リゾット・ネエロなベル君   作:くらえ『メタリカ』ッ!

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リゾットとベル君って見た目結構似てるよね…?せや執筆したろ!と唐突に思いついて書いた作品()。ただベル君にリゾットの名言を言わせたかった。後悔はしていない。
主人公に他作品のキャラが憑依する系の作品が好きなんじゃ…。



誰かベル君がリゾットの服を着ている絵を描いてくれ!(見てみたい)



覚悟ガンギマリなベル君

遠い昔、刺激を求めて下界に降りてきた神が与えた恩恵によって、冒険者はモンスターと戦えるようになった。

 

神の恩恵(ファルナ)を与えられた冒険者は、背中に神聖文字(ヒエログリフ)で書かれたステータスが刻まれ、彼らは一般人をはるかに上回る力を手に入れた。神と恩恵を与えられた眷属は家族(ファミリア)となり、平等な立場となって生活を営むようになったのだった。

 

しかし、今ここに神の恩恵(ファルナ)とは異なる力を持つ冒険者が存在した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷宮都市―オラリオ。

 

この街には、神々が住んでいると言われるバベルという巨塔の真下にダンジョンが存在する。多くの冒険者がその胸に様々な期待を抱いて日々ダンジョンへと向かう。

 

ランクアップを目指してダンジョンに潜る冒険者もいれば、金を稼ぐためにダンジョンに潜る冒険者もいる。そしてダンジョンから帰ってきた冒険者たちは、酒場で仲間と共に酒を飲み交わしたり、ファミリアのホームに戻って神やファミリアのメンバーと団欒を楽しんだりする。

 

冒険者1人1人に様々な物語があり、またこれからもその物語を紡いでいくのだろう。

これからの話はそんな冒険者の1人であり、()()()()()()()ベル・クラネルの物語だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5階層―

 

―ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド―

 

「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

「……これはミノタウロスか…。」

 

インナーの上に前面にクロス状のベルトのようなものが付いた黒ジャケットを羽織り、パンツは白と黒のボーダー、頭部にはフードのような黒い帽子といった独特な服装をしている少年は、自分の何倍もの大きさのモンスターと対峙していた。

 

モンスターの名はミノタウロス。通常であればミノタウロスは中層で現れるモンスターであり、討伐にはレベル2以上であることが必須条件とされるモンスターである。決してレベル1である冒険者が倒せるようなモンスターではない…そう()()()()

 

中層で現れるはずのミノタウロスが上層である5階層に現れるという異常事態(イレギュラー)に直面しているにもかかわらず、その少年は()()()()()()()()()()()()()。決してミノタウロスから目をそらすことはなく、その真っ赤な目は凪いでいた。

 

白い髪と真っ赤な目という兎を連想させるような見た目からは想像できないようなプレッシャーを放っている少年の名は、ベル・クラネル。

 

ヘスティア・ファミリア唯一の眷属である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミノタウロスは上層には現れないと思っていたが…。」

 

「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

「フッ!!」

 

「ヴォッ!?」

 

ベルはナイフを数本取り出し、自分を殺そうと近づいてくるミノタウロスの足元と胴体に向かって牽制目的で放り投げたが、まるで何かを警戒しているかのようにミノタウロスはそれをかわした。…普通なら大した傷にもならないはずの安物のナイフをだ。

 

ベルの放つプレッシャーがミノタウロスの警戒心をあおり、回避という行動をとらせたのだ。

 

「このミノタウロスからは僕に対する殺意や警戒心に加えて、()()()()()()()…何かに対する『おびえ』を感じることができる…。モンスターに感情があるとは聞いたことはないが…どういうことなんだ?」

 

「ヴォオオオオッ!!」

 

初級冒険者なら誰もが恐れ、萎縮してしまうような存在を目にしながらも、ベルは鋭い目つきでミノタウロスを観察しながら自分の見解を述べていく。逃げ出すこともなく、恐ろしいほど冷静にただそこに佇んでいた。

 

一方、ベルのプレッシャーに警戒していたミノタウロスだったが、今の一連の流れで目の前の冒険者が自分を倒しうる存在ではないと判断したのだろう。自分を追ってきている連中から逃げるためにも、できるだけ早く目の前の存在を排除しなければならないと判断し、ベルに向かって突撃する。

