ベル君が【アポロン・ファミリア】に入団するのは間違っているだろうか   作:七篠ロキ

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新章開始!


戦争遊戯
強制任務


ベル・クラネル

Lv.1

力 :H159

耐久:H115

器用:H179

敏捷:G259

魔力:I0

 

≪魔法≫

【】

 

≪スキル≫

【】

 

 

 

 

 僕が冒険者になってから約2ヶ月が経った。

 

 そして、経過観察が終わってから約1ヶ月が経った。

 

 現在の場所はダンジョン7階層。

 

 今の僕達のパーティーは、僕、ルアン、『怪物祭』の時の大会で知り合ったリリ。

 

 少し前に僕のアビリティが『魔力』を除いて全てH以上に到達したため、僕の教育係の役割を終えたリッソスさん、カサンドラさん、ダフネさんはいない。

 

 今日のミィシャさんの座学を終え、その後にアミッドさんからの直接の冒険者依頼で、今ここにいる。

 

 直接の依頼だったので、ダフネさんに相談してみて、特に問題はないと承諾してもらった。

 

 冒険者依頼の内容は「『ブルー・パピリオの翅』を25枚」。

 

 恐らく、新たなポーションの開発研究に使うつもりだろう。

 

 ただし、このアイテムを1つでも手に入れるのは、少々骨が折れる。

 

 なぜなら、『ブルー・パピリオの翅』をドロップアイテムとして落とす『ブルー・パピリオ』は蝶のモンスターで戦う力がほぼないが、翅からこぼれる鱗粉がモンスター達を治癒する能力があり、また『稀少類』に分類されており、数が少ない。

 

 そのため、滅多に手に入りにくく、傷がない1枚でもギルドは1800ヴァリス前後で買い取ってくれる。この冒険者依頼の報酬も「ポーション2ダース、ハイポーション5本」と大盤振る舞いである。

 

 ルアンとリリに相談したら簡単に承諾され、『ブルー・パピリオ』が比較的発見しやすいダンジョン7階層の食糧庫に向かって、そこで隠れて待ち伏せをして、獲物の群れを発見する。そして、食糧庫から出た後を追跡して、まとめて倒す。

 

 僕たちはダンジョン7階層まで進出が許可されており、ルアンやリリの協力があって、なんとか倒している。

 

 それを8度繰り返して、ようやく25枚目になった。

 

 僕達は達成できたクエストに喜びを分かち合っていた。

 

「ドロップアイテムが出た確率が結構高かったな!」

 

「まさかの1日で終わっちゃったね」

 

「そうですね。正直言って、リリはこの冒険者依頼を達成するにはあと4日はかかると思っていました」

 

 僕達は収穫した『ブルー・パピリオの翅』を集め、地上に出た。外はもう夕方だった。

 

 まずはダンジョンで獲った魔石や他のドロップアイテムをギルドで換金し、冒険者依頼であった25枚の『ブルー・パピリオの翅』をアミッドさんの所に持って行こうとした。

 

「しかし、まさかベル様が【ディアンケヒト・ファミリア】の団長であるアミッド様と、友好関係があるとは思っていませんでした」

 

「なんかベルってそいつと仲がかなり良いよな」

 

「まあ、知り合ったきっかけは館が崩壊した時の僕の入院だけどね」

 

「そう言いつつ、この前部屋に泊めてもらったんだろ! オイラはヒュアキントスから聞いたんだぞっ!」

 

「えっ!? ベル様って、アミッドさんとそこまでの仲だったんですか!?」

 

「いや、でもやましい事は…」

 

 ない。と言おうとした口が止まり、思い返したらかなりあった気がする。

 

 風呂の時を始め、他にもいろいろと。

 

 実は部屋を出た日からも週に3, 4回ぐらい顔を出している。会うたびに待合室に連れて行かれ、ドアを閉じて2人きりになった瞬間に抱き付かれているけど。

 

 僕はこれ以上質問攻めされたら恥ずかしいので、この話題を切り替えようとしたら、丁度【ディアンケヒト・ファミリア】が経営し、普段アミッドさんがいる施設に着いた。

 そこは勿論病院でもあるが、ポーションやハイポーションなども販売しており、また他にも専用の特効薬などもある。他にも待合室や商談室がある。

 そして、受付にアミッドさんがいた。

 

「いらっしゃいませ。おや、ベルさんじゃないですか。もしかして、もう私の冒険者依頼を終了したのですか?」

 

