リゾット・ネエロなベル君   作:くらえ『メタリカ』ッ!

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続いた(デデドンッ)。

みんなジョジョクロス作品好きなことがわかって、これには筆者もにっこり。
ヘスティアとかアイズとか見てると、リゾットの格好が普通に見えてくるから不思議。…つまりリゾットの格好をしているベル君も普通の人ってことだね!

1話の誤字報告ありがとうございました。普通に冒険都市って書いて投稿してたヨ…。


迷宮都市オラリオ

ダンジョンから地上へと戻ったベルは、魔石の換金を行うためにゆっくりとした足取りである場所へ向かっていた。しばらく歩いていると、多くの冒険者が出入りしている大きな建物が見えてきた。その建物がベルの目的地である。

 

その建物―ギルドは、オラリオの都市運営をはじめ、冒険者および迷宮の管理、魔石の売買を司る機関である。ダンジョンから戻ってきたたいていの冒険者はまず最初にギルドへと向かう。その目的は、ベルのように魔石を交換するためであったり、ダンジョンで起こったことを報告するためであったりと様々である。

 

「あ、ベル君!」

 

「…エイナか。」

 

ギルドの中に入った途端、ベルに向かって声がかけられた。ベルがそちらへと顔を向けると、茶色い髪を肩口で切りそろえたハーフエルフの女性の姿がベルの視界に映った。

 

声をかけてきたのは、エイナ・チュール。彼女はギルドの受付嬢であり、ベルの担当アドバイザーも兼任している女性である。彼女は自分よりも年下のベルのことが余程心配なのか、街中で会った時など事あるごとにベルに声をかけてくる。ベル自身も言葉数が少ないだけで話すことがそこまで嫌いなわけではないため、良好な関係を築いている。

 

エイナに連れられたベルは、ギルド内の談話スペースのソファに座り、それを見たエイナもまた対面のソファに腰を下ろした。

 

「ベル君はダンジョンからの帰り?」

 

「…ああ、そうだ。」

 

「怪我は…無さそうだね。用は魔石の換金かな?」

 

「…ああ。」

 

「ベル君、私が伝えたことちゃんと守ってる?」

 

「……。」

 

「もう!また3階層よりも下まで潜ったの!?」

 

「……。」

 

「ベル君、意地悪を言っているように聞こえるかもしれないけど、私は君のことを心配しているの。パーティを組まずにソロでダンジョンに潜ってるだけでも危険なのに…。」

 

「…すまない。」

 

「まったく…。」

 

ベルの姿を見て怪我がないことに一安心したエイナは、ダンジョン探索ついて説明した際にベルに伝えた言いつけを守っているか確認する。そのことについて聞かれたベルが沈黙すると、エイナはベルが自分の言いつけを守っていないことを理解し、叱った。

 

エイナがベルを心配する理由はこれだ。ベルが怪我を負ったところを見たことがない以上、ベルなりに安全対策には気を使っているのだろうが、エイナはどうにもベルから目を離すことができなかった。

 

エイナがベルと初めて会った時から、ベルには『()()()()()()()()()』という『スゴ味』を感じていた。ベルが先へ先へと急いで二度と会うことができなかったら…とついつい考えてしまうのだ。目の前の少年(ベル)は、自分が何度も注意してもどんどん下の階層に進んでしまう。『挨拶を交わした冒険者が帰ってこなかった』ということを何回も経験しているエイナは、ベルにも同じようになってほしくないと思って散々注意しているのだが、ベルはなかなか聞いてくれない。

 

寡黙であるがとても優しい少年で、基本的には他人の言うことを素直に聞いてくれるのだが、ダンジョン探索のことになると駄目だ。まるで世話の焼ける弟を見ているようだ…とエイナは人知れずため息をついた。

 

「エイナ…アイズ・ヴァレンシュタインのことを知っているか?」

 

「ヴァレンシュタイン氏?少しなら知ってるけど…一体どうして?…まさか、ベル君!」

 

「ダンジョンの中で少し話をしてな…少し気になっただけだ。」

 

ベルは思い出したように、エイナにアイズのことを聞いた。基本的に自分を高めることに集中しているベルは、名前やレベル(基本的なこと)くらいしか知らないが、ベルは自分の目標(英雄になる)のために自分より強いであろう冒険者の詳細について聞きたくなったのだ。…エイナはベルがアイズのことを好きになったのかと勘違いしていたため、そこだけは訂正した。

 

「と言っても私もそれほど多くは知らないんだけどね…。アイズ・ヴァレンシュタイン…ロキ・ファミリア所属で、現在のレベルは5。剣の腕はオラリオで1、2を争うとされ、授かった称号は『剣姫』。」

 

(『剣姫』…か。)

 

エイナからアイズのことを聞いたベルは、機会があったら話をしてみてもいいかもしれないと思った。

 

「…参考になった。感謝する。」

 

「全然気にしないで。私はベル君の担当アドバイザーだもん。もう帰るの?」

 

「…ああ。また来る。」

 

「ベル君、冒険者は冒険をしちゃいけないってこと忘れないようにね!」

 

