ベル君が【アポロン・ファミリア】に入団するのは間違っているだろうか   作:七篠ロキ

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『オブシディアン・ソルジャー』ですが、ちゃんと原作にも登場しています。
 アニメはまだ未登場ですけど。

 というか『怪物祭』前中後編で計3万字はやべぇ。疲れた。

 でも二次創作意力はある。不思議。

 そして、次回の後書きに新章予告します。


『怪物祭』を経て…

 僕たちはあの後、カサンドラさんの魔法やポーションなどによって、傷をいやした。その後、まだ無事だった【ガネーシャ・ファミリア】の団員が駆けつけて、檻から出た『バーバリアン』と『スパルトイ』を檻の中に戻した。ものすごく悲しい表情をされたけど。

 

 そして、あの容器を投げた犯人も見つからず、危険性が出たため、今年の『怪物祭』は中止を言い渡され、祭りは終わりを告げた。

 

 僕たちと主神含めた【ロキ・ファミリア】の皆さんと別れようとした時だった。

 

 

「そういえば、【アポロン・ファミリア】の皆さんは館が壊れてしまっていますけど、宿とかを取って泊まっているですか?」

 

「そうだ」

 

「ええ」

 

「ギクッ!! …そうです」

 

「……なんか今、ギクッ!! て言わなかった?」

 

 

 レフィーヤの質問によって、ベルの動揺を見破るアイズ。

 

 ベルは必死に誤魔化す。

 

 す、鋭い…! と思いながら。

 

 

「き、きききき気のせいですよ!」

 

「滅茶苦茶動揺しとるな……」

 

「……ベル?」

 

「ほ、ほら、もう中止と言われてしまったので、ここはもう立ち去りましょう! ロキ様もアイズさんもほら、早く!」

 

「あ、ああ…ま、そうやな」

 

「うん……」

 

「それに、まだ屋台は閉まってないかもしれませんし、ジャガ丸くんでも食べましょう!」

 

「わかった」

 

 

 アイズさんが目を輝かしながらジャガ丸くんの出店に向かおうとしている。

 

 危なかった…! どうにかして誤魔化せたけど、回答次第ではどつかれてもおかしくないぞ…。

 

 場所を知っているカサンドラさんも少し慌てていたし…。

 

 でも、一先ず危機を脱した。

 

 そう考えた僕に、レフィーヤさんが小声で僕に聞いてきた。

 

 

「……結局、どこの宿に泊まったのですか? まさか、娼館に泊まっているとか言いませんよね?」

 

「ち、違います!」

 

「じゃあどこに?」

 

 

 す、凄い詰め寄って来る…。僕は正直に話すべきなのか…? いや、でも…その後大丈夫なのか…?

 

 鬼気迫る形で詰め寄られた僕は、正直に話した。

 

 

「じ、実は…【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッドさんの部屋に泊まっていて…」

 

「……は?」

 

 

レフィーヤさんの声がもの凄く低く聞こえた。

 

 そして、すぐに逃げようとすると……。

 

 

「……ごんのぉ、ハレンチヒュウマアアアアアアアアン!!」

 

「ごはぁ!!」

 

 

 その一撃は重く感じた。Lv.3の力は伊達ではない。

 

 

「不潔です! 最低です! あの短時間でモンスターを調教したと聞いたから、ただ者ではないと思っていましたけど、そんな所に泊まっているとは! アイズさん達から半径500mに近づかないで下さい!」

 

「いや、ちょっ、それは誤解ですって…」

 

 

 もの凄く理不尽なことを言われ、よろよろと立ち上がった僕。何とか反論しようとするも、先に皆に暴露されてしまった。

 

 

「皆さん! この男は変態不潔最低ドスケベ人間です!」

 

「ちょっ! 流石にそれは……!」

 

「ん? どうしたん、レフィーヤ?」

 

「この変態男は、アミッドさんの部屋に泊まっているそうです!」

 

「マジで!?」

 

「何だと!?」

 

「あ、ばれちゃった…」

 

「ん? 別にいいんじゃないの?」

 

「馬鹿ティオナ! まあ、こいつ、この見た目で結構やるのね……」

 

「………………ベル?」

 

「いや、誤解ですから! アミッドさんがいない間に泊まって、掃除や片づけなどを頼まれていますから!」

 

