瓜子姫、瓜子織姫とも呼ばれる『瓜子姫と天邪鬼』にて瓜から出てきて美しく育ち権力者へと嫁いだ少女。嫁ぐ直前、天邪鬼に騙され殺された話もあれば、木に吊るされていただけで生きていた話もある。果たしてアーチャーはどちらの話の瓜子姫なのか…そんなことを考えながら遠坂蓮は使い魔を兄弟子に送り学校へと行く。
朝
「よう遠坂、今日はいつもより顔色いいじゃないか。何かあったか」
「美綴か、あぁ3日ぶりに晩飯で水道水以外を食べたからな…」
「3日ぶりって…俺とのファミレスが最後じゃねぇか」
「昼はちゃんと食ってるからな、今日はサンドイッチをだな…」
「ならば勝負だ」
昼
「美綴よ、俺の負けだ。なんで冷えてるのにこんなに旨いんだよ…」
「遠坂、お前の敗因は…雑草を使ったことだな」
「雑草じゃない、家の庭に生えてた毒のなくちゃんと食べれる野草だ」
「庭に生えてたで雑草というんだよ。ったく、遠坂には食に拘りってのがないのか。ばあちゃんが言ってたぜ、料理の味を決めるのは下準備と手際の良さ。つまり遠坂は下準備の時点で負けている」
『全くねレン。貴方、私にはちゃんとしたのを作るのに自分のになると適当よね』
『おい、何話しかけてきてんだアーチャー』
『いいでしょ、霊体化してるし』
「む?急にぼーっとしてどうした、遠坂?」
「フフフ」
「衛宮の方をみてる?まさかお前…」
「違う」
夕方
「「「遠坂先輩お疲れ様です」」」
「あぁ、お疲れ様。…用事思い出したから、後は全部やっておくよ。先に皆帰ってて」
「「「はい、ではお先に失礼します」」」
「もういいぞアーチャー」
「これが学校なのね。結構楽しいじゃない♪」
「…まだ始まっていないがお客さんだ。お前の力見せてもらおうか」
「任せなさい!」
部活が終わり、アーチャーに霊体化を解かせた遠坂蓮は自身の教室へと戻る。教室に着くと数秒後、誰かが入ってくる。
「よお、お前は…アーチャーか?」
「そういう貴方はライダーね」
「ほぉ剣を持ってるからセイバーかもしれないのに」
「何か雰囲気で。貴方セイバーって感じしないもの」
「…まぁいい。弓を構えろ」
「おい、まだ聖杯戦争は始まっていないぞ」
「そんなの形式上だろ、いくぞ」
「アーチャー!」
「…バーン」
「ッ!俺に傷を…」
「ーーー!」
「誰だ!」
「ちょっとライダー…レン、どうするの?」
「追いかけろ、一般人を殺させるな。最悪その弓でなんとかしてくれ」
「わかったわ」
ライダーと交戦になりアーチャーの弓矢でダメージを与えた直後のことだった。誰かが教室へと入ろうと扉を開けたのだ。ライダーが目撃者を追いかけたためアーチャーにも追いかけるよう伝える。顔は見えなかったが制服だったからクラスメイトの女子だ。…無関係なやつを巻き込む訳にはいけない。急いでアーチャーを追いかける…ッ!アイツは衛宮か?何故サーヴァントを連れている。
「アーチャーやめろ」
「遠坂くん?」
衛宮のサーヴァントが警戒しながらこちらに槍を向ける…強そうなサーヴァントだ。しかし、当の衛宮はオロオロしている…とりあえず
「衛宮、お前は魔術師だったのか?」
「魔術師?私は魔法なんて使えないけど…」
「じゃあ何故お前の右手に令呪がある」
「れい…じゅ?」
ダメだ、コイツは状況を理解していない。みたところ魔術回路すらも開いていない。…不味いな。
「お前は聖杯戦争に参加しているんだ」
「聖杯戦争?何を言ってるの?もう訳がわからないよ」
「…マスター、まさか聖杯戦争も知らずに俺を呼んだのか?」
「マスター、話にならないわ。殺しましょ?」
「待て、アーチャー。衛宮、今ならまだ間に合う。聖杯戦争から辞退しないか?」
聖杯戦争について簡単に説明をする。大事なところは理解したようだ。そして今の衛宮の状態についても話す。…アイツに頼るしかないな。俺は衛宮と共に教会へと足を運んだ。
「綺礼いるか?」
「蓮、何の用だ。辞退でもしに来たか」
「そんな訳あるか。保護だ、一般人のな」
「やれやれこの戦争に巻き込まれるとは不幸なことだ」
「せめて口元は隠せ、にやけてるぞ」
言峰綺礼、今は亡き父の元弟子でつまりは俺の兄弟子だ…他人の不幸をみて笑い、持ってきたケーキにはタバスコをかけて食べる…ハッキリいって嫌な奴だ。連れてきた衛宮はというと
「目が死んでる?」
「ぷぷっ!」
「初対面の人間に対したそういうことを言えるとは大した少女じゃないか」
「あ、いえ、すみません。つい口がスベってしまいました。初めてまして、衛宮結と言います」
「衛宮?まぁいい。初めてまして、言峰綺礼だ。今回の聖杯戦争の監督者をしている」
「監督?」
監督について綺礼が説明する。目が死んで…ふっ!
