ベル君が【アポロン・ファミリア】に入団するのは間違っているだろうか   作:七篠ロキ

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アポロン「私の男の娘になるのが条けウボアッ!?」
ダフネ「いい加減にしろこの変態!!」
ヒュアキントス「ダフネ貴様!!」

…よく逃げ出さなかったな、このベル君。


自己紹介

ベル・クラネル

Lv.1

力:I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

≪魔法≫

【】

 

≪スキル≫

【】

 

 

 

 

「はい、これで恩恵は授けた。これでもうわが【アポロン・ファミリア】の一員だ」

 

「は、はい! ありがとうございます!」

 

 

 僕は上半身裸になり、アポロン様が背中に恩恵を刻んでくれた。

 

 これにより、僕は晴れて【アポロン・ファミリア】の団員になった。

 

 よ、良かった……遂にファミリアに入団することが出来たぞ……正直、予算がもうほとんどなかったからどうしようかと思った……!

 

 

「とりあえず、ここにいるメンバーだけでも自己紹介をしようか。私の名はアポロンだ」

 

「私の名はヒュアキントス・クリオ。この【アポロン・ファミリア】の団長だ」

 

「ウチはダフネ・ラウロスよ。よろしく」

 

「は、はい! ベル・クラネルです! よろしくお願いいたします!」

 

「さて、貴様のような奴は本来門前払いになるところだったが……運がいいことにアポロン様に気に入られるとはな……アポロン様の期待を削ぐようなことはするなよ!」

 

「ひっ!」

 

 

 こ、この団長……すごく怖い……!

 

 

「ちょっと、ヒュアキントス! いきなりそれはいくらなんでも怖がるわよ! 前もそうやってウチらに入団希望した子を逃げさせたじゃない!」

 

「ふん、どうだか」

 

「まあまあ、ヒュアキントスは落ち着いて。ベルきゅ、じゃないベル君は冒険者になりに来たのだろう? ただ、もう外は暗くなりかけているし、冒険者登録は明日にしよう。今日の夕食時には、わが【アポロン・ファミリア】の他のメンバーにも自己紹介をしてもらおう」

 

「は、はい! わかりました!」

 

 

 他の人達か~。優しい人たちだといいなぁ……。ん? そういえば、この【アポロン・ファミリア】の館って外から見ても結構大きかったような……。

 

 

「あ、あの。ここの【アポロン・ファミリア】って、一体何十人ぐらいの人がいるのですか?」

 

「ん? 知らなかったのか? わが【アポロン・ファミリア】のギルドの等級はD。団員は君を入れて丁度百人だ。」

 

「ひゃ、百人……!」

 

「まあ、さすがに最初は団員全員の名前をすぐに覚えるのは無理だから、少しずつ覚えていこうね。あと部屋の振り分けも夕食の後に教えてもらえると思うよ」

 

「は、はい……」

 

 

 こ、これは予想以上に大変になるかもしれない……

 

 

「ん、そういえば貴様、宿はどこに泊まっていた?」

 

「『INN』の看板を掲げていた二階建ての木造品のお店です。」

 

「…いくらぐらいだったの?」

 

「一晩800ヴァリスで、三日で2000ヴァリスでした!」

 

「いや、それぼったくりじゃないか!?」

 

「えっ」

 

 

 そうなの!?

 

 

「よく軍資金が持ったわね」

 

「リヴィラの街の方よりはマシだな」

 

「ま、まあこの【アポロン・ファミリア】に入団したから、今日からこの館に泊まれるし、問題は解決したけどね」

 

「は、そうか! アポロン様はこれを見越してこいつを入団させたのか! さすがはアポロン様!」

 

「は、は、ははは! それほどでも!」

 

「こいつやっぱり、容姿だけで決めたな……」

 

「と、とりあえず、まずそこの宿屋に残してある荷物を持ってきて、それから夕食にしよう!」

 

「は、はい! わかりました!」

 

 

 僕は元気に挨拶して、すぐに宿屋に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

「…たくっ、まさかのカサンドラが言っていた夢の内容が当たるなんて…」

 

「ん、何か言ったか?」

 

「いや、何でもないよ。ひとまず、リッソスたちも呼んで、あいつの教育係を決めないとね」

 

「ああ、その事なんだが…」

 

「?」

 

 

 

 

 

 そして、僕は宿屋に到着した。部屋に入り、荷物をまとめていく。

 

 …正直、ぼったくられていたとは思ってなかった。

 

 当の宿屋の受付のおじさんがそう思っていなかったら、ちゃんと話をしないと…。

 

 そして部屋を出ると、丁度受付のおじさんに会った。

 

 

「ん、坊主。荷物をまとめてどうしたんだ? 遂に【ファミリア】に入れたのか?」

 

「はい! 今までお世話になりました!」

 

「いや、お世話になったかどうか……むしろこっちの方が謝罪しなきゃならない方だが…」

 

「……」

 

 

 ほ、本当にぼったくりをしてたんだ…!