「その間何かやましいことでもしているんじゃないですか?」

 

「してません! してません! 一切してません!」

 

「……一応、確かにしてなさそうやな」

 

「そうですか…。まあ、神様であるロキ様が言うんだったら」

 

「でも、それ以外でなんかあった感じやな」

 

「やっぱりハレンチ人間じゃないですか!」

 

「え、えええええ!?」

 

 

え、そんな!? 心当たりが………あ。

 

 思い出した僕はカサンドラさんの方に視線を向けると、カサンドラさんは物凄く赤い顔をしている。

 

 そ、そうだ。つい最近ステイタス更新の時にカサンドラさんの…。

 

 

「いや、でもあれは不可抗力で…」

 

「問答無用!」

 

「ゴハァッ!?」

 

「あ、吹っ飛んだ」

 

「前科ありだったのね…」

 

「ベル……」

 

「ティオナが投げ飛ばされたほどではないやな」

 

「私も一発殴ろう。私がアポロン様関連で手を回している間、当の本人は現を抜かしていたとはな」

 

「はうぅ…」

 

 

 僕に対して、皆の評価が下がった気がした。

 

 こうして、僕たちはまだ開いていたバイトの神様がいるジャガ丸くんの屋台でジャガ丸くんを購入し、食べた後、【ロキ・ファミリア】の皆さんと別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして僕たちは、先に避難していたアポロン様、ルアン、ダフネさんと合流した。

 

 

「おお、ヒュアキントス、カサンドラ、ベルきゅん! みんな無事だったんだね!」

 

「な、何とか…」

 

「ギリギリだったね…」

 

「私もだ。そして貴様、我々に何か言うことはないのか?」

 

「あ、はい…。勝手な行動をして、すみませんでした…」

 

「うむ、許そう! ただし、この後私と良いことをすヘブシッ!?」

 

「ふう…。とにかく、これで皆もう許したから、気にすることはないよ」

 

「オイラも許すぞ!」

 

「ありがとうございます」

 

「いてて…。とにかく、この後の事なんだが、館はあと7日で修理が完了するから、それまで各自宿を取って過ごすように! ところで、ベルきゅんが泊まっている宿はどこ?」

 

「もう一発蹴るわよ」

 

「何故に!?」

 

「……?」

 

「「「…………」」」

 

「まあ、とにかく…。はい、これ」

 

「あれ、このカードって、僕がくじ引きで当てたやつ…。結局ダフネさんに預けることにしたんじゃ…」

 

「え、ベルきゅんが当てたの!?」

 

「アンタは黙ってなさい。…『怪物祭』が終わるまでね。元はアンタが当てたカードだから、アンタのよ」

 

「いや、これ僕が持っても…」

 

「いいのよ。もしかしたらいずれ使うかもしれないし、そのカードに名前でも書きなさい」

 

「え、えーと…」

 

「まあ、いいじゃねぇか! そのカードを手に入れるまで、相当カジノでお金を落とさないと手に入らねぇって聞いたし!」

 

「で、でも、僕がカジノに行くって…」

 

「そ、それに、そのカードに書かれていたけど、同行は二人まで可能だから、一応わからなくても、その二人次第では何とかなる…と思う」

 

「……」

 

 

 こうして、このカードに僕の名前を書き、正式に僕の物となった。

 

 そして、僕たちはそれぞれ解散し、各々が泊まっている宿に帰って行った。

 

 ただし僕はその前に、経過観察であるにもかかわらず、戦闘を行って運動をしてしまったで、アミッドさんから再び激怒されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再びアミッドさんから激怒されてしまい、気落ちした僕だったが、晩御飯も食べて、アミッドさんの部屋に戻ろうとして、夜道を歩いている。

 

今日の『怪物祭』の一件で、【ガネーシャ・ファミリア】の団員も被害を受けたため、僕たちも受けた騒動の被害者も未だに回復してない人もいるため、アミッドさんは恐らく今日も部屋に戻っていないと考えられる。

 

 

(シャワーも浴びて、あの本の続きを読むか…。『アルゴノゥト』の話になったし)

 

 

 そう考え、僕が泊まっているアミッドさんの部屋に入ると、やはり明かりがついていなかった。

 

 やはり今日もアミッドさんは部屋に戻っていない。

 