「はい。丁度今、終わらせてきました」

 

「これもそうだぞー」

 

「これもです」

 

「では、どうぞこちらに」

 

 商談室に案内され、僕達が抱えていた袋の包みを開いて、中身を見せる。

 

 珍しくアミッドさんが驚きの表情を浮かべた。そしてすぐに元の無表情に戻る。

 

「確かに。依頼遂行ありがとうございました。つきましては、こちらが報酬となります。お受け取り下さい」

 

 用意されたのは、ポーション2ダースとハイポーション5本であった。リリはまじまじと見て、それらは本物であることが分かった。

 

「流石は信頼されている治療系の【ファミリア】であって、報酬を踏み倒すようなことはしないですね」

 

「当たり前です。お客様からの信頼・信用が第一ですから」

 

 僕は始めて頂く報酬に嬉しさを感じ、『ブルー・パピリオの翅』が入った包みをアミッドさんに渡し、報酬を受け取った。

 

「よし、じゃあこれをみんなで分けて…」

 

「ああ、帰るとするか!」

 

「そうですね。先程の換金したお金の分け前のこともありますし」

 

「では、またのご利用をお待ちしております」

 

 

 施設を出る際、アミッドさんが僕達に深いお辞儀をして見送ってくれた。

 

 その後、別れる前に3等分に分け前して、リリと別れた。

 

 その帰り道、僕とルアンは報酬の事で話していた。

 

 

「しっかし、オイラが報酬でハイポーションをもらう日が来るとはなぁ」

 

「あれ、ルアンはこれが初めてじゃないはず…」

 

「ああ、色々と冒険者依頼は受けたことがあるけど、どれもサポーターとしてついて行っていたからな。当然、ベルみたいにあんな分け前をしない事が多かったし」

 

「そうなんだ…。あれ、そういえば、僕と組む前とかはどうなっていたの? 始めてダンジョンに行った時や僕の経過観察が終わった時から、僕のパーティーとして行っていたけど」

 

「ベルと組む前は均等に分け前をもらったことなんか、ダフネとかそこら辺しっかりしていた奴がいた時以外は1回もなかったし、他派閥の奴らと組んだ時は、ひどい時は何か一つでもミスした時は何ももらえなかったな」

 

「え…」

 

「まあ、そういう事をする奴らとはオイラはすぐ縁を切って、他のパーティーに入れてもらうよう頼んでいるからアレだけど、それでも他のパーティーに入れてもらえる道も長いからな。まさにベルが【ファミリア】探しをしていた時みたいに。何にせよ、ベルが想像していたことよりサポーター業界は厳しいんだぜ」

 

 

 本当に厳しそうだった。もはや冷遇されているというレベルじゃない。

 

 あの『怪物祭』でやった大会の時、リリと同じ【ソーマ・ファミリア】の団員であるチャンドラさんはこの事情を知っていたから、僕達に頼んでいたのかな…。

 

 そんな話をしていると、新しくなった館についてしまった。

 

 

「まあそんな辛気臭い顔をせず、すぐに着替えて外で酒でも飲もうぜ!」

 

「うん、そうだね!」

 

「題して『ベルの初の冒険者依頼達成会』とか? 俺達と組んだリリルカもオイラが既に呼んでいるし。…ん? なんか騒がしくないか?」

 

「あれ、何だろう…?」

 

 

 館に入ると、ヒュアキントスさんやダフネさん、リッソスさんなど僕と同じ団員たちが神妙な顔つきをしていた。アポロン様も珍しく微妙な顔をしていた。

 

 そして、話し声が聞こえた。

 

 

「ギルドからの『強制任務』か…」

 

「メレンでの調査ね…。しかも他派閥と共同で」

 

「私は行かん。貴様らの誰かが行け」

 

 

 何か聞きなれない単語が聞こえた。

 

 『強制任務』? 何だろう…?