 

「レベル1である僕がミノタウロス(お前)の攻撃をモロに食らえば、まず間違いなく死ぬだろう。しかし、何も武器を持っていないように見えるお前が僕に攻撃するためには、何かしらの遠距離攻撃の手段を持っていない限り1~2M(メドル)ほどの距離まで近づかなきゃあならない…。」

 

「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

ベルはそこで初めて自然体の姿勢から、両手を頭の後ろにやり足を組んだような独特な立ち方に変え、ミノタウロスに向かって言った。

 

「だから…()()()()()()()()()()。」

 

「ッッ!!」

 

()()()()』とベルが誰にも聞こえないような小さな声で呟いた瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そのナイフやカミソリはミノタウロスの足をズタズタに切り裂き、ミノタウロスの突撃を強制的に中断させた。

 

「ヴォッ!?ヴォオオオオオ!?」

 

いきなり自分の足から出てきた物体を見て、何が起きているかわからず混乱するミノタウロス。

 

一方、ベルは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「興味はある……なぜ中層に出現するはずのミノタウロスが上層にいるのかという好奇心はな…。」

 

「ヴ…ヴォオオオオオ!!」

 

ミノタウロスは自分の足がズタズタに傷ついていながらもなおベルを排除しようと立ち上がろうとする。

 

「しかしのん気にもしていられない。確実に仕留める…確実に…。」

 

「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

ミノタウロスはあたりに響き渡る大きさで叫びながら再びベルに向かって突撃する。その際に()()()()()()()()()()()()()()()()を武器として持ち、そのナイフでベルを排除しようと大きく振りかぶる。

 

「なるほど…ナイフを持っているとはいえ先ほどのように走って向かってくるということは…やはり魔法のような遠距離攻撃の手段を持っていないパワータイプのモンスターというわけか…。」

 

「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

「それさえわかれば『殺り方(やりかた)』は…できているッ!!」

 

「ヴォオオオ!?」

 

ベルがそう呟くと、ミノタウロスの顔からナイフが次々飛び出しミノタウロスは痛みのあまりに叫んだ。その際に手に持っていたナイフを取り落としてしまうが、しかしミノタウロスは、痛みで足を止めることなくそのまま突撃する。このまま足を止めてしまったら自分は再起不能になってしまうと本能的に察したからだ。

 

しかし、その突撃もベルによって軽々とよけられてしまう。その後もミノタウロスはベルを攻撃しようとするが、ベルはその度にひらりとかわし自分の目算した1~2M以上の距離を保っていた。

 

「ヴォオオオ…」

 

()()()()…ミノタウロスはそう思った。見たところ目の前の獲物(ベル)は自分ほど素早い動きをしているわけではない。()()()()()()()()()()()()()()()()、ベルの動きに追いつくことができない。未だにベルには傷1つつけることができてないのだ。これだけの素早さの違いがあるならすでに決着はついているはずなのに…。まるでベルの動きが速くなっているのではなく自分の動きが鈍くなっているような気がする。

 

「ヴォッ……ヴォッ……?」

 

今までベルに注視していたため気が付かなかったが、ミノタウロスは流れる血が赤色から黄色へと変化しており、その息は倒れてしまうのではないかというほど上がっていることに気が付いた。

 

一体何故…とミノタウロスが自身の身体に起きた異変について考え始めたその時、ベルがちょうど口を開いた。

 

「気が付いたか…。しかしもう遅い…()()にお前はな……()()()()()()()()()()()()()!」

 

その瞬間、ミノタウロスに向かって地面に落ちていた大量のナイフが飛んでいき、ミノタウロスの体に突き刺さった。ミノタウロスは身体を動かすことができず、すでに満身創痍である身体にナイフによる決定的なダメージを負ってしまった。

 

「ヴォォォォ…」

 

ミノタウロスは小さな断末魔を上げ、魔石を残して消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルの能力『メタリカ』。その能力は『磁力を操る』というものであり、磁力を操って相手の血液中の鉄分を刃物などに作り替えて体内から攻撃する・鉄分を身にまとって背景と同化する・刃物などを操作するといったことを行うことができる。