 いや、アミッドさんが戻ってきても、ベッドが一つしかないから、それはそれで問題があり、僕の寝る場所が床になってしまうけれど。

 

 部屋の明かりをつけ、とりあえずシャワーを浴びようと、洗面所の奥にあるバスルームでシャワーを浴びるため、洗面所で服を脱ぎ、タオルを持っていざバスルームに入ろうとすると、ドアを開ける前に何か雫が落ちる音が聞こえた。

 

 もしかして、昨日シャワーを浴びたとき、完全に栓を締め切ってなかったのかと考え、「アミッドさん、すみません。今日から気をつけます」と思い、バスルームのドアを開ける。

 

 この時、僕は完全に不注意だった。

 

 何故、脱いだ服を入れる場所に、入れた覚えのないアミッドさんの団員服があり、靴もまた僕のではなく、バスルーム前にあったのか。

 

 何故、明かりをつけた覚えがないのに、バスルームから光が漏れていたのか。

 

 答えは簡単だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アミッドさんが部屋に戻っており、丁度シャワーを浴びていたからだった。

 

 そして、ドアが開いた音で、何かあったのかとアミッドさんが振り向く。

 

 

「~~~~♪……? ベルさん!?」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 お互いまさかの登場で、硬直する。

 

 そして、二人の顔が次第に赤くなっていき…。

 

 

「………す、すみませんでした!!」

 

 

 先に動けたのはベルだった。

 

 極東に伝わる土下座をタオル一枚で披露する。

 

 

「………」

 

 

 僕の行動を見て冷静になったのかアミッドさんも動いたけど、何も喋らずにただ淡々とシャワーを止め、タオルを巻いて、そして、僕の方に歩いてくる。

 

 恐らく罵声を浴びせるだろうと思い、これは完全に僕が悪いため、それを反論せずに受け止めようと思っていたところで、アミッドさんは土下座した僕の前に立ち止まった。

 

 

「……ベルさん、立ってください」

 

「え、あ、はい」

 

 

 そして僕は土下座から立ち上がり、アミッドさんと対面した。

 

 どちらもタオル一枚で。

 

 そして、その格好のままアミッドさんが僕の顔の横に片腕を伸ばし、そのまま壁に手をつき、神様たちが言う『壁ドン』をする。

 

 か、顔が近い…。鼻先が触れそうになるぐらい…。

 

 

「……あの」

 

「しゃべらないで下さい」

 

「……」

 

 

 め、滅茶苦茶怖い…。下手したら、僕が今日経過観察中なのに運動してしまった時よりも。

 

 そして、アミッドさんが口を開き、僕に尋問した。

 

 

「ベルさん。私は今怒っているのですが、どうしてかお分かりですよね」

 

「はい…」

 

「では、なぜ怒っている理由を述べてみてください」

 

「僕が、アミッドさんがいたことに気づかずにバスルームに入ったからです…」

 

「よくわかりますね。では、なぜあなたは私がバスルームにいないと思ったのですか?」

 

「…今日の事があって、アミッドさんの仕事が忙しくて部屋に戻れないと思い、また僕は帰って来た時には部屋の明かりがついていなかったからです…」

 

「なるほど。では、その先入観で私がここにいないと思ったからですね」

 

 

 アミッドさんがこのように僕の行動の原因を結論した。

 

 いや、確かにそう思い込んでいましたけど。

 

 

「確かに、今日は【ガネーシャ・ファミリア】の人達の手当てをしましたが、連日だとさすがの私でも疲れますので、こうしていきなり休暇を取ることもあります」

 

「そ、その…」

 

「そうですね。あなたに私の部屋を泊まっていいとおっしゃったのは私ですから、このような自体になりうる考慮をしていなかった私の責任もありますね」

 

「え、あ、そ、それは…」

 

「こうしてあなたの裸の姿を見ることにもなりましたからね。ええ、私の行動の責任もこのように形として証拠にありますね」

 

「あの、いくら何でもそれは暴論じゃ…」

 

「ですけど、ベルさんの方に責任が大きいですね」

 

「はい、仰る通りで…」

 

「ここは元はと言えば私の部屋であり、またいくら私でも患者の傷をいやすため、患者の裸を見ることはありますけど、わ、私の体の大事な部分まで見られたことはないのです」

 

「は、はい…」

 

「逆にいえば、い、今の私の肢体が他人に見られるのが、これが初めてです」

 