 

 ルアンが驚きの表情をしている傍に考え込んでいると、カサンドラさんは僕達が帰ってきたことに気づいた。

 

 

「あ、ベル、ルアン。お帰り~」

 

「ただいまカサンドラさん。あの、『強制任務』って…」

 

「ああ、その説明をしていなかったね。簡単にいうと、ギルドからの『冒険者依頼』を強制的に行うと言う感じかな? 私達の【ファミリア】は探索系だから、普通遠征の話になるはずなんだけど…」

 

「その言い分だと、今回は違うのか?」

 

「うん…。何か、【ヘルメス・ファミリア】と手を組んで、オラリオの近くにあるメレンの港に滞在している【ファミリア】を調査しろという内容なの」

 

 

 メレンか…。確か、ミィシャさんとの初めての座学の時に都市から見て南西に位置した所にあるんだっけ…。

 

 あれ、でも…

 

「オラリオの外に調査なんですか?」

 

「うん。普通、ここにはこないし、しかもオラリオ外の【ファミリア】だとそんな強くないから、強制任務なんか来ないんだけど…」

 

「他の【ファミリア】にもこの通知が来たのか?」

 

「ここもそうなんだけど、人数制限があって、他の【ファミリア】には【ロキ・ファミリア】の名前だけがあったよ」

 

「そうなんですか…。ん? 人数制限?」

 

「今都市が『怪物祭』の事もあったから、警戒令をまだ解いてないからな。そのせいで、【ロキ・ファミリア】もギルドから警戒令が解かれるまで遠征中止と言い渡されたらしいし」

 

「強制任務の人数は【アポロン・ファミリア】は4人、【ヘルメス・ファミリア】は2人と主神、【ロキ・ファミリア】は6人らしいの」

 

「その人数なら、いっそのこと1つの【ファミリア】に統一しろよ。というか、何で【アポロン・ファミリア】も?」

 

「ギルド曰く、念のためらしいの…」

 

「軽いな!?」

 

 

 強制任務か…。なるほど、ここにいる人達は皆、誰か行くかで揉めていたのか…。

 

 未だ止まぬ喧噪。そして少しずつヒートアップしてきた。

 

 

「私はまだ経過観察中だから無理だ」

 

「俺もそうだ」

 

「私は無理。水中はやりにくし」

 

「俺は行きたいんだが」

 

「俺も。もしかしたら神々が言う水着を着てくるかもしれないし」

 

「アンタら…」

 

「これ明らかに面倒を押し付けられるぞ」

 

 

 どうにかして止めさないと決まらない。

 

 そう考えていると、ルアンが何かを閃いた。

 

 

「あ、そうだ!オイラに良い考えがある」

 

 

 ルアンが大声を出してそう言うと、皆に注目されながら紙とペンを出してきた。

 

 

「ここに誰かの名前を書き、その人に行ってもらおうぜ!」

 

「なるほど、名案だな!」

 

「こいつにしちゃ、良い案だな」

 

「どこか頭でも打った?」

 

「実は偽物?」

 

「皆ひどくないか!?」

 

 

 ルアンがすごい言われようをしたけど、確かにこれは名案かもしれない。

 

 僕も【ロキ・ファミリア】の人には知り合いがいるけど数人だけだし、【ヘルメス・ファミリア】に至っては誰も知らない。

 

 その場で対応と言われても、もしかしたらトラブルが起きる可能性が十分にあり得る。

 

 そう考えていると皆に紙とペンが行き渡った。

 

 

「よし、じゃあここは公平にこのアポロンが仕切り、不正の有無を確認しようではないか!」

 

「アポロン様、お願いします」

 

「では、皆書いたらここの箱に入れるように! また、1人か2人で過半数を超えたら、その人達は確定で、もう一回行うことで!」

 

「「「「「「わかりました!」」」」」」

 

「よし、始め!」

 

 

 外にいる者を除けば今ここにいる人数は72人。

 

 つまり、1人か2人で票が集中して、過半数を超えたら、その人達は確定でもう一回行い、残りの人数分を決める。

 

 さて、誰の名前を書けば…。僕はすぐには決まらなかった。

 

 悩んでいたら、他の人は続々と票を入れていた。

 

 早!? と思ったのも束の間、というか、あっという間に僕だけとなった。

 

 すぐに誰かの名前を書かないと…! と思った時。

 

 思わず自分の名前を書いてしまった。

 

 そしてそのまま提出してしまった。

 

 

「あ、しまった!?」

 

「はい、終了! やり直しはなしだぞ!」

 

 

 そして、アポロン様は箱を開け、紙に書かれた名前を読み上げ、集計していた。

 

 なんか僕の名前が多く読み上げられた気がする。他にはルアンの名前も多く、他はバラバラだった気がする。

 

 そして、アポロン様は集計が終わり、表が貼られた。

 

 

 

 

 1位 ルアン・エスペル 24票

 2位 ベル・クラネル  21票

 

 

 

 

 まさかの僕とルアンで過半数の票を取ってしまった。

 

 

「えええ!?」

 

「オイラが1位なのかよ!?」

 

「お前は言い出しっぺだからな」

 

「面倒だし」

 

「畜生オオオオオオ!」

 

 

 ルアンの1位はわかった。何か理不尽な部分もある気がするけど、今はそれで飲み込む事にしよう。

 

 でも僕が2位なのは一体何故!?