 

相手の鉄分を使って攻撃しているため、酸素を身体の隅々まで運ぶ役目を持つ鉄分を失わせることができる。血が赤いのは鉄分の色だからであるため、鉄分を失うと血が黄色になる上に酸素が体中に行き渡らなくなるのだ。酸素が足りなくて息が荒くなっていたとしても、鉄分が抜かれているため酸素が全く体内に取り込まれないという恐ろしい状況が出来上がる。今回ミノタウロスが陥っていた症状はそれだ。

 

ベルは物心ついた頃からこの能力を持っていた。ある日、ベルは眺めていたカエルからカミソリが突き破って出てきた様を見て、驚愕して村の人間に助けを求めた。しかし駆けつけてきた村の人間が調べても原因がわからず、村の人間はベルに怖いことは忘れるように言ったが、そのことはベルの脳内にいつまでも残っていた。

 

それからしばらくたった時、ベルは遊んでいた森の中でモンスターに出会い、腕を切断されてしまった。ベルは痛みをこらえながら逃げようとして、ふと自分の腕を見た時断面に微生物のような存在がいることに気がついた。そのことに驚愕していると、ベルの切断された腕はひとりでに浮いてベルの方まで飛んできて彼の切断面とくっついたのだ。そこからは何があったのか覚えていない。気が付けば義祖父に抱えられていて、モンスターはカミソリが全身から飛び出たようになって死んでいた。ベルの腕も何事もなかったようにくっついていた。

 

かつての現象が自分が起こしたものだったと知ったベルはそのことにひどく悩むことになった。モンスターに襲われたときに見えた微生物のような存在は自分にしか見えず、村の人間は決して見ることはできなかったということもベルが悩む一因となっていた。彼は自分が他の人と()()()存在だと思ってしまったのだ。

 

恐ろしい惨状を作り出すことのできるこの能力をベルは恐れ、嫌っていた。明るかった性格はだんだん擦れたものになり、村の人間も自分たちとは異なった雰囲気を持つベルのことを遠巻きに見るようになっていた。自分は英雄譚に登場する悪側の存在なのではないかと自己嫌悪に陥り、好んでいた英雄譚でさえも嫌いになりそうになった時、義祖父は言った。

 

「力というのは使い方によって善にも悪にもなる。英雄譚に登場する英雄も強大な力を持っているが、その力を悪のために使ったことがあったか?要は心のあり方が一番大切なんじゃ。それを忘れるな、ベルよ。どんな力を持っていたとしてもベルはベルじゃ。わしの愛する孫じゃよ。」

 

そう言ってベルを抱きしめ、ベルの全てを肯定してくれた義祖父がとても輝いて見えた。いつも女遊びにかまけていてだらしがないと思っていた義祖父とは違っていた。言葉1つでこんなにも勇気づけられるものなのかと感激した。義祖父はベルの言う『能力』を否定せず、彼はベルの疎外感をどうにかして無くそうと努めてくれたのだ。ベルの性格は達観したものから変わることはなかったが、それからのベルは村の人間とも打ち解けるようになり、充実した生活を送ることができるようになっていった。

 

もしもこの時ベルの悩みを真摯に受け止め、相談に乗ってくれる存在がいなかったのなら、ベルは今頃悪側の存在に落ちていただろう。狭まっていた自分の視界を切り開いてくれたのは、義祖父であった。

憧れ、尊敬する存在となった義祖父が自分に話してくれる英雄になろうと決意したのはその時だった。ベルはその日から自分の能力を自在に操れるように努力し、体を鍛えるようになった。自分の能力の性質上、英雄譚に出てくる英雄たちのように華麗に人々を助けることはおそらくできないだろう。しかし、それでも自分なりに人々を助けたいとベルは強く思った。英雄に憧れていることを宣言することはなく、心に秘めているだけであったが、義祖父は気づいていたのか優しく彼の修業を見守ってくれていた。

 

能力に悩むベルに対してベルの能力を肯定していた義祖父であったが、彼はベルに決して『つらい道を歩ませまい』という厳しい態度をとっていた。ベルが望むのなら、能力を使うことなく商人や一般人として暮らさせることも彼は計画していた。