 

 僕の心の中で悲しみが強まって、涙が出そうになった。

 

 だけど、そんな僕に渡そうと、受付のおじさんが何かを取り出した。

 

 

「おい、坊主……どこだか知らんが、【ファミリア】に入団できておめでとうな。あと、お前はもう少し、人を疑う所を覚えろ」

 

 

これから先、生きて行けないぞ、と。

 

 餞別代わりに黒パンを差し出して、宿屋の受付のおじさんはそう言ってくる。

 

 

「…あ、あの! ありがとうございました!」

 

 

僕はそれを受け取ってから背を向け、宿の扉を閉める。

 

 そして、扉の前で深くお辞儀をした。

 

 少しだけ、瞼の裏が熱くなるのを感じている。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、夕食の時間になった。

 

 ここの【アポロン・ファミリア】は団長や一部の幹部を除き、交代制で夕食を作っている。僕もどこかの日に作ることになると思うけど……ひとまず、自己紹介が先だ!

 

「ベル・クラネルです! よろしくお願いいたします!」

 

「さて、見ての通り、新しいわが眷属だ。皆仲良くするように!」

 

 

 アポロン様がそう言い、多くの人達が僕に押し寄せて来た。

 

 

「リッソスだ。宜しく」

 

「わ、私の名前はカサンドラ・イリオン。よ、よろしくね」

 

「オイラはルアン・エスペルだ! よろしくっ!」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「なあ、ベル。お前どこから来たんだ? オラリオに来て何日ぐらいになる?」

 

「戦闘スタイルは何だ?」

 

「部屋はどこ?」

 

「え、えーと。遠い田舎の方からオラリオに来て、荷物検査で2日経って、街中に入ってからさらに2日でして、まだオラリオの中は何があるのかまださっぱり……戦闘スタイルもまだ……部屋は夕食後に決めてもらうそうです」

 

 

 質問攻めを喰らい、あまり食事につくことが出来なかった。一口食べただけで、非常においしく感じられたのが幸いだった。

 

 そんな時、ある質問が出た。

 

 

「そういえば昨日街中でお前を見かけたような気がするけど、何軒ぐらい【ファミリア】を訪れたんだ?」

 

「そ、それは……」

 

 

 ま、まさか見られていたとは……。

 

 

「そういえば、大分日が落ちていた時に訪ねてきたな……貴様、結局何軒ぐらい行ったんだ?」

 

 

 僕は両手の指を下して数え、3週目でようやく止まった。

 

 

「ここの【アポロン・ファミリア】を含めて丁度30軒です。」

 

「そんなに行ったのか!?」

 

「人員募集中の派閥にも行ったのか?」

 

「もしかして、有名な【ファミリア】のところにも行ったの?」

 

「はい…。人員を募集していた派閥の方は、他の入団希望者と比較されて……落とされました。もういっそのこと、オラリオに着いた時、話題になっていた【ロキ・ファミリア】にも行ったのですが……丁度入れ違いに幹部以上の人達は遠征に行ってしまったらしくて……、ロキ様も用事でいなかったらしく……結局門前払いされました。」

 

「ああ、そういえば【ロキ・ファミリア】は2日前が遠征日だったな」

 

「それは運が悪かったね」

 

「な、何か、結構大変そうだったんだな」

 

「はい……」

 

 

 いや、もうほんとに。

 

 ひどいときは殴り飛ばされたし。

 

初日でボロボロになって宿屋に帰って来た時は、受付のおじさんからすごく心配されたし。ポーションまでおごってもらったし…。あれ、何だかまた瞼の裏が熱くなっている気が。

 

 少し重い空気になり、皆がどんな言葉を掛けるべきか悩んでいる。僕もどうしようと悩んでいると、すぐに小人族の男性――――ルアンさんが、吹き飛ばしてくれた。

 

 

「ま、とりあえず! 【アポロン・ファミリア】に入れたんだ! 今はうまい飯を食って楽しもうぜ!」

 

「こういう時だけ、ルアンは役に立つよな」

 

「だけ、ってなんだよっ!?」

 

 

 夕食の会場は笑い声に包まれ、賑やかな歓迎会へと戻ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 夕食後、僕は団長であるヒュアキントスさんに呼び出される。

 

 もしかして、部屋の振り分けが決まったのかな? 同居人は優しい人だといいなぁ。

 

 

「部屋の案内より先に、貴様の教育係の話をしよう」

 

「!」

 

 

 まずはそっちからか……誰になるんだろう?

