て眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 がつがつがつがつ。もぐもぐもぐもぐ。ごっくん。がつがつがつがつ……

 暴飲暴食、というわけではない。

 どちらかといえば、底なし沼に飲み込まれる旅人のよう、だろうか。

 川の流れるのと遜色のない勢いで、卓上の食物が飲み込まれていく。

 

 「ほっほっほ、随分といい食べっぷりだ」

 

 「あ、すいません、食べすぎでしたか」

 

 「いや、気にすることは無い。もっと食べてええぞ」

 

 もとより遠慮している気配のないアルトリア、言葉を放つ際にも咀嚼を続けていた。行儀が悪すぎる。というかどうやって発言したのか。魔術である。師匠の作った魔術である。後世の魔術師が見たら発狂しそうな無駄遣いだ。

 老人の言を聞いて、頷いたアルトリアは相も変わらず品のいい手つきで、しかし時間を四倍速にしているのではないかという速度で食事を続ける。

 

 ソレを見て、老人が昔話を始めた。

 

 「儂にもなぁ、子供がおってなぁ」

 

 がつがつがつがつ。

 

 「これがまたかわいくてな、小さい頃はあんたの様にかわいらしくてなぁ」

 

 もぐもぐも、もきゅもきゅ。

 

 「それが、ある日突然独り立ちするとか言い出してなぁ……」

 

 ごっくん……

 

 器用に咀嚼音で返事を返すアルトリア。だから行儀が悪いぞ。しかしそれすら絵になるというのだから、真に美人は得だ。

 そうして、延々と独り言を紡ぐ老人と、延々と食べ続ける少女という、中々に怪しい絵面が出来上がった。

 

 

 

 

 

 

 「……ふぅ、ごちそうさまでした。ご老体」

 

 「……うん、遠慮なく食っていきおったなぁ」

 

 もはや老人の備蓄は0である。

 

 「私は旅をして、一つの真理に行きついたのです」

 

 「ほう、唐突に何かね」

 

 「食える時に食う、ということです」

 

 「リスじゃあるまいし」

 

 人、それを食い溜めと言う。

 というか人間には食い溜めの為の器官など無いというのに、いったいどこにエネルギーを保管しているのだというのだろう。流石未来の騎士王である。

 これには老人も驚いて、突っ込みを入れてしまう。

 

 「まぁ、ええか。もとより老い先短い身。備蓄が無くなろうと、さして変わることは無い」

 

 「流石ご老体!」

 

 さらっと不謹慎なネタを零すが、未来の騎士王はそんなことはさらっと流す。

 何せどろどろの円卓を統べることになるのだ。この程度でへこたれる様な、柔な精神はしていない。

 

 「その代わりと言っては何なのだが、お前さん、この先の村へ行くのだろう?」

 

 そう言って指さした先は、アルトリアがやってきた方角です。

 

 「もし、請け負ってくれるというのならば、儂の娘夫婦に届け物をして欲しいのだ」

 

 とは言え、此処までご馳走になったのです。そんな些細な……些細なっ、頼みご、頼みごとを、聞き届けないわけにはっ! い、いきません……

 

 すっごい嫌そうな内心をおくびに出さず、二つ返事でそれを引き受け、ついでに今夜の宿まで手に入れた。

 流石幸運Bは伊達じゃない。

 

 

 

 

 

 

 翌朝、いつの間にか戻っていたキャスパリーグ(気付くのが遅い)を引き連れ、アルトリアは来た道を引き返します。

 おじいさんに託されたのは、木彫りのお守り。ここらではありふれた魔除けです。

 

 てくてくと歩き続けるアルトリアの顔つきは、昨日までの衰弱した顔つきが嘘みたいにキラキラしている。お腹が膨れたことで機嫌が良くなったのだ。

 

 今なら獲物を奪われても許せそうです。いえ、流石にそれは許せません。

 

 即座に前言を撤回するが、心の中なので、みっともないと思う人はいない。

 そう歩き詰めて、一夜を木陰で過ごせば。

 目の前には、煤けた村がありました。

 

 出た時とは大きく異なる様子で、これにはアルトリアも驚く。

 何があったのかと、傍でそこらへんで項垂れているおじさんに問いかけます。髭は生えてませんがおじさんでいいのです。

 

 「……ああ? ひっ! あ、あんた、あんときの旅人!? いや悪いその、肉はもうねぇんだ!」

 

 何のことでしょう? 獲物を取られたことは気にしてません。

 

 そんな感じの意を込めた笑顔を浮かべると、男は後退りしていく。不思議である。

 

 「じっ、実は、あんたが去った後、盗賊が襲ってきて……」

 

 どうやら、大量の肉を手に入れたことを嗅ぎつけた盗賊たちが、この村を襲ったらしい。

 

 「ほ、ほんとだ! だからその……すまねぇ! あんたの肉はもうねぇんだ!」

 

 まあ、そんなことはどうでもいい。

 

 「それより、アストロ村から来た娘夫婦はいませんか?」

 

 「は?」

 

 「アストロ村から来た、娘夫婦はいませんか?」

 

 「あ、アストロ村……? ああ! 麦刈りの妻か!」

 

 どうやら、心当たりがあるようだ。

 

 「その、この村に居た女は全員……」

 

 そこで口をつぐむが、それである程度の事を察したアルトリアはため息をついた。

 びくりと肩をすくませたおじさんは気に留めず、手に持った「選定の杖」をガッと大地に突き立て、波紋状に魔力を流す。

 魔力に乗せて、師匠直伝の魔術式を起動する。広域生命探知の魔術だ。

 この村は除外して、周囲で人の集まった場所を探す。

 すると、一か所。森の中に、数十の大きな生命反応が密集しているのを感じ取った。

 その方を向き、軽く膝を曲げる。地面に突き立てた杖を抜き、構える。

 キャスパリーグが背中に飛び乗り、頭の帽子に強くしがみついたら準備は完了だ。

 そしてアルトリアは深く息を吸い、体内の魔術回路からありったけの魔力を捻出する。そこから垂れ流される魔力に形を与え、或いは背中から放出し、かっ飛ぶように森を駆け抜け始めた。