「…覚えておく。」

 

「もう…!…じゃあ、またね。」

 

エイナから一通りアイズ(上級冒険者)のことを聞いたベルは、エイナに感謝を述べてソファから立ち上がった。その後エイナと少し話をして、ベルはギルドを後にした。

 

ベルはこの時ミノタウロスと遭遇し戦ったことを言わなかった。この後ロキ・ファミリアが報告するだろうと考え、言う必要がないと思ったからだ。…後に5階層でベルがミノタウロスと戦ったと聞いた時、エイナは卒倒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りぃぃぃ、ベル君ー!!」

 

「ヘスティアか…。…今、帰った。」

 

エイナとの会話の後、魔石を換金したベルは自分たちが住んでいるホームに帰った。ベルと主神が住んでいるホームは一見するとボロボロの教会なのだが、その地下に居住スペースが存在している。ベルがあらかた片づけたおかげで、ベルがここに初めて来た時と比べて居住スペースは見違えるほど奇麗になっていた。

 

ベルがホームの戸を開けると、奥からベルの主神―ヘスティアがベルに向かって走って抱き着いてきた。白一色の服装に青いリボンを胸元から背中までを囲んで二の腕で結ぶという独特な恰好に加え、髪をツインテールにしているヘスティアは、唯一の家族が帰ってきたことが嬉しかったのか満面の笑みを浮かべている。そう、ベルは神ヘスティアただ一人の眷属であり、ヘスティア・ファミリアの団長でもあるのだ。

 

「ベル君、ベル君!怪我は無いのかい?」

 

「ああ、特に怪我はしていない。」

 

「それなら良かったよ…。唯一の家族であるベル君に何かあったと思うと、ボクは胸が張り裂けそうになるんだ!」

 

「…世話をかけるな。」

 

「いやいや、ベル君がしたいことを制限するわけにもいかないし、ボクもアルバイトをしているとはいえ、ベル君はこのファミリアの稼ぎ頭だからねっ!」

 

「…そうか。…ヘスティア、今日の稼ぎだ。」

 

「おおう…。相変わらずベル君は凄いね。」

 

「買いかぶりすぎだ…。」

 

ベルの身体をペタペタと触って怪我の有無を確認したヘスティアは、安心したようにベルと会話を始める。ヘスティアは愛する眷属と話をすることが好きなのだ。一か月前(ひとりぼっちで寂しかった時)には考えられなかった光景に、ヘスティアは胸がいっぱいになる。

 

話の途中でベルは硬貨(ヴァリス)が入った袋を渡す。その重さにヘスティアは思わず感嘆する。通常、レベル1の冒険者の一日の稼ぎは平均しておよそ4000~5000ヴァリスである。しかし、ベルに渡された袋の中にはどう考えてもそれ以上の量のヴァリスが入っている。

 

その金額およそ10000ヴァリス。しかも、これが毎日である。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、この稼ぎが一般の冒険者よりも凄いということをヘスティアは理解している。また、ヘスティアはベルに能力(『メタリカ』)を極力使用しないように伝えているため、この稼ぎはベルの素の身体能力(スペック)の高さによるものだということになる。ヘスティアは自身の家族の活躍が誇らしくなった。

 

「そんなことないよ!ボクはベル君が眷属になってくれたことが本当に嬉しいし、誇りなんだ。」

 

「…そうか。」

 

「ベル君ッ!!」

 

「…落ち着け。」

 

ヘスティアがベルに自身の気持ちを伝えると、いつも寡黙で冷静なベルが少し照れ臭いのかそっぽを向いた。珍しさと嬉しさがあいまってヘスティアはベルに再び突撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、始めようか。」

 

「ああ…頼む。」

 

「任されたっ!」

 

ヘスティアがアルバイト先で貰ってきたじゃがまる君で夕飯を終えた後、ヘスティアはベッドの上で上半身半裸になったベルの上でまたがり、ステータスの更新を行おうとしていた。

 

ヘスティアは指先を針でつつき、神の血(イコル)をベルの背中に落とした。それに応じて、ベルのステータスが開示される。

 

「ベル君…。…ステータスの伸びがいつもより著しいんだけど、今日ダンジョンで何かあったのかい?」

 

「…伝えるのを忘れていたな。5階層でミノタウロスと遭遇した。」

 

「ミ、ミノタウロスだって!?ベ、ベル君大丈夫だったのかい?」

 

「帰ってきたときにも確認しただろう…、特に怪我を負ってはいない。しかし、『メタリカ』を使わされた上に冒険者1人に見られた。」

 

「…!!…でも今回ばかりは仕方ないよ、ベル君。君が無事でよかった。見られた冒険者は誰かわかるかい?」

 

「ロキ・ファミリアのアイズ・ヴァレンシュタインだ。」

 

「よりによってロキのところか…!でもあいつなら…ううん…。」

 

先にも述べたように、ヘスティアはベルに『メタリカ』の使用を控えるように言っている。ベルの『メタリカ』は全知全能である自分も知らなかった特別な能力であるため、もしそれが他の神々に知られたならベルが付け狙われることは間違いない。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それを防ぐため、ベルがヘスティアの眷属になった後ヘスティア()()に能力を伝えた際に、その使用を控えるように言ったのだ。