 

 

「な、なんで僕の票がこんなに…」

 

「おい、あいつ気付いてないぞ」

 

「ほほう、良い度胸じゃないか」

 

「団長があの時殴らなかったら、俺達が話を聞いた時に殴りに行っていた」

 

「お前の犯行はもうばれている!」

 

「ええええええ!?」

 

 

 

 僕に入れた人達は皆男性で、何やら怒りの表情を見せている。

 

 そして、犯行!? 僕が!? ま、全く身に覚えがない…。

 

 

「は、犯行って一体…!?」

 

「ふざけんなよ! 俺達に対する嫌味か!?」

 

「お前が俺たちを介護してくれた【戦場の聖女】の部屋で泊まったという話は聞いているんだぞ!」

 

「俺の初恋が!! 一瞬で!!! 無くなったんだぞ!!!!」

 

「これがお前に対する罰だ!! 『強制任務』を受けて、俺達に迷惑がかからない程度に散々な目にあって来い!!」

 

 

 もの凄い怒気で押されてしまった。しかも涙目で。

 

 僕の主張に全く聞き耳を持たず、それどころが物凄い圧力をかけてきた。

 

 下手な言葉をかけてしまったら何をされるかわからない。

 

 僕はそのまま押し黙ってしまった。

 

 カサンドラさん達女性陣は僕らの様子を見て白い目で見ていた。

 

 ダフネさんは何か考えことをしていたけど。

 

 ちなみにアポロン様は「そんな、ベルきゅんが!? 嘘だ!? まだ私が何もできていないのに!?」と滅茶苦茶嘆いていた。

 

 

 

 

 

 そして過半数を超えたため、1ヶ月前に館が修理され、再び同じ部屋の同居人となった僕とルアンは確定で、他の人を決めることになった。

 

 何か放心しながら紙を再び配るアポロン様をよそに、僕らを見て何かを考えていたダフネさんが挙手した。

 

 

「ウチが行くわ」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

「ど、どうしてダフネちゃん!?」

 

「だって、行く人が全員Lv.1になったら、流石にここの【ファミリア】の面目が立たないし、そう考えたら一人でもLv.2の人がいた方が良い」

 

「ダフネちゃん…」

 

 

 皆がダフネさんに感嘆していると、カサンドラさんも挙手した。

 

 

「わ、私も行きます!」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「カサンドラ!?」

 

「わ、私も回復魔法が使えますし、万が一の事があったら大変ですから!」

 

「戦闘があるかもという意味では確かにそうだけど…」

 

「なら、なおさら私も行きます!」

 

 

 

 

 そうして、アポロン様が何か魂が抜けた状態でありながら終わりを告げ、『強制任務』を受けてメレンに行くメンバーが決まった。

 

 この後、一応『ベルの初の冒険者依頼達成会』を開いて、リリとルアンを含めた三人で盛り上がった。

 

 そして、リリに事情を伝えてしばらくダンジョンに潜れないことを伝えた。

 

 

 

 

 

「そういえば、いつ出発何ですか?」

 

「明日の朝」

 

「早!?」

 

 

 

 

 

【アポロン・ファミリア】

ベル・クラネル

ルアン・エスペル

ダフネ・ラウロス

カサンドラ・イリオン

 

以上 4名  『強制任務』受託

 

 

 

 

 

 

 

 一方、【アポロン・ファミリア】が行くメンバーを決めている間。

 

 【ロキ・ファミリア】の屋敷では―――――。

 

 

「……」

 

「団長! 私に行かせてください!」

 

「私も! フィン、そうなんでしょ!」

 

「二人とも落ち着け」

 

 

 『強制任務』の通達をもらい、その内容が【アポロン・ファミリア】の物よりも詳しく書かれていた。

 

 その内容は、「【カーリー・ファミリア】がメレンにいる。おそらくオラリオのどこかの【ファミリア】とつながっている可能性があるため、調査を依頼する」と書かれている。

 