 

 

 

 景色が後ろに流れる。

 もし、キャスパリーグの視界を現代人が共有したら、まるでジェットコースターのようだ。という感想でも抱くだろう。しかし恐怖を抱くことが無いのは、ジェットコースター特有の緩急が無く、一定の速度だからだろう。或いはそいつが絶叫狂いかだ。

 息が出来なくなるぐらいに強く吹く風。空気の壁が、加速を押しとどめる。

 それに構わず、頭の帽子を左手で抑え、吹き飛ばされそうなキャスパリーグにも構わず、木の根の上を跳ぶ。

 何故木の根の上を跳ぶのかというと、足跡を残さないためと、摩擦の高い足場であるためだ。

 ほぼ鋭角に跳ぶ姿は兎と呼称することさえはばかられる。それゆえに、目的地にはさほど時間をおかずに着いた。

 

 予想通り、何人かの見張りがいる。彼らが騒ぐと、まるで準備していたかのように武装している兵が出てきた。

 襲撃が予期されていたのだ。感知の逆探知か、それとも予知か。何れにせよ奇襲は失敗であり、そのことに歯噛みする余裕があるなら一人でも多くを倒すべきである。

 森を駆け抜けた勢いを殺さず、そのまま杖を盗賊たちの腹に叩き込んで吹き飛ばす。ヒット、ヒット、おっとホームラン。大丈夫かあいつ。

 

 剣を振り回すが、その中に師匠程の技量の者はいない。多少大きな剣を持つ奴も一人いるが、誤差だろう。全員かっ飛ばす。

 

 「てっ! 敵しゅ――――――かはっ!」

 

 「おいてめぇ! よくもやっがっ!」

 

 「しにさらぁぁぁぁぁぁあああああ!」

 

 「いいどきょぺっ」

 

 虐殺。或いは蹂躙。

 相手の名乗りを聞くまでもなく、相手の遺言を聞くこともなく。

 ただただ速やかに殲滅を続行するアルトリアを恐れ、盗賊は蜘蛛の子を散らして逃げ出した。

 盗賊といえど、唯の村を無くして逃げ出した農民の集まり。かつての村長を頭に抱くものの、さほど忠誠があるわけではない。

 彼らを見て、アルトリアはやはり忠誠は大事であると認識した。因みに彼女は、作った円卓が自分の代で崩壊する未来の騎士王である。

 

 「ふん、少しはやるようだな。小娘」

 

 「魔力障壁、か」

 

 その時、出てきたのはこの盗賊たちの頭目。元村長である。

 魔術の心得があるようで、きっとアルトリアの襲撃を察知したのもこいつだ。

 故に即殺しよう。固い? HAHAHA! ならフルスイングすればいいんだよ!

 魔力放出を乗せた杖を振りぬき、まだごたごたと宣っている村長を吹き飛ばす。容赦遠慮の欠片も見えない、盗賊退治の見本だった。

 

 

 

 

 

 

 

 盗賊は全滅し、戻ってくるものがいないことを確認した後。

 アルトリアは縄で縛られ、暴行されている様子の有る女性を一か所に集め、焚火を焚き始めた。

 空はいつの間にか黒く染まっており、この状況で村に返すのは得策ではないと考えたためだ。

 ぱちぱちと弾ける音を背中に、アルトリアは一人一人問いかける。アストロ村から来た娘ではないか、と。

 ついでに盗賊の盗った物資を一か所に集め、可能な限り女性たちを焚火の明かりの中に入れる。万が一、獣に襲われても即座に対処できるように。

 

 そしうて声をかけ続けると、やがて一人の金髪の婦人が反応を返し、アルトリアは持ち前の直感でその婦人がおじいさんの娘であると確信した。

 

 「貴女がアスロト村から来た娘ですね」

 

 「え、ええ、そうですが……」

 

 「これを」

 

 「これは……と、父さんのお守り!?」

 

 訳の分からない顔で見上げる婦人に、アルトリアは届け物を届けた。

 

 これでよし、と頷くと、ポロポロとお守りを抱きながら泣く婦人に背中を向け、焚火を見る作業に戻った。

 

 

 

 

 

 

 日が昇ると同時に、寝ずの番をしていたアルトリアは、盗賊に奪われた荷物を持った女性達を先導して森の中を踏破して行く。

 杖を振って木々を退かせる姿を見て、彼女たちはアルトリアの実力を目の当たりにした。

 その時になって自分たちがいかに強大な相手から簒奪を働いたのかを知り、真っ青になっている。

 まあ、アルトリアの知った事ではないのだが。

 

 結局のところ、村に着いたのは日が落ちかけた頃合いだった。

 村では焚火の明かりが灯り、アルトリアに気づいた男が声をあげ、次々に歓声が広がる。

 

 アルトリアは自分のやるべきことは終わったと、もみくちゃになってる村人から離れて旅路に戻る。

 そのアルトリアに、話しかける影がある。

 

 婦人とその夫であった。

 

 胸にお爺さんのお守りを下げ、涙の跡を残しながらもにこやかにする夫人と、罪悪感たっぷりの暗い顔つきの夫。

 その二人は、アルトリアに救助への感謝と、無礼への謝罪を述べる。

 アルトリアはそんなことは良いとばかりに手を振り、引き留めようとする村人たちを尻目に、旅路を行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今度は、たっぷりの魔獣の肉と水を持って。


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