 

「すまない…。」

 

「大丈夫だってベル君。君の言う『メタリカ』そのものは見られてないんだろう?」

 

「ああ…。…その点は問題ない。」

 

「なら大丈夫だよ、ベル君。向こうも魔法かなんかだと勘違いしてくれているはずさっ!」

 

「…だといいが。」

 

「万が一があってもボクだけは君を守るよ。約束だ。」

 

「……。」

 

ベルには神々の思惑などに巻き込まれることなく、自由に暮らしてほしいとヘスティアは思っている。もしもベルが何らかのトラブルに巻き込まれても自分だけは彼を信じて守ろうと。それが自分が彼にできる恩返しだと思っているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、ベル君。今回のステータスだよ。」

 

ベルはステータスを受け取って目を通す。

 

―――

 

ベル・クラネル

レベル:1

 

力 :I90→H120

耐久:I50→I60

器用:H120→H150

敏捷:H160→H190

魔力:I0→I0

 

〈スキル〉

磁界を統べる者(メタリカ)

 

英雄へと至る者(ロムルス)

早熟する。

憧憬が続く限り効果持続。

憧憬の丈により効果向上。

 

―――

 

「…やはりミノタウロスと遭遇したことがステータスに影響を与えているな。」

 

「そうだね。いくらスキルがあると言ってもここまで伸びるとはボクも思わなかった。」

 

「……。」

 

「ベル君、君は確実に君の夢(英雄)への道を一歩一歩進んでいるよ。」

 

ヘスティアの言葉を聞いてベルは、ほんの少し…ほんの少しだが確かに笑みを見せた。

ヘスティアはそんなベルの様子を見ながら、彼と出会った時のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半月前―

 

その日は今日のように晴れた一日だった。

 

いつものようにファミリアの勧誘に勤しんでいたヘスティアだったが、その日も勧誘した人すべてに断られ続けていた。そして今、ヘスティアは悲嘆にくれながら人目につかない路地裏の樽に腰を下ろしていた。

 

「はあ…今日も駄目なのかな…。」

 

(空は奇麗な青空なのにね…。)

 

今日までめげずに勧誘してきたヘスティアも流石に心が折れかかっていた。

 

空を見上げればこんなにも晴れているのに、自分の心の中は、今いる路地裏のようにどんよりとした陰がかかっていた。

 

(あと1人に勧誘して、それでも駄目だったら帰ろう。)

 

ヘスティアはそう心に決め、自分の膝に活を入れて立ち上がった。そして最後に勧誘したいと思えるような人物を探そうとあたりを見回したとき、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界には「()()」というものがある。人と人との間には「引力」があり、その「引力」が人と人とを巡り合わせるのだ。ヘスティアは無意識に「引力(それ)」を感じていたのだろう。

 

(これは…一体何だろう?…神であるボクが吸い寄せられるようだ。)

 

きっとヘスティアの分岐点はここだった。もしもさっき諦めて帰ってしまっていたら、()()()()()()()()()()()()()

 

ヘスティアが吸い寄せられるように歩いて行った先、そこにいたのは白髪を風になびかせ壁に寄りかかっている少年だった。

 

(あの子は…?)

 

ヘスティアが白髪の少年―ベルを目にした瞬間、まるで世界がその出会いを祝福するかのようにベルとヘスティアがいるその一帯を温かな日差しが差し込み、さわやかな風が2人の間を通り抜けた。

 

()()()()()()()…!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!)

 

「ねえ、君。ボクの家族にならないかい?」

 

ヘスティアがベルに対して抱いたそれを、人々は「()()」とそう呼ぶのだろう。




誤字脱字や説明で何か間違っていることがあったら是非教えてください…喜びます。感想も喜びます。
今回は日常回みたいな感じだったので、リゾットinベル君の格好良さをあまり出せませんでした。すまねえッ!

ヘスティアとベル君の出会いの場面はめちゃくちゃ頑張って執筆しました。なんかゾワッて感じてくれる人がいれば嬉しいです。
あ、ちなみに最後の場面のベル君はオラリオに来たばかりで疲れていたので涼んでいただけです。もしヘスティアがここで帰ってしまっていたら、ベル君は他の誰かにその素質を見染められて別のファミリアに所属していたかもしれません。君は「引力」を信じるか…?

それっぽいの考えて書きましたが、スキルの名前は後で変えるかもしれません。ジョジョ5部がイタリアの話だからローマの英雄の名前にしてみたけど、こういうの考えるの難しい。…『メタリカ』は上手く思いつかなくてこうなりました。多分変えます(無慈悲)。
磁界ってのはわかる。磁気の働く空間のことだからな。だが、磁界を統べる者っていうのはどういう事だああ~っ!?(混乱)
ベルがヘスティアに伝えた『メタリカ』の話の流れと初めてステータスを開示したときの話は次に書けると…いいな。

1話の感想、評価ディ・モールトグラッツェ!とても嬉しいですッ!
続かせ…たい(願望)。
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