しかし、あの日抱いたベルの気持ちを止めることはできない…彼の中に生きるための目的が見えたのだ…。

 

こうして少年―ベル・クラネルは、成功して巨万の富を築いた商人にあこがれるよりも…『英雄』にあこがれるようになったのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子は一体…」

 

逃げたミノタウロスを追ってきていたロキ・ファミリアの一員であるアイズ・ヴァレンシュタインは、ベルとミノタウロスとの戦いの様子を見ていた。その目は驚愕で見開いており、アイズの『人形姫』という通り名を知っている人物がそれを見れば驚愕するだろう。

 

アイズの目の先にいる少年は、ミノタウロスを相手にして傷1つ負うことなく、ミノタウロスを圧倒していた。上層にいるということは初級冒険者であるはずなのだが、ミノタウロスを圧倒する様子はとても初級冒険者であるとは考えられなかった。

 

「凄い…あれは魔法…?」

 

ベルがミノタウロスに向かって大量のナイフを放つところを見て、アイズは再び驚愕した。長い間オラリオにいるが、あんな現象は見たことがなかったからだ。しかし、そう呟いておきながら()()()()()()()()()という直感のようなものがアイズにはあった。

 

この時、確かにアイズはベルの戦いぶりに見惚れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(見られているな…)

 

「……そこにいるのは誰だ?」

 

「あ…ごめんなさい…。」

 

ベルが魔石を拾いながら通路の物陰に問いかけると、物陰から金色の髪を持つ少女―アイズが現れた。

 

アイズはおずおずとした様子で謝りながらベルの様子をうかがっていた。

 

「何故謝る…?」

 

「あのミノタウロスは私たちが逃がしてしまったんです。」

 

「モンスターが逃げただって…?」

 

「はい…私たちも初めてのことだったので…。」

 

「事情は分かった……気にする必要はない。」

 

アイズが事情を説明した後に再び謝罪すると、ベルはその謝罪を受け取った。少しの間ベルと話したが、アイズは自分と同じぐらいベルも言葉数が少ないな…と思った。しかし、決して気まずいということはなく、不思議な雰囲気のまま時間が過ぎていった。

 

「あの…どうやってミノタウロスを…?」

 

少し経ってからアイズはミノタウロスの魔石が落ちていたあたりを見回して、ベルに問いかけた。すでにナイフやカミソリなどは消えており、何があったのかを把握することが困難だったからだ。

 

アイズがベルに姿を見せたのは、ミノタウロスが消滅してから少ししか経っていないが、ナイフは一本も見つけることはできず、ベルと話している間に確認できたのは地面にあるミノタウロスが流しただろう血の染みだけだった。

 

いつの間にナイフを収納したのだろうと疑問に思いつつも、ベルの戦いに見惚れていたことを自覚しているアイズは、ベルにミノタウロスを倒した方法を尋ねようとした。

 

他の冒険者のことを詮索するのはタブーであったが、強さを求めているアイズはベルに対して問いかけずにはいられなかった。

 

「……。」

 

「あ、待って…。せめて名前だけでも…。」

 

「…ベル…ベル・クラネル。」

 

「私はアイズ。アイズ・ヴァレンシュタイン。」

 

ベルは何も答えずに立ち去ろうとしたため、慌ててアイズはベルに名前を尋ねた。答えてくれないかもしれないとアイズは思ったが、少女に背を見せていたベルは立ち止まって答えてくれた。

 

この時アイズは同じぐらいの年齢であるベルから肌を突き刺すような『スゴ味』を感じた。ベルはアイズの名前を聞いた後すぐに立ち去ってしまったが、何故かアイズの胸に温かな風が吹いたような感じがした。

 

これが『スタンド使い』ベル・クラネルと『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインのファースト・コンタクトであった。




誤字脱字や説明で何か間違っている部分があれば、遠慮なく言ってください。喜びます。感想も喜びます。
散りばめすぎたジョジョネタ。全部気が付いた人は同士。
ちょっとベル君強くなりすぎちった…こんなんチーターやん!
この作品を読んで興味を持った人がいれば、単行本やリゾット・ネエロのフィギュア買ってもいいのよ…?
続か…ない(多分)。



誰かこんな感じの作品書いて(切実)。
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