「は、はい……ん?」

 

 

 

「ですので、この際ですから一緒に湯船に入りましょう」

 

 

 僕の頭は、アミッドさんが言っていた意味がすぐに理解できなかった。

 

 

「え……えええええ!?」

 

「責任が大きいベルさんには拒否権はありません」

 

「あの、アミッドさん!?」

 

「では、私はシャワーを浴びた後に湯船に入るつもりでしたので、すでに湯船は沸かしてありますが、ベルさんは今バスルームに入ってきたばっかりですので、まずシャワーを浴びてください」

 

「いや、でも、流石にそれは」

 

 僕はバスルームから逃走しようとしたが、もう片方の腕でもう一回『壁ドン』され、身動きが取れなくなった。

 

「あ、逃げようとしないで下さい。私はこれでもLv.2ですので。今のベルさんは経過観察中ですから無理しないで下さい。むしろこれは経過観察中の方の生活の動きが服越しではなく直で見る機会でもありますので」

 

「アミッドさーん!? 僕が悪かったですから許して下さい!?」

 

「駄目です。これはあくまで治療のためですので、試験的な意味も含まれていますから」

 

「いや、僕は恥ずかしいですから!?」

 

「私もこう見えては恥ずかしがっていますが、我慢して下さい。これは将来的な治療の意味も含んでいますので。後、これ以上今の私に体を動かせないで下さい。体に撒いているタオルが解けます」

 

「……」

 

 

 タオルを人質にされてしまい、こうして僕は、僕の中の欲望と理性の衝突をしながら、アミッドさんと一緒にお風呂に入ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして今、僕が体を洗っているところを、間近でアミッドさんに見られている。

 

 

「どうして、こうなったんだ…」

 

「ベルさん。今は体を洗い流す方に集中してください」

 

「あの…、アミッドさん。本当に恥ずかしいんですけど…」

 

「大丈夫です。ベルさんも私の肢体を見ましたので、これでおあいこです」

 

 

 いや、どう考えてもおかしい。

 

 そう思っていると、僕は思いっきり失言をしてしまった。

 

 

「いや、でも僕が見たのって、湯気が出ていて、しかもここまで近くに見ては…」

 

「おや、私の肢体はそこまで見ていなかったと。そ、そうですか。なら、わ、私のタオルを取って、も、もっと近くに…」

 

「すみません! 今のは完全に失言しました! 忘れてください! 後アミッドさん、そこまで声が震えているなら無理しないで下さい! そしてムキになってタオルを取ろうとしないで下さい!」

 

「…ふむ、わかりました。ですが、さっきのことを言える余裕があるのでしたら、もう少し近くで見ますか」

 

 

 僕が必死にお願いし、僕とアミッドさんの距離が1 mぐらいの距離だったが、40 cmぐらいの距離になってしまった。

 

 ちなみに、僕が腰に巻いているタオルは死守している。

 

 

「ア、アミッドさん!? そこまで近いとシャワーがかかりますよ!?」

 

「ベルさんが頑張って下さい。大丈夫です。確かに、あの距離だと湯気が出ていてよく見えませんでしたので」

 

「いや、もうあの距離だと既に湯気はほぼ無効だと思うんですけど!?」

 

「念のためです。あ、もう体の洗う所はなくなりそうですね。それが終わったら次は湯船です。こちらからは私も入りますので心配なく」

 

「アミッドさん、ほ、本当にもう恥ずかしいですから…」

 

「ベルさん。これは治療のため、経過観察の日常的な体の動きを直に目にするのはまずできませんので、またとない機会なのです。男性の動きは特に」

 

「でも、もう僕の精神的な意味で…」

 

 

 どうにか納得してほしい。僕は精神的に訴えようとしたら、違う解釈をされてしまった。

 

 

「あ、確かに湯船にタオルを浸すのはマナー違反ですね。仕方ありません。お、お互い、タ、タオルを外して…」

 

「あの、マナー違反をしてしまって気がかりになるという意味ではなくてですね!?」

 

「あ、洗い終わりましたね。で、では、タ、タオ、タオルをは、外して、ゆ、湯船に入りましょう」

 

「アミッドさーーん!? しっかりしてー!?」

 

「お、お願いですから、や、やさ…」

 

「これ以上は言っては駄目です!?」

 

 