 これを知ったティオナとティオネは『強制任務』が受けられるメンバーに入りたがっていた。

 

 

(さて、どうする…)

 

 

 【アポロン・ファミリア】の館が崩壊されたとき、『宝玉』らしきものを探したが、やはり見当たらなかった。

 

 だが、アイズたちが『怪物祭』で見た物は恐らくその『宝玉』と呼ばれるものだとフィンは確信していた。

 

 そして、今回の『強制任務』の内容。

 

 まだギルド側は何かを隠している。

 

 親指の勘は働く。

 

 今回は彼女たちを連れて、自分も行けと。

 

 そして…。

 

 

「……わかった、君達もメンバーに入れる。ただし、僕も行く」

 

「団長も!?」

 

「後の人達は?」

 

「そうだね…。アイズ、ベート、レフィーヤ。君達も行ってもらう」

 

「わかった。武器も直ったし」

 

「おお、いいぜ。遠征がなくなって、丁度退屈していたところだ!」

 

「わかりました!」

 

「よし、これで決まりだ。他の者は留守を頼む」

 

「「了解!」」

 

 

【ロキ・ファミリア】

アイズ・ヴァレンシュタイン

フィン・ディムナ

ティオネ・ヒリュテ

ティオナ・ヒリュテ

ベート・ローガ

レフィーヤ・ウィリディス

 

以上 6名  『強制任務』受託

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、【ヘルメス・ファミリア】の隠れ家では――――

 

 

「おいおい、俺が帰ってきたばかりになのに、俺自身も受けろなんて、ウラノスは何を考えているんだ?」

 

「きっと、いつもの行いが災いとして現れたのではないですか?」

 

「団長、その可能性が否定できないよ」

 

「おいおい、アスフィもルルネもひどいぜ。まあ、勝手に君達を受けさせるようにしちゃったのは悪かったけどよ」

 

「それで、内容は何です?」

 

「ああ、それは【カーリー・ファミリア】とつながっているここの都市の【ファミリア】を嗅ぎ付けること。そして、【カーリー・ファミリア】が持ってきたものは何かを探す事だ。」

 

 

 

 

 

 

【ヘルメス・ファミリア】

神 ヘルメス

アスフィ・アル・アンドロメダ

ルルネ・ルーイ

 

以上 2名と1神  『強制任務』受託

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メレンの港に着港した船の中―――――。

 

 そこには、アマゾネスのみで支配されていた。

 

 

「やれやれ、港に着いたと思ったら、何か花があった変な植物が出てきたのぉ」

 

 

 そしてその中心には仮面をつけた幼い少女の姿をした神カーリーが寝そべっていた。

 

 

「あんなの、私達の相手にもならん」

 

 

 そこには、食人花を一撃で蹴り倒したLv.6の姉のアルガナ・カリフが退屈そうにしていた。

 

 

「………」

 

 

 そこには口を布で覆っており、無言でオラリオの方を見つめているLv.6の妹のバーチェ・カリフが佇んでいた。

 

 

「…………」

 

 

 そしてもう一つ、薄暗いところで、無言で徹しており、鎖で縛られて身動きができなくなっている男の姿があった。

 

 カーリーはオラリオの外壁を見て、それに話しかけ、感想を求める。

 

 

「6年ぶりに見るオラリオはどうだ? いや、正確には5年半か?」

 

「………」

 

「無視はさすがに傷つくなぁ。お主だって懐かしの顔があの都市の中にいるのだろう?」

 

「……!」

 

「おお、ようやく反応したか。しかし悪かったのう。お主と同行していた眷属達は皆、妾の眷属達に殺されてしまってのう」

 

「カーリー…!」

 

 

 眷属達の末路を目の前で見せつけられ、それ以来カーリーに対して怒りを面に出した。

 

 そんな様子を軽くあしらうカーリー。

 

 

「おお、怖い怖い。しかし、こちらまで名声が届いていた妾の懐かしの顔であるティオネやティオナの様子も一目見たかったがのぉ。あ奴らはどうしておるのかのぉ」

 

 

 そして、月の光がそこに差し込む。

 

 

「なあ、お主はどう思う? ヴィーザルよ」

 

 

 そこには、かつてベート・ローガが【ロキ・ファミリア】に入団する前に所属していた、【ヴィーザル・ファミリア】の主神ヴィーザルが囚われていた。

 

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