 

 ヒュアキントスさんが会議室用の部屋を開けると、中には―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

ダフネさんとカサンドラさん、リッソスさんがいた。

 

 って、3人!?

 

 

「え、も、もしかして……!?」

 

「そういうことだ。貴様の教育係はこの3人だ。本来なら1人か2人だが、アポロン様直々の提案でな。あまり失望させるなよ」

 

「そういうわけだから、よろしくね」

 

「よ、よろしく」

 

「よろしくお願いする」

 

「……わ、わかりました」

 

 

 プ、プレッシャーが逆に大きい……!

 

 が、頑張らないと……!

 

 

「ひとまず、この後君の部屋はどこか教えてもらって、今日はもう休むがいい。明日から忙しくなるからそのつもりでいこう」

 

「リ、リッソスさん…」

 

「流石にベルも疲れているはずだ。精神的な意味でも休まないといろいろ厳しいからな」

 

「あ、風呂場も後で案内するね」

 

「わ、わかりました」

 

「そんなに緊張しなくていい。もう同じ【ファミリア】なのだから」

 

 

 リ、リッソスさん……っ!

 

 

「……とりあえず、カサンドラ。部屋の案内を」

 

「は、はい! わかりました!」

 

 

こうして僕は会議室を後にした。

 

 

 

 

 

 

「で、明日からどうするつもりなの?」

 

「とりあえず、まずは冒険者登録。その後ベルの武器選び。多分ここでかなり時間がかかると思うから、その後一旦戻って屋敷全体の案内だな。そこで明日は終わるだろう。」

 

「ふん…」

 

「ん? 何か不満かヒュアキントス?」

 

「アポロン様はなぜあいつにここまで…」

 

「ま、それは時がたてばわかるだろう」

 

「エルフのあんたが言うと説得力あるわね…」

 

 

 

 

 

 

 カサンドラさんに僕の部屋の案内をしてもらっている。

 

 こうしてみると、やっぱりこの館、かなり広い。確かに人数が多くないと掃除とか非常に厳しそうだ。

 

「……やっぱりお告げの言う通りだった」

 

「ん?今何か言いましたか?」

 

「あ、うん。……実は夢で兎さんが太陽の中に入る夢を見て。最初、今日兎人の種族の人が入団するのかなと思ったけど…君が入団してきたから…容姿も兎みたいだったし…」

 

「あ、あはは…」

 

 

 夢? 太陽の中に入る?

 

 確かに、ここの【アポロン・ファミリア】のエンブレムは太陽だし、僕の容姿も兎に似てるといわれたら似てるけど…。

 

 

「あ、ごめん。信じなくても全然かまわないよ…」

 

「いえ、信じます」

 

「えっ?」

 

「も、妄想と言われたらそれまでなんですけど……。でも、実際僕が【アポロン・ファミリア】に入団できたのは事実ですし」

 

 

 そう言ったら、カサンドラさんが非常にうろたえていて、恐る恐る言ってきた。

 

 

「し、信じてくれるんですか……?」

 

 

僕は思わず苦笑いをしながら頷く。

 

 

「大丈夫です、信じます」

 

 

 そう言うと――――カサンドラさんは感極まったように瞳を潤ませて見つめている。

 

さすがに大げさではないかと汗を流したが、それと同時にカサンドラさんが少し残念そうな顔をしたので、どうやら僕の部屋の所に着いたようだった。

 

 

「ここがベル君の部屋だよっ」

 

「ありがとうございます」

 

 荷物を降ろすため、部屋のドアを開けると、僕の部屋の同居人は―――――

 

 

 

 

 

 

 ルアンさんだった。

 

 

「え、お前らっ、どうしてここにっ!?」

 

「え、ルアンさんも知らなかったんですか!?」

 

「え、あの、僕の部屋って、ここであってますよね!?」

 

 

 こうして、僕の【アポロン・ファミリア】の生活が始まるのであった。

 




 まさかのベル君の教育係が3人という暴挙。
 アポロン様大丈夫?何か策を感じているのは気のせいか?
 
 まあ、一旦自己紹介は済んだし、次からは武器選びとして…
 ん? リッソスって誰かって? オリキャラかって?
 やだなぁ。ちゃんとダンまち本編に出ていますよ。
 アニメだと活躍が合計20秒あったかどうかですが(汗)
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