 余計悪化してしまった。

 

 まずい。このままでは、ただでさえ僕の中の肥大化する欲望に対して理性が踏ん張っているのに、これ以上強まっては大変なことになる。

 

 どうにかしないと…。

 

 

 

 

 そ、そうだ! 話題を変えて風呂から出るようにすれば…

 

 

「で、では、け、決心しましたので…」

 

「あ、あの、アミッドさん! タオルを取る前に聞きたいことがあるんですけど、アミッドさんの本が売られていた期間が短く、内容はそこまで問題ではなかったにもかかわらず、絶版になっていた本があったんですけど、あれはいったい何故なんですか?」

 

「あ、ああ、あの本ですか。一度はギルドの検閲などが通った本でしたけど、何故かその後再調査が出ていて、その時私の本が検閲になったのです」

 

「そ、それと、「アルゴノゥト」に登場した吟遊詩人、リュールゥの事について書かれていた『英雄伝吟遊詩人』というタイトルの本は、あれはいったいどこで手に入れたのですか?」

 

「あれですか。確か私が【ディアンケヒト・ファミリア】に入団する前の時に入手したもので、私の部屋にある本棚の中では2, 3番目に古い本でしたね。あの時の私は医療について『学区』で聞いたものばかりでしたので、まだ右も左もわからなくて、非常に戸惑っていたのですけど、あの本を入手して志を決めました。それに確か、あの本を読んだ後に先程話した本を執筆しました」

 

「…ッ!?」

 

 

 話題転換で話したつもりが、何かとんでもないことを聞いた気がする。

 

 僕が読んだ所までで医療に志を決めようとしたら、リュールゥがモンスターとの相打ちで、初めて友をなくしてしまった時の話ぐらいだった。後は言葉の関係もあって、裏切りもあったけど、後は唄のおかげで人生は清らかだったはずだ。

 

 あの本に、本当にアミッドさんが、医療の志を決意した程の何かが書かれているのか?

 

 

「あ、あと、『英雄伝吟遊詩人』の著者の名前や発売された日とか書かれていなかったのですけど、あれは一体…」

 

「それはわかりません。あの本は、元は『学区』の奥の方にあったものらしくて、私は優秀な成績を修めましたので、その時に好きな本を選べますが、私の旧友があの本を選び、私に渡しました」

 

「……」

 

 

 僕はその話を真剣に聞いていて、バスルームから飛び出すことを忘れてしまっていた。

 

 あの本は本当に一体何なのだろう。そして、絶版が入ったのは一体なぜ。

 

 疑問が尽きない中、アミッドさんは先程の状態に戻ってしまった。

 

 

「あ、あのベルさん。湯冷めしてしまいますので、湯船に…」

 

「あ、はい……て!?」

 

 

僕も考えている間に返事をしてしまって、現実に戻った。

 

 

「じゃ、じゃあ、わ、私は先にタ、タオルを取って湯船に入りますで…」

 

「アミッドさん!? 今さっきの流れで!? というか、これ以上先は超えてはいけない!? 僕らはそんな関係じゃ…」

 

「ベルさん。何事もショートカットというのも大切なことです」

 

「いや、そこはショートカットしすぎですから!?」

 

「べ、ベルさん。タ、タオルを取ろうとしている手が、な、何か震えているのです。恐らくこれは寒さから…」

 

「いやこれはどう見ても緊張からくるものですから!? 本当にしっかりして下さい!?」

 

 

 

 

結局、アミッドさんは非常に緊張していたことで、どうにか僕はそこをつけこんで、どうにかあきらめるよう何とか説得した。

 

 本当に疲れた…。もう寝よう…。

 

 そう考え、僕は先に出て服を着ていたら、あることに気づいた。

 

 

「あ、ベッド一つしかないのに、今夜どうすればいいんだ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫です。一緒に寝ましょう。そのくらいならベルさんも抵抗しなくてもいいはずです。お互い服を着ていますし、寝るくらいならどうとでも大丈夫です。枕ももう一つありますし」

 

「あ、じゃあそれで」

 

 

 こうして、僕とアミッドさんは一つのベッドで眠り、夜を過ごすこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「zzz…ンッ…zzz……zzz」

 

「zzz…何か…zzz…苦しい…zzz」

 

 

 ただし、ベルは抱き枕代わりにされていた。

 

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