帝具が暴走して好感度カンストしちゃった   作:鹿里マリョウ

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今回はヤンデレお休み

ナジェンダ
ナイトレイドのボス。銀髪眼帯。右手は義手で右目は見えない。
かつてはパンプキンの使い手だったが、右手を失い使えなくなった。
現在は帝具なし。

ラバック
緑髪の男。煩悩だらけ。
帝具は〈千変万化クローステール〉。糸を自在に操り索敵、攻撃、捕縛する。

ブラート
リーゼントゲイ。兄貴。
帝具は〈悪鬼纏身インクルシオ〉。普段は剣の形、発動すれば鎧になる帝具。鎧を着れば凄いパワーアップする。でも一般人が着ると肉体が破裂する。こわいね。


定例会議 ナジェンダ、ラバック、ブラート

 ナイトレイドのアジト。その一室で、タツミ、ラバック、ブラート、ナジェンダが机を囲っていた。

 

「ではこれより、定例会議を始める」

 

 ナイトレイドのボスであるナジェンダが緊張感ある声音で言い放つ。

 

 〝定例会議〟、元々はナイトレイド全員で現在の課題と今後の方針を話し合う会だったのだが、アカメたちがあの調子になってからは、タツミ、ラバック、ブラート、ナジェンダの正常組での会議へと変わった。

 

「まず私より〈カーマデーヴァ〉の修復方法だが、現状はまだ見つかっていない。如何せんタツミの身体から取り出すこともできないため、革命軍も手を焼いているのだ。すまんが今暫く我慢してくれタツミ」

「いや全然大丈夫です。元はと言えば俺のせいみたいな所ありますし」

 

 申し訳なさそうな眼差しを向けてくるボスに首を振る。

 すると横のブラート(兄貴)が口を開いた。

 

「別にタツミのせいじゃねーよ」

「あれは事故だ事故」

 

 続けざまにラバックも首肯する。

 

「みんな・・・・・・」

 

 最近仲間割れしかしない奴らの中心にいたからか、仲間を気遣う心というものに感動してしまった。

 

「では次に、タツミから最近のアカメたちの様子を聞こうか」

 

 三人の視線が集まる中、俺は最近の様子というものを思い出してため息をこぼした。

 

「アカメは任務がある時は一瞬で終わらせて俺に褒めて貰おうとしてくるな。休みの日は料理作って褒められようとするんだけど量が多すぎて食いきれねえ。

シェーレさんは・・・・・・数日前に拗ねてから見てないな。まあ今も視線は感じるからどっかから見られてることは確実だけど。

マインは妄想に磨きがかかってきて、宇宙の創成と俺の関係性を熱く語ってきた。

レオーネ姐さんはなんか最近すれ違う度腰が抜けてんな。これは俺も何でかわからん。

あと最近一番困ってるのがアジト内での乱闘で帝具を持ち出すようになったことだ。いつ死ぬか気が気じゃない。特にアカメのやつ」

 

 一通り話終えると会議には重苦しい沈黙が訪れた。

 

「まあそこは厳重注意をするが・・・・・・しかし、あれだ、一つだけこの状況で良くなった点を上げるとしたら、アカメたちの戦果が著しく上がっていることだな」

 

 確かに彼女達の近頃の仕事ぶりには鬼気迫るものがあった。

 今までは戦闘を楽しむきらいがあったレオーネも、タツミと早く会いたいからと一撃で対象を仕留めて帰ってくるのだ。

 

 何とか場を盛り上げようと苦し紛れに出た意見ではあるが、そこそこに価値のあるものではあった。

 

「はあ、やはり解決は当分かかりそうだな。特にタツミには苦労をかけて申し訳ないが、今は要観察を続けるしかない状態だ。私も何とかならないか探してみるので、皆も頼む。では次の議題だが──」

 

 大した実りもないままカーマデーヴァの議題は終わってしまう。

 解決策は明確で、カーマデーヴァを直すこと。しかしそれが何よりも難しい。

 頭を抱えるには充分過ぎるほど難しい問題だ。

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

「お前も大変だなー」

 

 会議終了後廊下を歩いていると、途中でラバックに声をかけられる。

 

「なんか息抜きになる本でも貸してやろうか?」

 

 謎にニヤけ顔をして肘でつついてくる。

 

「どんな本があるんだ?」

「おお!興味あるか。俺のイチオシ本を紹介してやる。・・・・・・タイトルは『おっぱ──」

 

 その単語を口に出そうとした瞬間、背後からナイフが飛び出して、ラバックの頬を掠めた。

 

「──今、ご主人様を汚そうとしましたか?」

「・・・・・・あ、あははは。よ、用事を思い出しちゃったー」

 

 頬をひきつらせながらラバックがそそくさと撤退する。

 

「あ、シェーレさん」

「ご主人様、こんにちは♡」

 

 シェーレさんが物陰から出てきた。

 数日ぶりに目を合わせる。

 

「・・・・・・今日も、あの女の所に行くんですか?」

「まあな」

 

 〝あいつ〟のことを思い出すと、どうしても気持ちが沈んでしまう。

 

「ご主人様の行動に口出しはしませんが、警告しておきますね。あの女、気をつけた方がいいですよ。どうにも、勘が騒ぎます」

「え?」

 

 シェーレさんが珍しく神妙な顔つきで答えた。

 〝あいつ〟が、危険?

 

「では私はこれで失礼します。くれぐれもお気をつけて」

 

 シェーレさんはそれだけ残すと再び物陰へと消える。

 

 シェーレさんの真意を探ろうと頭を巡らすが、やはり答えには辿り着けない。

 そうこうしてる内に、アイツの部屋の前に着いた。

 

 疑問符を浮かべたまま、俺はアイツの部屋の戸を叩く。

 

 中から「どうぞー」と元気な返事が届いたのを聞き、ドアを開く。

 

 アイツが、ベットの上に座っている。

 艶のいい長い黒髪と、同色の瞳。

 俺が来たと気づいた途端、花が咲いたような無邪気な笑みを浮かべてくれた。

 

 本来、こんな幼い印象は受けぬ筈の相手。

 記憶の中の彼女は、もっと凛々しい存在だった。

 

 それでも彼女がこうなってしまったのは、あのクソ貴族のせい。

 アイツらの薬のせいで彼女の成熟した心は粉々に砕かれ、幼児のものへと変貌してしまった。

 

 込み上げてくる吐き気を悟られないように無理に口角を引きあげて、俺は彼女に声をかける。

 

 

「こんにちは、()()

「うん、こんにちは!おにーちゃん!」

 

 その笑顔が、また俺の心を抉る。

 

 

 

 

 

 

 




サヨ
黒髪黒目。タツミと同じ村で生まれた所謂幼馴染で、一緒に帝都を目指していたが途中盗賊に襲われてはぐれた。その後は悪い貴族に騙されて拷問される。
原作では第1話で死亡。

いやいくらヤンデレ小説の幼馴染ポジションだからと言ってまさかサヨがヤンデレな訳ないよな。まさかね。
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