「…殿、ヨン殿!」
「誰が韓流スターじゃぁ!」
俺は馬鹿みたいな起き方をした。
「し、失礼しました」
勿論、運ちゃんは引いている。
「あ、いや、すんません。それで、どうしましたか?」
「はっ!横須賀鎮守府に到着しました!」
「あ、あぁ、そうでしたか。ありがとうございました」
俺は荷物を持ち、運ちゃんに“お疲れ様です”と言いながら車を出た。
車を出た矢先、俺を迎えてくれたのは古風な建物だった。そう、歴史ある有名大学の建物のような、煉瓦造りの建物だ。
「此処が、鎮守府か」
酷いやり方で注入された知識によれば、俺は日本国海軍に志願したらしい。なぜ海軍かって?もはや海上自衛隊では対処しきれなくなり、海軍を再建したらしい。なぜ日本国民ではない俺が入隊できたかって?どうやら人手不足で、志願資格を日本国籍を有するものから、永住権以上の滞在資格を持つものに緩和されたらしい。俺のこれまでの過去はどうなったかって?変わらなかった。生まれ育ちや、軍や戦争や階級、全部そのままだった。あぁ、因みに、俺の今の服装は転役したときのままだ。つまり、大韓民国陸軍の制服のまま。
あと、どうやら俺のこれまでの軍の服務期間や武功などを認め、なんと少佐スタートだ。うん、いろいろ突っ込みどころはあるが我慢しよう。
鎮守府の正門近くにまで歩くと、正門から小さな女の子が現れた。
「あの、どちら様でしょうか?」
此の女の子は、いかにもはてなマークを浮かべながらそう聞いた。
「あぁ、今日ここの鎮守府に着任した、ヨンと言うものですが…」
そこまで言うと、もう後ろにはわわっていう効果音が見えるそぶりを見せながら女の子が口を開いた。
「はわわ…失礼しました。電です。司令官さん、よろしくお願いするのです」
結局はわわって言いながら、電は一礼した。
…かわいい。
「うん、よろしく頼む。取り敢えず、電ちゃん、鎮守府の案内をしてくれないかな」
「了解なのです!
電ちゃんが一通り紹介してくれて分かったことは、此の鎮守府はつい最近建てられたこと。なのに古風なのは、旧大学校舎を改造したかららしい。
新設鎮守府なので、所属艦は今のところ電ちゃん一人(?)。
「最後に此処が司令官さんの執務室なのです」
執務室の扉を開くと、艦これ民はよく見たことがあるだろう、あの部屋だ。はい、此処でピンとこない君、居残りで艦これしなさい。
「電ちゃん、ちょっと着替えたいから、外で待ってもらえる?」
「了解なのです!」
先ずは着替えることにした。何せ、今の俺の服装は大韓民国陸軍准尉の制服なのだ。ということで、俺は鞄から日本国海軍少佐の制服を出した。よく、海軍の制服というと、白い学ラン(ハクラン)を思い浮かべる人が多いが、あれは夏用の制服だ。今の時期は冬、ということで紺色のジッパー式学ランだ。
制服を上下着込み、最後に制帽を被って完成だ。着替え終えた俺は、陸軍の制服をクローゼットに入れ、支給品が入ったバックはデスクの隣に置いた。因みに支給品は、夏用制服二式、冬用制服二式、 礼服一式、どこに使うかわからない戦闘服夏用冬用其々一式、9ミリ弾仕様の自動拳銃一式、9ミリ弾一箱、軍刀一振り、サムブラウンベルト一つ、指揮棒一本、ってところだ。
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