「蓮、この少女はまだ脱落してない。私が今できることは何もない」
「コイツは魔術回路すら開けていないんだぞ」
「ここで死んだら令呪は回収しておこう」
コイツ…いや、俺の勝手な都合だ。俺が何とかしなくては。
「もういい、俺がどうにかする方法を考える。それまででいいからここにいろ。あとこれを飲んどけ」
虎の子である魔力が蓄えられた宝石を1つすりつぶし水へと溶かした物を衛宮に飲ます。これで明日の朝までは大丈夫なはずだ。俺は俺の準備をしよう。
教会を後にし向かったのは自分の家ではなく…電気屋だ。単純にトイレの電球が切れたのである。電球を1つ手に取り買い物かごへ入れレジへと並ぶ。
「2万7000円になります」
「………」
『アーチャー、これは何だ?』
『お願いマスター、教室でしてる人がいて私もやりたくなったの』
『ゲーム機本体はともかくソフトは1つにしろ、なんで3つ、しかもナンバリングが4、5、6なんだ。天空の勇者か』
『いいでしょ?お願い』
『…更なる活躍を約束しろ。…これも必要経費、これも必要経費、これも必要経費』
『ありがとうマスター!』
「毎度ありがとうございました」
予定外の出費があったものの家に帰宅し電球を設置、夕食の準備を始めた…今日は蕎麦にしよう。
「アーチャー、蕎麦でいいか?」
「ごめんなさいレン、蕎麦はどうしてもダメなの」
「…サーヴァントにもアレルギーがあるのか?まぁいい、何か食べたいものはある?」
「あー、それなんだけど今日はゲームがしたいからいいよ。そもそも私に食事は必要ないのだから」
夕食(蕎麦)を済ませ魔力を込めた宝石の数を数える。今後も考え聖杯戦争で使う数は10として…衛宮に1つ使ったため残りは9つ。衛宮を救うには…仮に全部明日から使い続けたとしても4日で無くなる計算だ。当然、全部使わせずできれば明日の朝までに魔術回路を開かせる。そのためにもう1つ使うことを覚悟しよう。…隣で寝そべりながらゲームをするアーチャーをみて、まだ戦争は始まっていないにも関わらず俺の心には不安しかなかった。
遠坂蓮:マスター。アーチャーと共にライダーと交戦、目撃者であるユイを保護しようとする。魔術回路を開かせるため宝石を回収しに家へと戻る。アーチャーに普通のご飯を用意する、他人であるユイに宝石をつかうなど、アーチャーにゲームを買うなど自分にだけドケチなようだ。ファミレスは交遊費のため別扱いとのこと。2日連続で水道水以外の夕食を食べる。
衛宮結:クラスメイトで目撃者。顔と名前しか知らないが助けようとしてる一般人。何故かサーヴァントを召喚していた。
言峰綺礼:監督で兄弟子。人間的には嫌いだが仕事を貰うためによく頼っている。格闘術の師匠。
美綴想:クラスメイトで友達。料理が上手いばあちゃん子。同じ弓道部でもある。
アーチャー:真名瓜子姫。霊体化しながらも学校を楽しむ。ライダーには普通に優位をとっていた。ゲームに興味を持ちレンにゲーム◯ーイアド◯ンスSPとパワ◯ケシリーズを買わせた。蕎麦がダメとのこと。
ライダー:サーヴァント。開戦してないにも関わらず襲ってくるもあえなく返り討ちにあう。目撃者であるユイを追いかける。
ランサー:サーヴァント。ユイに召喚された騎士。レン曰く強そう。
はい、蓮視点でした。まぁアーチャーが現世に馴染んでく回でしたね。
そういえば遂にスカサハ師匠をお出迎えできました!これで剣式、剣アストルフォ、ポール・バニヤン、水着獅子王、スカサハとバニーファイブがうちのカルデアに揃うことに…サポートがバニーファイブ(それぞれに合いそうな礼装)+凸イベント礼装キャストリアがいるのはたぶん私です。現在ボックスは45箱…目標まであと5箱なのでマイペースにいきたいと思います。それではここまで読んでいただきありがとうございました。